1321. ロスト・イン・トランスレーション
今年の春公開されたソフィア・コッポラの最新作とは状況は異なるが、寂しさの中出会った、或いは再会した2人が次第に心を通わせていくといった共通点のある作品。 言葉が通じない異国の地。普段の生活より時間的なゆとりもある。疎外感や寂しさもあるが、そんな時だからこそ冷静に普段の自分の生活や人生を見つめることができるというのはあると思う。僕たちの知っている東京ではなく、外人の目に映るTOKYOが面白かったけど、やはり日本人としてはツッコミ所や違和感がありすぎました。 どうでもいい話ですが、折角ビル・マーレイが日本に来てるんだから、出演したトーク番組がマシュー南のベストヒットTVというのはショボすぎませんか?「徹子の部屋」か、無理なら「いいとも!」くらいには出してあげましょうよ! [DVD(字幕)] 5点(2011-09-09 23:31:37) |
1322. 黄色い星の子供たち
《ネタバレ》 史実に基づくこの題材のヨーロッパ映画だけに見る前から覚悟はしていましたが、重い映画でした。しかし、いい映画でした。見てよかったと思います。 妥協せず歴史を伝えようという意思が感じられる厳しい演出だったと思います。それは本来は市民を守るべき存在である筈のフランス警察の描写ついても。少しずつ顔や服が汚れていき、やつれていく。列車に乗せられ、二度と戻ってこなかった人々を演じた全ての俳優、子どもたちが素晴らしい演技でした。そして以前から綺麗な女優さんだと思っていましたが、メラニー・ロラン、いい女優さんだと思いました。 フランス国内では全ての人が知っているのであろう、ナチス占領下の仏国内で1942年に行われた1万人以上に上るユダヤ人の一斉検挙。そのほとんどが生還できなかったという。僕は本作を通してこの史実を知り、記憶に刻み込まれることになった。これも映画の持つ大きなチカラなんだと思う。 [映画館(字幕)] 9点(2011-09-08 18:28:17)(良:1票) |
1323. テルマ&ルイーズ
《ネタバレ》 途中は現代の女2人版「俺たちに明日はない」の”ボニー&クライド”のようであり、最後は「明日に向って撃て!」の”ブッチ&サンダンス”のようでしたね。そして本作の2人は”テルマ&ルイーズ”。 しかし本作の2人はこれらのようにならず者じゃないし気晴らしのバカンスの旅に出ただけなのになあ・・・。その旅で前向きに感情を爆発させ、いい出会いもあって、もっと心の底から笑い合って開放されていく2人の姿が見たかった。残念ながらまだまだ人生を再出発できる2人を無理やり破滅に向わせているだけに感じました。 ロードムービーとしての出来は旅のテンポもよく上手くいっていたし、主演の2人も、ハーヴェイ・カイテルの人情刑事ぶりも非常によかった。強烈に印象に残るラストでしたがやりきれない思いだけが残りました・・・。どうしてもニューシネマが撮りたかったのなら仕方がないですけどね。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-06 00:18:48) |
1324. オンリー・ユー(1994)
《ネタバレ》 ノーマン・ジュイソンがこんな甘~いラブコメ撮ってたんですねえ・・・。 アメリカからイタリアにやって来た女性の前に誰もがイメージする典型的イタリア男が登場のお約束の展開。ついでに空港の職員も待たされるパイロットもみ~んないい人でしたが、こういうのは好きだなあ。 イタリアでの二転三転する”デーモンを探せ!”も楽しかったです。ラブコメの主人公は絶対幸せになれなければならないのですが、その代わりに誰かが可哀相なことになって複雑な思いが残るよりは、ヒネリとかは無くていいのでみんな幸せハッピーエンドがいいんじゃないでしょうか。 よって本作の場合はお姉さんとご主人の現実的だけど幸せそうなラストの姿の方に「良かったね」と感じてしまうのでした。 [DVD(吹替)] 6点(2011-09-04 18:18:14) |
1325. ゾンビランド
いい年したオジサンのくせにやたら怖がりだし血を見るのも苦手な僕はホラーやゾンビ映画の類は怖くて見ることが出来ません。でも、何となく本作は面白そうだと思い、ゾンビファンの皆さんから見れば物足りなさを感じるかもしれない本作ですら、借りてきたDVDを意を決して恐る恐るプレーヤーに挿入・・・。 前置きが長くなりましたが、楽しかったです。僕はシートベルトが嫌いで何度もシートベルト違反で捕まってますが、いつ何があるか分からないし、ちゃんとシートベルトしめるか・・・。と思わせてくれたことにも感謝?でしょうか。 ビル・マーレイを出す大技からちょっとした台詞の小技に至るまで笑いドコロ十分なところもコメディ好きにはたまらないです。特に僕が大好きなマーレイさん!死んじゃったのに「ツボに入っちゃった」と笑ってしまった姉。これ、分かるなあ・・・。マーレイさんらしいギャグのような死にザマ。最高でした。あっという間に出番は終わりましたがマーレイさんも満足だったんじゃないかな。アイゼンバーグがチラッとフェイスブックを語るところも笑ってしまいました。 人と親しくしたくないから名前を名乗りたくないと言うタラハシー、「人を信用するな」という姉妹、そして数々の己に課した誓いで生き抜いてきた人間嫌いのコロンバス。人との関わりを避けていた彼らが誰もいなくなってしまった世界で人の温もりや人は一人では生きてはいけないことに気付いていくストーリーもいい。愛する人を守るためにストイックに守ってきた誓いを破り、ラストで人間臭さを見せてくれたコロンバス。素敵じゃないか。 [DVD(吹替)] 8点(2011-09-03 10:50:14)(良:3票) |
1326. ボン・ヴォヤージュ
《ネタバレ》 ナチス進攻によるパリ陥落を背景に描かれる2つのドラマ。殺人犯と殺人犯に間違われた男、恋人と愛人とをユーモアを交えて見せるドラマと、「ある物」をナチスの手から守りイギリスへ脱出しなければならない老教授一行のシリアスなドラマ。この2つのドラマを登場人物が行き来する。事情は色々だし共感できる生き方ばかりでもないですが、共通するのは自由への脱出口を求める人々のドラマということでしょうか。作品としては2つのドラマを行ったり来たりで忙しすぎる気がするけど、ナチスの抑圧の時代を生きる様々な人間模様を重くならずに2時間以内によく纏めた作品だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-01 23:40:19) |
1327. シャンハイ(2010)
《ネタバレ》 日米中の豪華競演の中でも僕はコン・リーがお目当てでしたが、この人の年齢と共に増す妖艶さは一体何なのでしょか・・・?と言うほど本作でもお綺麗で、胸元に脚に・・・と衣装も素敵でした。 メインとなる太平洋戦争開戦前夜の上海で繰り広げられる、日本人、アメリカ人、中国人が絡み合うロマンスとミステリ&サスペンスは様々な関係が描かれるもどの関係も結局深みが感じられず、特に意外な真相のようなものも無かった。特にジョン・キューザック演じるポール、コン・リー演じるアンナ、謙さん演じるタナカのそれぞれと絡み合う、ある意味本作のキーともなるべきスミコの扱いが薄く、立ち位置が不明瞭すぎた。終盤に再会するタナカとの関係もそれまでが説明不足なので謎のまま終わってしまいました。 しかし当時の上海の下町や、華やかな西洋の租界を舞台に抗日組織、日本軍、西洋の諜報機関が入り混じり暗躍する太平洋戦争開戦前夜の混沌とした上海の雰囲気や、豪華キャストの熱き好演は見応えのある作品です。 [映画館(字幕)] 5点(2011-09-01 17:40:56) |
1328. ロング・グッドバイ
数々の名優が演じてきたフィリップ・マーロウですが、エリオット・グールドのマーロウもいいですねえ・・・。見事に本作のマーロウ像を提示する、深夜にキャットフードを買いに行くユーモアを交えた冒頭が素晴らしく、夜の街に、煙草に酒、そして音楽。アルトマンが徹底的に気だるい世界観を演出する。そこにくわえ煙草のエリオット・グールドのマーロウの佇まいがピタリとはまる。事件に関係する男を演じたマーク・ライデル(結構お気に入りの監督さんでもあります)やスターリング・ヘイドンのアクの強い存在感も印象に残ります。一般的なハードボイルドのイメージとは一線を画し、最後の”ハリウッド万歳”の使い方にもいかにもというアルトマンらしさが感じられました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-28 22:03:40) |
1329. ギルダ
40年代ハリウッドのセックスシンボル、リタ・ヘイワースが全編にわたり妖艶なオーラを発散しまくる。タイトルも彼女が演じる役名「ギルダ」であり、漂わす雰囲気も、声も、衣装も、これはもう完全に彼女の映画ですね。特に終盤、彼女が歌い踊る姿を見ていると、もう話の筋に戻らなくてもいいとさえ思えてきます。また、本作はかのショーシャンク刑務所で上映されていたことでも有名になりました。リタ・ヘイワースが登場し、ドーンとアップになる、あのシーンです。その瞬間、ショーシャンク刑務所に歓声があがる。あのショーシャンクの男たちのリアクションもまた、本作のリタ・ヘイワースの魅力と当時の彼女の人気を見事に表現しています。 [DVD(字幕)] 6点(2011-08-27 16:27:06) |
1330. オペレーション・ワルキューレ<TVM>
《ネタバレ》 どうしてもブライアン・シンガー監督作「ワルキューレ」と比較しながらの鑑賞となりました。 ブライアン・シンガー版は原題も「ワルキューレ」で本作の原題は「シュタウフェンベルグ」となっています。「ワルキューレ」はシュタウフェンベルグ大佐を中心としたワルキューレ作戦を描き、本作はワルキューレ作戦の中心にいたシュタウフェンベルグ大佐に軸が置かれていたように思います。 TV用に作られ予算的制約もある本作とスーパースター、トム・クルーズを起用した大作「ワルキューレ」。どうしても一つ一つのシーンの迫力は「ワルキューレ」に軍配が上がる。しかし、「ワルキューレ」ではよく分からなかったシュタウフェンベルク大佐の上官であるフロム大将の微妙な立ち位置などは興味深い所でした。また、計画が破綻して以降、最期の時までの数時間の迫力ある人間模様の描写は本作に軍配が上がると感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-23 21:11:20) |
1331. サンザシの樹の下で
楽しみにしていたチャン・イーモウの新作。ようやく僕が住む街でも公開されたのですが、お客さんは5人程度。ちょっと寂しかったですが・・・。いい映画でした。 ”しあわせ3部作”の頃のチャン・イーモウが帰ってきてくれたような作品でした。中国の農村を舞台にした、今時あまり見かけなくなった、時には見ていて恥ずかしくなるほどのこれでもかっ!というほどの純愛映画です。 ヒロインの女優さんは新人さんのようですが、かつてチャン監督が発掘したチャン・ツィイーのようなハッとする美貌というわけでもなく、どちらかと言うと今時の女優さんにしては地味な印象なのですが、独特の存在感、透明感を感じます。 チャン監督は感情を吐露する一言をあまり彼女に台詞で言わせないんですね。その代わりにこれでもかと言うほど彼女の表情を捉え続けます。恥じらい、嬉しさ、困惑、悲しみ・・・こうした人間の感情を演じる彼女の見せる様々な表情が印象に残りました。チャン監督、彼女に相当惚れ込んだのではないでしょうか。 本作はチャン監督がこれまでの作品でも描いてきた文化大革命の時代に再び取り組んだ作品でもあります。これまでにもチャン監督が見せてきた批判精神が随所に見られますが、この実話の舞台となった「サンザシの樹」も今はダムの底に沈んでしまったという。多くの人々に犠牲を強いたかつての中国の過ちだけでなく、最後にそっとその事実を字幕で告げるのですが、ここには経済発展のためなら待ったナシという現代中国のあり方に対するチャン監督の思いが垣間見えた気がしました。 [映画館(字幕)] 8点(2011-08-22 21:00:32) |
1332. レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち
連合軍のノルマンディー上陸をめぐる、歴史の教科書には出てこない現代史の裏側を描いた力作。街中の至る所にドイツ兵が配備されたナチス占領下のパリの緊張感ある描写に、最後まで緊張感が途切れることなく敵との攻防が描かれるテンポの良い展開も見事です。 ただ、既にレビューされている方が触れられていますが、ナチス側の重要登場人物であるハインドリッヒ大佐が非常にソフトな印象になってしまっている点があまりにも惜しいところです。 本作はフランス製作ですが、対独の実話をベースにしたヨーロッパ映画には独特の重さや凄みがあります。どうしてもやるせない犠牲を伴うことになるので、本作もそうなのですが話は非常に重いです。主演ソフィー・マルソーの熱演が光りますが、ソフィーにマリー・ジランらのお姿が久しぶりに見られたことも嬉しい作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-21 00:39:25) |
1333. 女性上位時代
衣装に髪型、リボンや帽子に眼鏡など、凝りに凝ったカトリーヌ・スパークの着せ替えが楽しくて、とにかくカトリーヌがかわいい映画です。脱ぎっぷりの良さもお見事ですが、真っ昼間のドライブの助手席であまり裸にはならない方がよろしいかと・・・。 お洒落なお部屋のインテリアに、軽い感じの巨匠トロヴァヨーリのBGMと、美術や音楽もいい感じの作品。お話の方は・・・最後の方はもうどうでもいいわ、という感じでカトリーヌの魅力だけで映画1本作っちゃいました!という作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-08-21 00:33:17) |
1334. チャーリーとパパの飛行機
《ネタバレ》 クリスマスプレゼントに自転車が欲しかった少年。しかしパパがプレゼントしてくれたのは白い模型の飛行機。少年にとってはガッカリだったのですが、その数日後、軍のパイロットだったパパが事故で死んでしまうと、その飛行機が意思を持ったかのように空を飛びだす。 最後までその正体が何だったのかハッキリとは分かりません。パパにもう一度会いたいという望みを叶えてくれたこの飛行機の正体をどう解釈すべきかと思いますが、「この飛行機がきっとパパにもう一度会わせてくれる」と信じていた少年。子どもが持ち得る純粋な心、信じる気持ちの象徴だったのでしょうか。模様も飾りも無い、真っ白でシンプルな機体を見ているとそんなことを感じましたが、ここは見る人それぞれの感想がありそうです。 サスペンスあり、オカルトやSFの要素もありのファンタジーで作品の目指すところが定まっていなかったのが難点でした。しかし無理に感動をあおる演出や音楽は抑え、飛行機が少年に語りかけるようなこともありません。主人公はあくまでもこの少年であるというスタンスは本作にとってはとても良かったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-19 22:13:54) |
1335. 影なき狙撃者
非常に真面目に作られている映画であり、東西冷戦の真っ只中の時代背景を考えるとよくこのような題材を取り上げたと思うし、当時アメリカでは、かなりの問題作という位置付けになっていたのではないでしょうか。作品全体のトーンは非常に重苦しく中盤まではかなり長く感じられ、ずっと何か悪い夢でも見ているような感覚でもありました。当時実際にこのような洗脳が行われていたのか、そのような疑惑があったのかは分かりませんが、洗脳のシーンは非常によく考えて撮られており、かなりの恐怖感があります。「これが洗脳なのか」と思わされる迫力と不気味なリアルさがありました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-08-18 23:06:50) |
1336. バードケージ
前半は正直長く感じる時間帯も多かったですが、両家が顔を合わせた後半からが面白く、芸達者な顔触れが揃ったキャストそれぞれの持ち味がよく出た演技が楽しめる作品でした。ジーン・ハックマンは前半は存在感が薄かったものの、両家が顔を揃えてから見せる真面目な可笑しさが良かったしロビンも流石の芸を見せてくれます。そしてダイアン・ウィースト。この人の何と言いましょうか、本作でも見せてくれますが独特の微笑みをたたえて話す表情が好きなんですよ。彼女の上院議員の奥様ぶりに娘役のキャリスタの良家のお嬢さんぶりも可愛かったですね。しかし、これらの豪華な顔触れがかすむほどの強烈な存在感を見せたネイサン・レインに拍手!です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-08-18 00:17:38) |
1337. ぐうたらバンザイ!
何なんだ?この映画は!?一番レビューの方から6年の時を経て偶然にも僕もお盆休みに本作を見てしまいました。 怠け者の農夫アレクサンドルを演じるフィリップ・ノワレが実に味のあるとぼけた怪演を見せる。前半はちょっと目を離せば仕事を怠けようとするアレクサンドルvs何とか働かせようとする奥さんの心理戦が可笑しく、後半はアレクサンドルが飲んで食って寝て、釣りしたり水浴びしたり遊んでいる様子とそれが村にもたらす騒動がのんびりと描かれる。大したストーリーもありません。なのにこの可笑しさ。音楽の素晴らしさも見逃せません。ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」を思い出す雰囲気を持つ実に愛すべきフレンチ・コメディの快作(いや、怪作か?)です。 みんな間が抜けてるけど可愛げがある農村の人間模様、名前さえ付けてもらえない”ワン公”の姿に心も和む超ゆる~~~~い人生賛歌。「ぐうたらバンザイ!」という邦題も見事です。確かにお盆休み後半にもう1回見たら休み明けの社会復帰に苦労しそうな困った映画です(笑) [DVD(字幕)] 8点(2011-08-12 17:27:30) |
1338. 地球は女で回ってる
男と女にセックスにユダヤに・・・。これまでも作品の中でアレンを悩ませてきたテーマがテンコ盛りで、アレンが演じる悩み多きうつ病の作家(まあ、お馴染みの役どころですね)を中心に繰り広げられる現実と虚構が入り混じる群像劇です。 実にアレンらしいネタや楽しい無駄を次々にこれでもかと言わんばかりに挿入してきます。それにしても豪華なキャストですが、中でも笑ったのがピンボケでしか登場しないロビン・ウィリアムス。ラストまで一人ピンボケで登場したところでは思わず吹き出してしまいました。 テンポよく、を通り越してかなり早口で現実と虚構の世界が入り混じってくるので話と登場人物を整理するのが大変ではありますが、もう1つのアレン映画の特徴でもある小難しさは無いので気軽に笑える作品となっています。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-11 22:41:29) |
1339. スコルピオンの恋まじない
俳優ウディ・アレンと監督ウディ・アレン、両方のいい味がよく出ている作品です。 相変わらずの屁理屈に自虐ネタ炸裂でヘレン・ハントと楽しい喧嘩を繰り広げるアレンの台詞まわしの楽しさをたっぷりと堪能できます。そしてヘレン・ハントも負けてはいない。立派にアレンの喧嘩相手を努めており、見事なアレンのパートナーぶりでこの2人の喧嘩の台詞がとにかく楽しい。 本作の中で唯一無理のあるキャストはアレン自身。しかし無理を承知で自分をキャスティングして、しかもシャーリーズに迫られるという設定の強引さにはむしろ清々しさを感じるし、こんなこと、アレンさんにしか出来ないですよ。ラストもあのキーワードを最後の最後まで取っておくアレン話術の巧みさにまたしてもやられました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-10 22:25:32) |
1340. 天国から落ちた男
スティーブ・マーティンの記念すべき初主演映画です。とは言え、この頃にはサタデーナイト・ライブで既に彼は人気者だった訳ですが。 全編に渡り彼の独壇場で、超ハイテンションの濃いスティーブ・マーティン芸が炸裂しまくりです。しかし初主演に張り切りすぎたのかサタデーナイト・ライブと映画はやはり違うものなのか、自慢の芸が映画の流れの中で結構スベッている所も見られます。よって、スティーブ・マーティンが苦手な方は見てはいけない映画かもしれません。 しかし、スティーブ・マーティンが大好きに僕にとってはそういうのも全部含めてやっぱりスティーブ・マーティンは楽しいなあ・・・という映画です。究極に見る人を選ぶ映画ですが、僕にとっては十分!すぎるほどに(ホントに十分すぎますよ!)スティーブ芸を堪能させていただきました。 [DVD(字幕)] 5点(2011-08-07 14:33:00) |