1201. ハンニバル(2001)
前作の最大の見せ場だった息詰まるような心理合戦はまったくなし。ということは、当然のように前作よりはつまらないわけです。あと分からないところが(すでに指摘されていますが)、(1)冒頭の銃撃戦にはどのような意味が?(2)屈強の看守も簡単にねじ伏せるレクターが、なぜあんなにあっさり捕まる?(3)手首を切り落とすくらいだったら、手錠の鎖を切る方がはるかに簡単では? 4点(2003-03-24 01:12:52) |
1202. マレーナ
《ネタバレ》 初恋というのは、単に美しいだけではなく、往々にして、同時にアホでマヌケだったりするものです。それが嫌みなく両立してまとめあげられています。また、年上の憧れの人というのはいつまでも美しいままでいてほしいものですが、この話ではそれが容赦なく裏切られ続けるところが、切なくて良い。その中で、導入部分では500%エロ目線でしかなかった主人公が、ちょっとずつ変化していく語り口が巧妙です。2人の現実の会話はラストだけ(そしておそらく両者の生涯でこの一瞬だけ)というのも、ある種定石手段とはいえ、実際にやってしまえるのは偉い。 [映画館(字幕)] 8点(2003-03-14 00:12:34) |
1203. ニューヨークの恋人(2001)
《ネタバレ》 非常に良質なラブストーリーだと思います。恋愛とは本来、こういうものであったはずだということを教えられました。大事なのは、誠意であり、心遣いであり、社会的素養であり、勇気であり、凛々しさなのです。レオポルドがデートのBGM(だけ)のためにバイオリン奏者を手配する場面は、最高に笑えました。当然のことながら、安易に2人が寝ちゃったりしないのも、気品があって良いです。●再見して気づいたのですが、この作品では、(主人公2人も、それ以外も)いろんなポイントで、「言葉を尽くして(+選んで)真摯に意を伝えること」によって物事が解決していく場面が多い。その姿勢で一貫しているのが、単なる浮ついたラブコメと一線を画することにつながっています。 [映画館(字幕)] 8点(2003-03-12 22:27:22)(良:1票) |
1204. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
一応、3時間退屈することなく見切ることができたので、それだけでも凄いことだと思います。ただし、見ていて何でいらいらするかというと、誰あろうフロドその人なんですよね。どう見ても頼りない上に、自分で何かをするわけでもなく、しかもすぐに(いろんな意味で)ふらふらどこかに行ってしまう。あれでは共感できません。退屈しなかったのは、レゴラスの格好良さと、リブ・タイラーの200万倍魅力的なミランダ・オットーの功績が大きい。 6点(2003-03-09 01:32:54) |
1205. JSA
《ネタバレ》 この作品が優れているのは、双方の言い分がまったく違っていて、さらに調査を進めると・・・という「羅生門方式」を導入していること。単に38度線付近で兵士が交流しました、というだけでは、ここまで濃い内容にはならなかったでしょう。導入部で手際よく提示される双方の陳述書は、そのまま対立し断絶する南北構造そのものですし、そうであるからこそ手法としての必然性があります。そしてそのことが、例えば4人が打ち解ける中にも一触即発の危険性やぎごちなさを残留させ、現実の暗い影を終始落とし続け、全体を奥深いものにしています。その中でも制作側の「祈り」のトーンもあわせて持続しているのが素晴らしいです。 [映画館(字幕)] 8点(2003-03-07 00:02:58)(良:1票) |
1206. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 主人公がごく普通の人間である(ヒーロー的な活躍をまったくしない)からこそ、逆に怒りや哀しみが生々しく伝わってきます。本来の家から廃墟の屋根裏まで、生活環境が累進的に劣悪になっていくのが、そのまま、主人公の荒涼とした心境を象徴しています。そのすべての状況でそれに即した演技表現を存分に行ったエイドリアン・ブロディには拍手を贈りたい。そしてそれと同じくらい印象的だったのがカメラワーク。窓の外で起こっている悲惨な出来事を、ことさら映像的に強調することなく、部屋の中から主人公目線で追い続けるショットには背筋が寒くなります。どうしても気になるのは、仕方のないことかもしれないけど、台詞が英語であること。こういう民族性がからんだ作品では特に。 [映画館(字幕)] 7点(2003-03-02 21:29:31) |
1207. M:I-2
《ネタバレ》 普通に単純に楽しめる作品だと思います。それ以上でもそれ以下でもありません。ただし、敵のアジトを脱出してからが長過ぎ。 [映画館(字幕)] 5点(2003-02-04 20:01:49) |
1208. 息子の部屋
話の骨が弱すぎてほとんど印象に残らなかったのですが、ラストシーンのしっとりとした切なさだけは印象的でした。 [映画館(字幕)] 4点(2003-02-02 17:09:41) |
1209. ロード・オブ・ザ・リング
後の作品まで全部見てからもう一度見ると、全然イメージが違いますね。最初に見たときは、あまりの話の進まなさに呆気にとられたのですが、ほとんど物語の背景だけでこれだけの時間と手間暇をかけてしまう贅沢感も、映画ならではかも。 [映画館(字幕)] 6点(2003-01-31 19:12:31) |
1210. オータム・イン・ニューヨーク
こんな純愛ストーリーに海千山千同士のギアとウィノナなんて、その時点で制作のセンスを疑います。なんですが、雪のNYの美しい映像と気品溢れるガブリエル・ヤーレ御大の音楽のおかげでそこそこの作品としてまとまっており、簡単に切り捨てられない困った作品。公開当時デートに使ったので+1点。 [映画館(字幕)] 6点(2003-01-30 21:39:29) |
1211. バーティカル・リミット
突っ込みだしたらきりがないんですけどね。幸いなことに大画面と大音響で見られたし、見てる間は単純に興奮していたので、私にとっての印象はそんなに悪くないです。妹をもっと魅力ある役柄にしていたら、もう少し評判は良かったのでは?珍しく悪役になってもやっぱりヘタレで小人物なビル・パクストン(←ほめ言葉)も微笑ましい。 [映画館(字幕)] 6点(2003-01-24 21:44:52) |