101. 天国と地獄
《ネタバレ》 前半は、善くも悪くも、リアルなストーリーが展開します。 子供の取り違え、細工された鞄による犯人の発覚など、観るものをドキドキさせます。 ただ、残念なのは、不自然で饒舌な台詞が目立つこと。また、黒澤映画ほとんどがそうなのですがーー尺がやたら長いです。 犯人のデティールがじゅうぶんでないことも、不満です。後半、麻薬がからんでくるあたりから、ストーリーにも嘘くささを感じるようになりました。 7点(2004-06-06 22:18:45) |
102. 地獄甲子園
主役を演じる坂口拓は、よかった。伊藤淳史は、普通。それが、この映画の救いでした。 そのほかのキャストの演技は、素人以下。これは役者が悪いのではなく、行き当たりばったりの配役、演出、脚本に問題があるように思います。ギャクは、中途半端に古く、つまらないのが致命的。おそらく狙っていたのであろうダメ映画のカルト路線さへ、三流プロの臭いがそのままのため、はずしています。やる気、表現者としての良心、才能、プロとしての力量が、微塵も感じられない本作でした。 1点(2004-06-06 22:10:40) |
103. 座頭市血煙り街道
近衛十四郎は、スターらしい扱いを受けて役に就いています。脚本は、様々な舞台裏の事情が見え隠れし、多少荒っぽさがあります。が、亡き母と偽って描いた良太の絵が、実は市の似顔絵だった件などーー優れたエピソードにも支えられています。ラストを飾る殺陣は、スタッフ、キャストの実力と熱意が伝わってきます。 8点(2004-06-06 06:31:46) |
104. ブルース・ブラザース2000
本作は、ベルーシーのいた頃のエイクロイド自身、ブルースとR&Bに生きる人々への愛情に満ちあふれています。本作の映画としての計算は、言い訳程度。制作は、かつての仲間たちを再度集めるための理由に過ぎなかったのかもしれません。エンドロールの長さが、微笑ましく感じました。 7点(2004-06-05 11:44:55)(良:1票) |
105. 幕末太陽傳
現場でのスタッフ、キャストの反対により変更されてしまったラストシーンは、 蛇足とも思えるほど、無惨なものになってしまいました。 ただし、ラストに辿り着くまでの本作は、本当に素晴らしい。 戦後日本映画の傑作です。 9点(2004-06-05 11:30:47) |
106. 座頭市二段斬り
本作の座頭市は、ひたすら強い。殺陣は、10作目であるというのに、マンネリ化しておらず、ますます磨きがかかり、見応えがあります。三木のり平の壷振り師は、少々やりすぎの感じがありますが、許容範囲です。 7点(2004-06-05 11:17:24) |
107. マルタイの女
当たり外れの極端な伊丹一三監督作品の中で、残念ながら、この映画はハズレ。最大の敗因は、脚本に三谷幸喜を起用したことのように思います。三谷の力不足もありますが、伊丹との映画製作へのスタンスの違いが大きかった。結果的に、伊丹はこの作品で命を縮めてしまいーーーそういった意味でも、とても残念な作品となってしまいました。 3点(2004-06-04 04:39:41) |
108. ラヂオの時間
脚本は、テクニックはあるのですが、中身がまったくありません。つまり、この映画で何を言いたくて、何をやりたかったのか、見えてこないのです。多数の登場人物がどたばたしているうちに、幕が閉じてしまいました。そういった意味では、テレビのバラエティ番組にたいへんよく似た作りの映画であるように思います。 3点(2004-06-04 04:17:25) |
109. 影武者
戦国武将たちを、それなりにヒューマンに描いたのは、おもしろいと思いました。 脚本、演出など、舞台をひじょうに意識した作りです。 美術は見事なほどお金がかかっていますが、ところどころリアリティに欠けるのは、残念です。反面、妙なところにリアリティを追求しているようでーー夜の場面は暗すぎるため、たいへん鑑賞しづらいです。音楽は、それまでの黒澤映画からすると、かなり質が低下しています。 型にはまった芝居や、意外性のないストーリー、尺の長さで、「退屈」と捉えられる危険をはらんだ映画です。 4点(2004-06-04 00:56:13) |
110. マトリックス リローデッド
前作に比べると、脚本の質は、ガタガタです。ストーリーティリング、撮影、編集の荒っぽさが、かなり目立ちます。CGやワイヤーアクションの質も、波が激しくなりました。 しかし、それでも、素晴らしいシーンがいくつかあります。ラストの新展開は、「ぜひ次が観たい!」という気持ちを、じゅうぶん引き起こします。 7点(2004-06-03 18:50:16) |
111. 座頭市(2003)
《ネタバレ》 ビートたけしの金髪・座頭市を、違和感なく観ることができました。 殺陣も楽しめました。 残念なのは、脚本があまりにもお粗末であること。 そろそろ本職(プロ)の脚本家を迎えた方がよいのではないか、と思いました。 実は目が見えていた、という筋立ても、少々中途半端です。 金髪、碧目、故の迫害を、もっと臭わせた方がおもしろかったように思います。 4点(2004-06-03 04:17:20) |