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sayzinさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
ホームページ http://sayzin.tumblr.com/
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121.  ドリームガールズ(2006)
(ちょっと長め) 全体的に少し駆け足気味の印象ながら、中盤以降は一曲一曲をじっくりと聴かせてくれる上、それぞれのパフォーマンスが素晴らしいので、満腹感の高い上質のブラック・ミュージカル映画に仕上がってると思います(前半の曲はストーリーを語る様に構成され、後半は登場人物の心情を切々と語る)。カーテンコール風のエンド・タイトルも中々洒落てます。そして特筆すべきは、アカデミー助演女優賞にもノミネートされた新人ジェニファー・ハドソン。物語的には彼女の演じるエフィが主人公と言っても良い位なので、むしろ主演女優賞候補でも不思議は無い。ジェームズ・ブラウンの「プリーズ、プリーズ、プリーズ」を思わせる“And I Am Telling You I'm Not Going”は圧巻。その後の“I Am Changing”も泣かせます。アカデミー賞俳優のジェイミー・フォックスも、主役扱いのビヨンセも彼女の前では霞んで見えます。時代性も良く再現されてるので、モータウン・サウンドが好きな人には特にお薦めします。ただ戸田奈津子には、もうミュージカル映画の翻訳はやらせないで欲しいと思いました…、7点献上。
[試写会(字幕)] 7点(2007-02-03 00:05:20)(笑:1票) (良:1票)
122.  リトル・ミス・サンシャイン
何も問題の無い時には家族がバラバラでも、それこそ問題は無い。しかし一たび問題が起きた時にモノを言うのが「血縁の絆」であり「家族の結束」。肝心な時に他人は当てに出来ません。血は水よりも濃いのです。あのおんぼろマイクロバスこそ「家庭」の姿。全員の力があってこそ家庭を前へ進めることが出来、そして一人たりとも(文字通り「死んでも」)後に置いてはいかない…。どことなく「サムサッカー」と同じ様な雰囲気を感じましたが、私はそれよりもずっと感動しました。それにしても、ファンキーな爺さんの性格を考えれば判りきったことながら、満を持して披露されるオリーヴちゃんのステージ・パフォーマンスは中々の衝撃。確かに「下品」かもしれませんけど、北朝鮮でマスゲームをやらされてる子供みたいに、不気味な作り笑いを顔に貼り付けて猿回しの猿の如く「芸」をさせられる他の参加者に比べれば、遥かに子供らしくて愛らしい「ダンス」でしたネ、7点献上。
[映画館(字幕)] 7点(2007-01-19 01:04:19)
123.  アンネの日記(1995)
何故か相当マイナーながら、落ち着いたリアル志向の上質な作品になってました(本サイトの永丘昭典監督のフィルモグラフィーからすると、本作はかなりの異色作)。裕福な暮らしから一転、知り合いの家に身を寄せ、外出もままならない隠し部屋での生活を強いられるフランク家。やがて他のユダヤ人も加えた不慣れな共同生活になり、物資が不足し始めると、人間関係もギスギスし始める。しかしアンネ・フランクは健気に青春を謳歌する。これらが特別な緊迫感を煽ることなく、淡々と綴られてます。アンネのキャラクター・デザインは確実に本人の写真から倣ったもの。その他の登場人物達もユダヤ人的雰囲気を上手く出してました。アニメという媒体の取っつき易さもあるので、これは是非お子さんにお薦めします、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-08 00:02:39)
124.  アリス(1988)
ヤン・シュヴァンクマイエルの長編デヴュー作ということで、これ以前の短編のエッセンスが全て凝縮された「本当は怖い不思議の国のアリス」という雰囲気に仕上がってます。お伽噺や童話をリアルに描こうとすれば、特別なホラー要素を加えなくても、それだけで充分悪夢的なヴィジュアルになる。ディズニー風のキャラクターが喋っても何ら違和感ありませんけど、剥製の兎が喋れば完全にホラー。ペット以外の動物は服を着ることはなく、有袋類じゃない動物が「懐」に何か入れれば、そこは身体の裂け目であり、そこからは当然「詰め物」がこぼれる。これらはシュヴァンクマイエルという人の「リアル志向」が非常に良く解る演出です。得てして真実をあからさまにする人のことは、「悪趣味」とも呼ばれますけどね…、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-12-08 00:02:06)(良:1票)
125.  はだしのゲン2 《ネタバレ》 
早朝の原爆ドームによじ登り、そこにある鳥の巣から卵を失敬する逞しいゲンと隆太の姿で幕を開ける続編は、前作とは比べ物にならないほど作画レベルが上がってたのでビックリ(この作画品質なら現在でも充分通用します)。今回のテーマは戦争孤児、原爆病の蔓延、被爆者差別。地獄と化した広島も徐々に復興し、瓦礫の中で人々は営みを再開し始める。しかし、当然の如く「陽」の裏には「陰」が生まれる。ゲンは天性の明るさと麦の如き生命力で、「陰」にも光を与えていく。残った唯一の肉親である母親の死をも乗り越えるラストシーンは泣ける。もちろん反戦反核を描いてるんでしょうけど、「生き抜くことの絶対的な正義」こそ「はだしのゲン」の大きなテーマだったんだと思います。そんなことで、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-08 00:01:30)
126.  はだしのゲン(1983)
実写版は三國連太郎演じる平和主義者のゲンの父親が主役の上、原爆投下で物語を終わらせてしまう様な腑抜けた反戦映画でしたけど、アニメ版のこちらは原作に忠実な展開。国民総決起の元、平和主義を貫くなんてのは綺麗事でしかなく、この物語の本質は原爆投下後にこそある。街を消滅させ、平和主義者も軍国主義者も大人も子供も区別無く焼き尽くし、辛うじて生き残った者を「お化け」に変え、一見無事だった者をも体内から徐々に殺していく核兵器。稚拙な作画で描かれたものだとしても、この容赦ない描写には戦慄するしかありません(たぶん地上波では放送できない筈)。しかしゲンは、地獄となった街で必死に生きる。決してへこたれないゲンのお陰で、希望の持てる爽やかなラストになってました、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-08 00:01:03)(良:1票)
127.  しとやかな獣
基本は団地の一室のみで展開される二幕一場ものの舞台劇(しかも若尾文子が主役じゃない!)。しかし川島雄三は、ありとあらゆる位置からの構図を駆使し、極めて映画的に仕上げてます。上下左右、縦横斜め、窓越しドア越し襖越し、考え得る限りの構図が登場。ビシッと決まる構図の為にはカットの繋がりさえ無視する徹底振り。人物の出入りや立ち位置も絶妙で、狭い団地の一室に無限の広がりを与えてます。その登場人物も全員が腹に一物を持った非情な金の亡者ばかり。「貧しさ」は人を獣に変え、急激に押し寄せる「豊かさ」がそれを正当化する。話は一応「悪の栄えた例なし」という結末を迎えますが、ラスト・カットでは、高度経済成長が無数の「しとやかな獣」を育んでることを雄弁に物語ってました、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-15 00:01:21)(良:2票)
128.  太陽(2005)
(少し長くなりました) 一番の驚きが、公開から既に2ヶ月も経過した地味な「芸術映画」を上映する劇場が、ほぼ満席になってたこと。図らずも本作が提示したのは昭和天皇に関する歴史問題ではなく、皇室はそれなりの商売になるってことじゃないでしょうか。歴史映画として英王室や米大統領を描く作品は一つのジャンルを形成してますし(人気もある)、皇室典範の改正問題が話題に上ってることですし、歴史を無視した右翼の妄言や現実感の無い左翼の戯言にも飽きがきたし、総理大臣が国会の場で堂々と憲法改正を主張する時代にもなったことだし、そろそろニュートラルにこの題材を「日本人の手で」映画化しても良い時期なんじゃないでしょうか(大ヒット間違いなし?)。で、恥ずかしながらアレクサンドル・ソクーロフ作品は初体験でしたけど、薄暗い映像、微かに響き続けるノイズやBGM等がこの監督の持ち味なんですかね(意図する所は良く解りませんが…)。クレジットでは俳優以外に日本人名を確認できなかったんですけど、脚本や演技に関してはどの程度この監督が関わってるのか気になります。余り違和感なく(むしろリスペクトさえ感じた)、そして面白く観られたので、これはロシア人単独の力ではないでしょう(「あ、そ」なんて台詞は日本人じゃなきゃ書けない)。神であり、国家元首であり、海洋生物学者であり、夫であり、父であり、そして洗練された文化人であった昭和天皇は、戦後、人間となり、国民を照らす太陽であろうとする。独裁者は排除しなくちゃなりませんが、陽いずる国から「太陽」を取り上げる訳にはいきません、7点献上。
[映画館(字幕)] 7点(2006-10-22 00:06:52)
129.  ウィスキー
出勤し、シャッターを開け、電気を点け、機械のスイッチを入れ、運ばれてきたお茶を飲む。そして代わり映えのしない靴下を作り続ける。たぶん何十年ものあいだ繰り返されてきた、儀式にも似た日常。この無間地獄の様な日々に埋没して暮らす兄の元に、そこから飛び出した弟が、ほんの少しの「変化」を連れて戻ってくる。不変を愛する兄、変わり続ける弟、そして変わらぬ毎日を生きながら、実はずっと変化を待ち望んでいた女が、互いに微妙に作用し合い、新たな関係を構築していく。例え僅かな変化でも、一度変わってしまったものはもう元へは戻らず、やがてそれは大きな変化をもたらすことになる。弟が去った後、以前の日常を取り戻したつもりの兄も、既に昨日とは違う明日へと足を踏み入れていたのです、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-22 00:06:22)
130.  ビハインド・ザ・サン
血で血を償わせる不毛な報復の応酬。こうなっては争いの「発端」がどこにあったのか全く判らず、当事者達にとっても、そんなことは既にどうでも良くなってる。誰が言い始めたかもはっきりしない「血が変色するまで待つ」「殺した相手を殺す」といった無意味な掟に縛られ、殺されたから殺す、殺すから殺されるを繰り返すだけ。美しい映像が周囲に広がる「自由」を示しながら、彼らは自ら進んでちっぽけな世界に閉じ篭る。2001年時点でこの物語を映画化しようと考えたウォルター・サレスは、やはり只者じゃない。真の自由は自らの心から開放されてこそ得られるのです、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-22 00:03:40)
131.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)
観たことは観たんですが、私が観たのはジョルジオ・モロダー版「メトロポリス」みたいなレストア版(?)。もちろんサイレントのモノクロ作品ですけど、背景が赤・青・黄等の原色で着色されて、ビートの利いた激しい音楽がステレオで付けられてました(一部、日本語のBGMもかかる)。従って、印象としてはポップ・アート作品を観てる様な感じで、とてもじゃないけど不気味さは伝わってこない。それでもマックス・シュレックの異様な風体の迫力は感じられました。ノスフェラトゥの演技の基本は「活動」写真の中に於いて「動かない」こと。普通に動いてる登場人物と対比されると、この演出は結構怖い。だから逆に、ノスフェラトゥの動くシーンが滑稽に映るんだと思います。そんなことで正当な評価は出来ませんが、取り敢えず7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-22 00:02:07)
132.  天国に行けないパパ
年金給付開始を目前に控え、出来るだけ危険を避けていた老刑事が、自分は不治の病だと思い込み、殉職時の保険金目当てに暴走刑事と化すアクション・コメディ。皆さんの評価通り、かなり面白い映画でした。どんなに危ない目にあっても中々死ねない主人公の暴走振りが面白いんですけど、その面白さを支えてるのが本格的なアクション・シークェンス。前半のカー・チェイスは、はっきり言って「フレンチ・コネクション」より上。まさかこんな映画でこれ程のアクションを見せられるとは思ってもみなかったので、そこからすっかりハマってしまいました。これはお薦めです、7点献上。
[地上波(吹替)] 7点(2006-10-18 00:01:31)(良:1票)
133.  ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦
文化や思想のギャップを笑い飛ばすコメディが結構好きなので、私は十二分に楽しめました(「ラブハント作戦」って副題は要らない)。現在、イスラム・ネタがタブー化してしまってることを考えると、この時代にベルリンを舞台にしてこんな話を作ってしまうんだから、当時は随分と大らかだったんですね。しかし共産圏やナチを笑いの種にするだけでなく、本作では資本主義とブルジョアもちゃんと餌食になってます。コカ・コーラがアメリカ資本“帝国”主義の権化として描かれ、そこの令嬢は思い切りパープリン(コカ・コーラは良く協力したなぁ…。今だったら差詰めマイクロソフトといった所か)。主人公は家庭を顧みないモーレツ企業戦士。コチコチの共産主義者であるオットーが、むしろマトモな好青年にも見えてきましたよ、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-18 00:00:51)
134.  コースト・ガード
プロットから「民間人を誤射した兵士の苦悩」が描かれるのかと思ってたら、キム・ギドクがそんなありきたりな映画を作る筈も無く、チャン・ドンゴン演じる劇中の兵士は苦悩こそするものの、そこから一気に狂気へと走っていく。恋人を目の前でバラバラにされた女も気がふれ、やがて駐屯地から地域全体へと狂気が蔓延し始める…。通常のギドク作品は個の奥底に潜む人間の本能を描く寓話から普遍性を導き出してますが、本作はかなり社会性を持った「韓国映画」になってました。海岸線に戦場を「作り出し」、殺した相手が同胞の民間人でも兵士を表彰する軍隊。南北の軍事的緊張感が国中に広がり、徐々に国民をパラノイア化していく恐怖。本作は「グエムル/漢江の怪物」なんかとは目線の高さが違います、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-08 00:03:25)
135.  樹の海
緩やかに繋がった四つの「ちょっと良い話」からなる、映画版「人間交差点」って感じ。それぞれ面白い物語でしたが、私が一番良かったのは塩見三省と津田寛治の話。年代も職業も違う全く接点の無かった二人の男が、自殺した見も知らぬ女をきっかけに出会い、たった一夜で絆を深めていく。互いの人生を語り、そして見知らぬ女の死を悼んでる内に、ごった返してた居酒屋も徐々に空き始め、追い立てられる様に店を後にする二人。私がこの席にいたとしても劇中の津田寛治同様、無理矢理にでももう一軒つき合って貰ったと思います。演者では池内博之の一人芝居が良かった。不自然な状況を説得力を持って自然に演じていたと思います。そして全体的にハイ・クォリティに作られてたのも好感度高いですね、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-10-04 00:03:36)
136.  父と暮せば
やっぱり映画的ダイナミズムを感じられないことが大きなマイナス・ポイント。舞台的な二人芝居とCGシーンの馴染みが悪く、チグハグな印象も受けます。そして問題のラスト・カット。これは余計だったんじゃないでしょうか(そんなことはないんでしょうけど、一瞬、私は二人とも死んでたのかと思いました)。と、映画としては不満もありますが、それでもこの二人芝居は見応え充分。原田芳雄の豪快で飄々とした演技と、31歳(!)の宮沢りえの初々しさ。特に原田の一人芝居「原爆一寸法師」の部分だけで、この映画を観る価値は十二分にあると断言できます。ということで、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-10-04 00:02:25)
137.  16ブロック
警察内部の不正の証拠を握るチンピラを裁判所まで護送することになった刑事と、それを阻止せんとする悪徳警官一味の攻防を、ニューヨークはダウンタウンの僅か16ブロックにギュッと凝縮した「ガントレット」。流石に「ガントレット」や「ダイ・ハード3」みたいに派手なシーンはありませんが(でも「バス」はちゃんと登場します)、ほとんどリアル・タイムで進行する101分を、映画は一気に駆け抜けて行く。緩急をわきまえたリチャード・ドナーの職人的演出と、アル中刑事が思い切り板に付いてるブルース・ウィリスの存在感で、中々の佳作に仕上がってると思います。そして物語を通して語られるテーマが“people can change”。正にありきたりなテーマなんですけど、意外にもエピローグでは少し目が潤んでしまいました、7点献上。
[試写会(字幕)] 7点(2006-09-29 00:05:22)(良:1票)
138.  冷血(1967)
刑務所で仕入れたガセ情報に踊らされ、押し入った農家の家族四人を皆殺しにしてしまった無軌道な二人の犯罪者の顛末。本作は原作の「ノンフィクション・ノベル」の雰囲気そのままに、抑えに抑えた演出と陰影の利いた映像で仕上げた実録映画になってます。昔の記憶では「怖い映画」という印象だけが残ってましたが、再見して、社会の底辺で「犯罪者」となっていく人間の浅はかさと、「動機なき殺人者」の「動機」を丹念に追った見応えのある作品だということが解りました。ことさら被害者達や犯人達へ同情的視線を注ぐことなく、映画は終始冷徹な視線を貫いている。だからこそのラスト・シーン。1967年当時としてはかなり衝撃的だったと思いますが、この映画は現在でも普遍性を兼ね備えていると思います、7点献上。
[地上波(吹替)] 7点(2006-09-29 00:00:55)(良:1票)
139.  ゆれる
人は自分の目で見、自分の耳で聞いたことさえストレートに認識することが出来ず、脳内で一度処理された情報を追認することしか出来ない。だから人は見たいものを見て、聞きたい音を聞き、信じたいことを信じる。それが一己の人間性を形作っていく。事実や真実とされる事柄も、所詮は相対的な不確定情報でしかない。法廷でも面会室でも、兄は正直に自分の真実を話し、そのことが弟を徹底的に揺さぶっていく。妬み、羨望、歯痒さ、負い目。血を分けた兄弟であるが故の葛藤は、代が変わっても受け継がれ、そして弟は信じたいことを信じるに至る。自らの人間性の否定に比べれば、これまでの生活を捨てることなど造作もないこと。人はかくも弱き生き物なり…。若干32歳の西川美和は、既に師匠の是枝裕和を超えた。脚本もさることながら、絶妙のカッティング・センスが素晴らしい。唯一の難を言えば、ラストに弟のモノローグはいりませんでしたね、7点献上。
[映画館(邦画)] 7点(2006-09-05 00:04:53)(良:1票)
140.  スーパーマン リターンズ
(少し長めで失礼します) 特別「スーパーマン」に思い入れがある訳じゃないんですけど、このテーマ音楽に乗って、クレジットがスリット・スキャンで手前に迫ってくるタイトルバックを見ると、確かに何か込み上げてくるものがありました。エンディングも含めて、構成を「Ⅰ」「Ⅱ」に準じたのは非常に好感度が高い。つまり、名実共に「スーパーマンⅢ/帰還篇」という位置づけな訳です。従って第一・二作の鑑賞は必須(「Ⅰ」は「ディレクターズカット版」をお薦めします)。本作はブライアン・シンガーらしい落ち着いた色調で、スーパーマン・スーツの色合いもシックになり、また、旧シリーズにあったコミカルな描写も影を潜め、全体的に大人の雰囲気にまとまってます(ブランドン・ラウスはスーパーマンにピッタリ。一時期、ニコラス・ケイジが候補に挙がってたなんて信じられませんネ)。子供にアピール出来るかどうかは判りませんし、「なぜ世界はスーパーマンを必要としないのか」という部分への踏み込みも足りなかったと思いますけど、映画としては間違いなくシリーズ一の完成度でしょう。それにしても、今後は「ドラゴンボール」みたいな展開になっていくんでしょうか…、7点献上。
[試写会(字幕)] 7点(2006-08-12 00:05:05)
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