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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1061.  大魔神怒る 《ネタバレ》 
2作目のタイトルはなんと『大魔神怒る』。なんとなんと、1作目であんなに残虐に暴れまわったにも関わらず、あれでもまだ怒ってなかったのか? 何しろ今回は、武神像が木っ端微塵に爆破されちゃう。これじゃあ、怒るよね(でもまだ暴れ出さないのだ)。隣国からの弾圧は続き、何故か十字架にハリツケにされて火あぶりにされる藤村志保(魔女裁判か?)。そこに、バラバラになったハズの大魔神が湖から復活。十戒のごとく湖が割れ、憤怒の形相の大魔神が姿を現す。大魔神の両側を滝のように流れ落ちる湖水の映像、ん?大魔神両側で背景の映像がズレてるのは合成処理の甘さか? それはともかく、嵐の中、大魔神の怒りが炸裂する。銃で撃ってもびくともしない大魔神。石垣を突き崩し、錨攻撃(?)にもめげず、暴れまわる大魔神。待ち受けるダイナマイト(?)。変身前にはバラバラにされたが、今度はいかに?(一度は粉砕されたくせに、性懲りも無く火薬の山に足を踏み入れるとは、学習能力が無いというか、自身過剰というか。いいぞ大魔神!) ラストは湖上でミサイル攻撃まで披露する大魔神。カッコイイ・・・・・・いや、ちょっとやりすぎですね。大魔神のおかげで、平和が戻った村。湖に沈められた鐘の音が湖底から鳴り響く(ちなみに、琵琶湖の湖底では今でも謎の鐘の音がホントに聞こえるらしい、のだ。↓ワタシもあの島は竹生島だと思いました)。
[地上波(邦画)] 8点(2007-04-28 18:33:22)(笑:1票) (良:1票)
1062.  ディープ・ブルー(2003)
子供の頃からのユメ。潜水具つけて海底をテクテク歩いて、太平洋横断とかしたら、スゴイだろうなあ、と。こんなヘンテコな生き物や美味しそうな魚に囲まれて、ウヒョウヒョ。基本的にこういう映像を観るのは大好きなので、無条件に嬉しくなってしまう作品。スローモーションやら早回しやら、後付けの効果音やら大袈裟な音楽やら、いかにも「狙ってる」みたいな感じが多少ヤな感じ、「自然」を「不自然な」見せ方で喜んでる、という面は確かにありますが。しかしまあ、これは、「自然のあるがままの姿」、というよりは、それを人間が「観る」ことを前提にした、「驚異」とか「脅威」とかを表現した映画ですね。「コワイ」「キモチワルイ」「キレイダナア」「コレハビックリ」とかいう素直な感覚、そして、それを「観る立場」という体験。さらにはご丁寧にも説教くさいナレーション。うーむ、アレコレ書いてると、だんだんダメな映画のような気がしてきましたぞ(笑)。まあ、ひとつの貴重な非日常体験としての映画、ということで。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-15 19:11:02)
1063.  父と暮せば
映画の題材からはそぐわない感想かも知れないけど、観終わって、「ああ、面白かったなあ」と思いました。いや、面白いと言うよりは、一種の充実感、なんですけどね。映画は殆ど、原田芳雄と宮沢りえのやりとりで綴られる。しかもこの会話、ボソボソと続く上、方言がきつく、はっきり言って100%は聴き取れない。でもいいんだな。「会話をしていること」そのものの楽しみ。会話ばかりじゃない、例えば宮沢りえが似顔絵ウチワで昔話の練習をする、一人語りの場面。実にしっとり描かれて、引き込まれる。はたまた、時に朴訥とし、時に強烈なパワーを放つ、原田芳雄の語り。街は廃墟と化し、無数の人々が命を落とした戦争、その一方で、この二人だけで紡がれる小宇宙。何か、いいなあ、と思ったよ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-27 23:08:55)
1064.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
どうにも単調で、観ててなかなか興の乗らないシリーズ、と思ってたら、いやいや、この第3部が、実はオモシロイ。←というか、すでにこの映画の語法に、幸か不幸か慣れちゃったからね~、あとは意地でも楽しむしかない、という心境にもなろうもんだけど。退屈な第2作の鬱憤を晴らすべく、戦闘また戦闘のオンパレードに、とりあえず大興奮。ホントはこれを、CG抜き・膨大なエキストラの物量作戦でやって欲しかった気もするけど・・・。それにしても、苦しかった長旅のひもじさを全く感じさせないショーン・アスティンの肥満顔、ってか。『グーニーズ』が懐かしゅうゴザイマス。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-02 22:51:22)
1065.  トムとトーマス
世に言う「話題作」ってのはつまり、「たまたま宣伝に力を入れた作品」っつう意味であって、別に、とりわけオモシロイ作品という意味でもなければ、とりわけ完成度が高い作品ってわけでもない。「話題作」ばかりを追いかけるのって、王道かなと思いきや、実はむしろ、映画世界の辺境をひっそりと生きているに過ぎないのかも知れんのです。有名だろうと無名だろうと、完成度が高かろうと低かろうと、難しいことは抜きにして、とにかくオモシロイ映画を観たい! というそこのアナタに、まさにうってつけなのがこの映画。騙されたと思って観てちょ(何だ、結局騙してるのか)。離れ離れに育った双子、という、いかにもアリガチな設定、しかも何やらテレパシーもどきで二人が結ばれてるってのがベタベタ。それでもこれを陳腐に見せないウマさ。ミラーハウスでの意表を突く出会い、とか、二人で共謀して周囲を騙すワクワク感、とか。そういう、稚気と才気が混じりあった、愉快な展開の前半。子供も楽しめるファミリー映画だと思ってると、後半はドキドキハラハラの展開、子供には少々刺激が強すぎるかもしれない程のサスペンスで、結構、容赦が無い。大人も楽しめますヨ。ご家族で、どうぞ。
[DVD(字幕)] 8点(2007-02-21 23:21:43)(良:1票)
1066.  ブリット
なぜか、テレビで放送しているのを見るたびに途中で寝ちゃう映画、ってのがありまして、なぜかなぜか、この『ブリット』がその一本、だったりしたのです。ちなみに、他には『スピード2』とか(笑)(←コレは寝てもしょうがない)。このブリット刑事、スーパーヒーローと呼ぶには少々不甲斐なく、何かと後手後手にまわってしまう。でようやくアノ有名なカーチャイスの場面でスーパーヒーローぶりを発揮してくれると、何だか安心してしまい毎回ワタシはそこで寝てしまう、という展開。しかししかし。眠くないときに観れば、これが実に面白い(眠い時にばかりこの映画を見てたのか?)。いや、面白いと言っても、ヒーローが人間離れしたアクションを披露したり、気の合う仲間の刑事と軽口叩き合ったり、とかいうタイプの面白さでは無くて、何か、雰囲気からにじみ出てくるような、ハードボイルド風味の魅力。ストーリーの進行そのものに直接関係しないシーンを、敢えてじっくり見せてくれることで、雰囲気が出るんだねえ。バーで演奏するバンドの姿。フルートに照明がキラリと反射する。あるいは重傷者を手術する場面の緊迫感。ブリット刑事がスーパーで買物する場面の緊迫感、じゃなくて、ユーモアと哀愁のようなもの。そういう、ちょっとしたシーンの積み重ねが、映画の味わいを深めていて、むしろ沿う考えると、カーチェイスシーンこそが現実離れして突拍子もないわけで、この映画に一番不要なシーンかもしれない。でもカーチェイスは、無いよりもあった方がよいのは当然だ(←なぜか断言)。というわけで、派手さは少なくとも、この丁寧な作りこそ、ハードボイルドの魅力だなあ、と改めて思うわけで。そしてプッツリ途切れてそのまま日常に埋没するような、しゃれたラスト。ああ、ワタシはこのラストをいっつも見逃していたのだなあ、と思うと、自分に対して沸々と怒りが湧いてきたり(『スピード2』は、無事完走したときにも何の感慨もなかったけどね)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-04 22:55:09)
1067.  ロンリー・ブラッド
いやあ、実話ってのに弱いのよね(←こればっかし)。と言っても、ここで描かれているような事件を、もし実際にマスコミ報道で目にしていたら、「ったく、どうしようもない連中だなあ」「まさに、この親にしてこの子あり、だよな」程度の感想しか持たずに、やがて忘れ去ってしまうような事件かもしれない。しかし、↓【やましんの巻】様も仰るように、これこそが、現代における“悲劇”なのでしょう。“悲劇”が何故哀しいか、それは、人間が“運命”に打ち倒される姿、押しつぶされる姿を描いたものが、“悲劇”であるから・・・。確かに、主人公のブラッドも、決して感心できるような人間ではない。けれども、そもそも「子は親を選べない」という事実、人間の意思を超えて“運命”の皮肉。我々の誰もが逆らえぬ(しかし逆らおうともがき続ける)“運命”が、彼の人生には一際暗い影を落としている。醜悪な事件の顛末と、背景の素朴な風景のギャップが、運命の残酷さを浮き彫りにし、ラストの一言のとともに切なさを際立たせます・・・。しかし。ショーン&クリストファー・ペンで実際に兄弟役を演じるなんて、やりにくかったんじゃないかねえ。ま、これも運命、ですかね(ついでに、祖母役のヒトって、実のお母さんでしたっけ?)。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-21 08:16:13)(良:1票)
1068.  マッハ!!!!!!!!
新しいタイプの宗教映画ですな。あんだけバシバシ大格闘して、さらには「死ぬのは自分だけでいい」と命を投げ出して敵地に赴く主人公、その目的は「盗まれた仏像を取り戻す」。まさに信仰心のカタマリですね。この映画、出来不出来で言うと、だいぶヒドイんですけどね。例えばトランプでイカサマする場面、カメラをあちこち振り回して、いかにもイマ風の映画っぽく演出しているんでしょうけど、肝心のトランプにフォーカスを合わせられずボケボケ(ってか、フォーカス合わせる気、最初っから無いだろ)。家庭用ビデオの方が、オートフォーカスでよっぽど上手く撮影できまっせ。というわけで、細部には何の配慮も感じられない映画ですが、それでも何でも、やっぱり圧倒されちゃう。それはただ一点、「映画のために、ここまで体を張るのか」ということ。明らかに、やり過ぎです(笑)。この方向にはこれ以上、深入りしない方がいい(笑)。老婆心から、忠告しておきます(笑)。アクションシーンを別アングルから何度も見せるのも、映画としては反則だとは思いますけど、確かに別角度からも観てみたい誘惑に駆られるのも事実(笑)。でもしつこい(笑)。まあ、たまにはこういう映画を観るのも、刺激にはなってよいかもしれない。一言で言えば、「要するに宣伝がウマかった映画」、ではあるけれど、騙されても悪い気はしないし。ただ、せっかくアクションで早回ししないんだったら、他のシーンでもしなくていいよ。あと最後に、もうひとつ感じたこと、「どこの国でも、カワイコちゃんは可愛いし、悪者はワルそうな顔してるなあ ⇒ でもノンプラドゥ村のオッチャンオバチャンの表情はいい味出し過ぎ、まさに特筆モンだ」
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-16 23:46:03)(良:1票)
1069.  ミュンヘン
ネタ的には、テロリストをやっつけるという、勧善懲悪的な娯楽作品として始まるこの映画。実は「人狩り」という、極めて残酷でありながら極めて普遍的な「楽しみ」、であります。しかしその先に待っているものは、先の見えない泥沼であり、果てしない徒労感。主人公にとって最後に残された拠り所は、家庭、なのですね。この「家に帰る」、ということが、個人レベルでも、民族レベルでも、本作のテーマの一つであるように思います。イスラエル建国という、一種の帰郷。しかし、その結果生み出されたものは、際限の無い争いと憎しみ。世界中に散ったユダヤ人にとって心の拠り所となってしかるべきイスラエルという国家は、彼らの想いをよそに、暴走を続ける。この「失われた故郷」という哀しみ・・・。いや。この映画に託されたものは、さらに普遍的なもの、もっと個人的なものなのかもしれない。かつてはスピルバーグも希望も野望も持った一人の映画青年だったはず。そんな彼も、もはやハリウッドの中枢に取り込まれ、彼の映画製作自体が大きな経済活動となり、その一方で、映画の中での「発言」もまた、とてつもなく大きな反響・批判にさらされることになり、不本意な闘争にも巻き込まれてしまうことになる。そういう「失われた無邪気さ」、あまりにも社会的な存在になってしまった自分の、「個」へと帰ることのできなくなった哀しみ、すらも、この映画にこめられているのかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 14:00:47)
1070.  サブウェイ・パニック
閉鎖空間である地下鉄なんかジャックして、どうやって犯人は逃走しようってのか、それを考えると夜も寝られなくなっちゃう、というわけで春日三球を不眠に追い込みそうなテーマの作品。ジョン・ゴーディの原作に骨子は沿っているものの、映画化によって「大化け」したように思います。いや勿論、原作も結構楽しめる作品ではありますが、もしかしたら「ちょっと奇抜な発想の小説」というレベルで埋もれてしまっていたかもしれない。カットバック的構成の多用で「映画的」描写のこの小説を、むしろ派手さを抑えてドキュメンタリ風味の映画に仕上げたのが実にうまく、小説的ウンチクなども削ぎ落として、着々とすすめられる犯罪の緊迫感をよく表しています(実際の時間と劇中の時間がほぼ同時に進む)。暗く静かな地下鉄と地上の騒動。タイムリミットからくる緊張感と、犯人やW・マッソーの何やら暢気な表情。それらの対比のうちに、やがて迎えるクライマックス。イキな映画、ですな。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 12:55:43)(良:1票)
1071.  ボーン・アイデンティティー
「逃げる」ということに特化した面白さ。物語の背景には確かにナゾやら陰謀やらが張り巡らされているんだけれども、この際どうでもよくて(実際、あんましピンとこない)、「逃げる」という行為の面白さ、ただそれだけが映画全編にみなぎっています。主人公の身体能力やら、ちょいとシャレたカーチェイスやら、見せ場には事欠かない。マット・デイモンは、顔さえ写らなければホントにかっこいいんだ、ははは。ラスト、主人公が単身敵に立ち向かうのは、ほとんどツケタシみたいな感じで無理がありますが、いやいや、こういうファンタジックな展開こそ、この映画に相応しいといえましょう。“論理”や“現実味”の整合性ではない、映画ならではの整合性。なかなか出色の作品でした。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 11:11:43)(良:1票)
1072.  サラマンダー
一番肝心な点(と普通なら期待してしまう点)である“世界の滅亡”を、「雑誌の表紙」で表現してしまうという恐るべき手抜き、いや違った、驚くべき割り切り、この白々しさが、実に潔い。そういうところはスッ飛ばして、いきなり登場する廃墟。生き残った人々の日陰の生活。竜のいる日常。荒んでいるようでいて、どこか牧歌的。まさに映画はこうでなくては。いや、別にこうでなくてもいいんだけど(笑)。理不尽でかつ明確なルール(あるいは世界観)がある、これこそがファンタジーらしさ。印象的な光景の数々、観終わってから様々な光景が脳裏によみがえる。竜の飛翔シーンの心地よさ。竜と廃墟と近代兵器、という得体の知れない組み合わせ。砦に襲い掛かった竜が炎を吹きかける光景は、さすがにキマりすぎてちょっと節操が無い気もするけど、なんだか絵本のヒトコマのようでもあり、これはこれで魅力的。一見、折衷的な映画に見えてしまうかもしれないけど、どうしてどうして、こういう味わいはなかなか出せないもんです。
[DVD(字幕)] 8点(2006-12-20 23:24:16)(良:1票)
1073.  カリガリ博士
若者とオッサンの会話で始まる冒頭、いきなり「ワシは亡霊のせいでヒドイ目にあったわい」とのたまうオッサン。そこに、これまたいきなり、亡霊のごとく生気のない女性がフラフラ~と現れる。げげっ、気味悪いな~、と思ってたら、若者いわく「彼女、オレの婚約者なのよ。彼女とオレは、アンタよりもヘンテコな体験したのさ」、だそうです。わはは。どんな会話やねん。しかし確かに、彼の語る物語としてのこの映画、奇妙キテレツなセットの中で容赦なく幻想的物語が繰り広げられ、目を白黒させてしまう異様さ。と同時に、この不思議なセット、「あ~カラー映像で観てみたいな~」という気がしてしょうがない。でもきっと、カラーで観たら幻滅するんだろうナ。この映画の不気味さというものは、おそらく、時代を経たモノクロのキチャナイ映像、これ自体が、実は大きな効果を発揮しちゃってるんでしょう。はるか昔に作られた映像、という隔絶感。それも、「単に“昔”を記録した映像」などではない。まさに、我々の決して手の届かない大昔、とっくの大昔に、こんなモノが作られてしまっている、という、その事実そのものの驚き。精緻に作りこまれた古代遺跡のような、いわば“オーパーツ”のごとき存在感、そしてそのような遺跡を現に目前にしながら、なおも感じる、遥かな距離感(そういや、遅ればせながら『神々の指紋』読んでるんですけど、記載されてるネタが古いですね、このテの本、高校の頃だいぶ読みましたよ・・・←って映画と関係なーい)。時代の重み。こういう類のオドロキと感激を与えてくれる映画は、もはや作ることはできないでしょう。タイム風呂敷を使っても無理でしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2006-12-14 23:46:04)
1074.  ミニミニ大作戦(1969)
金塊強奪大作戦! と言っても、映画から感じるのはハラハラ感でも無ければ、ドキドキ感でもない。ただただ、圧倒的なるワクワク感! 何しろ、一体何をしようとしているのやらイマイチ要領を得ない、断片的な描写が、パッチワークのごとく綴られていきます。だけれども、トテモ楽しそうに何かを企んでいるらしいことだけは、ヒシヒシと伝わってきますね。この映画、まさに「自信たっぷりに撮りまくっている」という、余裕が感じられます。そしていよいよ現金強奪、これがまた、さらに輪をかけて断片的、気がついたらクルマが妙な場所を走り回ってる、これがホントにとんでもないところばっかし、何のためにそんなところを走っているのかも不明。しかしアクロバティックで、観ててやたらと楽しい。無意味に風光明媚、無意味にクルマを壊す。意味も無く出てくるギャングどもは意味も無くギャングっぽい格好をしてたり。ラストも何ともトボケてます。というわけで、あたかも、朝起きて「あー何だか楽しい夢をみたなあ」と感じる時のような感慨。夢を見ている間は、夢の支離滅裂さに気づかないで、妙に納得、妙に楽しく感じる、あの感じ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-12-12 22:52:25)
1075.  シンデレラマン
大恐慌を背景に、不遇の時期を乗り越えタイトルマッチに挑む、とあるボクサーの話。ボクシングの歴史において、タイトルマッチに挑もうというほどのボクサーであれば、この主人公よりも余程ドラマチックで数奇な人生を歩んだ選手も多いはず。まさに何と言うこともない「とあるボクサー」の話、です。では、なぜ、そんな物語のこの映画が、これほどまでに我々を興奮させるのか。それはまさに、彼が超人でもなんでもない、「ふつうのおやぢ」であるから。第一に愛する家族を養うこと。そして第二に自分の夢を追いかけること。彼は我々と等身大の存在。確かにボクシングという彼の職業は、とりわけ危険で命がけの職業だけれども、まさに彼自身が述べている通り、働いて家族を養うということに関しては、誰も彼もがなにがしかのリスクを払っており、明日が保証されているわけではない。事故に遭えば、病気になれば、家族はどうなるのか(←イカン、だんだん泣き言めいてきた)。そんな自分を支えてくれるのもまた、家族なんですな。というわけで、この映画では、大恐慌の悲惨さは必ずしも強調されていない。むしろ、家庭内の光景は、人物を中心に光が当てられた深みのある映像、暖色系の色調により、家庭の暖かさのようなものが感じられ、映画全編を貫いています。それだけに、まばゆいばかりの光に照らし出されたボクシング・キャンバスと、そこにひとり立つオヤヂの姿が、強烈に印象に焼きついて我々を魅了するのです。
[DVD(字幕)] 8点(2006-12-09 10:35:38)
1076.  ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
普段着のままで彷徨う雪の森。これがいい。CGでこんな表現が可能になったんだあ、と改めて実感。本当の雪山でこんな格好ではとてもいられない。これこそがまさにファンタジー世界。一方では“はく息の白さ”によって雪の冷たさも表現されており、そこにはファンタジーなりのリアリティもまた存在しています。また、登場人物ならぬ登場動物たちのリアルさにも、好感が持てます。動物が人間の言葉をしゃべる、という非現実性にも、簡単に溶け込めてしまう。それに何よりも、キャラが覚えやすいという、このワカリヤスサ。まさに大人から子供まで楽しめる映画、ですね。やがて春が訪れ、視野が一気に広がってくる爽快感。アスロン軍のキャンプ地にはテントが並び、旗が風になびいてパタパタはためいている。このシーンが何よりも良い! 旗ははためいてナンボ。どんなスペクタクルシーンよりも、こういう光景の方が何か心に残るものがあるのよねん。そしてクライマックスの戦闘シーンへ。魔女さま、かっちょいい! どこまでもついていきたくなっちゃいますよ(最初見た時は頭にヘンなトンガリをつけてて「あんた、オーロラ輝子か?」と言いたくなりましたが)。悪女の魅力が炸裂してます。まさに、オジサンから子供まで楽しめる映画、でしたね(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2006-12-07 09:30:26)
1077.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 《ネタバレ》 
例によって冒頭は夢の場面。またも時代劇だが今回は舞台のお芝居。主人公の寅さん、大見得切ってカッコいい。さらに芝居が盛り上がってくると、何とBGMに流れるは、幻想交響曲の終楽章!なんちゅう思い切りの良過ぎる選曲。いやいやその前に、これって寅さんの夢なんだよ!?いくら私がクラシック音楽が好きでも、まだ夢の中でベルリオーズが流れたことはありません。寅さん、参りました、私はまだクラシックファンとしては半人前。しかし引き続く主題歌の場面になると、今度は「矢切の渡し」に「特別出演:細川たかし」が現れて小芝居をするという、ベタベタ演歌ネタが登場。すごい世界観の映画だ(笑)。この後も全編、クラシックと演歌で彩られた映画になってるわけですが、特にこの「矢切の渡し(連れて逃げてよ~)」が物語の重要なモチーフになってます。新潟で寅さんと「佐渡の渡し(?)」に乗り込むマドンナ、演じるはミソラ・・・・・・じゃなかった、都はるみ。役名は京はるみ。ははは、ナメとんか。有名歌手である彼女、別世界に生きる彼女の、逃避行が描かれます。彼女が行方不明になり大慌ての所属事務所(手持ちカメラがズンズン迫る場面など、寅さん映画らしからぬドキュメンタリタッチ)。一方、寅さんとはるみは佐渡でのんびり。民宿・呉作のノスタルジックな調度、宿の婆さんの「どこでも好きな部屋に泊まれ」というアバウトさ。うーん、いいねえ。和む二人。寅さんだけは、彼女をスターではなく、一人の女性として見ているんだね。しかし彼女は事務所に見つかり、帰ってしまう。後に彼女はとらやを訪問し、二人は再会するのだけど、彼女見たさにとらやに人々が殺到。寅さんは彼女との立場の違いを思い知ることになる。とらやの二階にポツリと取り残される階段に背を向ける寅さんを、畳スレスレのカメラが捉え、画面の端には湯呑みが転がっている。ナゼ転がっているのかは判らない。ただ、それはあまりにも寂しく切ない光景で、まるでその湯呑みは寅さんの分身のようにも思えたり。ラスト、静かに柴又を後にする寅さんには、さくらにもどうすることもできない孤独感が溢れており、胸に深く突き刺さるシーンです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-11-12 22:06:01)(良:3票)
1078.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 
この頃にもなると、渥美清も、寅さん役がキツくなってきてたのか、派手なパフォーマンスが見られなくなってきてますが、その点、本作は、「寅さんが僧侶見習いになっちゃう」という設定が実に秀逸。あんまり動かずに笑いをとる、ということに成功してます。博の父・ウン一郎氏の墓参りに来た寅さん、墓石にシンミリ語りかけ、ホロリとさせる場面ですが、その後がイケナイ。ひょんなことからナマグサ坊主と意気投合、しかも坊主の娘が美人とくれば、もう寺にすっかり居座ってしまい、坊主の代理で大活躍。諏訪家の法事に、坊さんに付いてノコノコやってきちゃう。これが可笑しいのなんの。博が実兄を「兄さん」と呼んだのに寅さんがウッカリ返事しちゃうシーンには、大笑いしてしまいました。これと似た場面がもうひとつ。本物の坊さんと共に諏訪家にやってきた僧侶姿の寅さんに、「おじさんだ!」と満男だけが気付く場面があるが・・・これは本当に寅さんを見て「おじさんだ」とつぶやいたのか?もしかして、ホンモノ僧侶役の松村達雄の方を見て、「あ、2代目竜造おじちゃんだ」と指摘したのではなかろーか?(笑)。ってか、てめーだって2代目満男だろうが、と、つい、つっこんでしまう。←こんなことばっかし言ってると、それこそ竹下景子に「そこまで考えなくても」と突っ込まれそうですが(笑)。ところで、この映画の物語、実に何も解決していないお話であります。諏訪家の遺産騒動に始まり、松村坊さんも息子とギクシャク。息子・中井貴一は勘当されたまま、東京で冴えない暮らしを続け、杉田かおるとの長距離恋愛もこの先どうなることやら(いずれ結婚しても飛び蹴りくらうだけ?)。そんな中で比較的うまくいきそうなのが、寅さんと竹下景子の関係。いやいやそう上手くはいくまい、しかししかし・・・と宙ぶらりんのまま、別れの柴又駅。ここでの2人の関係の微妙な揺れ動きは、まさにサスペンス映画と言えそうな程のドキドキ感、しかしやがて電車が着き、彼女は乗り込み、ドアが閉まり、あっさり電車は去っていく! この無情さ! 哀しい別れに、おもわず「あー」とつぶやいてしまいました。一方、諏訪家の騒動も、亡父の生家を売り払うという現実的な選択に終結しますが、それを補うごとく、「なんと博が、遺産をタコ社長の工場に投資しちゃう」という、現実離れしたファンタジックなオチ。うーむ、博、次期社長の座を狙っているのか?
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-25 22:37:10)(笑:4票)
1079.  男はつらいよ 翔んでる寅次郎 《ネタバレ》 
このシリーズ、ワカリヤスサが売り、という部分があり、状況説明のセリフが必要以上に入ってしまって、「今のセリフは無くてもよかった(無い方がよかった)のに」と思ってしまうことがあります。しかし一方、それを補うかのように「観る面白さ」を全面に押し出した場面、というのが盛り込まれていて、その代表がやはり冒頭主題歌の背景に流れる、寅さん帰郷のシーンですね。特にこの本作、サイレント時代の喜劇映画を思い起こさせる、久しぶりに活きのいいドタバタを展開してくれます。このドタバタを、“一歩引いて”撮る。という「一歩引いた感覚」、コレが、本作は、全編にわたってしばしば見られます。前半の、北海道の雄大な自然を捉える場面などのロングショットもそうですし。それに、何と言っても、一つの画面の中で複数の物語が同時進行する場面が頻繁に見られるのが、目を引きます。画面手前においてある会話を捉える一方で、画面奥では別の会話が始まっている。そのようなシーンが、意識的に多く取り入れられているようで、何だか実験的なニオイすら感じられます。そしてこのニオイが、クライマックスでしっかり活かされていたりする。クライマックス、最後は寅さんが失恋して旅に出る、というのがいつものパターンだけど、本作では寅さんは予想に反し、柴又に残り、マドンナの結婚披露宴に出席します。この披露宴の席で、宴が進む中、画面奥にマドンナの母親がひっそりと現れる、という、例の「同時進行」のパターンが登場。これにより、感動がさらに盛り上がります。失恋相手の仲人役というつらい立場の寅さんも、この素敵なラストには、まさに柴又に残った甲斐があったというもの。さらに最後は大サービスで、新郎・布施明が歌を披露するというオマケつき、「素人のくせにウマすぎるだろ~」なんて、言いっこなし。こういう楽しさもまた、いいじゃないですか。というわけで、伏線による統一感と、物語の爽快感が、心地いい映画でした。ところで、桃井かおりの花嫁姿、何だかコワかったですねえ。やっぱり、何か特殊メイクでもして、あのコワさを出したんでしょうねえ。まさか本当にあんなコワい顔なんじゃあ、ないでしょうねえ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-18 23:02:21)(良:2票)
1080.  レ・ミゼラブル(1998)
ええと、スミマセン、原作未読、ああも長いと、読むのに躊躇してしまいます。で、ついつい、こういう「適当な長さにまとめた映画」ってのに頼ってしまうのです。ホンマにスミマセン。「読むのが面倒だから映画を観よう」ってのは、我ながら情けない。しかし、この映画、そういう不純な動機を差し引いてもなお、観た甲斐がありました。実に雰囲気がよく出ており、まるで当時にタイムスリップしたかのような気分。さらに劇的ストーリーをこうサクサクと纏めてくれるのでは、目の離しようもなく、しっかりトリップさせてくれました。いや、ちょっとサクサクし過ぎな気もしますが、それでも、印象的なラストがしっかり映画を締めてくれます。ところで。葬列の場面で楽隊が演奏している曲、これは、ベルリオーズの「葬送と勝利の大交響曲」ですね。舞台となっている年代、1832年でしたっけ(?)、にこの曲が演奏されるハズはないのですが(作曲1840年)、「それでもこの曲がこの場面で選ばれている」、といこと。歴史考証という客観的必然からではなく、それを超えてでも、あくまでこのシーンにはこの曲が相応しい、と製作者が選択したことは、意識の片隅に置いておいてもよいかもしれません(とは言え、革命追悼のために作られた「関連曲」ではあるので、ちょっとベタな選曲、かもしれませんが)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-10 22:21:03)
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