101. 耳をすませば(1995)
宮崎作品の中でも、特に好きな作品.雫の家庭の雰囲気に惹かれた.父親の静かな愛情(立花隆氏の声、私は好み)や母親のつかず離れずの理性的な愛情、しっかり者の姉の妹へのせっかちな愛情などリアルで共感を感じた.それらの愛情で雫をはぐくむ家庭がしっかり描かれていたと思う. セイジ君のキャラクターがとても清潔でかっこよい.最後の“結婚”は、若い二人がお互いを見極めて、これからの人生を共に進みたい、という意志の示し方としてすんなりと受け止めた. 9点(2001-10-21 00:00:06) |
102. 遠い空の向こうに
自分の子供に観せたい映画です.アメリカという国の良心の部分が余すところなく出ていて、ノスタルジーを感じてしまいました.「旧き良き時代」とはまた違った角度で、勤勉で真面目で誠実な人々を正面から描いていて気持ちよかったです. 8点(2001-10-19 00:29:37) |
103. ショーシャンクの空に
T. ロビンス、参りました.脚本、とびっきりです.2時間半があっという間でした.最後の爽やかさは、やはり映画にはカタルシスとして、ときには欲しいです.伏線がたっぷりとあるな、と思って観ていくと、カチッとはまりこむところが快感.ああ、いい映画だった. 10点(2001-10-11 23:40:08) |
104. ダンサー・イン・ザ・ダーク
見事な映画.そして、セルマ役にビョークを得てはじめて成立した映画だと思う.ビョークの“天才”に打たれっぱなしだった.映画“サウンド・オブ・ミュージック”の挿入歌が効果的に使われており、特に刑務所で刑の執行間際で唄われる“私のお気に入り”には、セルマをミュージカルの世界にいつまでもいさせてやりたい(なんてささやかな、そして彼女に切望された世界)と心が震えた.ジーンの母親としてのセルマは一言一句私を裏切らなかったし、息子への最上で最良の愛情を貫き通した.それは彼女でなければ示せない愛情、そして最後に彼女を死へと立ち向かわせたのも、ジーンへの愛情.---とてつもなく大きく、無私そのものの、そしてどこか父性をも感じさせる愛情.この愛情は息子にとって人生最大の宝になるだろう.こてんぱんに打たれた. 10点(2001-10-09 17:56:11) |
105. リトル・ダンサー
導入部が巧いですよね.彼が家族のためにきちんと家事もやり、しかも家族思いな男の子である、ということが映画の根底に示されます.映画の舞台がいかにも英国の地方で(街並みや、家の中の色彩や調度などからも)、サッチャー政権下の重い雰囲気も自然と感じられました.疑問点は、父親に見せたクリスマスの踊りと、ロイヤル・バレエ学校の試験での踊りです.前者にはそれほどの迫力を感じなかったし、後者は名門バレエ学校の試験に見合う内容ではなかった気がして、物足りなかったのです.タップのシーンは良かったし、先生とのブギ・ダンスも楽しかったのですが. 7点(2001-10-08 19:58:32)(良:1票) |
106. クリクリのいた夏
隅々まで丁寧に作られた映画だと思う.1回目はするすると時間を忘れて観いってしまい、あまりの居心地の良さに、ちょっとこれでいいんかいな、と思った.2回目、ガリスの人間の上質さ、リトンの人間らしさ、アメデの懐かしいような人の良さ、ペペの年を経ての純粋さ、人を喜ばせるのが自然な老婦人など、登場人物がきっかりと色を持ち、思わず自分も入り込みたくなるような世界の住人たちに魅せられた. 9点(2001-10-06 20:09:40) |
107. 隣人は静かに笑う
最近観直してみたら、J. ブリッジスの演技が大仰かもしれない、とふと思った.T. ロビンスの冷徹さを引き立たせるには効果的ではあったかも.私も一番怖いのは隣の婦人の“こぼれるような笑顔”. 5点(2001-10-02 10:51:03) |
108. ビーン
ええっと、私、TVシリーズを全制覇してしまいましたけれども(ビデオで劇場ライヴも出ていますが、抱腹、絶品、巧い、粋)、これは、形はTVシリーズのアーカイヴス風ですが、別物とした方がよいと思います.モンティ・パイソン流の英国ブラックとして観るとまた違うのかもしれませんが・・・. 3点(2001-10-02 10:42:02) |
109. ロミオとジュリエット(1968)
ゼフィレッリの美観がそのまま出ている映画で(彼の部屋は白一色だったらしい)、衣装を含めた細部にまで拘った作りが素晴らしい.O. ハッセイはこの一作だけで何作分もの働きをしたと思う.彼女がはじめて登場するシーンの演出が(名前を呼ばれ、深紅の衣装で窓から顔を出す)、最高に巧く、脳裏に鮮やか. 9点(2001-10-02 10:18:12) |
110. 顔(1999)
久しぶりに観た邦画でした.そして藤山直美を目の当たりにして、圧倒されました.この映画に出てくる女達は手探りしながらも、皆しっかりと地に足をつけて生きている.対して、男達のぺらぺらとひしゃげたような影の薄さ.その対比に阪本監督の息遣いも感じられて、嬉しかったです. 8点(2001-10-01 23:19:24) |
111. エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事
同じ93年に「父の祈りを」を撮っているD.デイ=ルイスがこの映画では完璧な貴公子を演じている.しかも、登場するNYの上流階級の紳士の中でも、物腰、語り方、仕草などがとりわけ見事に洗練されている.M. ファイファーも臈長けた貴婦人役を好演.W. ライダーは、天真爛漫の陰にある一筋縄ではいかないキャラクターを演るとつくづくと上手いなあと思います. 8点(2001-10-01 23:10:12)(良:1票) |
112. ギルバート・グレイプ
美術が「バグダッド・カフェ」の担当者だったので、あの色彩感はとても納得.映画の進行とともに涙が涌いて出てきて困りました.J. デップもはまってますが、ディカプリオの最高作だとも思います.いい映画を観た後は、足が地につかない. 10点(2001-10-01 22:51:52) |
113. 眺めのいい部屋
観終わった後、深く余韻の残る映画のひとつです.D. デイ・ルイスの演技の多彩なこと、深く尊敬します.彼の口調に上流社会への痛烈な皮肉が表れている.役柄以上のものを秘かに感じたりもしたのですが・・・.H. ボナム・カーター科白廻しもとてもきれい. 8点(2001-07-31 21:43:51) |
114. ラスト・オブ・モヒカン
これは理屈じゃありません.何回観ても大好きです.モヒカン族の3人を演ずるそれぞれの俳優たちが役柄とぴたりと合ったとびっきりの存在感を出していて素晴らしい.そして D. デイ=ルイスが、科白といい、所作といい、唖然とするほど格好いい.音楽がそれぞれのシーンと一体化するほどきまっていて、映像とともに脳裏に刻まれてしまっている.好きな映画はほんとうに理屈じゃないなあ. 10点(2001-07-05 10:44:29)(良:1票) |
115. ある貴婦人の肖像
はい、後半どんどん白けてどうしようもなくなり、よほど観るのやめちゃおうかと思いました. 2点(2001-06-07 20:53:41) |
116. フライド・グリーン・トマト
久しぶりに観直したのですが、とにかく登場人物すべての人が役になりきっていて不自然さがない.人物の描き方がまっすぐで、ストレートな感動を引き起こす.大好きです、この映画. 10点(2001-05-27 20:21:18) |
117. タイタス
観終わって、しばし呆然.濃く強く弱く卑怯で賢明.人間のあらゆる業をこれでもかと見せてもらった.A. ホプキンス、全身で演じていて、役者冥利に尽きる嬉しさを全開で表現していたと.それを味わうことができて、幸せ. 9点(2001-05-26 09:44:23) |
118. サウンド・オブ・ミュージック
ほんとにスクリーンで観て頂きたい映画です.冒頭のアルプスの山々の遠景から徐々にアンドリュースを捉えて、" The hills are alive ♪ " が流れてくるシーンとか、ドレミの唄のシーンとか、ザルツブルグの街並とか.なんといっても、J. アンドリュース最高の作品と思います. 10点(2001-05-19 10:11:16)(良:1票) |
119. ジョー・ブラックをよろしく
クレア・フォラーニのコーヒーショップでの何気ない微笑みとか、会話でみせる表情とか、とても綺麗.エンディングの音楽、" Over the Rainbow & What a Wonderful world ! " のお洒落さ、後を引きます. 9点(2001-05-19 09:59:11) |
120. マグノリアの花たち
好きです、この映画、甘~いですが.マクレーンはじめ女優陣が達者ですし.終盤はサリー・フィールドの演じる哀しみがとても苦しくて心が痛い. 8点(2001-05-15 10:59:47) |