101. EX MACHINA/エクスマキナ(2007)
今回も前作同様、スピーディーに話が進み比較的、展開も明快で最後まで面白く観れました。ただ同時にあっさりしすぎている感じもしました。主役以外は声優さんが総入れ替えで前作のブリアレオス役の小杉十郎太さんは父性的な声でデュナンを優しく見守る雰囲気があり、これはこれで素敵でしたが。今作の山寺宏一さんは少し若いお兄さん的になり恋人のデュナンとより近い感じを受けて良かったです。そして前作とは格段に美麗になったCGキャラの進化は驚くばかりです。でも顔の細かい感情の変化はいまいちこちらには伝わって来ない気がしました。故に何だかあっさりした印象が強まったのでしょうか・・。 味のある手描きのアニメキャラの良さも改めて気付きました。 [映画館(邦画)] 7点(2007-10-21 16:24:22)(良:1票) |
102. ディパーテッド
《ネタバレ》 オリジナルも良かったですがこちらも楽しめました。 オープニングの『ギミー・シェルター』が流れるシーンは揚がってしまいます。 スコセッシの容赦のない暴力シーン、ラストへ畳み掛ける殺戮に背筋を凍らせながらも見入ってしまいます。二時間半の長丁場を飽きさせないパワーは流石でした。 ただジャック・ニコルソンは相変わらず圧倒的な存在感ではありますが。そういう人が必要以上に出過ぎな感じがしてどうかと思いました(出番を増やす事で出演オーケーしたとか・・) あとスコセッシがようやくオスカーを獲ったのは良かったですが、これより素晴らしいスコセッシ作品はいくつもあるのに今までやらなかったアカデミー賞に不快です。 [映画館(字幕)] 7点(2007-10-18 19:07:20) |
103. アポカリプト
《ネタバレ》 一見、マヤ文明が絡んだ小難しい学術的な映画と誤解されているという記事を見たことがあるが、実はとても単純明快な娯楽アクション大作。 生身の肉体を駆使したアクションは思わず力が入って見入ってしまう。 特に一番のクライマックスといえる深いジャングルの中での逃走劇の疾走感、緊迫感は大したもの。 その反面、村の襲撃シーンや生贄シーンでの容赦のない殺戮場面はかなりエグめで他の観客とか嫌悪感を表す声とか聞こえたが私はそれよりも展開の面白さに惹きつけられてあまり気にならなかった(冒頭のあるシーンにはちょっとウゲっと思ったけど・・) 完全末期のマヤ文明国家の退廃ぶりを表すシーンも圧巻でとても見所の多い映画と思う。 ラストで主人公がやっと家族と再会できた後に目撃する新たな『略奪者』の出現を匂わせて、ただのハッピーエンドにさせない感じも好きだったりする。 足を運んだ劇場では正直、ガラガラなのが悔しい・・某超大作続編映画より面白いと思うのに・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-06-17 17:43:50) |
104. 300 <スリーハンドレッド>
《ネタバレ》 上映時間は2時間、体感時間1時間とあっという間に終わってしまいました・・ 物語が中盤にさしかかってまるで起承転結の『起承』の後の『転』にさしかかった所で終わった感じでラストは少し拍子抜けした程です。 話の展開的にはドラマらしい所はありますが基本的には添え物扱いでストーリーも実は平坦。 でもあの圧倒的映像世界と暑苦しさと美しさ満載の血飛沫舞うド迫力の戦闘でそんな細かい所は吹っ飛びます。 あーあーもっとあの映像を味わいたかったなぁ・・上映後の心の感想の第一声『まだ足らねぇよ!!』 [映画館(字幕)] 8点(2007-06-10 14:11:30) |
105. 大日本人
《ネタバレ》 冒頭から大日本人にインタビューするシーンがやたら長く『あれっ?』と思いました。 後半あたりから『ごっつええ感じ』のようなコント展開になっていき 脳裏をかすめたのは『あれ?これは映画か?』という言葉です。 大スクリーンの写る壮大なコントに見えました。 でもこれを映画として見ていいのかどうか、とても疑問・・困った一作とも言えます。 (これより追加) 二回目鑑賞。びっくりするくらい笑えなかった・・ただ退屈。 やはり初見の時は大勢の観客の中の笑いの雰囲気に呑まれてしまったのだろうか・・ 一人で冷静に観ると『殆どスベってるこの映画・・』と思えてしまう。 ちなみに『ごっつ』のコントは大好きです。 [映画館(邦画)] 3点(2007-06-04 23:00:35) |
106. ファーゴ
頭の悪いバカ二人が短絡的殺人が繰り返されるのに全体的に淡々としていてのどかさすらも感じてとても不思議な映画ですね。 壮大なドラマ、サスペンスを期待すると肩透かしを食らいます。 役者達がとにかく素晴らしい。 主演のフランシス・マクドーマンドの妊婦の署長の庶民的な匂い全開ながら鋭く事件の核心を突いてみせたり絶品です。 オスカー受賞も納得。情けない、頼りない首謀者のオヤジのウィリアム・H・メイシーの 演技に個人的にオスカーやりたい気分です。 最初はすっげー物足りなさを感じたのですが段々と好きになった作品です。 [DVD(邦画)] 8点(2006-04-09 16:13:31) |
107. ミュンヘン
報復から報復を生む不毛な循環が続き一から十までとにかく救いがないのに物語がテンポよく進んで2時間40分、飽きずに観れてしまうのが逆にタチが悪く頭が痛くなった。 意味深な場所での曖昧なラストシーンは『あなたはどう思う?』とスピルバーグからここで観客に問う感じが暗澹たる気分に浸られた私には腹立たしい程、鬱陶しい・・うるせーんだよ!! やっぱり社会派スピルバーグは嫌いだ。 [映画館(字幕)] 5点(2006-02-12 20:44:31) |
108. TAKESHIS’
何かとても困った映画でした・・北野映画最大のオナニー映画、支離滅裂、意味不明、理解不能、無意味拳銃ドンパチ・・どう表現していいか私の足りないクソ頭では無理なようです。こういうのは一度ではなく何度も見て体感して味わう映画なのでしょうか?展開的に何度も体感したいという気が沸いてこない退屈さでしたので残念です。京野ことみのヌードまで見せた熱演が報われるのか心配になってきました。北野映画のファンですが今回、作品を見て初めて「こりゃねーだろ・・もう早く終ってくれ」と思ってしまいました。興行的に大コケも納得です。監督本人はさぞ楽しかったんだろうなァ・・ものすごく無理しても何度か観れば評価が変わるかもしれないですが今の所はこの評価にさせて頂きます。 この映画を楽しめた方、評価できる方、理解できた方が羨ましいです。 [映画館(字幕)] 2点(2005-11-07 02:02:35)(良:1票) |
109. 真夜中の弥次さん喜多さん
前半は破天荒なノリも楽しめたけど、中盤からだんだんダルダル感が強まり後半はもう退屈に感じてしまいました。某誌では絶賛されていましたので少し期待していたのですが、私にはダメでしたどうやらクドカン世界にはのめりこめないようです。本当は4点にしたいですが長瀬、中村の熱演が救いのような気がするので5点にしておきます。 [DVD(吹替)] 5点(2005-10-23 14:56:58) |
110. WATARIDORI
鳥が飛ぶ姿を同じ高度で見たアングルはさすがに素晴らしいですが、延々と飛んだり、休んだり映像の繰り返しで飽きます。10分見れば沢山です。 ただ「このアングルで撮った鳥」を見せたいだけの映画にしか見えないし、たまに味付け程度に文明批判を垣間見せる展開はわざとらしくて引きました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2005-06-27 19:42:15) |
111. ココニイルコト
こういうのはかなり苦手ですが、思ったより雰囲気は悪くなかったです。ジワッと染み込むシーンもありましたがやはり私にはクサく感じて耐えられない所があったのも事実。 堺雅人のキャラは割りと好きだったりしますので救いでした(でもああいう結末にする必要があったのか疑問ですが) 最大のマイナスは真中瞳の存在感、演技力のどうしようもない薄さ。どうして主演をはれる女優になっているのか見ててとても謎です。演技の学校から勉強し直せといつも言いたくなります。 [地上波(字幕)] 4点(2005-06-05 12:27:53) |
112. スウィングガールズ
《ネタバレ》 周防作品から始まった「主役達に意外なモノをやらせてみる映画シリーズ」のその何番煎じ映画だと思って、あまり期待してなかったのですが想像以上にとても面白い映画でした。 やり過ぎ!と突っ込みたくなるくらいのドタバタな展開もこの映画ではスンナリ溶け込んでいて楽しめます。 バンド主要メンバー達もぎこちない演技が返って、田舎娘っぽくていい味出ていますね。ラストのライヴはとても素晴らしいですね。 曲名は知らないけどメロディーは知っている名曲群が連続で繰出されて、とても気持ち良かったです。 ひとつ惜しいのは、前半の彼女達が楽器の魅力を感じ始めるシーンがやや雑に描かれたように見えて 後に吹奏楽部が復帰して演奏できなくなり、あんなにヤル気のなかった彼女達が泣くほどの楽器への 未練が沸くシーンの説得力が欠けていました。大事な所だと思うのでもう少し丁寧に描写してもいいなと思いました。 「ウォーターボーイズ」と比較が出ていますが、私は大林宣彦監の名作「青春デンデケデケデケ」に近いなぁと思いました。 楽器買う為にメンバーが各々バイトしたり、練習場所がなく各所転々としたり最後はデカい会場で演奏する・・流れが基本的に一緒ですがこういう物語の設定上、これは仕方ないと思います。 「スイング~」の最後のライヴはデカイ音で彼女達の音を浴びる事を出来ればおすすめしたいです。 8点(2005-03-26 20:49:32) |
113. 免許がない!
発想はとても良かったと思います。舘ひろしが自分自身をパロってるような役柄でその様子がとても楽しいです。冒頭の1時間ぐらいは素直に楽しめるのですが、中盤以降から段々とテンションが落ちて行って、後半の真面目なシーンがどうも冗長で映画のテンポを思いっきり損ねているように思えます。そこは監督の力量不足かな・・?卒業試験でのスタッフ達が色々と運転の手助けするのは、本作はコメディですし微笑ましいです(実際の出来事なら困ったものですが・・) 前半のみなら快作なのに・・勿体無い作品です。 5点(2005-03-22 23:26:32) |
114. コラテラル
《ネタバレ》 悪くはなかった・・マイケル・マン監督の手堅い演出で最後まで飽きずには見れました。 実は主役のジェイミー、それに完全に食われたトムの二人の演技も良かったです。 最初はなかなかいいなぁ~と見てたのですが殺しが始まった後のビンセントの要領の悪さにどうしても興醒めしてしまいます。商売道具のトランクをタクシーの運ちゃんに盗られて破壊されるなんて・・「えええっこいつバッカじゃねーのー!?」と突っ込んでしまいました。 他にもとても凄腕のプロとは思えないお粗末さな部分が目立って、この世界ではプロとして生き残れないような気がしてなりません。 ラストもヒートに何気に被ってるような・・。 5点(2005-03-20 21:01:53) |
115. ボーン・アイデンティティー
《ネタバレ》 今まで何となく敬遠してましたが最近、やっと観ました。これは出色の出来です。 記憶喪失の殺人マシーンが自分自身を追うと同時にCIAには追われるという展開をテンポ良く淡々と見せる演出は秀逸。たまに訪れるアクションシーンも派手ではないもののとても緊迫感が高く見事。キャラクターのうっすら影のあるボーンの絶妙な存在感だけでも個人的にかなり魅力的です。ヒロインは地味ですがあの世界では丁度いいと思います。 ハリウッドの能天気こってりアクション映画にやや辟易していたので、こういうキレのある映画は嬉しくなります。続編も楽しみ・・・。 8点(2005-02-10 23:41:11)(良:1票) |
116. ヴァン・ヘルシング
《ネタバレ》 物語やキャラへの突っ込む気持ちを段々なくしてしまう程にアクションをこれでもかと連続で盛り込んでしまう、サービス精神が逆に好感を持ちました。ヒュー・ジャックマンがなかなかの存在感でグット。テンポも悪くなく最後まで飽きずには観れました。でもCGアクションがどうもリアルな迫力に欠け、スリリリグなシーンにも何か一歩引いてしまい、いまひとつ物語に参加してるような感覚になりませんでした。あとは散々、ドラキュラが振っていたヴァン・ヘルシングの過去が結局、分からずじまいにはずっこけました。もしかして続編まで持ってくつもり?それとも単純に考え付かなかったとか・・ 6点(2004-12-29 00:59:57) |
117. ゴッドファーザー PART Ⅲ
出来としてはそんなに悪くはなかったですが、やはり傑作の前2作の後では蛇足と感じてしまう1本です。バチカンを巻き込んでの物語は複雑に絡む人間関係やエピソードを上手くまとまりきれなかったのかゴットファーザーならではの敵との駆け引きの醍醐味が欠けていて消化不良、無理矢理に3時間という枠内に広げて色々なエピソードを時間稼ぎに押し込んでいるようにも思えます。黒幕のルケージはシリーズ黒幕の中で一番、存在感もなくつまらなかったです。甥のビンセントとメアリーの恋の描写はなんか安っぽい感じがして別になくても良かったと思いました。ソフィア・コッポラは頑張ってはいましたが・・やはりヒロインには厳しいです。資金面で色々追い詰められてたコッポラがパラマウントの再三の3作目の製作要求に折れて仕方なく作った3作目。しかもパラマウントは愚かにも1年ですべてを作れとほざくものだから、そりゃあ前2作に肩を並べる傑作なんてそうそう作れる訳ないです。救いとしては、アル・パチーノの演技がとにかく素晴らしくそれだけで本編3時間を持たせてくれていると言っても過言ではありません。本編の出来がこの熱演に答えてくれなかったのがとても悔やまれます。 5点(2004-12-15 23:27:38) |
118. 下妻物語
《ネタバレ》 快作。冒頭から一見、ハチャメチャな展開の見せ方で戸惑っていた私ですがいつの間にかこのなだれ込むすさまじいテンポに流されてドップリ浸ってしまい、ヤラれました。 一歩間違えたら破綻確実なのに絶妙な匙加減で乗りきっていてる構成・・見事。 そして、主役の生い立ち、他キャラのエピソードの羅列を繰り返し相変わらずのテンポで突き進むかと思えば、いつの間にか物語は桃子とイチゴの友情に重点が置かれて徐々にホロリと来てしまいました。まさに製作者側の思うツボでしょうか・・? 深田恭子の恐るべしハマリ役・・下手に器用な女優がやったらこの役は逆に台無しです。 ヤンキー役の土屋アンナも素晴らしい・・地でやっているのかと感じるくらいのナイス弾けっぷりでした。 そういえば映画に使ったスクーターが下妻から近い茨城県某市の映画館に堂々と展示されてたなぁ・・じっくり見れば良かったぁ・・ 8点(2004-11-27 23:04:08) |
119. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 原作は少ししかまだ読んでいないので比較は出来ないですが この映画の登場人物の全身漲るドロドロの負のパワーといいましょうか終始、すごい毒気を覆われたようでクタクタになりました。 展開も殆どダレる事無くテンポ良く進みますが油断すると付いて行けなくなるくらいでした。 ラスト近くですべての真相が判明する下りのデスの狂ったような動揺ぶりは観てる方も頭がゴチャゴチャになるくらい凄まじく揺さぶられました。 エンディングは原作者の土屋氏が言われた通り全くハッピーエンドには見えず。 これからも緩やかに苦しみが続くのだろういう予感が伝わりました。 そして毎回、思う事ですが韓国の役者はなんて顔がいいのだろうか・・主役のチェ・ミンシクの彫りの深くギラッとした凄まじい眼光にあの壮絶な演技が加わってしまい、もう日本のにわか役者どもでは太刀打ち不可能です。敵役のユ・ジテの冷酷と狂気が静かに伝わり、笑顔も恐ろしかったです。ミド役のカン・ヘジョンは可愛らしい上、体当たりの熱演で全く主役と同等の存在感を保ち見事でした。仮に日本でオールドボーイが作られたら三流Vシネにウブ毛が生えたような出来にしかならなかったのでは?・・はぁ・・ 8点(2004-11-07 15:24:08) |
120. トロイ(2004)
《ネタバレ》 私はギリシャ神話等の昔話はあまり詳しくないので元ネタに惑わされる事も無く 普通にこのスペクタル超大作を堪能出来ました。 あの、これでもかと出る大軍シーンでお腹一杯の上、ブラピアキレスかっこ良過ぎで釘漬けです。 トロイ王子のヘクトルもアキレスとは対照的なキャラですが実に素晴らしく映画をしっかり支えていました。 ピーター・オトゥールも良かった・・ とはいえ163分もありながらアキレスというキャラを描写しきれてないような気もします。 トロイへ向かうのは名を残す為と言いながらいまひとつ、そこの裏付けが見えてこなかったり、 トロイ突入も女の為に結果、向かうのが分かりますが、 そこに至るまでのアキレスの心理が垣間見えて来なかったので唐突に感じました (もちろん、木馬に乗るのは分かっていましたが) 結局、どういう男だったのかなんか不鮮明で惜しい・・。 で、一番の原因を作ったバカ王子は単なる我侭の軟弱クン以外、何者でもなかったです。 後半あたりでいつの間にか男をらしさを出しますが、 なんか薄っぺらく見えてムカムカしました。しかもまぁ、離れた所から無防備なアキレスに弓をピュンピュンと打ちやがって・・ せめてアキレスの腱を射抜いた後にでも兄貴同様、アキレスに正面から挑んでスパルタ王との 不甲斐ない決闘や自分の無責任な行動のせいで大戦争になった汚名を少しでもヤツが挽回出来たら、まだ納得行きました。 話の流れ上、ある程度は予測していましたがやはり腑に落ちない決着の付け方でした。 しかも大元の原因・軟弱クンは図々しく生き延びてるし・・ 色々と惜しい部分もありましたが163分を飽きさせずに見れたテンポの良さは評価したいと思います。 7点(2004-10-28 23:45:31) |