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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3929
性別 男性
年齢 53歳

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1181.  ブレイブハート
メル・ギブソン、監督・製作・主演で大活躍の巻。と言いたいところだが、登場したメル・ギブソンを見ると、「トシ食いすぎてる!!」。どうみてもオッサンだ、何歳の役のつもりなの?奥さんと釣合いがとれませーん。主演は他の人に任せた方がよかったのでは?と言いたいところだが(←しつこい)、いやどうして、いざ戦いとなると、まだまだ元気、壮絶合戦シーンも見事にこなしてます。演出の方も、過去の色んな映画を彷彿とさせるシーンがあり、おそらくメル・ギブソンという人のあらゆる映画体験、映画鑑賞の集大成となっているのでしょう。例えばラスト、民衆から突如沸き起こる「ロッキー」コールは、明らかに『ロッキー4』の影響が濃厚(←そんなバカな)。そういやあの顔半分のペインティングも『バットマン・フォーエヴァー』のトゥー・フェイスを参考にしたのかも(←絶対違います)。そんなヨタ話はさておき、やはりあの大規模な合戦シーンのスゴさは、「スペクタクル映画」という言葉で呼ばれていたかつての大作を思わせる部分もあって見ごたえアリ。でもね、模倣にとどまらないのが本作、残酷描写を(『キル・ビル』よりもずっと前に)フンダンに取り入れ、圧倒的インパクトを残します。まあ、同じような戦闘シーンが続いちゃうのは、ちょっと難点ですけどね、でも大丈夫、映画は3時間もあるから、多少しつこくても映画的バランスで言うと融通はきいちゃう(笑)。で戦闘を堪能した後、話は思わぬ展開、そして衝撃と感動のラストへ。多かれ少なかれ「近頃のアリガチな大作」っぽさがあるのも確かなんでしょうけど、本作はそれだけにとどまらないパワーがあり、まさに、メル・ギブソンの「情熱(パッション)」を感じずにはいられない作品です。
8点(2004-08-11 00:47:39)
1182.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
悲しいかな、ワタシ、こういうの好きなんですよ(笑)。まあ、イマドキの大作っぽい「技術」過剰のカメラワーク、何とも含蓄が薄弱ですけども、まあ、これだけ徹底してテンポよくやってくれると、逆に、たまにちょっとしたヒネリが入るとまるで変拍子のような味わいが。ジャック・スパロウという曲者の存在が、一見ありきたりで無難な展開に程よく「水を差す」んですよね。さらに楽しいのは、海賊のガイコツ軍団。そう、白状しよう、ガイコツ軍団とのチャンバラ見せられた日にゃあ、もうその映画にゃ逆らえないんだよっ。ちなみにですね、この映画、公開時には、会社の嘱託のジイサン(結構ウルサガタ)も、ニヤニヤしながら「意外にオモロかったなあ」と褒めてたので、昔からの特撮映画ファンには、ちょっと受けがよかったりして? ところでこの映画、『ターミネーター3』と続けて見るとちょっと面白いかも?「お、この海賊も取れかけの首を自分で直してるぞ、何だ、ターミネーターだけじゃなくて誰でもできるのか?」「おいおい、お前、そんな自殺の真似したって、ターミネーターにかかれば、自殺の確率の低さを指摘されちゃうぞ」とか、何かとツッコミを入れられます。ま、どうでもいいハナシですけど。
8点(2004-08-09 02:09:28)
1183.  かくも長き不在
映画によって、戦争を描くとき、さらにはその非人間性を描こうというとき、果たして、このような「幻想的」なアプローチをしてみようと、普通、思うでしょうか? しかも、まさかこのアプローチがこれほどの効果を上げるとは? 一人の女と、記憶喪失の旦那(とよく似た男)のやりとりが、時にはセリフを抑え、回りくどいほどじっくりと描かれ、気だるいような弦楽の響きの音楽ともあいまって、幻想的な雰囲気を醸し出しています。もちろんこの幻想性を根底で支えているのが、「男は夫なのか、他人の空似なのか」という謎(ミステリー)。そう、「戦争」への対比として「日常」を持ち出すのではなく、この映画では全編が、戦争とは別の一種不安定な「非日常」で貫かれてます。そしてクライマックス、その「非日常」が突然断ち切られ、裏返される、この衝撃。その先にあるのは結局、絶望的な「日常」なのか? ラスト、主人公がまだ何か言いたそうにしてるのにプツンと終わっちゃいましたね(笑)。なんだか、これ以上見せるに忍びないと言わんばかりの終わり方で、印象的でした。
8点(2004-08-01 01:12:51)(良:1票)
1184.  忠臣蔵(1958)
3時間近い長尺ですが、飽きるなんてとんでもない、これでもコンパクトで喰い足りない印象。何しろ相手は忠臣蔵ですからね、日本人の心のルーツですよ、これは。なんちゅうても、タッキーこと滝沢修の演じる吉良コーズケノスケの超イジワルぶり。「この田舎大名が!」う~む、誰もが子供の頃、一度はこんな奴にイジメられた経験あるのでは?(え?社会人になってからも?)。まさにこれぞ心のルーツである所以。この吉良役の憎々しさは、ドリフのコントで志村けんが演じた吉良に間違いなく匹敵します。一方、浅野内匠頭を演じるのは・・・がーん。雷蔵だ。この気丈さと薄幸ぶりは実にハマってますが、殺陣が見られないのが残念!「殿中でござる」シーンでホンの少し見られるけどね。まあ、でももし雷蔵が吉良役だったら? これじゃ、四十七士が乗り込んできたって、円月殺法でイチコロ、返り討ちにしちゃうのは目に見えてる。これでは忠臣蔵にならない。よってまあ妥当なキャスティングと言えましょう。その後の展開はもう、聞くも涙、語るも涙。そして待ちに待った討ち入りへ。全体的に、適度にチャンバラを散りばめているものの、殺陣に破天荒さがなくおとなしい感じは否めない、しかし勿論これはこれでよいのだ(←強引だなあ)。そして意外に爽やかなラスト、誰もが、日本人に生まれてよかったと思う瞬間ではなかろうか。
8点(2004-08-01 00:41:20)(良:1票)
1185.  ハンテッド(2003)
まああんまり関係ないんですが、見てて『フォーリング・ダウン』を思い出してしまいました。どちらの映画もおそらく企画段階では、「こりゃあきっと斬新な映画が出来るゾ」と思ってたのに、作り始めたら案の定迷走してしまった、かのような・・・。しかし私には何かコタエられない味わいを感じさせるタイプのイビツさ。結構好きですよ。演出自体は、静と動、緩と急の対比をうまく織り交ぜ、ひきつけられます。内容的には、戦場の狂気がそのまま、ほとんど「何気なく」アメリカ国内に持ち込まれる。うん、コンセプト的には『プレデター2』に近いとも言えようか。言えないね。すみません。その狂気は、ベニチオ・デル・トロのイッちゃった目つきで、嫌というほど感じさせられる。しかしその背景に隠されているのは、単なる一個人の精神の失調ではなく、国家に叩き込まれた、システマティックな殺人術。人類の歴史は、まさに一瞬たりとも、戦争・殺戮と切り離されることはなく、それは今でも当たり前のように続いている。今後も間違いなく続くのだろう。その絶望的で深刻な問題には、答えが与えられる事は決して無い。そう、ここでも結局ジーサンとの一騎打ちとしてひとまずケリがつけられなければならないという、この皮肉。ヤな話ですね。ところでベニチオ、焚き火のトロ火で刃物鍛えてましたね。こんなことできるんですかね、と一瞬思ったのですが、やっぱりあの目にニラまれたら逆らえませんね。きっとできるんでしょうね。
8点(2004-07-25 00:00:00)(良:1票)
1186.  ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
これは面白かったあ。前2作、特に第1作が。何となく映画としてまとめるのに四苦八苦してる感じが拭えなかったのですが、この第3作、何だか吹っ切れたかのよう。まず映画の構成、第1作でのギクシャクした感じは姿を消し、映画らしい緊張感に貫かれています。原作読んだ人からは、だいぶ端折り過ぎだという話を聞かされたんですが、まあワタシは原作読んでませんし、特に気になる点はなかったですね。っつうか、前2作みたいに詰め込みすぎてギクシャクしてない分、好感が持てました(もし今後原作読んだら180度意見が変わったりして。笑)。さて一方、目が離せないのが、全編にみなぎるイマジネーション。最近の特撮映画ではどんなシーンでも撮影できてしまう「その故に」逆に何だかどれもこれも同じように見えてしまったりするのですが、本作の映像へのコダワリは、そういった「最近みんながやってるコダワリ」にとどまらず、さらに一味も二味も味付けを加え、ワクワクするような映像を見せてくれます。イマジネーションの勝利。しかしふと考えると、「姿を消すマント」とか「ヒッポグリフ」とか・・・おお、これって『シンドバッド黄金の航海』ではないか(こちらはヒッポグリフではなくグリフィンでしたが)、な~んてことをふと思ってしまい、ニヤニヤしてしまいます。さらにはハリーが眼鏡を落として手探りで探すシーン、あれはまさに横山やっさんの名ギャグ「メガネ、メガネ」へのオマージュでありましょう(?)。まあ、そんな感じで、背景になにか、懐かしいものを含みつつも、あくまで映像は新鮮さがあふれています。見ごたえ十分。面白かったです。
8点(2004-07-24 23:29:00)
1187.  インテルビスタ
これはオモロイ!極めて上質のバカ映画と言えましょう。撮影所を舞台にしているので、「映画の撮影の裏側全部見せます」風の映画と思いきや、さにあらず。というのも、撮影風景は出てくるものの、「何を撮っているのか」「どのように映画として仕上げられるのか」に関しては、全然語られない。いわば、映画のオモテもウラもみんなひっくるめてゴチャマゼにした闇鍋風。めくるめく楽しい世界。しかしまあ、映画作家が「映画そのもの」を題材にする、いわば「自分の土俵で相撲をとる」というのは、何となく抵抗を感じないでもないんですけどね、あくまで映画作家=表現者、であるならば。ちょっと自己完結すぎて、映画関係者と映画好きだけが楽しめればOK、みたいな感じが無くも無く。たとえば小説家が、小説家を主人公にして「小説書くのがいかに大変か」という題材の小説書いたとしたら、それって何だか、手段と目的が過度にもたれ合いを起こしているような気がします。それと同じ。やっぱりもっと直接人生に斬りこんで来る普遍的なものであって欲しい。とかなんとかいいつつ、やっぱりこういう映画もたまにはいいですね。それにしても、アニタ・エクバーグ、なんだかジャバ・ザ・ハットみたいになっちゃったね。
8点(2004-07-17 00:53:03)(笑:1票)
1188.  SF/ボディ・スナッチャー
冒頭、不気味な音楽に続いて聞こえて来る金属音、音楽の一部と思ったら実はブランコの音。こんな感じで、映画全編にわたり、効果音が音楽の一部になり、音楽が効果音の一部になるという、味のある演出。音楽担当はゼンゼン知らん人だけど。さて本作、56年のドン・シーゲル版よりもオカルトチックな感じを強め、後半はほとんどゾンビもののようなノリ。人面犬までゲスト出演。すばらしい。いささか演出過剰な部分もあり、気品には欠けるが、舞台が都会になった分、スケールアップ。シーゲル版よりもさらに一歩、私の好きな(禁断の)領域に近づいたと言えましょう。
8点(2004-07-04 14:55:56)
1189.  マトリックス リローデッド
空想科学映画ってのが有りますが、本作はさしずめ「妄想科学映画」。前作でアイデア出尽くしたらしく、もうほとんどタワゴトばかりの世界、あまり説明もないまま色んな設定が続出。もう勝手にしてチョーダイ。しかし映像の方は激しくぶっ飛びまくり、幾ら特殊効果の技術が進んだとは言え、目を疑うばかりです。要するにですね、わたしゃこういうの目当てに映画観てるんですよお。だから満足です。カーチェイスなんて歓声をあげたくなっちゃう程のハチャメチャさ。まあ、いささかセリフ過剰の説明臭さが映画の流れを損ない、アクションシーンとの絡みがチグハグになるという、極めて陥り易い症状が、明らかに現れていますが、ま、アクションが予想を上回るゴーカイさだったので(1作目の時にコレを期待してたんだ!)良しとしますかね。ところで、前半の変な踊りのシーンは、要りません。
8点(2004-07-03 23:19:02)
1190.  マトリックス
こりゃまあ、どうしたって、「予告編で盛り上がったこの気分、どうしてくれるのか」と言いたくなるような肩すかしは感じざるを得ない訳で、いざ観ると「え?もっとスゴイ映像を期待してたのに??」と思っちゃう。でもそれは、あまりにもバカ映画魂にフィットし過ぎた映像を事前に見せられ、期待が膨らみ過ぎたから。やっぱりここは「よくぞやってくれた」と言っておきたい。ストーリーも「バーチャルリアリティーもの」と言ってしまえば何だかありきたりだけど・・・それを「オチ」として使っちゃあ確かにありきたりだけど、ここまで正面からバーチャルリアリティー世界を描いたのは大したもの。見た目に貧相なエージェント・スミスが「強敵」という白々しさもナイス。ウソっぽいアクションシーンや、スピード感を損なうスローないしブレットタイム撮影、この辺が本作の微妙なところでもあるのだけど、別にいいじゃない、作品のひとつのカラーとして受け止めたい。それに、何だか大味なだけの映画のように言われがちだけど、なかなか小技も効いていて、例えばマトリックスを象徴する、緑の文字が上から下へ流れていくあのイメージが、映画前半で「窓掃除の流れる洗剤」「滝のように流れる豪雨」といった映像で予告されている、というイタズラも。よくも悪くも映画のひとつの限界に挑んだ映画だと思います。過去の表現方法を流用した当たり障りのない「良い映画」を作るくらいなら、本作みたいなバカをとことんやって欲しい。その方向が間違ってりゃ淘汰されるだけだし、またそれが次の表現方法を生むエネルギーになろうと言うもの。
8点(2004-07-03 22:59:01)(良:1票)
1191.  ゴッドファーザー PART Ⅱ
1作目と2作目を年代順に並べ直した「ゴッドファーザー・サガ」とやらを先に観てしまい、「サガ」-「1作目」=「PART II」かと勘違いしたのが失敗。う~ん何のために2作目なんか撮ったんだろう、という疑問は、後にちゃんと2作目を観た際にようやく氷解しました。このPART IIの魅力は過去と現在の対比あるわけで、「サガ」でPART IIを語る事はできません(「サガ」は別角度から楽しむためのもの)。さて、コルレオーネ・ファミリーの「政権交代」を大河の流れのごとく重厚に(しかし時にセンセーショナルに)描いた前作とは一変、いわば「上流」と「下流」を対比させる新たな語り口を提供したのが、本作の成功したポイントでしょう。2本同じ映画作ったってしょうがないですからね。その分、ストーリーの動きが抑え気味なのが、本作の特徴と言えば特徴、限界と言えば限界とも言えましょうか。改めて振り返ると、人がジャンジャン死んだ1作目に比べると、こちらは皆、死にそうで死なない地味な展開(笑)。若きヴィトーの時代にたまらないノスタルジーを感じます。そして映画の最後の方は、本シリーズからの別れ、コルレオーネ家からの別れを惜しむかのように、まったりじっくり描かれます。そしてあっけなくケリがつけられる。この余韻。本作を観る限り、間違ってもPART IIIが製作されることは無いでありましょう(ハッハッハ)。
8点(2004-07-03 17:50:53)
1192.  原子怪獣現わる
ゴジラの元ネタ映画としても有名なこの映画。まさにレイ・ハリーハウゼンここに在り、といった感があります。低予算映画の負い目を感じさせない、全編に脈動するイマジネーション。ハリーハウゼンのイニシャルRHを名前にもらった「リドサウルス」、それはまさに怪獣の代名詞。その後のSF映画にどれほどの影響を与えた事か。戒厳令、なんてあたりはちょいと時代を感じさせますが、ラストのジェットコースターのシーン、迫力と哀愁をあわせもつこのシーンこそ、怪獣映画の魅力を世界に知らしめた不朽の名シーンと申せましょう。褒めすぎたか?
8点(2004-07-02 22:40:44)
1193.  ファンダンゴ
これ、アンブリンの映画ではありますが、何だか自主制作映画っぽい雰囲気。いかにも「金はなくとも工夫とアイデアさえあればOK!」みたいなノリで、カメラにやたら才気がみなぎってます、が、おそらく撮影の設備や技術がそれに追いついていないため、何となく不安定。でまあ、自主制作っぽいと言うと、何となく独りよがりでキザな映画を想像するかもしれませんが(「ゴダールみたいな映画なら自分も作れる」と思っている奴は結構いる)、この映画に関してはそんなことは全然なくって、しっとりした部分もある一方で、ドタバタギャグもたっぷり盛り込んだ痛快な作品になっています(もちろん自主制作映画にはこういう楽しいのも沢山ある)。何と言ってもパラシュート学校のくだり、可笑しいのなんの。またここでの選曲が振るっていて、背景に流れる音楽はなんとショスタコーヴィチの交響曲第8番。あまりにふざけていてかつピッタリな選曲にめまいが。しかも、第3楽章~第4楽章冒頭を(おそらく)そのまま使用しており、むしろ映像の方を音楽に合わせてる!降参です。パラシュートのコーチがまたトンデモないオヤジで(ちょっとマッドマックス2のジャイロ・キャプテンを思い出す)、ゴーカイな空中アクションも見せてくれます。昼間はバカやって、夜のシーンはしんみりと。これは素敵な映画だと思います。
8点(2004-06-26 03:10:46)
1194.  どら平太
お蔵入りになっていた「四騎の会」共同脚本作品がついに日の目を見る!というわけなんでしょうが、市川崑監督はまるで「あくまでこれはオレの映画だ!」と言わんばかり、まるで犬がションベンで電柱にマーキングしていくがごとく、遠慮会釈なく市川色に染めて行っております。時に艶っぽく、時にバカっぽいこの映像は、誰が何と言おうと市川映画。鶴太郎の役どころも何だか、今にも手をポンと打って「ヨシわかった!」なんて(加藤武の代わりに)叫び出しそうではないですか。さて一方、主人公のどら平太を演じるは役所広司・・・この配役は難しいですねえ。役所さんがやるとどうしても「ホントはきっとマジメな人なんだろう」みたいに思えてきて、あまり意外性がない。ま、でも楽しく観られたので、OKです。ただ、殺陣はちゃんとやって欲しかったなあ(スローなんか使ってカッコつけたのはちょっとガッカリ)。
8点(2004-06-26 02:07:10)
1195.  三匹の侍
いや~コレめちゃくちゃオモロイですねえ。娯楽の鏡と呼びたくなる程、よくできたストーリー。悪代官の娘を農民が人質にとっている所に偶然出くわしたGメン丹波哲郎。ひとまずは高見の見物を決め込むのだが、演じている丹波自身は、おそらく農民の味方をする気マンマンなのである。顔に出ている。ただ、脚本の都合上、いきなり農民の味方をするのもヘンなので、一応ここは態度を保留する。しかし勿論、映画観ている側にすれば、丹波がいずれ農民側に立つのは明らか、そればかり待っているのだから、少し焦らせば充分である。そして丹波さえ農民側に立てば、二匹目の長門勇が農民につくまでの描写など、時間を割く必要もない(見たまんま)。こうなりゃあとは三匹目の平幹二朗が態度を決めるのをゆっくり見守ればよい(気のせいか、少しSHINJOに似てるなあ)。何しろその間、丹波哲郎が大サービスで映画を盛り上げてくれるし。そしていよいよクライマックスの一大チャンバラへ。見ごたえあります。でも最後の1対1の決闘はなんか中途ハンパでしたね。いっそ『スパルタンX』みたいに3人で戦った方が・・・なんてことはナイけど。というわけで、ストーリーの方はオモシロすぎるくらいオモシロいのですが、その一方で五社監督の演出、1シーンごとに入念に練り、工夫を凝らして撮っている、そのハリキリ具合もよく感じられて、なんだかゴーセイな一本を観たなあ、という充実感があるのでした。
8点(2004-05-30 02:26:45)
1196.  血槍富士 《ネタバレ》 
この映画、「作られた話」って感じではなく、まるで、巧みにちりばめられたキャラクターたちが勝手に人間模様を編み上げていって映画が進行させられているような、自然な活き活きとした感じがあります。中心の三人、まるで黄門様と助さん格さんみたいな取り合わせですが、別に世直しもしないし、千恵蔵もヒーローとはとても言い難い朴訥ぶり、まるで加東大介が二人いるかのような・・・。で、細かいエピソード群が絡み合いつつ、なんとなくケリがついたような雰囲気になってきた矢先、突然の悲劇が! そう、これまで穏やかに編み上げられて来たストーリーの流れを突如ブチ切る大事件、黄門さまと格さん(?)が惨殺されてしまう! 二人がここまで実に活き活きと描かれて来た分、その死は衝撃的です。駆け付ける千恵蔵の姿、それは『血煙高田馬場』のバンツマを彷佛とさせ・・・るようなカッコいいものではないのですが、そのモッチャリ感がまた、その後の壮絶な殺陣に、凄みを加えているのも確か。そしてラストは↓にもありますように、「チエゾー、カムバーック」の叫びを背に聞きながら、ひとり静かに去っていくのでありました。ぺぺぺんぺん(笑)。
8点(2004-05-30 01:56:53)(笑:1票)
1197.  十三人の刺客(1963)
七人の侍と忠臣蔵を掛け合わせると、戦争映画になっちゃった、という作品。ラスト30分の死闘はもはやチャンバラではなく、戦争です。映画の始めのほうは断片的な描写のためモヤモヤしているのですが、それが明石藩主暗殺計画へと収束していくあたりでスッと見通しがよくなり、もうワクワクしてきます。途中、藩主一行が行方不明になり、オヤ、と思わせるも、あんまり大したエピソードに伸びないのは残念でしたが。それでも、落合宿についに藩主一行が現れるシーンは、ゾクゾクします。そして壮絶な死闘へ。要塞と化した宿場町には光と陰が交錯し、さらに砂埃も舞い上がって凄まじいばかり。狭い路地での戦いでは、自然、登場人物の動きはカメラに対し前後方向に限られることとなり、それが、こちら迫りくるような独特の迫力をもたらします。う~む、それにしても実に潤いの無い話だ、命を投げ出しての殺し合い、たどり着く先などどこにもない。リアルすぎるほどの殺陣とは対照的に、何か夢の中の出来事のような現実感の希薄さ、まさに悲壮感のみで紡ぎあげたような映画です。ところで、ナレーションはやっぱり芥川隆行に限りますなア。無条件に説得力を感じてしまうこの声。安心感があります。伊福部昭の音楽はいつもどおりの怪獣映画風の音楽(?)で、人によっては真骨頂と呼び、また人によってはマンネリとも言う。わたしゃ結構好きですが。
8点(2004-05-23 16:09:40)(良:2票)
1198.  現金に手を出すな
この映画を楽しむためには、何と言ってもまったりした前半でつい眠ってしまわない事だ(そりゃそうだ)。3分の2くらいは実にまったりしております。しかしジャン・ギャバンが猪木の闘魂注入ばりに連続ビンタするあたりから一転、ぐっと緊迫感が高まり、ここまで来るともう寝てしまう事はない(笑)。映画前半を支配するのは「生活感」(もっとも、エレベーターで上がってくる敵を待ち伏せするシーンなんかでは、後半を予告するようなキレのある描写も)。この生活感と後半の緊迫感との対比が、映画の見どころの一つ、なんでしょうけど・・・どうですかねえ、金塊を手に入れる発端のエピソードをもっと丁寧に描いていれば、映画における金塊の存在感、金塊に対する主人公たちの思い入れが、もう少し強調され、映画の自然な流れと説得力が増したのでは、という気もしたのですが・・・出過ぎた事を言いました、忘れて下さい(笑)。後半、機関銃で敵に立ち向かうジャン・ギャバン、でもスーパーヒーローなんかじゃなく、やっぱりただのオジサン(目つきはちょっと悪いが)、身のこなしはあくまで重く、立ち上がる時にも「よっこらしょ」ってな感じ。人間臭さに味わいがあります。
8点(2004-05-16 01:48:08)(良:1票)
1199.  ふたりのトスカーナ
この映画、ウマいんです。流れがいい。しかしそれゆえ、ショッキングなラストが、やや、とってつけたような感じがして、もう少しウマい映画的処理ができなかったかなあ、と思えるのですが・・・。親を亡くした少女2人、伯父さんのもとに引き取られるんですが、このヒト、見たところ何とも気難しそう。ホントはこの姪たちには深い愛情を持って色々気を配っている事が、映画では示されているんだけど、彼女たちの前での伯父さんはあくまで威厳ある厳しい人。一方彼女たちの方はというと、これまた伯父さんを慕っており、伯父さんのためなら何とやら、で、アレコレ余計な事をしちゃう。当然のごとく伯父さんに怒られる。このスレ違いが、たまらなくユーモラスなんですが、それでいて何だか切ないんですね。もう首吊って死んじゃいたいワ、といいつつも死に切れず、首にナワかけて泣きながら歩いてくる、そのナワ、よく見ると、縄跳び(!)なんですね。何とも切なくて可笑しい。さて当の伯父さん、何故か教会に行こうとしない。伯父さんバチがあたるんじゃないかと、これまた彼女たちの不安のタネ。しかしこの、教会に行かない理由、実はラストへの大きな伏線になっているんですね。というわけで、一見、子供達の活き活きした姿を描いた、のほほんとした映画に見えますが、いやはやどうして、なかなか巧みに練り上げられた映画であります。
8点(2004-05-14 23:03:13)
1200.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
パニック映画の中のパニック映画、って事なんでしょうけど・・・パニック映画が好きでしょうがなかった子供の頃の私、確かに面白いとは思いつつ観たんですが、何となく違和感も。「パニック映画では、災害や動物の群れに人間が脅かされつつも、雄雄しく戦い、それを打ち破らなければならぬ」という思いがあったんですが、一方この映画は、災害の中で逃げ回るだけ。物足りん! というわけで私の中ではパニック映画ではなく、まさに「アドベンチャー映画」にカテゴライズされている映画なのです。別にそれが悪い訳でも何でもないけど、残念ながら「パニック映画専用ボーナスポイント」は点数に加算されません、悪しからず。ま、その後何度も観返して、やっぱこれはスゴイ、観るたびにスゴイ、と思うのですが、その一方で、見る度気になる事も。要するに、「上」にある船底への逃避行の道中、関所のごとく危難が待ち伏せ、そのたびに人柱のごとく一人ずつ死んで行く、あの段取り良すぎるストーリー展開ですね。例えば『タワーリング・インフェルノ』なんかでは、クライマックスに向けて上り詰めて行く、鼻血の出そうなとてつもない焦燥感と興奮があり、そういう要素の乏しい本作と比べるとどうしてもアチラに軍配を上げちゃう。でもね、やっぱり本作も当然ながら捨てがたい。キャラ設定のうまさが、このストーリーを生かしきっています。仲間が減って行く衝撃、それでも容赦なく迫る水の恐怖。特にボーグナイン無くしては、本作はありえません。それからあと、オネーチャンは助かる、というのも、まあ、サービスなんでしょうなあ。
8点(2004-05-09 01:36:38)(良:1票)
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