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トントさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1990
性別 男性
ホームページ http://urabe65.kan-be.com/
年齢 59歳

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121.  ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 
なぜニューシネマは、こうも人を不快な気分にさせるのだろう。ついこの前まで、それがカッコいいと思っていた。だが、今、自分が世に出てみると、映画の、特にニューシネマで描いているような世界は、「変」だと思うようになった。お婆さんと感受性の強い、自立もしてないような男の子が結ばれるなんて話は、気持ち悪い。これじゃ三島由紀夫の「金閣寺」を読んだ時の不快感そのものだ。設定は面白いと思う。狂言自殺ばかりする男の子がいても全然不思議じゃない。一方、苦労しまくり、自由奔放なおばあさんがいても、これまた不思議じゃない。だが、この二人が結び付くという話が「変」なのだ。僕はこのお婆さんが、この男の子とセックスしないで、真っ直ぐに生きていけるような指南するような話だったら、この話は、本当に最高だと思う。でもそういう話にしないところがニューシネマのダメなところだ。もっと登場人物を愛せよ、と言いたい。愛したら、最後の車が崖から落ちて、男の子が踊りだすシーンなんて描けるはずないじゃないか!図式的に考えすぎだ。あのままでは、あの男の子はクズのままだ。僕はいっそあれで死んだ方がハッピーエンドだったと思う。あー、この映画もそうだけど、ニューシネマは理屈っぽくて厭だ。確かにベトナムでアメリカが色々答えを模索していたことは認めるよ。でも人間の幸せとは何か、という視座を失ってはダメだと思う。観たかった映画だったけど、正直がっかりした。
[DVD(字幕)] 6点(2012-04-07 03:31:45)
122.  ナッシュビル 《ネタバレ》 
ついにこの映画を字幕で観ることができた!!ニューシネマ好きの自分にはホント嬉しい。輸入盤はもっていたが、群像劇なので観ても分からないだろ、と思ってた。それが某レンタル会社の企画でついに鑑賞することができたのだ!最初は、登場人物が多いので、誰に感情移入したらいいのか分からなかった。まずはショービジネスの舞台裏で話を引張り、そして中盤では音楽の内容で見せ、そして終盤、それぞれの登場人物が行くとこまで行くのだ。プレイボーイはついに堅物の女性を落とし、音痴の夢見る女性は町の有力者の前でストリップをやらされる。心の弱い女性歌手は最後、銃で撃たれる。なんとまぁ凄い映画だった。ルメットの「ネットワーク」にどこか似ている。ニューシネマのもつ華やかな世界への疑問。それがこの映画にもよく表れている。当初は8時間の映画だったらしい。それをどんどん短くして行って、2時間40分にまとめたのだ。いやはや、よくまぁここまで短くしたわ。ちゃんと人物が描けているし。アルトマンの群像劇への感性が飛躍した、記念すべき一本だ。たまらんです。
[DVD(字幕)] 8点(2012-02-12 02:44:28)(良:1票)
123.  ファール・プレイ
映画ファンのための、ゴールディホーンファンのための作品ですね。ストーリーはそれほどではないですが、まぁ製作現場では楽しみながら創った作品という感じです。きっとゴールディホーンがいるだけで、周囲が和むんじゃないでしょうか。小柄な体に大きな目。ホント、キュートですね。日本でも薬師丸ひろこさんや安達祐実ちゃんに、こんな役やらせてあげたいな、と思いました。それにしても、この歌舞伎ミュージカル(「ミカド」というらしいですね)、よほど当時インパクトがあったのか、アカデミー賞をとった「炎のランナー」でも出てきましたもんね。どっかで聴いたことある曲だなぁと思っていたら、そうかあれか!って感じです。遊び心満載の映画です。
[DVD(字幕)] 6点(2011-12-03 18:18:51)
124.  ワイルド・ギース 《ネタバレ》 
これは分厚い作品だぞ。人を集めて、戦う。「7人の侍」から脈々と引き継がれる戦争アクション映画の「特攻大作戦」のパターンかな?と思っていたが、上層部の裏切りにあい、彼らが戦地に置いていかれるところから、話は変わってくる。韓国映画の「シルミド」テイストだ。(創られたのは本作品がずっと前なのだが・・)個性ある面々が一人また一人と死んでいく。皆、それぞれに見せ場はあるのだが、左とん平に似た男が政治家を背負って逃げて、体に何発もくらうシーンに、政治家を背負う民衆の優秀さを見た。そしてリチャードハリスのあのシーン。泣いたよ。この作品は、政治家の口からさりげなく鋭いメッセージを言わせている。前のレビュワーさんのコメントで知ったが、そうでしたか、「12人の怒れる男」の脚本家でしたか。こういう硬派な作品を描ける人って今、いるだろうか?
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-03 15:33:27)
125.  突破口!
いや~ドンシーゲル作品っていいね。某レンタル屋企画で紹介されて観た映画だが、面白い!こんなに面白い作品が豊富にあった時代ってあるんだね。娯楽は進化されつくした、って感じていたが、まだまだ映画って進化できる方向があるような気がする。この作品では脚本の面白さかな?話が2転3転するところが、無理がなくて良い。ドンシーゲルが凄いのか?この時代はこういう脚本が進化していた時期なのか?そこは分からないが、新鮮だった。またウォルターマッソーのとぼけた演技も見どころだ。こんな俳優、今いる?この演技のためか、話が暗くならない。最近の映画はサスペンスだったら、暗い狭いって感じなのに、この作品はどこか明るい。それでも楽しめる。やはり閉塞感のない時代に創られていたからか、な~んかウキウキする話の展開だよね。余裕のあるヒーローっていいよね。そして彼は手がカッコいいんだよね。大きくて、節々のある手。ふふ、観終わったら、ちょっとマッソー風に気取っちゃうんだ。
[DVD(字幕)] 8点(2011-12-03 02:40:14)
126.  テレフォン 《ネタバレ》 
これは収穫だった。ドンシーゲル作品は面白い!確かにサスペンスとしては物足りなかったし、まとまりから行くと、最近の映画の方がよく出来てる作品が多いが、彼の作品は、次どうなるのか?という引張りがあって、面白い。ワクワクドキドキする。コンピューターオタクの女性秘書とか、任務が終わったら相方を殺さなきゃいけないエージェントとか設定が面白い。ブロンソンの完全記憶とか、残された手帳とか、生かされてない設定が山盛りなのだ。彼の作品を観て、アイデアを真似して、創られた作品もあるんじゃないのかな?何せアイデアを出し惜しまないところがいい。これは2時間枠で収まる設定ではないですね。韓国ドラマみたいに丁寧にこの設定を生かせば、人気ドラマシリーズになったかもしれないなどと思うのだが・・・
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-03 02:19:45)
127.  緑色の部屋 《ネタバレ》 
トリュフォーの敬愛するヒッチコックを意識した映画なのか、かなり怖い内容。それにしても主人公は勝手なやっちゃなぁ。でもこういうのを好きになる女性がいる(しかも超美人!)というのも一興。この変人ぶりを演じたトリュフォーも押さえが利いていい感じ。最初は変人役とは知らず、やっぱり演技は下手だなと思っていたが、話が見えてくると、なるほど感情移入はできにくいが、中々そんな人物の感じ出てる、と感心しました。この女優、ナタリーバイさんのきらめく美しさに1点プラス!です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-16 00:58:08)
128.  秋のソナタ 《ネタバレ》 
どんな女性でも幸福について敏感だ。イングリッドバーグマン演じる母親のピアニストは自分こそが人生の主役と、嬉々として生きている。それに対し静かな人生の娘は母親が好きではない。ある日、ついに娘は爆発する。母親は「助けて」とプライドも捨てて、娘に乞うように言う。が、そこで画面は変わり、母親は自分をヨイショしてくれる男性とまた列車の旅にでている。きっと娘はあの母親の悲痛の言葉に黙っていたのだろう。母親が出て行くまで。そして最後の手紙でまだやり直せると娘は言う。まるで絵画のような光線に照らされる部屋の中で静かな物語はつづられる。タイトルから興味を抱いて、学生の時からどんな映画だろう、と思っていた。そしてある時、NHK教育で観たのだが、静かにでも確かに、今の自分に影響与えている。「~のソナタ」は夏以外全部ある。韓国ドラマの方より、こちらの方が好きだ。エリックロメールのものは大事にとっておいてある。いつか観たい。それにしても自分はシワの多いおばあちゃんの方が好きなんだなぁと思った。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-02 19:23:31)
129.  自由の幻想 《ネタバレ》 
????映画に何を求めるか?映画を観て、緊張してまで話の筋を追うのは何故か?そんなことを笑い飛ばすかのようなシュールな内容。低予算の映画なら許されるだろうが、キチンとした映画の演出を用いて、言わんとすることの虚しさ。ラストの「自由よ、くたばれ!」と叫ぶデモに、何とか観るのに費やした時間の価値があったという感じだ。映画の解体、それ自体は面白い試みだが、金払って、時間費やしてまで観たいのは、やはり文化の「香り」なんだよなぁと思った。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-07-25 05:47:53)
130.  ワンダラーズ 《ネタバレ》 
カウフマン監督は良いですよねぇ。「ライトスタッフ」「存在の耐えられない軽さ」にしても確かな手腕を感じます。この映画はキャラクターの個性が漫画のように出ていて、それで青春時代にありがちなグループ間抗争をオールディーズにのせて描くから最高です。この映画の主人公の目にうつる世界観って万国共通なんですかね。自分らもこんな感じでした。それほど喧嘩が強いわけではないが、寄ってくる女性もいて、頭の中は、やることばっかり。時に友を裏切るが、結局仲直り。中には自分探しの旅に出る奴もいるし、口先だけの寂しがり屋の感受性の強い奴もいて、男の友情は永遠なりと思うんですね。ま、どこに行っても最後に戻ってくる場所は、この時期の仲間だったりするわけです。リーダー格はグループで一番最初に結婚して「青春」が終わるんです。ホント、お約束ですよね。おそろいのジャケットもまたお約束で気持ちがいいくらいです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-07-11 07:30:34)(良:1票)
131.  モンテ・ウォルシュ 《ネタバレ》 
ニューシネマ西部劇。「時代」についていこうと新しい生活を始める者。ついていけず強盗になる者。荒くれどもにも「時代」は容赦なく来る。そんなところがちょっとしたとこまできちんと描かれている。野に生きてきた彼らの面白くなさが喧嘩のシーンにあらわれていた。また荒馬を乗りこなすリーマーヴィンも見世物になるのは真っ平だと、恋人亡き後、また野に戻っていく。「時代」が変わるのは仕方ない。でもやはり自分の気持ちに嘘をつかず、「時代おくれ」に徹するのも人生だ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-08 08:38:54)
132.  刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM> 《ネタバレ》 
ついにピーターフォークが亡くなってしまった!「デッドロック」で長老のような役をやっていたから、もうかなりのお歳なんだろうなぁとは思っていたけど・・。残念です。「寅さん」が渥美清なら、「コロンボ」といえばこの方だったのに。新聞の天声人語に紹介されていたので、本作品を観ました。そしたら、あぁ覚えている、覚えている。かなり前に観ていた作品だった。警察の同僚に自分の代わりに銃のテストに出てくれと頼むシーンがあったり、ワンちゃんとの絡みもあったり、事件に関係ない場面が挿入されており、それがコロンボのヒューマンなところとして描いているため、ラストの本作品唯一の犯人を捕まえない彼の味として生きてくる。コロンボシリーズの中でもかなり好きな作品。
[DVD(吹替)] 7点(2011-07-06 04:15:32)
133.  シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛 《ネタバレ》 
ニューシネマが盛んな頃に、こんな爽やかなラストの映画があったとは。結婚を認めない上司とのやりとりで言ってましたが、優秀な水兵と娼婦が結婚することが多かったんですね。それにしても「ゴッドファーザー」のソニー兄ちゃんがこんなに優しい役をするとは。子役が優しい主人公に心を許すようで、許さないようで、という微妙な表情をうまく出してました。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-11 23:14:14)(良:1票)
134.  チャイナタウン 《ネタバレ》 
以前観た時は、まだ社会の構造をよく知らない頃で、正直よく分からなかった。でも映画の脚本術の本を読んでたら、この映画がアメリカ映画の脚本の古典の一つと書かれてあったので、集中して再見した。なるほど、このニコルソン扮する役柄が常に他人によく見られようとふるまい、自分が馬鹿に見られることを恐れている性格だと分かって観ると、こんなに粋なハードボイルドな映画も珍しいと思った。他人に何と言われようと逆境を乗り越えていく映画が好きな自分にも、これは洒落てると感じられた。また背景の社会問題は、LAに住む人間にはピンとくるのかもしれないが、異国の自分には細かいところに伏線が張り巡らされていることが一度目の鑑賞時には見落としていた。二度目の時は、こういう社会派ハードボイルドもありだよなぁと思えるようになった。アクションに頼らなくとも、主人公の性格がちょっと狡賢くとも、面白い映画は創れるのだ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-05-23 20:51:45)
135.  忍ぶ川 《ネタバレ》 
こんなに幸福なラブシーンがあるだろうか。女の子がなりたいものは「お嫁さん」という気持ちもわかる。かつては、こんな幸せな映画があったのだから。今は2時間の映画の中で女性と男性が出会って、すぐラブシーンなんかあるから、何か薄っぺら~いもののように感じられて、性の解放なんて叫ばれたが、やはり人生は二人の男女が共にお互いを大事に思い、その愛の結実として、二人が抱き合う、そういうものではないか。結婚が何かつまらないことのように感じられて、少子化である今、このような映画こそ、創られるべきではないか。というより、熊井啓監督は飽きさせない展開で、この純愛を描いた。が、男女の恋愛というのは、本当飽きさせない展開で、若者は映画なんか観てるより、お互い大事に思える異性を探すべく、「旅」に出るべきだ!などと思ってしまった。社会派の熊井監督は、この男女の背景に当時の社会的状況を置いて、この映画を描いたが、本当は男女の愛とはこうあるべきだというテーマこそ描きたかったのではないか?この映画を観て、夜、レンタル屋に返しに行く町の風景が、東京から故郷へ帰る夜汽車から見えた地方の町の風景と同じように感じられた。
[DVD(邦画)] 10点(2011-05-17 23:49:12)(良:1票)
136.  日本沈没(1973) 《ネタバレ》 
最悪の事態を想定した、国家の危機管理の在り方を問うた映画だと思います。島国で育った日本人が難民として世界に散らばった時、大陸での血なまぐさい闘争の歴史をくぐりぬけた海千山千の民族相手にどう生きていくのか?とても寂しい結末でした。子どもの頃、親に連れられて観たこの映画のラストはしっかり覚えてます。自分もバイクで日本中をあちこち訪ねましたが、どこの地方に行っても、気軽に声をかけてくれた人たちがいて、母なる国というイメージが自分にはあります。東日本大震災は、そんな人たちが被災したのだと胸が痛かったです。でも自然にはやはり謙虚な気持ちで接しなきゃいけないのかもしれない。災害にあってもくじけず、復興する気持ちは立派です。人間力が大きいと思います。でもまた同じ場所で地震や津波などの災害はくるかもしれない。だから最悪の事態もかんがえて、首都をどうするとか、こういう災害の時はどうしておくべきだとか、もっともっと突き詰めて考えなきゃいけないのではないでしょうか?いつからか、天災をあまく見るようになってしまっていたのではないでしょうか?今回の震災で日本の危機管理の甘さが露呈してしまいました。地震がある可能性の高い地域に原発をつくっていたり、地震がおきてもマグニチュード8くらいだろうとか。この映画のメッセージは深く受け止めたいものです。前のレビュワーさんのESPERANZAさんの意見にはまったく同感です。
[DVD(邦画)] 6点(2011-04-25 00:03:20)(良:1票)
137.  グッバイガール 《ネタバレ》 
ニューシネマ全盛の頃に生まれた作品にしては、ひねりのないストーリー。女性映画ということで観ましたが、女性の自立とかそういうテーマはなかったです。ギャーギャーわめく映画は苦手なので、ウッディアレンとかもあまり観ないのですが、感受性豊かな男性は、あのようにやかましいのでしょうか?傷つきやすいので、前もって、早口になって、自分を守っているんでしょうね。とにかく冒頭の二人が一緒に暮らすようになり、暮らし始める時のあの二人のやりとりは、観ててきつく、感情移入できなかったです。だから舞台で酷評された時の、リチャードドレイファス演じる主人公の痛々しさに、愛を信じられなくなった彼女が少しづつ柔らかくなっていき、愛するようになるところが自分には未消化。やはり傷ついた女性がまた愛し合うようになるのは2時間のドラマじゃ無理なんじゃないでしょうか?トレンディドラマのようにじっくり描かないと。そんな気がしました。思うにこの映画の主人公の彼女はあげまんなんでしょうね。彼女と付き合うと、出世して、男は遠くに行っちゃう。最後、また捨てられるのかなぁなんて思っていた彼女(この雨の降る中、もの思う彼女の表情はとても素敵です)が、公衆電話で電話しているドレイファスに大喜びするのが、よく分からなかった。やはり自分は女性の心理を理解するのが下手なんだろうと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-04-24 08:46:58)
138.  ショーン・コネリー/盗聴作戦 《ネタバレ》 
自分はルメットのちょっとした犯罪を、さもありなんという風な粋な演出をするところが好きです。例えば、この映画では押入れに隠した無線で犯罪をしらせる喘息の子だったり、金庫の番号を教えろと犯人が奥さんに暴力をふるおうとすれば、怪我は治るとかいう旦那だったり、警察に押し入れられそうになったら、逃げるのにびびってしまうオカマの仲間だったり。あと傑作なのは、警察に通報したら、電話代の料金は誰が持ちますか?ともめるとこ。彼の作品はどれも因果応報の部分があり、そこだけとってもルメット映画を語れそうなくらいです。また監督は社会派で有名ですが、この映画は何もかも監視されてる社会を描く事で社会派なのかなぁと思ってたのですが、前のレビュワーさんのコメントを読んで、なるほどなぁと思いました。さすが、ルメット、映画の面白さを広めてくれます。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-04-18 05:35:17)
139.  帰郷(1978) 《ネタバレ》 
ジョンボイドとジェーンフォンダのラブロマンスが軸だが、ブルースダーン演じる将兵の設定がすごい。英雄になりたい気持ちが強かったのに、帰国した理由が自分で自分の足を撃ってしまったという理由で、この点でも高い自尊心が傷ついているのに、奥さんが同じ帰還兵で下半身が戦闘中の怪我で効かなくなっている男性と不倫してた、という事実が追いうちをかけて、彼を自暴自棄においやっている。ラストは自殺とははっきり言わないが、それでもおかしくないくらいの切なさ。この映画はジェーンフォンダ演じる女性の視点から全て語られており、そこから外れない。だから当時のアメリカ国内の空気をちゃんと映し出しているように思う。女性たちのベトナム戦争、そんな感じである。最後、死んだような虚ろな目で歩いている彼女が印象的だ。自分で自分に嘘をついて生きているといった感じか?それか不倫して罪の意識であのような表情になるのか?続編が出来てもいいくらい、中途半端な終わり方である。女性映画としては、周囲の目が厳しくても、本当の自分でいられる人と一緒になる、という話のほうが成功したのではないか?しかし、それを置いといても、この映画の反戦のメッセージは強い。彼女の女友だちの弟の描き方でそれが伝わる。この映画の影響か、空気注射で人は死ぬという話をあちこちで聞いた。テニスボールの空気入れも立派な凶器になるんだなぁと思ったものである。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-04-10 13:09:29)
140.  ミスター・グッドバーを探して 《ネタバレ》 
この時代は女性映画がたくさん出た。この映画もその一本。ベトナム戦争で病んでたアメリカ(っていうか既に病んでたのかも)その中で孤独の中、自由と自立を求めた女性たち。精神的にも肉体的にも幸福になって、愛は完成する。知的な女性は特にそう思うんじゃないのかな。この映画の主人公は、可哀そうにこれが二分されてしまう。先ず、彼女には子供を産むと病気持ちになるんじゃないかという悩みがあった。そこに話の冒頭に出てくる教授がいい加減な人物だったことがまた不幸。「愛」を大事に思っていた彼女にはこれがまずショック。その後も親しい人が情欲におぼれるのを見て、とまどい、夜の世界を徘徊するうちに壊れた男性が近寄ってきて、彼女も壊れてしまう。でもこの映画はそんな彼女を突き放さない。彼女なりに何とか頑張っている姿を丁寧に追う。でもあのラスト。彼女にも転機はあった。真面目な青年がいることはいた。でも、この青年があらわれた時、彼女にはもうこういう青年には物足りなさを感じていたのかもしれない。とても切ない展開。(因みにこの青年役の役者さん、どっかで見たことあると思っていたら「ダイハード」の嫌われジャーナリストでした)この年には、他にも女性映画の秀作がたくさんあるらしい。次はジェーンフォンダの「帰郷」を観てみるつもり。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-04-03 08:32:29)(良:1票)
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