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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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1481.  モホークの太鼓
いっしょに観ていた幼稚園の息子が突然「この人、エイリアンみたい」と言い出し、その後もしきりにエイリアンエイリアンと言ってるもんで、アンタそりゃエイリアンじゃなくってインディアンやろ、と。まあどうでもいいことですが。 独立戦争時代の西部開拓地域。そこに若夫婦がやってくる。旦那はある程度この未開の地にも慣れた感じだけど(例によって、ヘンリー・フォンダの分別顔がちょっと憎たらしいんですが)、不慣れな奥さんの方は驚きの連続、最初は気丈に振る舞うも、やはりたまったもんじゃない。という訳で、旦那の方はどうでもいいとしても(笑)、奥さんの成長というか変化が、ひとつの見どころですね。しかしそれ以上に、このまだ開拓途上にある混沌の地において光っているのは、やはりいい味だしまくってる脇役陣ですね。どうしてこうもジジイやババアを描くのが上手いのか。いや上手い下手は別にして、こうも面白く描くのか。 基本的には白人同士の戦い、軍人か否かを問わず、誰もが命がけで戦わねばならぬこともある。んだけど、その双方に、先住民の協力者がいる、という描写も面白いですね。で、敵方についた先住民、家屋に火を放ち、凶暴なのかと思いきや、根性オバちゃんに振り回される人のよさも見せたり。 そんでもって、クライマックスの砦の攻防、盛り上がります。さらには超絶ランニング。一体何十km走ったのか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-06 08:25:48)
1482.  ダイナマイトどんどん
やくざ屋さんたちのハチャメチャ野球大会。じゃりン子チエを少し思い出しますな。あと2軍時代の番場蛮とか。もう何でもありの、治外法権。野球というスポーツを心底、真剣に愛する人にはとても見せられたもんじゃありません。これだけ乱痴気騒ぎ大暴れしていても、何となく映画として整って見えてしまうのは、さすがと言ってよいのか、いけないのか。 それにしてもこういう作品を見てると、菅原文太というヒトはやっぱりコメディ俳優なんだと思います。で、一番クールな北大路欣也が、なぜか一番暑苦しいという・・・ (ところで昭和25年という設定だったら、当時米国は48州なので、国旗のデザインが違うのでは。どうでもいいですけどね)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-06 07:42:23)
1483.  ザ・ファイター 《ネタバレ》 
パッとしなかったボクサーがチャンスをつかむという点、ロッキーみたいなオハナシなんですけれども、コチラはあくまで実話がベースなんですよ、と。ロッキーのパクリでも何でもないんですよ、と。確かに私も実話と言われりゃチト弱いんですけど、一方で実話が制約にもなったりしかねない訳で。だもんで、本作も「いえいえ決して実話ということに寄りかかってはいませんよ」とばかりに、クリスチャン・ベールが念の入った役作りをしたり、マーク・ウォールバーグが引き締まったボクサー姿の一方で腹の出たたるんだ姿を見せつけてこちらも役作りの徹底ぶりをアピールしてみせたり(エイミー・アダムスの腹が出ていたのも役作りなのかどうなのか)。と、皆さん身を削って本作に打ち込んでおられるのですが、映画のラストになって「ああきっと本作のモデルになったご本人がラストに出てくるんだろうなあ」と思っていると、やっぱり本当に出てきて、しかも(劇中で自分がこんな風に描かれていることも一向に意に介さず)いい味出しまくってる、俳優がいくら頑張ろうと、最後にご本人にすっかり食われちゃいました。 それにしても、本作のボクシングシーン、もうひとつ迫力に欠けていて(このいかにも「本当には戦っていません」という感じが・・・)、盛り上がりきれず、これも実話ベースゆえにあまりアホで派手な演出はできなかったという一種の制約なのかも知れません。となると、一番迫力があったのは、あのお母ちゃんですわな。まさに妖怪。このお母ちゃんがいて、あのお兄ちゃんがいればこそ、ウォールバーグの不器用そうで一途な表情が光る。家族に囲まれ、恋人もいて、でも時にファイターは孤独なのだ、とその表情が語る。そこが、いいですな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-02 00:13:21)
1484.  ブラック・ライダー(1972)
マイノリティの受難の歴史を織り込みつつも、登場人物にそれぞれクセがあって、単なるお人よしではないから、説教臭さが少なくって楽しめます。ポワチエ演じる主人公は、行きずりに出会った男から馬を奪っちゃったりするし、馬を奪われたインチキ牧師はこれはもうインチキの極みだし、先住民は何だかんだと物品をせしめたりケチ臭いこと言ったりするし。だけど、もひとつパッとしない、盛り上がらない。多分、ポワチエがやるべき主人公じゃなかったのかも。今なら黒人スターもたくさんいてキャスティングも選択の幅が広くなっているけど、当時はまだそうもいかないのか、と思いつつ、でもどっちかというと分別臭いポワチエよりも、ウディ・ストロードとかの方がよかったんでは、とか思ったり。という、優等生顔で裏表の感じられない主人公がどうにもパッとしない代わりに、インチキ牧師ハリー・ベラフォンテがおいしいところを持って行っちゃいます。いかにもバナナ・ボートでも歌い出しそうな顔しながら、牧師と称しつつ読みもしない聖書を抱え、でもいざその聖書を開くと・・・ってのが何とも面白い。こういう面白さをもっと盛り込んでくれればいいのだけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-26 23:10:40)
1485.  テレマークの要塞 《ネタバレ》 
ナチスの原爆製造を阻止するために、工場破壊作戦に乗り出すレジスタンスの活躍。セリフもBGMも無く、張り詰めた空気の中で着々と進められる破壊工作、そして雪山を舞台にしたスキーの追跡劇、見どころは多々あるのですが・・・どうもしっくりこないのが、(せっかく破壊した工場がすぐに復旧してしまったため)民間人の大きな犠牲を払って空襲による破壊を試みたり、これまた民間人の犠牲が避けられない船の爆破作戦を決行したりして、これらの犠牲に対する苦悩についても言及されるのに、いざ実際の映画描写となると、なーんにも描かれていない、完全にボカされちゃってる、って事ですね。このあたりが、娯楽作の限界でしょうか。沈没させようという船から、せめて子供たちや知人の女性だけでも助けよう、というのは他の人々を見捨てるということでもあり、まさに苦悩の極致たるべきところ、しかしこれがまあ実にアッサリと、まるで全員助かったかのごとく描く。別に悲惨な光景を見せろとは言わないけれど、ちょっとお気楽過ぎるかな、と。見どころが多い割に、何だかユルいんですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-24 22:43:23)
1486.  日本侠客伝 雷門の血斗
舞台は浅草、演劇の世界。健さん演じる主人公も演劇一座の興行主。え~ヤクザ映画じゃなかったの~というところですけれども、一座の前身はヤクザであったりして、はたまたそこに別のヤクザ一味の嫌がらせがあったりして、ちゃんとヤクザ映画路線になっていきます。これがアリなら「健さん演じる自治会長」とか「健さん演じる校長先生」とかでも日本侠客伝になりそうですが、いやいやいや。やっぱり演劇の世界を描いてこそ、本作の魅力があるのですね。少なくとも、本作の魅力は、主演の健さんよりも(実際、少し影が薄い気も)、脇を固める役者さんたちにこそありそうな。妙にツヤツヤした顔で朗々と浪曲を披露する村田英雄、まさにこれこそが「芸」だぜ、と言わんばかりのツヤツヤ顔。ほんとツヤツヤ(笑)。藤山寛美が意外にも重要な役で登場し、まあこの出演は寛美さんの破産と松竹解雇によるものかも知れませんが、いずれにしても、(多くの場面では目立ち過ぎないように控えつつ)ここぞという場面では寛美節をさく裂させて、ああ新喜劇ならここで拍手が起こるところだなあ、と。そしてそして、一番いいところを持って行ったのは、やっぱり元ヤクザとしての凄みをチラリと垣間見せる島田正吾でしょうか。こうなるともはや健さんも出る幕無しか、というところですが、最後のたち回りではダイナミックにしっかりと魅せてくれる。実際、本作で割を食ってしまったのは、女優陣ではないでしょうか(あと、長門裕之ね)。男の色気、芸の色気。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-11-22 16:19:36)
1487.  ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
第2作の続き・・・というより、第2作のオマケみたいな。第2作のラストからそのまま第3作に繋がり、設定上もその制約を受けてしまう中、どう工夫して見せてくれるかがポイントとなるのでしょうが、これがどうも不発。謎に乏しく緊張感に乏しく、ただこれまでのエピソードにケリをつけるだけでは、作品としての存在意義もやっぱり乏しく、あの魅力的だった第1作が懐かしく感じられてしまいます。せめて後半の裁判シーンばかりは、もう少し工夫があっても良さそうなもの(これまでにも様々な映画が演出の腕を競ってきたシチュエーション)かと思うんですけども。ただ、もしデーモン小暮閣下が裁判の被告席に立ったら、きっとこんな感じになるんだろうなあ、と思わせてくれる点は少し貴重でした。
[DVD(字幕)] 5点(2015-11-22 08:29:51)
1488.  トラック野郎 熱風5000キロ
まずこの「熱風5000キロ」というのがわからなくて、劇中で5000kmも走っちゃいないだろうから、きっと「キロ」とは「キログラム」のことだろう、しかし5tトラックという訳でもなさそうだから、この5000kgってのは何だろう、春川ますみ母ちゃんの体重だろうか。 ってなことはどうもよくって、本作、マドンナ役が小野みゆきでいわゆる男勝りのキャラ、桃次郎もいくらか惚れたりはすれど深入りせず、どさくさまぎれに唇奪ったりしてもアッケラカンと健康的。むしろ彼女との酒飲み対決が見どころですが、この対決シーンが描かれ方がしつこい。しつこいと言えば、橋の上での地井武男とのにらみ合いもしつこくって、こういった「しつこい対決」が、見どころ、面白さになっています。離れ離れの母と子が互いに駆け寄っていく場面なんかも、この「しつこい対決」の延長戦にあるものでしょう。 まあ、物語の現実味という点では当然ながらムチャクチャな点もありますが、それもご愛敬。エピソードの繋がりと要所要所の盛り上げという意味では、ポイントを外さないのだから。ただしこのオハナシ、復讐譚の落としどころとしてはどうなんでしょう。確かにこれはこれでひとつのケリなんだけど・・・少し寂しいものも感じたり。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-15 09:34:08)
1489.  白い肌の異常な夜
南北戦争時代、イーストウッド演じる北軍の伍長が南部の戦線で負傷し、女ばかりの寄宿学校みたいなところに匿われる。さまざまな年齢の女性数名に対し、男が一人、もうより取り見取り。これがイタリア映画ならお色気コメディ映画にでもなったかも知れませんが、ドン・シーゲルとイーストウッドが組んだら、ほとんどホラー映画みたいなサスペンスになりました(何度か出てくる真っ赤な血の描写がコワイ)。密度の高い、緊張感に満ちた映画で、「イーストウッドがモテモテ役だなんて、許せんなあ」という気持ちもすぐに引っ込みます。 まずそもそも、学校の外部というものが、戦時下で秩序というものが無い不安な状態。その中において、舞台となる女学校は、厳格さに満ちた閉ざされた世界、であるのですが、そこに負傷した男が一匹。負傷してたって、男としてヤルことはヤル、っていうかむしろ体の不自由さゆえに性的な方向に暴走しがちなもんで、女ばかりの秩序だった世界(それはもともと表面的なものに過ぎなかったらしいのだけど)に、嫉妬に満ちた大きな波紋を投げかけることになる。それは、映画後半におけるあるショッキングなエピソードによって、男をより純粋な性的存在へと変化させ、事態をより深い混沌へと導きかねない展開にもつながっていきます。が、それでも危ういバランスは保ち続けられ、そしてそのまま、一連の混乱は唐突に、断ち切られるように終わりを告げる。あとに残るのは、不気味極まりない、秩序の世界。まあ実にヤな感じで気持ちの悪い、「異常な」映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-15 08:24:20)(良:1票)
1490.  思い出のマーニー
緻密な動き、風の描写。見事なアニメーションは惚れ惚れするばかりで、感動的です。しかし物語の方は、マーニーの思わぬ言動を交えつつも、最終的には謎とき風に小さくまとめてしまった印象(それも、おおよそ想定範囲内というか、さもありなんというオハナシ)、ちょっと残念ではありました。あと、アニメーションにこれだけの複雑な動きをさせておきながら、ここぞというところで主人公に「泣く」という単純な演技をさせてしまうのも、感動が伸びない点です。しかし、公開当時、夏休み映画ということで(平日なので私は行かず)ウチのカミさんと子どもたちで映画館に観に行き、知り合いにも母子で観に行ったというケースが多かったようですが、何でも「母親の立場で観ると泣けてしまう」作品でみなさん意見が一致しているそうです。私にはよくわかりませんが(笑)。幼稚園の息子に聞いたら、サイロの場面が怖かったとのこと、これは、よくわかります。
[地上波(邦画)] 7点(2015-11-08 10:26:18)
1491.  地獄の黙示録
「特別完全版」公開後は、このバージョンで確定ということなのでしょうか、今回観た「通常版」のラスト、炎上シーンはありませんでした・・・。 さてこの地獄の黙示録という作品、コンラッドの「闇の奥」を下敷きにしており、実際この小説を思わせる人物も登場する訳ですが(槍で絶命する舵手、出迎えるロシア人、そして勿論クルツ=カーツ大佐)、作品から受ける印象としてはむしろ、カフカの世界を思わせます。この印象は、主人公たちが出会うエピソードの数が増えた特別完全版を観てより強くなったものではありますが、それでいて、完全版でないコチラの方がむしろ、より終わりなき彷徨を感じさせもします。特別完全版の方が、どこか、正常から異常へ、正気から狂気へ、というベクトルがはっきりしている気がして、この通常版の方が脈絡なき迷宮の感じが強いのです。それでも、やはり狂気へと向かって行く方向性というのは確かにあって、主人公が旅路の最初に出会う、キルゴア中佐のエピソード、瀕死の敵兵を称えつつサーフィンの話が始まると水を与えるのを忘れてしまったり、果ては戦場でサーフィンをするためにナパーム弾投下を要請したり。異常と言えば異常だけど、ある意味、想定内の、まだしも理解可能な異常、想像可能な世界。ワルキューレ第3幕冒頭をかき鳴らしながらの攻撃なども、我々の想像を特に超えるようなものではない、陳腐な世界でもあります。これ以降、川を上るに従い、何が起こるか、それが何なのか、想像も予想もできない世界が彼らをそして我々を待ち受ける。 そしてついに現れる、カーツの王国。カフカの長編世界は結末と呼べるものが存在しない(「審判」ですらそう言ってよいでしょう、結末は一応あるけど本編から独立している)のに対し、本作は、不条理世界の最期を何とか描こうとしています。たぶん、それ自体が無謀なことではあったのでしょう、映画自体がほとんど崩壊に向かっており、そこには相次ぐ撮影時のトラブルなども影響しているのかも知れませんが、さて、この混乱、混沌以外に、本作のラストがあり得たのかどうか。もはや作品の完成度云々以前に、やっぱり狂気の世界は狂気によってしか作りえなかったのだ、というまさにその点で、稀有の一本となった作品であります。多分これは、コッポラが「作った」作品ではなく、彼自身も作品の一部となって初めてこの世に生まれ得た作品なのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-11-08 09:20:36)
1492.  大列車強盗(1978) 《ネタバレ》 
クリミア戦争の戦費である大量の金塊を、走る列車の中からいかにして盗み出すか。金庫の鍵は4つ。そのすべての鍵のスペアをこっそり作成しようというのが、映画前半。ショーン・コネリーが飄々としていれば、ドナルド・サザーランドも負けじと飄々としていて、その掛け合いがユーモラス。しかし鍵のコピーを作り上げ、いよいよ作戦実行というところで、狙いがバレてしまい、警戒が厳重になってしまう・・・と言いながら、大して厳重にもなっておらず、なんだか普通の警備、何となく普通に金塊を盗み出せてしまうのが、少々張り合いの無いところではありますが、しかしこの金塊を盗み出す場面、(スタジオ撮影の合成映像ではなく)ホントに走る列車で撮影しています、というシーンをたっぷり準備し、しかもそれをショーン・コネリー本人が列車の屋根にへばりついて演じているらしい。こういうところは、単なるユーモア映画では終わらせない、なかなかの緊迫感です。逆に言えば、そこを除けばなんともアッサリした映画なのですが、こういう軽妙さもまた、悪くはないですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-01 16:50:00)
1493.  ミレニアム2 火と戯れる女
今回はオハナシは売春組織の追及。と思いきや、その方面には必ずしも深入りせず、一話完結型どころか、次第に、まさに前作の「続編」となっていきます。その前作とのつながり、ある意味では強引なところもあるかも知れませんが、後から無理に辻褄合わせしたような「前作ファンご機嫌伺い」型のつながりではなく、ちゃんと一連の物語として計算された強引さであるのがお見事。ただ、それでも小さくまとめてしまった印象はあるかな、とも。 前作の、皮膚感覚ともいえるあの生々しさはここでも見られますが、リスベット役のノオミ・ラパスの中性的な魅力と体を張った演技が、そこに大きく貢献しています。しかしあの大男、いちいち詰めが甘いところばかりが目立ち、あまり怪人物という感じがしないのが、ちょっと残念ですが。
[DVD(字幕)] 7点(2015-10-31 18:10:13)
1494.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
世間の評判が妙に高くって、実際観て見りゃそれなりに楽しめて、でもどうしてこんなに評判が高いのかよくわからず、多分それは私が悪いんだろうもう一度観てみようと思って観てみるとやっぱりそれなりに楽しめる、結局何度見ても、楽しめつつも何でここまで評判が高いのかよくわからない、そんな作品なのです。間違いなくハチャメチャなんだけど、どこか理屈っぽさが鼻についてしまう。こういうブラックな笑いを理解できないなんてダサいよね、という無言の圧力を感じつつ、でも笑えんもんは笑えんのです。 変に長回ししてみたかと思えば変にカット割りしてみたりする気まぐれさが、なんだか気持ち悪い。一方でペンタゴンのシーン、えらく気合いを入れて撮影しているようですが、そのせいかアングルが変に固定されてしまった感もあり、これも妙な気分にさせられます。また一方、リッパー将軍立てこもりの場面の戦闘シーンの、まるで実戦映像のような描写、プライベート・ライアンなんかもここから影響受けたのかな、とも思わせるリアルさが、これまた唐突な感じがして。ピーター・セラーズの一人三役、特にストレンジラヴ博士のテンションにもついていけないものがあるけれど、ジョージ・C・スコットの一人一役の方がさらに激しく暴走している。 要するに、なーんとも、観てて居心地が悪いんですな。で、きっと、こういう居心地の悪さを感じさせた段階で、この作品はきっと成功した作品なんだろうし、私は今後もまた何度か観直しては、わずかずつながらも新しい魅力を見つけ出し、でもやっぱりどうしてこんなに世評が高いんだろうかねえ、と言い続けるんでしょうなあ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-28 22:29:59)
1495.  日本侠客伝 花と龍
「花と竜」を日本侠客伝の世界に取り込み、一介のゴンゾウだった主人公がやがてオヤブンになっていく、大河風の内容で、このジャンルの作品としては2時間弱とちょい長め。特に下積み時代の主人公を描く前半は、コミカルで明るい雰囲気です。主人公のタマキンがやたらと出来過ぎクンなんですけれども、健さんが演じれば、何となくイヤミが無いんですね。彼を招いたゴンゾウ仲間が二谷英明っても、一見違和感があるけれど、その後の展開を見れば、なかなかうまい配役。最初は主人公をやさしく見守るような立場で、後半主人公へそっと想いをよせる藤純子、ここが演技の見せ所とばかりムズカシイ表情を見せる場面もあれど、最後は晴れやかな表情なのが、イイんですね。モテる男とモテる女の組み合わせ、ちきしょー憎いね、と。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-10-25 09:53:55)
1496.  セインツ -約束の果て- 《ネタバレ》 
強盗一味の若夫婦が、警察に追い詰められる。投降した夫は、身重の妻をかばって罪を一身に引き受け、服役。数年後、夫は脱獄し、妻と、写真でしか見たことのない娘のもとへと向かう・・・。ボニーとクライドが、「その後」の幸せをつかもうったって、そうはいきませんわな、というお話。冒頭、妻の妊娠を喜んでいる夫の姿から一転、一軒家にこもった彼らの、警官との銃撃戦。家の中には、警官に撃たれた仲間、家の外には、妻が撃ってしまった警官、というふうに家の中と外がシンクロしているのですが、仲間は死に、警官は命を取り留めたことが、先の展開に波紋を及ぼすことになります。逮捕された夫婦が警官に引き裂かれるように別れていく姿を映画はしっかりと捉えるのですが、やがて月日が流れて娘も生まれ、母子の安定した生活が始まると、もはや昔には戻れない。睦まじい母子の姿が、それはそれで完結したものであるかのごとく、それが誰にも簡単には侵せないものであるようにも、映画はその姿を映し出していきます。しかし実際には誰も、他者との関係は避けられないわけで、彼らをとりまく登場人物たちの姿がそこにあり、単なる脇役ではない存在感で、主人公たちの姿を縁取っていきます。夫は妻のもとへと近づきつつも、結局は永遠に交わることのない「消失点」へと向かって行っているような虚しさが漂っており、それでいて、まるでそれもまたテキサスの自然の一部であるかのようなおおらかさもあり。時に銃撃戦などの激しい場面もあれど、静かな作品、しかしその静かな緊張感をはらんだ抒情性に、強く引き込まれます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-24 16:12:04)
1497.  西遊記 はじまりのはじまり
西遊記がテーマと称しながら、これほどまでに「何がどうなるのやらサッパリ予想がつかない」というのも、なかなかスゴイものがあります。冒頭からやりたい放題で、要所要所は例によって「デブ・ハゲ・ブサイク」がシメるという、何とも奔放な作品ですが、ただ、前半のこの勢いを思うと、後半、洞窟内の孫悟空との絡みの場面のグダグダ感、どうしちゃったんだろうか、と(要するに「悟空がただの小汚いオッサンだった」という、いわゆる「出オチ」なんですよね)。何でこんなに引っ張っちゃったんだろうか。いずれにしても、その後はまた、先が予想できないハチャメチャに戻り、何が一番予想できないって、この後の続編(が作られるとして)、期待していいものやらどうなのやら。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2015-10-18 08:28:21)
1498.  プレーンズ2/ファイアー&レスキュー
前作のエアレースから、今回は山火事消火へと大きく話は変わりますが、前作が楽しめた人なら今作も楽しめるだろうし、前作がつまらなかった人には、やっぱりツマランでしょうなあ。 冒頭のクレジットは、タワーリング・インフェルノのパロディのつもりなんですかねえ。しかし、ああいう災害パニック映画の緊張感はまるでない、安心印の映画。ウチの幼稚園の息子、確かにこの『プレーンズ2』も楽しんで観てはいたけど、タワーリング・インフェルノやバック・ドラフトの方がはるかに熱中してた訳で、こんなに安心設計にしないでもいいんじゃないの、と。 いずれにしても、ラストにおいて、スティーヴ・マックィーンはポール・ニューマンと言葉を交わした後、静かに去っていき、ウィリアム・ボールドウィンも日常に帰っていった、それに比べると、この「これはハッピーエンドです、何しろ、主人公が周りから称賛されているから」というお気楽さ、正直、ゲンナリしてしまうのですけれども。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2015-10-17 08:18:41)
1499.  ロビンとマリアン
ジジイになったロビン・フッドが(と言っても演じてるショーン・コネリーは40代半ばだけど)シャーウッドの森に久方ぶりに帰ってきて、悪代官ロバート・ショウと戦うオハナシ(いや、別に「悪」代官ではない気もするけど)。S・コネリー、A・ヘプバーン、R・ショウの3人が主役として同時にクレジットされているけれど、R・ショウはなかなか登場せず、A・ヘプバーンはさらに登場が遅れた挙句に尼僧姿に身を包んでおり、顔かたちを我々の前にはっきり見せるのは、映画も半分を過ぎるくらいになってから。と、そこまで引っ張っておきながら、彼女の髪型がいかにも「ママさんパーマ」風なので、ちょっと萎えてしまう(笑)。 そういう意味では、ロビン・フッド伝説を取り上げてはいても、地味というか家庭的というか。 ここではロビンもさほどスマートな男ではなくって(とは言え、S・コネリー、自分でそこそこのアクションをこなしてガンバってる)、『~最後の聖戦』と同じくデンホルム・エリオットとのユーモラスな組み合わせが、なんだか微笑ましかったり。 決してカッコよくは無いラストの描き方も、そういう路線にのっとったものかも知れませんが、さすがにちょっと弱いかな、と。 妻マリリンがあまり描かれていないから、妻との関係の深まりもあまり描かれず、そういうエピソードの支えがないから、要するにいかにも唐突なラストなんですね。ただ、ラストシーンを締めくくる「どこまでも飛んでいく矢」ってのは、これは何ともシャレてます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-17 07:59:11)
1500.  ブラック・レイン
今回観たのはずいぶん久しぶりで、あれ、こんなに面白かったんだな、と。多分、昔観た時には、作品との距離感が、今観るのとだいぶ違ったんでしょう。当時はお馴染みだった、都会系の刑事アクション映画、そしてこれまた自分にとってお馴染みの大阪の街、その2つの融合とくれば、何だか距離感が近すぎて。どうしても先に立ってしまうのは、違和感と、「あ~あ、やっぱり、やっちゃったね」という(期待通りの)失望感。しかしそれも、今となってみると、80年代アクションを観る機会も減ったし、この映画に出てくる大阪の光景も、今では見られなくなってしまったものが多くなってきて。で、今回、素直に観て、素直に楽しめちゃった。幾分は「変なニッポン」も出てくるけど、基本的には日本らしい日本が登場する、要するにその点では決してキワモノではなく、むしろ刑事アクションとしてやや変則的である点の方が、特徴的と言えるかも知れません(無論、日本を舞台にしている事がそこに一役買っているのですが)。 まず、マイケル・ダグラス演じる刑事ニック、例によってダメダメな感じで、妻子とも別居している。では映画を通じて妻子とヨリを戻すのがテーマかと思いきや、全くそうではなくって、子供のひとりをバイクの後ろに乗せ走り出した次のシーンでは、もう子供は乗っておらず、今度はアンディ・ガルシア演じるチャーリーと出会って彼をバイクの後ろに乗せるシーンとなる。要するに、チャーリーはニックにとって自分の子供と同じ可愛い存在、なんですね。で、実際、このチャーリーという男、実に実に「いいヤツ」として描かれてます。健さんとニックの関係がどうもギクシャクしている時、いつもチャーリーが間に入って、いい味出しつつ何となく間を取り持っている。だもんで、チャーリーの死のインパクトは非常に大きく、かつこれを契機に健さんとニックの間も近づいていく。一方、松田優作演じる敵役の佐藤、(広島の黒い雨になぞらえて語られるのがピンとくるかどうかはともかく)戦後に現れた得体の知れない新しい存在、しかしそれは間違いなく戦後の日本とアメリカが生み出した存在、つまり彼もまた一種の「息子」というべき存在。チャーリーと佐藤は、陽と陰を代表する「息子」たち、だからこそ、2種類の結末が撮影された本作において、最終的に採用されたこの結末、これでよかったんではないか、と思えてきます。--- それにしても、ガッツにホタテ、パチパチパンチ、みんないい顔してるじゃないですか。USJがまだ無かった頃、「ハリウッドが大阪にやってきた!」という、やっぱりお祭り映画でもある訳で。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-15 23:28:14)(良:1票)
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