1541. スクリーム(1996)
昔6点、今は4点。以前見たときは、怖いのと犯人が誰かの興味本位で見ていたが、今もう一度見直してみると、凄く残酷な映画だ。リアルといえばリアルだが、目を覆いたくなるシーンが何か所もある。そしてもっとわからないのは動機、映画の中でも語られてはいるが、いかにも薄弱。そしてもっと恐ろしいのは、何の関係もない人を次々殺していっていることだ。見直していくうちにどんどん評価が下がる。 [DVD(字幕)] 4点(2012-01-08 15:45:24) |
1542. マーラー 君に捧げるアダージョ
《ネタバレ》 シューマン、ショパンの生誕200年、マーラー生誕150年という2010年前後には、クラシック音楽の作曲家の映画がたくさん作られた。その中でも、この映画は屈指の作品だと思う。 マーラーと言っても、興味のない人は知らない人も多いかもしれないが、音楽ファンにとってはモーツァルトやベートーヴェンなどと並ぶ大作曲家なのである。その美しい交響曲は、この映画と同じ100分くらいの長大なものがいくつもあり、合唱隊を加えると演奏者が千人にもなる大規模なものもあるくらいだ。その大作曲家マーラーの生き様を知る上でも大変貴重な映画だと思う。 映画はこれまた有名な世界的な精神分析医フロイドの治療を通して描かれるし、映画の音楽がすべてマーラーが作曲した交響曲というのもすごい。君に捧げるアダージョという副題が実にふさわしく思える。 [映画館(字幕)] 7点(2012-01-08 15:11:09) |
1543. 水曜日のエミリア
《ネタバレ》 いい映画で感動してしまった。ナタリー・ポートマンはもちろんのこと、息子ウイル役のチャーリー・ターハンがすばらしい。最初は継母の言うこともよくきかない子だったが、最後はエミリアと心が通じるようになったし、ジャックとの仲も好転を予感させるエンディングもすばらしい。これもウイルの殊勲に思えて、とてもいじらしい。 惜しむらくは、「ワニのライル」のお話がどんなものか知らないので、比喩というのがちょっとわからなかったこと。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-07 22:19:21)(良:1票) |
1544. タイタニック(1997)
下のとらやさんのレビューを読んだら、私とほとんど同じ感想なのにびっくりした。「下の人に同じ」とだけ書くのはまずいので、敢えて触れられてない点を。 この映画が3時間を超える長さになっているのは、最初と最後に年老いたローズを入れたからだろうと思う。これがなければ普通の尺になっているだろうし、最初見たときはその方がすっきりすると思っていた。しかし、改めて見てみるとこの部分が相当な意味をもっているような気がしてきた。若い男女を中心に描かれたドラマだけに安っぽいという評もあるだろうと思うが、ローズの回想としてのタイタニックと捉えれば、何も問題ないのではなかろうか。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-07 03:56:05)(良:1票) |
1545. タイタニックの最期
アカデミー賞の脚本賞を取るだけに、ストーリーは確かに良い。人間ドラマとしては、キャメロンのタイタニックよりずっと優れていると思う。しかし良かったのは前半だけで、氷山に衝突するシーンやその後の沈没するまでのシーンはまるでなっていない。豪華客船がいかにも作り物のおもちゃになっているし、船が沈没するというのに、乗客があわてず落ち着き払っているというのも、どうみても嘘っぽい。後半は興ざめしてしまった。 ところで気になるのは字幕のミス、ミシガン州のマキナック群(マキナック郡のまちがい)は許されるとしても、冒頭の乗客数でtwenty two hundreds を2万2千とは何事か(2200のまちがい) [DVD(字幕)] 5点(2012-01-07 03:46:35) |
1546. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
《ネタバレ》 いくら女の子が先に大人びるとしても、小学生の男の子と中学生の女の子としか見えない。(実年齢でも2歳上)しかし、映画のほのぼのとした感じはよかった。花火が丸く見えるか平べったく見えるか、どうでもいいようなことだけど、こだわるところがいかにも子どもらしい。もう一つ炎色反応の銅が緑色なのだということを学んだ。これまたどうでもいいことだけど・・・。 とここまでは昔書いたコメント、2通りのエンディングからの改めて別のコメントを(完全なネタバレ) 最初のエンディングは、プールでユウスケが勝ち、ナズナは一緒に花火大会へ行く約束をするが、すっぽかされすぐに連れ戻される。花火も無責任なおっさんに平べったいと言われ、皆が信じてしまって、灯台へも行かずおしまい。いかにも平べったい(薄っぺらい)ストーリーだ。 それに対して、ノリミチが勝った場合は駆け落ち(ただし駅まで)に発展し、花火も真下からと灯台からの両方から見ることになって、ストーリーも広がる(丸く膨らむ?) この二つのエンディングが花火の形状に似ておもしろい、と思ったのは私だけか? [DVD(邦画)] 7点(2012-01-07 03:39:22)(良:1票) |
1547. レオン(1994)
人間抹殺の掃除屋の異常な愛の物語、殺しのテクニックを教える方も習う方も常軌を逸している。 人の命の大切さが身にしみてよくわかる映画。 [DVD(字幕)] 2点(2012-01-05 23:35:14)(笑:1票) (良:1票) |
1548. カビリアの夜
《ネタバレ》 じーんと胸に響く映画だ。「道」のジェルソミーナの感動が再び蘇り、純真無垢なカビリア(私もよくカリビアと間違えた)と重なる。男が女がとか、マリア様とか、奇術師とか関係なく、それを超越したジュリエッタ・マシーナを見た。 なるほどフェデリコ・フェリーニの双璧と言われる所以か。ラストの涙の中の笑顔は忘れられない。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-05 22:03:47) |
1549. 雨に唄えば
ミュージカルとして申し分ないだけでなく、トーキーの出現による映画の舞台裏を描いたストーリーも大変好きだ。キャシーのように陽があたるようになった女優さんもいれば、リナのような女優さんもいて一抹の寂しさも感じる。ただこのリナの場合は仕方ないが・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-05 12:01:53)(良:1票) |
1550. 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ
再び吉永さんということで大いに期待したのだが、ものの見事に期待はずれ、少しもおもしろくない。父親が娘に話しにくいということはよくわかるし、宮口精二もそういった父親像をよく演じているが、何かちょっと違う。特に寅さんは今回は何をしたのだ?という感じ。吉永さんも実生活で結婚してしまったし、何か魅力なくなった感じだし、・・・。 歌子さんが大島に行ってやりがいのある仕事を見つけたことと、寅さんが大島に行ったのではなく、絹代さんのところへ行って挨拶をしたこと、さりげないラストは良かった。 [映画館(邦画)] 5点(2012-01-04 22:56:52) |
1551. 古都(1980)
伊豆の踊子から6年、少女山口百恵が成人しついに結婚引退へ、彼女を見るのも最後と思って見た映画である。岩下志麻と比べるのは酷な話だが、ここまで成長したのかと感慨深いものがある。 映画の面では市川崑監督であり、川端康成の原作の雰囲気がよく出ていると思う。(原作も読まずによく言うよと我ながら思う)三浦友和をどう使うか心配したが、あれで良かったと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2012-01-04 17:23:21) |
1552. 私は殺される(1948)
《ネタバレ》 よくできたサスペンスだと思う。主人公はバーバラ・スタンウィック演じるレオナは、支店長夫人であるばかりか、会社を築き上げた社長の一人娘、わがまま一杯で育った。 その彼女の性格や経歴が回想という形で見事に表現され、迫り来る危機がヒステリックなほどに伝わってくる。それだけではない、なぜこういう事態が起こったかも、電話1本で次々と明らかになってくる。ベッドから動けない主人公を舞台の中央に据えただけの設定ながら、見事というほかはない。ただし、検事のフレッドがどう関わったのかなど一部よくわからないところがあったので、そこはマイナス。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-04 08:24:06) |
1553. チャップリンの殺人狂時代
コメディと思えたのは、中盤の毒薬からボートのあたりまでで、前半と終盤はとてもコメディと呼べるものではない。社会派ドラマにも思えるが、あまり感心しない。 独裁者まではチャップリンはおもしろかったが、メッセージ性の強いドラマは苦手だし、好きでない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-01-03 17:49:42) |
1554. チャップリンの独裁者
《ネタバレ》 映画がトーキーの時代になってもサイレントにこだわり続けたチャップリン、そして「モダンタイムス」でようやくその声をあげたチャップリン、それがこの映画では堰をきったようにしゃべり強いメッセージを放つ。あの有名なラストの大演説だ。 この映画はヒトラーを皮肉り、反ナチを掲げる批判映画として捉えられているが、それだけではないだろうと思う。 「黄金狂時代」や「モダンタイムス」などに込められた批判・風刺を見ればわかるように、人間が自由に人間らしく生きる社会を彼は求め続けている。それを阻む独裁権力者を批判しているのだ。 チャップリンは、ヒンケルとうり二つのユダヤ人床屋を使って、こういっている。「世界に自由をもたらし、国境を取り除き、貪欲と憎悪を追放しよう!」と。 この強いメッセージは、今日もなお私たちが追求しなければならないものとなっていると思う。 [映画館(字幕)] 10点(2012-01-01 22:29:41) |
1555. 男はつらいよ 私の寅さん
《ネタバレ》 岸恵子さんが好きなせいもあるが、シリーズの中では結構好きな方に入る。前半と後半に大きく分けられるが、前半はいつもと逆に寅さんが留守番で、家族の方が九州に旅行する。その旅行前、ふてくされる寅さんにさくらさんが言う言葉が実に良い。「本当はお兄ちゃんと私がしなきゃいけなかったことよ」という兄思いのさくらさんに思わずじーん来てしまった。 後半はデベソの妹りつ子さん、柱の傷はキリギリスに始まり、ショパンやシューベルトの曲を経て別れの曲まで、さすが絵に打ち込む芸術家だ、格調が高い。岸さんによく似合っている。 ついでながら、わたしもこの前年ぐらいから見始めた寅さんシリーズだが、この頃は非常に人気があった。ちなみに観客動員数は、シリーズの中でこの映画が最高だったと思う。 [映画館(邦画)] 8点(2011-12-31 13:52:46)(良:1票) |
1556. 天使にラブ・ソングを2
この映画自体はそれほど悪くないと思うのだが、前作と比べたら数段落ちる。舞台を修道院から高校に移したのだから、もっと青春ドラマに徹するとかしてほしかった。反抗的な子どもたちを手懐けるのもあっさりした感じだし、一度飛び出した子が戻るのも簡単すぎ。歌もこの手の歌はあまり好きでないし・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-31 12:59:04)(良:1票) |
1557. アルプスの少女ハイジ(1965)
《ネタバレ》 映画の始まりが、ハイジが8歳になったときからのスタートというのは、物語をすっきりさせるためにも良いだろう。しかし肝心のクララが歩けるようになる時期と設定を変えてはどうだろう。映画のまとまりはできても、別の物語になってしまうのではなかろうか。アルプスの大自然の描き方はすばらしいが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-30 23:43:28) |
1558. 天使にラブ・ソングを・・・
文句なく楽しい、おもしろい、すばらしい。良くできたストーリーで言うことなし。と言いつつ、コメントするが・・・。 尼さんと暴力団組織?のまったく異なる世界を同次元に扱うなんてすごい。音楽ももちろんすばらしいし、音楽の軽快なテンポに合わせるかのように進む映画もまたすばらしい。ピストルを構えたチンピラに「彼らを許し給え」などと祈るところなど最高。 しかし神様を冒涜してはいけないので、調子に乗りすぎないためにも1点だけ引いておこう。 [DVD(字幕)] 9点(2011-12-30 21:53:46) |
1559. 不思議の国のアリス(1985)<TVM>
米国版ミュージカルで2部構成、前編は「不思議の国のアリス」だが後編は「鏡の国のアリス」 映像がきれいな上に登場人物が実に多彩で豪華、米国の有名な俳優女優それに歌手まで出演していて子ども向きの楽しいアリスになっている。 この映画で良いのは何と言ってもナタリー・グレゴリーのアリスがかわいいことだ。 [DVD(吹替)] 5点(2011-12-30 14:19:03) |
1560. パピヨン(1973)
若い頃見たときはあまりの壮絶さに声も出なかった想いがある。その後脱獄囚自身の自叙伝に基づく映画ということを知り、そのリアルさがただならないことを思い知った。 この映画は男同士の真の友情を描いたものであり、不撓不屈の男のドラマでもある。しかしよくよく考えてみれば、刑務所というものがいかにむごたらしいものであったか、何故に人権が全く存在しえなかったのかという社会派ドラマでもある。DVDで改めて見て、マックィーンとダスティン・ホフマンの演技力に脱帽。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-29 22:29:05) |