Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。6ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2261
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 お世話になっております。
只今『真・女神転生VV』攻略中のため新規投稿お休みしております。

2024.6.28


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12345678910
投稿日付順12345678910
変更日付順12345678910
>> カレンダー表示
>> 通常表示
101.  乱気流/タービュランス 《ネタバレ》 
一昔前ならパイロット不在という状況だけで、十分にドラマになりました。しかしテクノロジーは進歩し、自動操縦で着陸可能だという。そうなるとドラマの要素を外部に求めざるを得なくなる。苦心の跡は感じられます。ただ、もう少し納得できる展開にして欲しかった。極限状態ゆえ冷静を欠いたにせよ、主人公のプロ意識を欠く行動は目に余ります。戦闘機が旅客機への攻撃を止めた経過もよく分からない。おまけにその戦闘機の神技炸裂で緊張感が途切れます。ああ、何でもアリなんだ。航空パニックものは、どう料理しても満足感を得られる優良な素材だと思うのですが、これはいただけなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-03-15 18:39:55)
102.  マーズ・アタック! 《ネタバレ》 
設定はSFの王道。タッチはコメディでもそのメッセージは強烈です。“火星人VS地球人”の構図はそのまま“人間VSペット(犬)”、そして“アメリカ移民VSネイティブアメリカン”に置き換えられます。痛烈な皮肉と批判が込められているのは明らかです。強者の側から一方的に物事を考えてはいないか。弱者の立場になって考えてみろ。痛快でした。ただ、ダイレクト過ぎる気がしました。人面犬(&犬面人)の表現はあからさま且つ悪趣味ですし、先住民問題にしても直接キャストにスピーチさせるのでは芸がない。スマートさに欠けたと思います。この手の比喩表現は、薄いくらいで調度いい。むしろその方が心に残るような気がします。決して嫌いな作品ではないのですが、自分には少々アクが強かったようです。もっともこのアクこそがティム・バートンなのですが。
[DVD(字幕)] 7点(2007-03-10 18:39:05)
103.  ジャイアント・ピーチ 《ネタバレ》 
空飛ぶ巨大なピーチ、擬人化した虫たち、人形に変わった主人公。全て“魔法”で説明がつきます。機械の大魚も、ナイトメアのジャック登場にも違和感はありません。それは主人公の視点で物語が進んでいるから。実写→アニメへの移行は、世界が客観(現実)から主観(非現実)に移ったことも意味していると思います。主観の世界でなら、何が起こっても不思議ではありません。ニューヨークに到着して、主人公の魔法は解けます。実写に戻るのは、現実に戻るということ。アニメ世界の住人たちも、主人公同様に魔法が解けて、在るべき姿に戻るはず。蜘蛛女はクモに、天道虫おばさんはテントウムシに。それが暗黙のルールだと思っていました。しかしこの予想は外れます。擬人化した虫たちはそのまんま。意地悪おばさんに至っては、車で海底を走ってきたという。ということは、作品の世界全てが現実・非現実の区別のないファンタジーだったのか?いや、そうではありません。巨大な桃は見物料が取れるほど特別なものだった。虫たちもニュースになる存在。本作にも“非現実”の概念はあります。つまり、“非現実から現実に戻ること”よりも“非現実を現実に変えよう”。それが本作の主張です。アニメの世界を現実に変えよう。車は海底を走れないなんて誰が決めたの。“見方を変える”とは、こういうことだと思いました。もちろん不幸な境遇にだって当てはまります。前向きなメッセージだと思いました。なお、スタッフロール終了後、もうひとつ“見方を変える”サンプルがあります。少々悪趣味な遊び心が、ティム・バートンっぽいです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-07 17:56:24)
104.  ライアー 《ネタバレ》 
救急車の隊員、大金を掴んだ太っちょ刑事、火葬、ラストカット。ネタばらしは丁寧なので、つくりとして不親切ではないのでしょう。ただ、思ったほど驚きがありませんでした。ご指摘の方もおられるように同系列『ユージュアル~』には及ばないと思いました。また謎として残った殺人事件の真相についても、あれこれと思いを巡らせようとは思いません。本作の要はそこにはありません。事件そのものに興味を持たせる工夫が欲しいと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-03-04 17:59:53)
105.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 
小さなイライラの積み重ね。溜まったストレスの大きさは自分では案外分からないものです。キレるきっかけは僅かな事でいい。瞬間的にキレた場合は、すぐ我に帰ることが出来ます。しかし“タガが外れた”時はそうはいきません。本作の主人公はこのケース。ただし車を捨てた時点で、完全に外れている訳ではありません。ちゃんと段階を踏んでいます。破壊を実行するごとに、その内容もアイテムもエスカレート。そして殺人という一線を越えます。高いハードル。「プレゼントを壊された」「相手がナチス信仰者」という2つの要因が彼の背中を押しています。砕け散ったのは、プレゼントだけではありません。とてもリアルに感じました。自分が本作の主人公にならないとは言い切れない。ですから彼には、“失業していた”とか“もともと短気だった”“精神的に病んでいた”という設定は必要無かった気がします。主人公と対比される存在が退職間際の刑事。嫌味な上司にアホな同僚。不安定な妻。彼もまた、いつキレてもおかしくない状況です。しかし彼は決してキレたりしません。つまり普通の人はキレたりしないという意味。これも不要です。普通の人がキレるから、誰の身の上にも起こりうるから怖いのだと思います。主人公が特別な存在になってしまったことで、少し醒めてしまいました。残念。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-28 18:05:00)(良:1票)
106.  フィッシャー・キング 《ネタバレ》 
罪の意識を負いながら、罰が与えらないこと。贖罪が叶わぬことは、罪の重さを知る者にとっては最大の罰です。理不尽な形で愛する者を失うこと。これもまた神から罰を与えられたようなもの。ジャックはともかく、バリーには何ら非がありません。しかしこういった悲劇が突如降り掛かるのも現実です。重い罰を与えられた2人の出会いは、単なる偶然か、あるいは神の配剤か。いずれにしてもこの出会いが、2人の人生を動かします。瀕死の状態の彼らを救った“癒し”。それは聖杯に象徴されます。もちろんウソ聖杯にその力はありません。彼らにとっての聖杯は、恋人の支えであり、友情でした。心を傷つけるのも人なら、癒すのもまた人。もっともジャックは後悔の念を、バリーは妻を失った悲しみを、一生負い続けるのは変わりません。真のハッピーエンドは、本作には存在しないのだと思います。しかし2人は罪に対する“許し”を得ました。僅かな許し。でもそれが生きる力になるのだと思います。重いテーマでありながら、自分は楽しく、そして正面から物語と向き合えました。脚本が抜群に素晴らしい。駅の舞踏会、夜の公園シーンを、忘れることはないでしょう。
[DVD(字幕)] 9点(2007-02-25 00:19:04)
107.  スペシャリスト(1994) 《ネタバレ》 
復讐劇としてのカタルシスは皆無と言っていいです。あえて爆殺を選んだ理由付けが欲しいと思いました。(一応作中で語られているのですが、理由になっていません。)初期設定でつまづいている気がします。スタローンとシャロンのキャラ設定も激しく魅力に欠けます。スタローンの“いい人”描写は度を越えていますし、振る舞いも玄人らしくない。シャロンも仇に抱かれる必然性を感じませんでした。また肝心の仇役も小物ぶりを発揮し、復讐のスケールダウンに貢献しています。スタローンの筋肉美アピール、シャロンのお色気シーンにも意味を感じませんでした。シャロンがエイドリアンと名乗った時点で、本作の方向性は見えましたが、それにしても安っぽく感じました。自分の基準だと1~2点相当ですが、ツッコミどころがそれなりに楽しめたので+1点でお願いします。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-02-10 20:30:00)
108.  ドラえもん のび太と雲の王国 《ネタバレ》 
物語自体はよく出来ていると思います。環境保護という重要な問題を子供向け作品で扱うことに意義も感じます。ただ本作のやり方は好きではありません。『ドラえもん』は超優良な素材。黙っていても子供たちはキャストに感情移入してくれます。だからこそ慎重に扱うべき。自分が違和感を覚えたのは、法廷でしずかちゃんが意見を述べるシーン。「これからは自然環境を守りますから、許してください」と泣きながら懇願します。しずかちゃんは観客(子供)そのもの。つまり本作を観ている子供たちに言わせているのと同じです。これは卑怯だと思う。無理矢理言わせているようなものだから。環境教育は大切ですが、それが目的になってしまうと説教臭い。『ドラえもん』はあくまで娯楽作品。子供に夢と希望を与えることを主眼にして欲しい。子供が夢の世界を楽しんだあと、自然と「環境を守りたいな」と言えるような作品を目指してもらいたいです。愚痴みたいでスミマセン。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-02-07 17:46:23)(良:1票)
109.  トゥルーマン・ショー 《ネタバレ》 
朝起きて、食事中に、移動中にも、お風呂の中でも、テレビは私達と共にあります。昨今話題の番組内容捏造を引き合いに出すまでもなく、私達のテレビメディアに対する依存体質は明らかです。それに刺激に対する欲求も強い。くだらない話題でも、テレビ各局右へならえ。そこに良識が存在するのか疑わしい。ゆえに荒唐無稽の設定ながら、本作は驚くほどのリアリティをもって自分の心を捉えました。人権を踏みにじる姿勢に嫌悪しつつも、テレビの前に釘付けになる自分を想像して震えました。自分を主人公に置き換えてみると、更に怖い。彼が絶望したであろうことは想像に難くありません。プライバシーが無かったのも大きい。でも本質的な問題は、“作られた人生を歩んでいたこと”にあると思います。しかしどうでしょう。主人公がトゥルーマンを演じさせられていたように、サラリーマンは“勤勉な”会社員を、母親は“優しい”お母さんを演じているとは言えないか。それに他者に影響されまくって人格を形成するのが人間。そこに他者の恣意的な要素は無かったか。考えれば考えるほど、トゥルーマンも自分も変わらないと思えてくるのです。だからこそ彼に同情し、絶望する。お前は自分の人生を歩いているのか、と問われているようで。トゥルーマンは視聴者に別れを告げ、スタジオを去ります。その一歩は、紛れも無く彼の一歩。ハッキリしているのは、自分の人生に責任を持つのは、自分しかいないということ。彼の後姿が眩しい。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-02-02 18:24:16)(良:2票)
110.  北斗の拳(1995)
ついに見つけてしまいました。レンタルDVDを。しかも半額デーに。この状況で対戦は避けられぬと覚悟を決めました。本サイトにおける西の横綱。その実力を体感しました。格闘すること約90分。…完膚なきまでに叩きのめされました。歯が立たない。横綱の実力を思い知りました。横綱の真の恐ろしさは、一見すると“大したことなさそう”に見えること。しかし驚くほど懐が深い。キャスト、脚本、演出、あらゆる小手先のツッコミには全く動じません。心・技・体が逆の意味で揃っていました。本物です。本物には0点をつけるべきかもしれません。ただ、DVDをプレーヤーに挿入した時、最初に現われるメッセージを思い返して不覚にも“やられたっ”と思ってしまいました。それは以下の文。「この作品は本編が古いため多少お見苦しい箇所があり得ますが、製造上の故障ではありません」!!こんなにもノーガードなツッコミ待ちのボケがあったでしょうか。本作とは全く関係のない、この奇跡のメッセージに2点を付けさせてください。
[DVD(字幕)] 2点(2007-01-29 17:56:05)(笑:4票) (良:2票)
111.  幕末純情伝
ドタバタの連続。テンションの高い演技。作品に妙な勢いがあります。当時のカドカワ映画特有の熱なのかもしれません。ただ、物語そのものが凄く分かり難い。設定がフィクションとはいえ、幕末期の基礎知識が無いとかなりツライです。台詞の不明瞭さもそれに拍車をかけます。ノリは悪くないのですが、ノリに頼りすぎた印象。当時人気絶頂の牧瀬里穂は、流石にスターの輝きを放っています。古くは美空ひばり、最近では上戸の『あずみ』もそうですが、やはり当代きってのアイドルに“剣士”という役柄は合うようです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-01-27 18:16:13)
112.  カリフォルニア(1993) 《ネタバレ》 
本作の主人公はごく普通の男。良識人であり、情よりも理性を優先させるタイプ。その彼が“何故最後に引き金を引いたか”が本作のポイントだと思いました。その時彼を支配していた感情は何か?大部分は恋人を襲われたことに対する怒りでしょう。さらに恐怖もあったと思います。身の危険を感じてというより、理解出来ないものに対する恐怖。無知は恐怖と無縁ですが、未知は大きな恐怖を生みます。しかしこの際、動機はさほど重要ではありません。彼に引き金を引かせた最大の要因。それは、“慣れ”です。人質になって以降、目の当たりにしてきた多くの死。殺人が日常に変わる状況。事前に遊びとはいえ銃を撃っていた経験も大きい。普段はとてつもなく高い“殺人”というハードルが、簡単に飛び越えられる位置にまで降りてしまう。誰にでも起こりうることです。人の順化能力はかくも高い。それは都合が良い反面、恐ろしい事でもあります。そしてもう一点。事件は最悪なのに、後味は思ったほど悪くありませんでした。不思議なくらい。“再犯が無いことに対する安心感”と“報復が成立している充足感”があったからではないかと。それだけ現実社会では、これらが不十分なのだと思います。人及び社会が抱える本質的な問題を描いている本作。気分は悪いですが、観る価値はありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-25 18:01:21)(良:1票)
113.  ケーブル・ガイ 《ネタバレ》 
かなり辛辣なテレビ社会への批判が感じられる本作。単なるコメディだと思って観ると戸惑います。ジム・キャリーの顔芸、動き、しゃべりはいつもどおり。笑えることは笑えるのですが、なんとも微妙。彼の態度にムカツクこともあれば、同情もしてしまう。他人との距離が掴めないけど友達は欲しい。その気持ちは痛いほどよく分かるし、悪い奴でないので憎めない。でも常軌を逸した行動には恐ろしさも感じる。怒っていいやら、笑っていいやら。怖くなったり、切なくなったり。なんとも複雑な心境になりました。本作の教訓は、「テレビの見過ぎはダメよ」と、「中世レストランに行ったら、特等席には座るな」です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-01-21 17:34:01)
114.  天河伝説殺人事件
影を強調した独特の映像、細かな切り替えを使用する手法などは、紛れも無く市川崑監督作品そのもの。演出のテクニック自体は相変わらず魅力的だと思います。ただ、全体的には随分と“雑”だと思いました。「映画」を観ているというよりは、2時間TVサスペンスを観ているような感覚。(ナレーションが石坂浩二なので『渡鬼』風でもあり。)豪華なキャスト故につくりの安っぽさが際立ってしまった気がします。そして最大の謎は、何故「金田一シリーズの世界観」をそのまま引用したのかということ。これはホントに謎です。演出手法が同じですから、金田一シリーズと雰囲気が似通ってしまうのはしょうがないと思います。でも加藤武に「よし!分かった!」と言わせてはアウツ。監督は原作者が横溝正史氏であると本気で勘違いしていたのではないかと、疑いたくなります。犯人を推理するよりこの謎を解くほうが遥かに難解です。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2007-01-09 18:23:30)
115.  フラバー 《ネタバレ》 
フラバーとは何でしょう。単なる“物”なのか“生物”なのか?音楽に合わせて踊る姿を見ると、とても“物”には感じられません。でも扱いは完全に“物”。違和感ありというか、少し可哀相な気がしました。フラバーの位置づけが曖昧で、魅力的でなかったように思います。フラバーはおろか、主人公以上に魅力的だったのがウィーボ。ディスプレイの映像ギミックも楽しく、ロボットなのに繊細な乙女心を感じさました。いじらしい。“彼女”の恋心を主軸に物語を組み立てたほうが、ずっと面白くなった気がします。全体的には、かなり大味な印象です。ゴルフボールやボーリング球を人の頭に平気でぶつける描写など、子供向け作品として配慮に欠ける部分もありました。コメディとしても、家族向け娯楽作品としても、今一歩であったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-01-06 19:03:55)
116.  トイ・ストーリー2
続編としては、ほぼ完璧な出来だと思います。本作が持っているコメディ、アクション、アドベンチャーの要素が程よいバランスで配合されています。またストーリーもいい。子供と遊ぶのがおもちゃの役割。いつか子供が大きくなって、その役目に終わりが来ることになろうとも、そのときまで一所懸命に楽しもう。ラストでは、あえてアンディの成長(少年期の終わりが間近であること)を見せ、このことを観客に意識付けます。これはそのまま人間にも置き換えられます。いつか来る終わりのときまで、人生を楽しもう。少し切ないですが、ポジティブなメッセージだと思います。映像面も格段にパワーアップ。あえて良くない(好きでない)部分を挙げるなら、ウッディーを救うべく立ち上がるバズを露骨に“アメリカ”に例える場面があったこと。あとエンディングロールの嘘NGシーン。興醒めしてしまいます。でも全体的には◎の作品です。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-12-31 18:37:58)
117.  トイ・ストーリー 《ネタバレ》 
コメディであり、アクションであり、ホラーの要素まである本作品。緩急のある演出で観客を飽きさせません。特に終盤の展開はスリリングで手に汗握ります。また物語的にも心を掴むものがあります。新しいおもちゃが来る度に、戦々恐々とする既存のおもちゃたち。ご主人に飽きられるのではないか、捨てられるのではないか。これは多くのサラリーマンが抱く思いに通じます。ちょっと切ない。映像的にもストーリー的にも上質で、子供はもちろん大人も十分に楽しめる作品です。ただ、個人的に一箇所だけ腑に落ちない場面があります。それは、隣の家の子供からバズを救い出す際に、おもちゃたちが禁を破るシーン。おもちゃいじめの子供にお灸を据えるのは、確かにスカッとするのですが、手法がイマイチだと思いました。“人間の目の前では身動きしない”は絶対に破ってはいけない“掟”のはず。おもちゃたちにとって“誇り”でもあったと思います。それをいとも簡単に反故にしたことにガッカリしました。いかに禁を破らず、目的を成し遂げるか。工夫のしどころです。ここを上手くクリアできれば、本作はもう一段階高みに達したと思います。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2006-12-30 18:22:28)(良:1票)
118.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 《ネタバレ》 
目を見張るのはやはり映像美。監督特有のダークな色合いを持つ世界は、それだけで観る価値ありと思わせます。また、内容的には意外と大人向けであると思いました。主人公ジャックの抱いていた想いとは何か。代わり映えしない仕事の繰り返し。意義を見失いかけていた時に、新たな価値観、クリスマスの存在を知ります。人を怖がらせる仕事ではなく、人を喜ばせる仕事。ジャックの目には魅力的に映ったのでしょう。ジャックはサンタの仕事を横取りします。しかしこれって多かれ少なかれ、誰もが抱く想いではないでしょうか。自分の仕事に意義を見出せず、他人の仕事を羨ましく思ってしまう。隣の家の芝生は青く見えるものです。でも無駄な仕事、無意味な仕事なんて本当は無いはず。たぶん。きっと。もちろん自分の代わりはいくらでもいますし、大して人の役に立っていないかもしれません。でも自分がいないと“ほんの僅かでも”困る人がいるのでは。その僅かな人のために仕事を頑張ろう。自分の仕事に誇りを持とう。そんなことを感じました。前向きなメッセージなのではないかと。映像だけが見所では、これだけ多くの人から支持されないのだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-12-27 18:30:52)
119.  クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡
“普通に”面白かったです。まずクレしんらしいお笑い満載なのが嬉しかった。定番のギャグも健在でしたし、劇画調?転換シーンは爆笑しました(公共交通機関を使っていても急ぐ必死さが伝わる!)。アクションシーンも好調。さらに家族愛にホロリとさせられます。つまり、笑えて泣けて楽しめる、期待どおりの娯楽作品であったわけです。“普通に”面白いということは、本当は凄いことだと思います。本作は傑作というほどの出来ではないかもしれません。でも確実に、観客の求めるものを提供していると思いました。確かな技術とシリーズ作品に対する深い理解がなせる業だと感じます。私事で恐縮ですが、本作の制作(下請け)に妹が携わっております。一応スタッフロールにも名前が載っているのですが、本人はそのことに気づいていませんでした。陽の当たらぬ、数多くの縁の下の力持ちの努力なくして作品は生まれません。東京で頑張る彼女に敬意を表して+1点とさせてください。
[DVD(邦画)] 9点(2006-12-23 18:39:52)(良:1票)
120.  オーギュスタン 恋々風塵
『きまぐれオーギュスタン』のつもりで観たのですが、違いました。そのため『きまぐれ』は未見です。でもせっかくなので感想を書きます。コメディとしてはかなり薄口です。爆笑シーンはありません。普通のドラマと言っていいです。彼はいわゆる“変わり者”。こだわり派でもある。そんな彼の悩みは“他人と触れ合うのが苦手なこと”。握手さえダメ。でも夢であるカンフースターになるには克服しなければならない壁です。だから治療のために中国人針師兼カウンセラー、リン先生の元へ通うようになります。彼女との交流が本作の主軸。彼女への恋心が主人公を変えていきます。展開に派手さはありません。でも味わいがある。ひとつは主人公の魅力。人の心を掴む“いい顔”だと思います。普段飄々としている(いや感情を表に出せないといったほうが正しい)ため、感情が表に出た時には、ハッとさせられます。物語的にも一人の男の成長、自分探しの過程をきちんと描いていて好感がもてました。人生のもどかしさ、切なさもある。面白いと手放しで人に勧められる作品ではありません。でも妙に心に残ります。ラストのオーギュスタンの表情。そこに人生の機微を感じます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-12-06 18:13:38)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS