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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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1461.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒
まさに「スクリーン所狭し」と繰り広げられる、タイファイターとXウィングのドッグファイト。かつてアクション映画のショットは一体どこまで細切れになっていくのか?なんて思ったこともあるけれど、最近は落ち着きを取り戻してきて、時にはやや長めのショットを織り交ぜつつ、それをうまくCGで彩ったり。 と、迫力の映像に、畳みかけるストーリー、とりあえずは我々をたっぷり楽しませてはくれるのですが・・・。 それにしても、この「旧3部作」に対する、リスペクトというよりはむしろ、過度の気遣い。なんだかなあ。 旧3部作を否定しかねないような要素は微塵も含むまい。なにせあれらの作品は不可侵の殿堂入り。敵も味方も、概ね似たような設定で、デススターそっくりの敵の基地へ、レッド中隊ブルー中隊が攻撃を仕掛ける。特撮技術は当然のことながらはるかに進んでいるけれど、40年近く前の作品のローテクをそのまま本作に取り入れた部分も残してみたり。今回から登場する若い面々は、さすがに元気なところを見せ、いかにもリニューアルされた感じを出す一方で、お馴染みのソロやレイアもたっぷり幅を利かせて、さあ旧作ファンも満足してください、と。 特に、今回は新しい物語の序章に相当するためなのかも知れませんが、敵役がイマイチ貫録無いというか、魅力に乏しくって。いかにも「ダースベイダーほどすごくはありません。やっぱりダースベイダーはすごかった」という感じ。 エピソード1~3は、4~6に縛られることなくルーカスが想像を膨らませていって(例えばエピソード2での都会の描写なんて、本シリーズの中で新鮮でした)、それが行き過ぎて正直、我々がついていけなくなった面があり、またこれらの映画はいささかその空想を「設定」として語り過ぎたキライもあると思うのですが・・・それに比べると、本作、冒険することなく、「ファンの皆さま、ディズニー版ですが違和感なくご覧いただけるように作ってみました」とばかり、ちゃっかりと小さくまとめちゃったようにも感じられて。 本作、確かに面白い。けれどその分、ちょっと、ルーカスが、気の毒にも思えてきたのでした。
[映画館(吹替)] 7点(2016-02-18 20:43:29)(良:2票)
1462.  決斗!一対三
西部のならず者ウェス・ハーディン自身の自叙伝に基づき、ホントはそんな悪い人じゃなかったんだよ、という、「真説」というか「異聞」というか、そういう体裁。その自叙伝が渡される場面に始まり、自叙伝からハミ出て映画が終わるというメタな構成が、ミソですね。自叙伝の内容には主観によるバイアスがかかっているかも知れないけれど、そんなことはどうでもよくって、自叙伝を書いたことまでを含めた「ある男」の姿を描いた、あくまでそういう作品。 とは言っても、観る限り、作品のメインを占める過去のパートも、(どこまで実際に無法行為に手を染めたかはともかく)特にこの主人公を美化した内容でも無さそうでして、まあ、十分にロクでも無いヤツですね。その主人公を、ロック・ハドソンが演じていると、何だか“ふてぶてしい新入社員”みたい(笑)。 邦題の「決斗!一対三」ですが、中盤で「あわや一対三の決闘になりかけた」というだけです、ハイ。敵のヤラレ役は、ああこのトンガッた顔、リー・ヴァン・クリーフ。『真昼の決闘』に続くヤラレ役。そういやこの「決斗!一対三」という邦題も、『真昼の決闘』を意識してつけられたものなんでしょう、きっと。 という訳で、尺の短い作品ですが、B級な決闘モノではなく、意外に大河なオハナシ。過去における主人公と父親の確執、現在における主人公と息子の関係、といったあたりをしっかり押さえていて、コレだったらもうちょっと長い作品に仕上げてしっかり楽しめたらよかったかな、とも思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-14 08:49:40)
1463.  サン★ロレンツォの夜
戦争は、のどかな田舎の村にも陰を落とす。というより、そののどかな日常の中に、戦争による破壊や死が容赦なく入り込んでくる理不尽さが、本作では描かれています。だから、死は多く描かれようとも、必ずしもその凄惨さを強調するような描かれ方はなされていません。しかし、のどかな畑で隣人のような人々同士が殺し合わねばならない光景、大勢の隣人たちがバタバタと倒れていく光景、もうこれだけで十分過ぎる息苦しさを感じさせます。 しかし、生き残った者がいる限り、日常はまた必ず戻ってくる。どんなにつらい過去があったって、その過去に何がしらの美しさが含まれているならば、決して過去そのものを否定したりはしない、あのジイさんが取り戻した恋心のように。 そして、つらい過去が本当に洗い流せるものかどうかはわからないけれど、一時的にせよ何にせよ、降ってきた雨がつらさを洗い流してくれる。映画では時々「晴天なのに(ホースで降らせた)大雨」ってなシーンがありますが(笑)、本作のこのシーンは間違いなく、「明るい光」と「雨」の両方が必要なシーンでしょう。 ラストの眠っている子供。今の平和がこのまま続いて欲しいという希望と、周りを包む闇の、幽かな不安。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-14 08:03:09)
1464.  96時間 リベンジ
まず物語の発端が、前作の敵サイドからの復讐。ってのがまあ、何ともお手軽な設定。わかりやすいけど、その分、物語がどう展開していくんだろう、という期待感が乏しくなります。そして、「復讐なんだから、簡単には殺すまい」という敵の思惑が、結果的に主人公に何かとチャンスを与えてしまうのも、お約束過ぎるお約束。だいたい、さんざん手を焼いた末に宿敵たる主人公をせっかく拉致したにも関わらず、誰もちゃんと見張ってないから逃げられる、ってのが実にヌルい。いや、主人公はどうやったって助からなきゃいけないんだから、そのコト自体は構わないけれど、それにしたって、復讐譚としてぶち上げておきながら、まるで粘着質なところもないし、なんぞサスペンスを盛り上げる工夫って無いもんかねえ。 監督変われど見づらいアクションは前作通り、というか、これはアクション俳優リーアム・ニーソンの限界でもあるのか。
[地上波(吹替)] 6点(2016-02-11 11:00:16)(良:1票)
1465.  ゴーストバスターズ2
1作目でとても喜んだウチの子供たちは、2作目が放送されてりゃ当然観ちゃう訳で、「これ、ツマランよ」と言いつつ私も観る。実に久しぶり。 子供たち、多分、1作目ほどは面白くないと感じつつも、それなりに楽しんでいる様子。ちなみに一番ウケてたのは、タイタニックネタ。完全に別の映画に(しかも本作より後に作られた映画に)救われてますね。 で、やっぱり面白くないっちゃあ、面白くないんですけども。2作目だからって、1作目より「大きなもの」を出さなきゃならんもんでもなし。 でも、何だかコレ、考え過ぎて考え過ぎて、結局どうしようもなくなっちゃった、という枯れた味わいが、なんとなく感じられます。 1作目におけるゴーストバスターズが、穴ぼこから這い上がってきて、拍手喝采を浴びる。カッコよくもないくせに1作目でヒーローになっちゃったから、つまりヒーローになり周りを熱狂させること自体がネタだったから、2作目で目先を変えようと思った途端、もはやヒーローにもなれない。全体的にどこか斜に構えたようになっちゃう。もっと割り切ってヒーローで居続ければ、何作でも作れたかも知れないのに。でもそのおかげで第1作は独特の位置を保ち続けることができ、第2作は第2作で、ちょっとした怪作になっている。もうちょっとハジケることができれば怪作の道を極めることもできたのかも知れないけれど、そういう意味では真面目すぎたのかな、と。『グレムリン』の続編くらいムチャクチャやるのがいいことなのかどうかはともかくとして。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-02-09 23:09:41)
1466.  父/パードレ・パドローネ
スパルタ親父のオハナシ。とは言ってもあんまり迫力の無いオヤジさんですが。それに、オヤジさんの出番も必ずしも多くは無いし。あくまで主人公の人生をたどりつつ、でもそこに、オヤジさんの存在というものが、全編にわたって何がしか“引っかかり”になっている。実際、男性なら誰しも、自分が大人になってみると、「あの頃の父親」ってものを、ある種の基準として捉えるというのも変だけど、独特の感慨を持って思い返すもんでしょうし。 過去、自分を束縛してきた父親、父親に束縛されてきた自分の姿を描いた物語ですが、色々と人を食ったユーモラスな描写が楽しく、あまり暗い印象は受けません。まず冒頭、本作の原作者である主人公ご本人が登場し、木の枝から葉を削ぎ落して棒のようなものを作っている。何のためにそんなことをしているのかと思ったら、「父親」役の俳優が現れ、彼にその棒を渡す。原作者が退場し「父親」がその棒を手にドアを開けると、そこは原作者の幼少時の、学校の教室。父が主人公の少年を学校から連れ出し、労働に追い立てるところから、物語は始まります。大人になった主人公が自分の過去を思い返しそれを物語る、という体裁でもあるんでしょうが、同時に、ラストで再び原作者が登場して物語の輪が閉じる印象を出すための準備でもあるだろうし、はたまた、自分を追い立てるための棒を原作者が作り、受け取った父親が「ありがとう」なんて言うのは、父親との「融和」をも少し醸し出しています。 ユーモラスな描写と言えば他にも、映画の中で繰り返されるモチーフみたいなものがあって、羊の乳しぼりとか、音楽へのあこがれだとかが、ひょんな場面、ひょんな形で再登場します。それこそ、かつて近所で発生した撲殺事件までもが、自分と父親とのケンカの場面で引用され、あくまでユーモアで包んで見せる。音楽へのあこがれは、アコーディオンやラジオといった小道具とも繋がってエピソード間をさまざまに関連づけますが、劇中で流れる音楽が(これも小道具のひとつとして)断片的に用いられる印象が強いのに対して、物語が終わりラストのクレジットでは誰にも邪魔されることなくモーツァルトの音楽がよどみなく切々と流れていく(クラリネット協奏曲第2楽章)。映画を締める最高の雰囲気に包まれます。 ・・・それにしても、田舎の子供ってのは、イロイロと、スゴイですな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-07 08:03:35)
1467.  宇宙戦艦ヤマト
中盤の端折り方には、それはもうヒドイものがあるのですが(ほとんどクイズですよこれは。「さてこのシーンはTV版のどの回から引用したものでしょう」)、はたまた、イスカンダルでの場面で森雪の腕に突然包帯が巻かれている理由については、TV版で確認していただくしかないのですが。という訳で、多くをTVからの再編集で(かなり無理やり)再構成した作品ですが、それでもやっぱり、面白い、そしてスバラシイ。 まずは何といっても、立体を意識した、手の込んだアニメーションの描写。映画として十分に楽しめ、と同時に、元はTV向けとしてこれだけのものを作ってたんだなあ、ということにも改めて驚かされます(TV版は、子どもの頃、再放送で何度も観ましたが、それでも今なお新鮮)。 また、冥王星における反射衛星砲の猛攻など、中盤がギタギタに端折られてますが、その分、七色星団の死闘や、ガミラスでの決戦が、たーっぷりと描かれています。軍人顔というよりはスポコン顔のドメル将軍、その彼が仕組んだ恐るべき作戦を、ヤマトはいかにして切り抜けるか。そしてまた、冷徹極まりないドメルがいてこそ、その対照としてデスラーの狂気が浮き彫りになり、ガミラスにおけるデスラーとの戦いが、より恐ろしく、より盛り上がろうというもの(実際、ウチの子供たちと本作を初めて観たとき、当時幼稚園だった娘は、このクライマックスに興奮し過ぎて、波動砲の発射とともにワ~ッと大声で叫んだものです)。 ついでに言うと、今、私が好んでクラシック音楽を聴いているのも、原点はもしかしたらヤマトの音楽にあったのかも知れませぬ。主題歌のメロディが、場面場面に合わせ様々に変容して奏でられる、その面白さは、多くのクラシック音楽に共通したものなのだから。
[DVD(邦画)] 8点(2016-02-03 22:52:03)(良:1票)
1468.  007/ロシアより愛をこめて
1作目よりはダイナミックなアクションが楽しめて、4作目以降ほどおバカではない点で、第2、第3作あたりが一般的にオススメ、ということになるんでしょうが、この第2作、「おバカではない」と言いながら、スペクターの「ボンド懲らしめ作戦」が何だか回りくどいので、そこが面白いというヒトもいれば、ツマラナイというヒトもいるでしょう(私は、嫌いじゃないです、ハイ)。実際、ボンドをとっとと殺すことを考えてりゃ、何度も何度もチャンスがあったんですけどね。いやはや、チェスの大天才が考えることは、よくわかりません・・・。 ボンドに接近するソ連の美人スパイ。彼女のオバチャン上官は、実はスペクターの手先だったりする。さらにはスペクターの準備した冷酷なる殺し屋も登場、これがロバート・ショウ。って、えーこの人、こんなムキムキだったのか。この殺し屋が周りをウロチョロしてるだけで、何がしたいのかよくわからない、従っていつ何が起こるかわからない、だからイイんですな。 作品前半はイスタンブールが舞台、後のシリーズ作みたいな「適当に世界の名所の光景を織り交ぜてみました、何しろ超大作ですから」っていうんじゃなくって、異国情緒をしっかり漂わせていい雰囲気。そこから西へ向かうオリエント急行、殺し屋も徐々にボンドに接近してくる。いよいよ近づく対決。 ラストはヘリやらモーターボートやらのアクションが、本当に取ってつけたように展開されて、なんかワケわからんけど得した気分。 ってな訳で、オバチャンはやっぱり怖いなあ、と。 じゃなくって、やっぱりこれは、シリーズを代表する作品のひとつでありましょう。
[DVD(字幕)] 8点(2016-01-31 16:08:41)
1469.  ブラック・サンデー 《ネタバレ》 
それにしてもトマス・ハリス。すみません、もはや「ハンニバル・ライジング」は読んでないし読む気もない(「ハンニバル」で、こりゃダメだと。そりゃ思うわな)。最初の作品「ブラック・サンデー」はやっぱりイイですよね、面白い。面白いったって、どっちかというと不愛想で淡々とした内容、ジワジワとクライマックスの盛り上がりへ進んでいく。この点は、映画化作品である本作も同じ。 ですが、原作小説と映画とでは、受ける印象がやや異なります。これは多分、犯人側と捜査側を並行して描きつつも、原作の方がより、犯人側の描写が濃いような気がいたします。犯人の来歴・人となり・行動が詳しく描かれた結果、犯人像や犯行動機にリアリティを持たせ作品に厚みが生まれるということもあるのだろうけれど、それ以上に、クライマックスでいよいよ決行されるテロが、それまでの綿密さをかなぐり捨てるような、破れかぶれの「もうどうにでもなれ」という破滅感を感じさせるんですね。 いやまあ、映画のクライマックスは、別の意味で破れかぶれかも知れませんが(笑)・・・。この突然の荒唐無稽なアクション、実に捨てがたいオモシロさがあります。ヒーロー面とは言い難いロバート・ショウが演じるカバコフが、着々と進める捜査、まさかその先にこんな曲芸アクションが待っているとはねえ。意表を突かれます。 ジョン・ウィリアムズの音楽も、目立ち過ぎずしかし手堅い仕事で、好感が持てます。
[DVD(字幕)] 8点(2016-01-31 08:02:25)
1470.  ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 
一体何なんでしょうね、全編にあふれる、このインディー魂みたいなもの(笑)。笑っちゃあいけませんが。 この作品の設定、どうしても江戸川乱歩の「芋虫」を連想させて(一応、先に書かれたのは「芋虫」ですね、トランボは知ったこっちゃないでしょうが)、しかも「芋虫」の恐怖小説としてのインパクトってのは並々ならぬものがありますからね。その恐怖ってのは、手足を失い自らのコミュニケーション手段を持たない男、なされるがままの、受動的立場の究極のような男の、内面が見えないこと、内面の恐怖を我々に想像させること、そしてその内面の恐怖を最後に我々に垣間見せること。 一方の本作、この「芋虫」以上に外部から閉ざされた男の、内面そのものを描いて、受ける印象はかなり異なりますが、それにしても、触覚のみによって知りうる「現在」を、映画なもんで映像として我々に見せ、そこにいちいち独白をシンクロさせる描写は、やや野暮ったい気もいたします。「現在」をモノクロ、「過去」や「幻想」をカラー、という色分けも、ちと図式的。 それにしたって、本作のコワい点、目を引くのが、前半の「現実」パートにおける、暗闇の中に灯る白熱球。希望ですらない冷たい光。 それが、中盤から部屋に外光が取り入れられ、作品にもやや穏やかな空気が感じられてくる。そして子どもの頃電信で遊んだ記憶から、ついに外部とのコミュニケーション手段を思いつき実行に移すクライマックス、しかしそれは結局、最後の希望を閉ざす結果をもたらすだけ。外光が閉ざされた上、白熱球すらも灯されていないラストシーンの虚しさに、戦争での死者数、負傷者数のテロップが重ねられ、たまらん気持ちにさせられたまま映画は幕を閉じます。 主人公個人が抱え込んでいた恐怖が、普遍化される瞬間でもあります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-30 07:16:32)
1471.  レザボア・ドッグス
冒頭のクダラナイ会話の場面、さしずめ「さてこれら登場人物の中に、本作の監督さんがいます、さて誰でしょう」ってな感じですが、この中の誰が主役で誰が脇役なのか、がポイントだったりします。主役と思った人物が退場して脇役と思った人物が幅をきかせたり、時間を自由に行き来することで脇役を中心に持ってきてみたり。そのコンセプトを明確なセクション分けで見せつけた『パルプ・フィクション』よりも、行き当たりばったり風の(実際は勿論計算ずくだろうけど)本作の方が、その点、さらにスリリングです。まず、やってきたのは、H・カイテルとS・ブシェミ、あと瀕死の男、約一名。H・カイテルとS・ブシェミのやりとりが軽妙につづられ、やがて二人は互いに銃を突きつけ合い、ああ次のショットでカメラが引くだろうと思った瞬間、やっぱりカメラがスッと引いて二人の姿をとらえるのだけど、それにとどまらずカメラはさらに引いて、そこにやってきたM・マドセンの姿をとらえる、という趣向。主役が脇役、脇役が主役、映画の中心がどこにあるのかを我々に掴ませず、それでもちゃんとある一点に収束していく。その無類の面白さ。
[DVD(字幕)] 9点(2016-01-25 23:00:10)(良:1票)
1472.  刑事物語 くろしおの詩
恒例行事のように「引退」を繰り返す大仁田厚が、記念すべき「第一回引退?」した頃の出演作。わずかながらセリフもあり、アルゼンチンバックブリーカー(っぽい技)を披露するのが貴重ですね(そもそもサンダーファイヤーパワーボムとDDT以外の技を見られるのが今となっては貴重?)。 それを除くと(ってまあ、それだってどうでもいいんですけどね)、かなーり内容の薄い作品になってしまいました。ひょんなことから、とある女性と知り合い、彼女をサポートすることになる片山刑事、というのはよくある話ですが(笑)、さらには犯人護送の際の失敗(というほどの失敗でもなかろうに)から理不尽にも刑事職をクビになってしまい、事もあろうにやくざ屋さんの仲間に否応なく入れられてしまうという、踏んだり蹴ったりの展開。いやホントよくある話(笑)。しかし、今回のヒロインと片山の関係も十分描かれず表面的だし(「どうして自分にこんな優しくしてくれるのか」という片山への問い、映画としては愚問中の愚問でしょう)、心ならずもやくざ屋さんになってしまう展開もストレート過ぎて、苦悩なり、その逆に可笑しみなり、もうちょっと膨らませられないものかと。ついでに言うと、赤ちゃんが生まれる前からいそいそと粉ミルクを買うのはいいけど、でも「明治ステップ」はまだ買うの早いでしょう(←それはどうでもいいってか)。全体的にエピソードの盛り込みが足りず、十分練られていない印象の一方で、“友情出演”で登場するあの人この人を見ていると、「なんかそういうのでゴマかしてませんか」と。 片山が去るラストも特に盛り上げる要素もないまま、武田鉄矢が竜馬像に語り掛けるだけの自己満足。いやでも、自己満足に正直に向き合うこと、それ自体は、あながち悪いコトではないのでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-01-24 09:22:14)
1473.  彼岸花
「心理描写に優れた映画」ってやつだったらきっと、主人公のオヤジは娘の結婚に表向き反対しつつも、ああでもないこうでもない、どうしよう、と苦悩の表情を、映画を観る我々の前にこれでもかと見せつけるんでしょうけれども、この映画はそうじゃない。佐分利信は映画の冒頭で堂々と、恋愛結婚はスバラシイ、と述べてみせ、その直後には堂々と娘の恋愛結婚に反対して見せる。頑固で理不尽であればあるほど、面白い。そんで、彼の娘を含めた3人の若い女性が入れ代わり立ち代わりチクチクやって、彼の妻も控えめながらチクチクやって、トドメを刺すように中村伸郎がすました顔でチクリとやる。ホントは佐分利信の内面を、各登場人物が代弁しているのかも知れないけれど、それを一人の男がウジウジ悩む姿ではなく、軽妙な人物関係に投影して描いて見せる。これぞコメディ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-01-21 22:38:19)
1474.  恐怖分子
冒頭、何らかの抗争事件が発生したらしいのだけど、その詳細は描かれない。ただ、そこに駆けつけるサエない刑事がいて、事件の写真を撮ろうとベッドを抜け出して来たジャニーズ崩れみたいな若いカメラマンがいて、現場から逃げ出そうとする若い女性がいて。はたまたその頃、サエない朝を迎えたサエない旦那とサエない小説家の妻がいて。その彼らが映画の進行とともに互いに関わり合いを持つんですけれどもそれが、不思議な位に空虚な繋がりなんですね。互いに連関し合っているハズなのに、みんなどこか、内向きにこもっていく。内へ内へ向かった挙句に、最後は「悲劇」が待つのだけど、映画はそこに至って、もはや事実の連関など有って無きがごとしといわんばかりに辻褄合わせを放棄し、にも関わらず、やっぱりあの「悲劇」はそこに転がっている、その衝撃。観終わった瞬間にこれほどゾッとさせる映画もなかなかないでしょう、それもその恐怖というのはまるで、我々が敢えて日頃気づかない「ふりをしている」恐怖を、突然突きつけられるような、怖さ・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2016-01-21 22:21:10)
1475.  アイアン・フィスト2
ん~。前作よりもちょいとお安い感じになってますかね。でもそれがかえって、前作よりもさらにカンフー映画「らしさ」にもつながっています。要するにこの、何とも田舎臭い感じ、そして懐かしい感じ、ですね。いつの時代とも知れぬ中国の、どことも知れぬ村で、横暴な「組長」に人々が虐げられており、そこにやってくるのが、鉄の拳を持つRZA様。前作と異なり、これといってスターが起用されていない本作、さらには肝腎の鉄拳RZA様の出番も控えめで、ますます地味になっちゃうのだけど、いやいやカンフー映画ってこんなもんでしょ~という気もしてきます。基本的には圧政に耐える、耐えてこそついに立ち上がった際のカタルシスも大きくなろうというもの。そうなりゃ後は血しぶき飛び散る残酷描写も花開き、さらには・・・おっとこれは言えない、バカバカしくも意外な展開も待っていて、乞うご期待。あまり期待せずに、ご期待ください。 ちょっと全体的に地味な印象を受ける理由の一つに、「ちょっとアクションにスピード感が無いんじゃないの~」というのがあるのですが、まあこれは、RZA様の動ける速度に合わせたのかも知れない(笑)、むしろここでは、“見得を切る”ような決めポーズのカッチョよさが見どころで。こんな感じで第3作も作ってほしいような、もう要らないような。 それにしても、あの採掘を行っていた洞窟、もしやホンモノの鍾乳洞で撮影して、まさかホンモノの鍾乳石をメチャクチャにしてたりは、しないでしょうね??
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-01-19 22:55:37)
1476.  燃える昆虫軍団 《ネタバレ》 
子供の頃、確か水曜ロードショーで放送されてたっけか。水曜ロードショーって、なーんかコワそうなエゲツなさそうな映画ばっかり放送している印象があって(実際はそうでもなかったのかも知れないけれど)、あの穏やかなオープニングがいかにも、嵐の前の静けさを思わせたもんです。 で、なぜか家族そろってこういう作品を観てたのですが、まだ小さかった私は途中で寝て、後半の展開を翌日、親に教えてもらう、というのがいつものパターン。この映画も、火を発する昆虫が、車を燃やしたり、電話の受話器にへばりついてて髪の毛を燃やしたり、オソロシゲな場面の数々にたまりかねて(であったか、それとも単に眠かったからかは、もう忘れましたが)、布団に入り、翌日、その後どんな恐ろしい展開になったか、父親に聞いてみると、「男の人があの昆虫を飼いならして、言葉を言ったらその文字の形に昆虫が並ぶねん」「でも最後はその昆虫に殺されるねん」とのこと。子供心にも「なんのこっちゃ」と思いつつ、映画ってのはスゴイなあ、そんなアサッテの展開にまで広がっていくのか、と、何やら壮大な感じすら受けたもんでした。 ・・・当時のオヤジの説明、実際の映画とはちょっと違ってましたね。それとも私が何か聞き違いでもしてたのか。別に、飼いならしたり、自由に言う事聞かせたりする訳じゃ、なかったんですね。 しかし、自然を愛するサワヤカ系の教師が、後半、だんだんマッドサイエンティストになっていくあたり、なかなかよく描けております。いやそんな描写はいいから、もっと昆虫の襲撃を描けよ、パニックを描けよ、と思わんでもないけれど、いやこれがオリジナリティというもの。いいじゃないですか。さらに最後は「?」な幻想風味のカタストロフィ。いや確かに、当時のウチの親も、私へのあらすじ説明に困ったであろうことは、想像に難くないですな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-01-16 01:55:45)(笑:1票)
1477.  エアフォース・ワン
久しぶりに観て、面白さを再確認。と言っても、随分前に観たっきりで、どうしてもラストのあのあんまりにもあんまりなCG墜落シーンが一番印象に残っちゃってたのですが、今回は他のコトも少しは印象に残ったさ(笑)。 そもそも、その昔、ダイ・ハードという映画に興奮して、「続編ができるんだったら、次の舞台はきっと、飛行中の飛行機内だナ」とか思ってたら、イザ出来てきた続編の舞台は、飛行機ならぬ飛行「場」。そんな訳で、まるで私のツマラナイ夢を敢えて拾ってくれたような作品が本作なのでした。しかしコチラの作品、孤軍奮闘するのはポンコツ刑事じゃなくって、何と大統領、って言っても『インデペンデンス・デイ』の後だから誰も驚きませんけれども。 映画の開始から、少しずつ、大統領のやんちゃぶりというか熱血漢ぶり、あるいは家族思いの面などを描いていく手際の良さも好感が持てるし、戦いが始まって以降は、飛行機内という限られた空間でさまざまな場面を準備して、戦いを盛り上げてくれます。そしてクライマックスには戦闘機の空中戦やら脱出劇やら、さらにさらに大盛り上がり、かなり興奮します。でもどんなに盛り上がったって、大統領は大統領、スーツ姿は譲れないのです。 ところで、アラン・リックマンの訃報に触れて思うのは、ダイ・ハードって、見事に中堅役者を集めてそれぞれに光を当てて見せてくれた、という点では稀有の映画だったなあ、という事で、その点では、スター映画である本作には、そういう楽しみは薄いのですけれども。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2016-01-16 01:23:59)
1478.  ザ・レイド
最初に隊長さんらしき人が、映画の設定をペラペラとセリフで説明してしまい、あ~あ、そういうのは少しずつ出し惜しみして見せてくれればいいのに、と一瞬思うんですけど、まあ、別に構わないかな、とも。何せ、百聞は一見にしかず、そんなセリフでの説明をはるかに超える過酷なバトルが、早々に繰り広げられます。しかも、単に主人公がひたすら敵と戦い続けるのではなく(いや、ひたすら戦いますが)、その後の展開には、思わぬ人物同士の関係、思わぬ裏切りがあり、設定に広がりをちゃんと持たせてくれています。本作の売りであるところの、終わりを知らぬかのような果てしなき格闘アクション、スピード感満点でありながら、戦いの過程をキチンととらえていて(昨今の「細切れカットで何やってるかわからん」大作アクション映画は見習って欲しいもんです)、見応えあります。刃物等を用いた戦いによる残酷描写なんかも、あくまで瞬間的な描写であるために、一種のスパイスとして嫌味の無い効果を上げていますし、実際、一連の描写はアイデアの宝庫とも言えるのではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2016-01-13 23:03:51)(良:1票)
1479.  モンスターズ/地球外生命体
なんか妙にオモシロかったんですけれども。オモシロさの理由の1つは、これはまあ、ギャレス・エドワーズ監督がこの後抜擢された『ごじら』を先に観ちゃったから、でして。ああ、本作の色んなネタが流用されてたのね、と。怪獣による破壊の跡の描写とか、光る怪獣のタマゴとか、怪獣同士のラブラブシーン♡だとか。しかし、怪獣の直接的な描写よりも、怪獣が暴れた後の廃墟が主に描かれ、主人公の行く手に(あ、この作品、一種のロードムービーです)それが次々に現れて、具体的にそこで何があったのかはワカランけどとにかくロクでもないことが起こったんだなあ、そういうロクでもない状況の中に今、いるんだなあ、ってことはとてもよく伝わってきます。そう、コレって、『地獄の黙示録』みたい。冒頭で口ずさまれるワルキューレの騎行までもが『地獄の黙示録』と関係しているとは言いませんけれども、あの何とも得体の知れぬ気持ち悪い雰囲気、よく似てます(船で移動し始めたら、特に)。 で、主人公のふたりは怪獣が跋扈するメキシコからアメリカへ無事に逃げ切れるのか、一見そういうオハナシなのですが、さにあらず、というか、「結局、逃げるところなんて無いやんか」「逃げても大していいコトなんか無いやんか」「要するに逃げなくてもいいやんか」みたいな、現代社会の生きにくさをそのまま投影したような身も蓋もない感じが、かえって妙にシックリきたりして。 あと、いかにも低予算であることを謳い文句にして紹介されがちな作品ですが(実際、低予算なんでしょうけれど)、決して安っぽさを感じさせないのは、やはり見せ方のうまさでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2016-01-13 22:40:44)
1480.  黒い十人の女 《ネタバレ》 
「好きな男性のタイプは、優しい人!」とか女性が言ってたとしても、別に、例えばお年寄りに席を譲るような男性が好きなわけじゃなくって、「この私に対して」優しい人、という意味なんでしょう。 さてこの映画。「名うてのプレイボーイに弄ばれた女たちが、一致協力して男に復讐するオハナシ」という体裁ながら、なかなかそうスムーズに事が運ばないところがミソ。復讐されるべき男ってのは、なるべく卑怯で狡猾で、できればマッチョな方が、復讐され甲斐もあろうかというもの、それが本作では船越英二なもんで、どうにも頼りない。この自分が殺されなきゃならないほど悪いことをしたか、と本人が思うのもごもっとも、こんな敵役には向かないフニャフニャ男を殺すオハナシなんて、まさにオハナシになりません。という訳で、事態は迷走を始めて。迷走すればするだけ、映画が「女優の演技合戦」みたいになっちゃうのが、チト重くもあるんですが。 何にせよ、現実では、殺されるなんていうのは悲劇中の悲劇、だけど映画なら、殺されて映えるキャラってのもある訳で、結局、「殺される価値のない男」は殺されることもなく葬られてしまう。 この「誰のためにもなってない」感って、何なんでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-07 22:52:18)
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