1321. ダバング 大胆不敵
これって大胆不敵というよりは、単に暴力的なだけなのでは・・・。別に敵を滅茶苦茶やっつけたり、周囲に報復したりするのはいいんだけど、それも、ヒーローに必要な哲学なり道徳心なりを持ち合わせた上でのこと。この主人公にヒロインが何で落ちるのか、さっぱり分かりません。この種の映画でヒーローが格好良くないというのは、かなりのダメージというか、致命的です。 [DVD(字幕)] 4点(2017-12-09 00:07:55) |
1322. いとこ同志
とにかく描写が作為的というか、観念的というか・・・一つ一つのシーンを役者が指示通りに演じているだけであって、登場人物が生きてないのです。したがって、いくらストーリーを盛り込んでも、それがそのまま流れるだけで、面白みがありません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-12-09 00:03:19) |
1323. 襲われた幌馬車
《ネタバレ》 冒頭、主人公が復讐の最後に失敗して敵の手に落ちるところまでは、まあ1つの定石。そこで何やら移動中の集団と合流してドラマが始まるんだけど、やたらと身なりが清潔で小綺麗だし、みんな宗教熱心で礼儀正しいし、なぜか美女が3人もいる。というわけでそこからは、随所で予想を外してくる展開が待ち構えているのです。泳ぎから帰ってきた後のシークエンスもインパクト大ですし、忘れた頃に出てきて絡んでくる軍隊の存在も面白い。ただ、いろいろ片付いた後の裁判がどうのこうのというところは、やはり余計だったかな・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-03 22:14:23) |
1324. ヘッドライト
《ネタバレ》 もっと切ない大人のラブロマンスを想像していたのですが・・・全体的に、演技がゴツゴツしていて、不倫という設定がもたらすはずの高揚感とか逸脱感が感じられないのです。したがって、平坦な印象になってしまいますし、悲劇的なはずの終幕も、予定調和に見えてしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-12-02 23:56:08) |
1325. シャロンの屠殺者
《ネタバレ》 導入部では、天然で野放図な主人公のキャラクターに新鮮味があって、また3人組のかけ合いもそれなりに面白く、こんなウエスタンもありかと思っていたのですが・・・中盤以降、なぜか突然グダグダになってしまいました。登場人物を動かし切れなくなったというか、スタミナ切れになったのでしょうか。大佐の妻とのどうのこうのも、かなり無理矢理感満載です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-11-30 00:11:37) |
1326. ボーダーライン(2015)
《ネタバレ》 描写を抑えることによってかえってその底から滲み出てくる恐怖と緊迫感を感じさせるセンスとバランスは、この監督ならでは。ただし、終盤はデルトロの復讐譚一直線みたいになってしまっていて、もっとヴィルヌーヴ独特の人間の業の深さとかどろどろした情感の部分を見たかった。あと、設定から何となく「ゼロ・ダーク・サーティ」と比較してしまいますが、ヒロインのダメージ食らいぶりとそれでも立ち向かう芯の強さみたいなものは、あっちのジェシカ・チャスティンの方が上ですね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-11-29 01:20:16) |
1327. シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛
《ネタバレ》 こんな大人のラブロマンスがあったとはねー。演技面ではもちろんマーシャ・メイソンが中心なんだけど、ジェームス・カーンがそれをしっかり受け切っていて、さらに子役の彼も巧く絡んでいる。イーライ・ウォラックの使い方も絶妙。前半は、障壁乗り越え系(?)のロマンスとして堂々と進行し、あれ?ちょっと上手くいきすぎじゃない?と思っていたら、まさかの方向に話が進展する。終末部では、ビリヤードやナイフなんかの冒頭導入アイテムを用いて回帰を示し、祭りの後的な一抹の虚しさを感じさせ、「でも、でも最後に何とかなるよね?」と願わせておいて、本当に何とかしてくれました。お見事。 [DVD(字幕)] 7点(2017-11-27 03:21:16) |
1328. ザ・スナイパー(2005)
《ネタバレ》 せっかくの設定なのですから、それぞれの背景や生業や感覚や意識の差を際立たせるだけで、もっと面白くなったと思うんだけどな・・・。双方の描き方が平坦なので、ギャップによる笑いが出てこない。殺し屋がスランプに陥るというギャグ部分も、変に真面目に描こうとしているので、何がしたいのか分からない。あと、奥様の絡み方も中途半端です。 [DVD(字幕)] 4点(2017-11-22 04:53:26) |
1329. エルダー兄弟
《ネタバレ》 中盤くらいまで、何をやっていても妙にのんびりした雰囲気が漂っていて。画面上では、4人を同一フレームに入れたショットが妙に多いのですが、つまり、せっかく4人いるのに、それがひとかたまりになっていて、個性が殺されてしまっているのです。罠にかけられて捕らえられるあたりは、一つの盛り上がりどころなのでしょうが、あまり反撃らしい反撃もしないので、さらに陰気な雰囲気が立ちこめてくる。橋での銃撃戦くらいからやっと面白くなってきますが、その後の個々の処理も割と雑でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-11-21 02:02:00) |
1330. 9-ナイン(2007)
《ネタバレ》 導入部の謎は実に魅力的。パート2に突入するに至ってさらに魅力的。これは一体どう整合させて着地するんだろう、と逆に不安になっていたら、まさかのそっちの方向性でのまとめ方で、それはそれでまあつじつまは合うんだけど、伏線の張り方と引き方は若干雑だったかな。ただこれって、全体としては、主人公=まさに映画を作っている自分たち(監督・脚本家)のメタファーだったんでしょうか。ということはこのラストは、逆に見ている側が作品の中に引きずり込まれてしまいました、という着地なんですね。 [DVD(字幕)] 6点(2017-11-12 01:44:58) |
1331. 駅馬車(1939)
《ネタバレ》 前半の、いろんな立場の人が1台の馬車に収斂していく過程は、80年近く前の作品とは思えないほどの洗練ぶり。逆に、アパッチの襲撃以降は、その辺の心理の綾が消え去ってしまい、かえってもったいないことになってしまいました。まあ、演出者の意図としては、前半のじわじわした描写との対比をしたかったんでしょうけど。あと、登場人物の中では、うるさいだけで人間的魅力がなさそうな人(悪役であっても)が何人かいたのが残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-11-11 01:14:23)(良:1票) |
1332. GODZILLA ゴジラ(2014)
《ネタバレ》 導入部は「あれ?意外と悪くない?」などと思っていましたが、父親が退場してから急速につまらなくなりました。というか、前半の親子二代のああだこうだが、後半に全然つながってないじゃん。あと、ゴジラがことごとく登場した瞬間に出番を切られるとか、暗すぎて何をしているのかさっぱり分からないとかいうのは他の方に同感ですが、それに加えて、カットごとで周囲との大きさ比が全然違っているのも気になりました。ジュリエット・ビノシュの動員という功績に4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-11-09 03:06:35) |
1333. グーニーズ
あまりにも面白くなさすぎで、びっくりしました。とにかく、子供らがワーワーうるさすぎ、その割に何かの才能もなければ子供ならではの知略もない。その前に、演技がまったくつけられていないので、見ていて辛いだけです。ケリー・グリーンの登場に2点。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-11-08 20:59:50) |
1334. ル・アーヴルの靴みがき
《ネタバレ》 密入国少年が家に紛れ込んだところで、「あ、そう」レベルで済ませている(どころか、その後少年をほっといてとっとと外出している)シーンが何とも強力。この超然とした主人公の立ち位置が、その後ラストまでの展開を一気に必然性あるものとするほどのパワーがある。また、密入国の背景とか、警視とカフェのマダムの過去の経緯とか、妻の病気の詳細とか、そういう余計な背景とか感情描写をすべて切り捨てている潔さも良い。 [映画館(字幕)] 7点(2017-11-07 02:34:25) |
1335. 宇宙人の解剖
《ネタバレ》 この映画の中身自体がそもそもぜーんぶ創作だった、とかだったら面白いなと思いながら見ていたのですが、さすがにベースの話はあったんですね。撮影に集合する友人連中とか、巧いタイミングで再登場するカメラマンとか、脇役の堅実ぶりによって作品が水準を保っています。一方、主役2人はちょっと単調な感じで、特にゲイリーの方はもう少し受けとか変化を見せてほしいところでした。 [DVD(字幕)] 6点(2017-11-06 01:23:53) |
1336. キャプテン(1981)
《ネタバレ》 傑作の原作にして、傑作のアニメ。その劇場版なんだから、内容はダイジェスト版でそもそも谷口期のみだとしても、良い内容に決まっている。さらにいえば、テレビ版よりこっちの方が先であり、この劇場版がなければあのテレビ版もなかったかもしれないわけなので、その意味でもこの作品の意義は大きい。とりあえず内容としては、あの谷口タカオ畢生の名台詞、「俺みたいな素質も才能もない者は、こうやるしか方法はないんだ」が聞ければ、それでいいのです。あ、でも、青葉との決着の改変はちょっと間抜けで、ここはやはり、イガラシの「もうキャプテンも俺も投げられやしないんだ!」が聞きたかったかなあ・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2017-11-05 02:14:44) |
1337. ノスタルジア
それぞれのシーンの「画」としての重量感や破壊力は、とてつもない水準に達しているのですが・・・しかし、登場人物は監督に都合の良いように動かされているだけであって、行動の必然性がないので、名画を何十枚も続けて展示されているようにしか見えませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-11-04 00:34:17) |
1338. メッセージ・イン・ア・ボトル
《ネタバレ》 前半から中盤までが、とにかく間延びしていて、説明的で・・・引き出しでのボトル発見のあたりから、ようやく登場人物が動き始めていました。全体を構成する循環構造みたいなものは悪くないだけに、前半を削って100分くらいにしていてくれたら、と思います。あと、ここまではったりをかます展開にしていたのだったら、最後のコスナーのメッセージも、やはりロビン・ライトが海で発見した、とかにしてもよかったんじゃない?(投下前のボトルをニューマンが回収して手渡した、というのは、何とも味気ないです) [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-11-03 01:46:25) |
1339. 妹の体温
《ネタバレ》 タイトルやあらすじからは、もっと背徳的で官能的なものを想像するのですが・・・まず、妹と兄は義理の関係という設定で、しかも冒頭では初めて会ったということになっている。そうすると、背徳性の前提となるべき日常の生活が何も存在しないので、兄妹という関係にした意味がないのです。というよりも、むしろ、その辺でめぐり会った男女の関係と変わるものがありません。一つ一つの展開からすると(あるいは、原題からしても)、何か家族関係の欠落みたいなものをテーマとしたかったっぽいんですが、そこまで突っ込み切れていない。また、時折出てくる主人公のバレエ教師云々も、本筋に反映されていません。 [DVD(字幕)] 4点(2017-11-02 21:42:19) |
1340. マイヤーリング<TVM>
《ネタバレ》 導入部はちょっとごちゃごちゃしていますが、ヘップバーンが令嬢役で登場すると、やはり途端に引き締まります。そしてその後はど直球のラブロマンス一直線。さらにラストに向けても一直線。この迷いのなさは嫌いではありません。ところでこれって実話ベースだったんですね。期せずして歴史の勉強にもなりました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-10-26 00:23:12) |