Menu
 > レビュワー
 > 由布 さんの口コミ一覧。8ページ目
由布さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 163
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123456789
投稿日付順123456789
変更日付順123456789
>> カレンダー表示
>> 通常表示
141.  ハムレット(1996)
シェイクスピア劇の映画としては、よく出来た作品。衣装もセットも風景も豪華で壮大。ただ、台詞回しは、どうしても演劇的に冗長的になるのは避けられないのか。あるいは、意識して、そう作ったのか。市川崑の「鹿鳴館」を思い出した。華やかだし、流れは原作に忠実ではあるんだけれど、忠実であるだけにインパクトとしては、ローレンス・オリビエの「ハムレット」の方が強い。舞台やシェイクスピアに興味のある人なら、見ておいて損はない。
7点(2003-01-05 23:28:22)
142.  ホーンティング
映画的には、キャスパーとポルターガイストを足して3で割ったの?って感じかな。4で割った、でもいいかもしれない。人間の不安心理という御題目を冒頭に持ってきたわりに、その主題があっさりと忘れ去られていた辺り、「カリフォルニア」といい勝負である。途中、これの元ネタは、幼児虐殺マニアのジル・ド・レエかな?と、あれこれ結末を想像していたのに、それもあっさり振られて、結局、子供達が何故死んだのかの理由も出てこない。じいさんが何に執着してるのかも、分からない。リーアム・ニーソンは、冒頭の主題が忘れ去られているだけに、「あのクワイのリーアムだよ」と思って見てないと、まるで没個性。そんな中、キャサリン・ゼタ・ジョーンズだけが、一人、光っていた。初めはどうしようもない遊び人風で現れて、次第に、深い人情味のある女性だと分かっていく変化がとてもいいんだけど、ただ、それを表現するには作品に厚みがない。ラストも、もう一捻り、欲しかった。
5点(2003-01-03 23:02:06)
143.  うたかたの戀(1936)
終焉のオーストリア帝国の皇太子ルドルフと令嬢マリーとの悲恋を描いた一作で、初めて観たのは、まだ学生の頃で、その頃は、なんでか知らないが、TV向け御正月映画の定番だったと思う。その頃は、悲恋の御話をロマンティックに観ていただけだったけど、今、改めて観ると、新しい発見にビックリ。本作序盤で、皇太子ルドルフが父皇帝フランツ・ヨーゼフと会話するシーンでは、室内の壁に皇后エリザベートの、後世にも伝わっている肖像画が、しっかり掛かっていた。シシィが自慢の髪を胸前で交差させている肖像だが、今まで、全く気付かなかったのは、それまではエリザベートのことには関心なく観てた証拠。だから、今となっては、もう少し当時の社会情勢に踏み込んで描いても? と思うのだが、そうなると1時間30分枠では、辛い。舞台を思えばカラーで観たいなぁ。ダニエル・ダリューが、物言いたげな瞳と唇が印象的で、何より綺麗である。
7点(2002-12-26 02:21:13)(良:1票)
144.  ファイト・クラブ
公開当初、「30年に1度の問題作」と評された作品だが、十分に頷ける作品である。何がと言って、黒服の男達が同じ主旨で集まり、同じ文句を合唱するシーンは、やっぱ、イッちゃってる感じが拭えない。現代のエリートがマジでイッちゃったら、こうなるなぁという一作。この際、タイラー=ジャックが組織したのがファシズム系で、作ったのがニトロなのは、ご愛嬌。これが宗教絡みの組織で、作ったのが神経ガス系統だったら、笑い話にならない。それにしても、今回、ジメジメとグズグズと悩む役は主演のエドワード・ノートンに任せておいて、ブラッド・ピットは最強・最高のNo.2の役の演技を存分に楽しんでいた。本作では、最終的にノートンに全部追っ被せられるせいか、それだけ役者として成長した為なのか、「ゼブン」の時以上に、狂言回しの役回りの演技を、ピット本人が存分に楽しんでいたように思えて、ファンとしては冥利に尽きる。ブラッド・ピットという役者は、舞台を浚う華があるだけに、作り手としてはある意味、非常に使い辛い役者だと思うが、デビット・フィンチャーは、ピットの魅力を最大限に引き出した監督の一人である。原作も邦訳本で読んだが、原作通りに進んだら、それこそ「サイコ」になってしまう。が、少女漫画世代としては、素直に萩尾望都の「アロイス」を連想した作品である。本作でしみじみ思ったのは、男の子って、やっぱ格闘技が好きなんだなぁ、ってことだ。
9点(2002-12-03 02:32:51)
145.  ローマの休日
映画は夢を売り、憧れを誘い、秘密を共有し、切なさに胸を痛め、人の欲としがらみに揺れ、悪役をやっつける快感に溜飲を下げ、ほろ苦く、しみじみとした晴れやかさで終わる。その全てがパーフェクトに詰まっている。オードリー・ヘプバーンが残してくれた作品は驚くほど少ないが、オードリーの原点であり、サラサラのロング・ヘアの彼女を見られる貴重な作品でもある。主演二人の他の共演者達も、いい味を出していて、本作を引き立て、引き締めている。個人的には、行方不明になった王女を探すために人を寄越して欲しいと頼んだ結果、黒服の男達が大挙してやってくる様に、侍従等が「目立たないようにと言ったのに」と、頭を抱えるシーンが、好き。王女様の他愛のない我が侭で始まる物語だが、自分の知らない世の中に触れ、人間性に目覚め、それでもラストで自らの義務に帰っていく姿が、ほろ苦くて、いい。このモチーフは、男女を逆転して作られたものもあり、「法王の旅」や「ジョー・ブラックをよろしく」は、その範疇に入る。
10点(2002-12-03 00:55:04)(良:2票)
146.  スパイ・ゲーム(2001)
スパイ今昔物語も、当世スパイ事情も、時々の世界情勢や当時のアメリカの大国の事情やらをも含めて、とっても私好みではある。その時には、暗黙の了解というか、国家のための必要悪であったことも、情勢が変われば、「許可があったのか」と聞く身勝手さは、多分、どこの国家も同じなんだろうが、本作は公開時期が不運だった。国を挙げて大儀を寄せ集めて挙国一致を目指そうという御偉方には、歓迎されない作品だろう。ロバート・レッドフォード主演ということは分かってはいるが、ブラッド・ピット・ファンとしては、ムカついていいのか喜ぶべきなのか、迷う一作でもある。とにかくピットが地味なのだ。ハリソン・フォードと共演した、かの「デビル」と張り合うくらい、地味である。いや、スパイなんだから派手でも困るのだが、何もここまで地味にしなくてもと、思うくらい地味なのだ。反面、そのおかげで、ピットの抑制の効いた演技を堪能することも出来たわけで、ベルリンのロデオ作戦は、ほぼピットの独壇場だった。また、「デビル」の時とは違って、脚本も配役のバランスも取れているから、筋立ても安定していて、溜飲の下がる結末に収まっている。アクション劇ではなく、心理劇である。
8点(2002-11-30 03:01:40)
147.  レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い
本作の骨格になっているのは、三男サミュエルが従軍中、手紙の中で語った「父が正しかったんじゃない。僕が子供だったんだ」という科白。作品の核は、第一次大戦と禁酒法時代のアメリカ西部で翻弄される家族の物語だが、背景を思えば、作品終盤で、長男アルフレッドが次男トリスタンに「おまえが甘かったんだよ」と言う科白の裏には「そして俺も、甘かった」という声が聞こえてくるようだ。この三人の兄弟が従軍した泥沼の塹壕戦には、世界的に有名な人物も参戦している。後に禁酒法が生んだ世紀の犯罪王として名を馳せたアルフォンソ・カポネ=アル・カポネで、片田舎で酒の密売をしていたトリスタンは知らなくても、政治家になったアルフレッドは当然、知っていただろう。長男の意地と良心と知恵を政界に持ちこむと大見得を切った手前、言葉にはしなくても、心の中ではやはり「父が正しかったんじゃない。俺が子供だったんだ」と、やはり思ったはずである。この時、トリスタンと対立する形になったのがオバニオン兄弟だが、当時、「シェーク・ハンド・マーダー」という殺しのテクニックでアル・カポネが葬った対立ギャングの名が、オバニオンである。第一次大戦の名残はトリスタンの中にも表現されている。今で言えば心的外傷後ストレス傷害だが、当時はセル・ショックと呼ばれた戦争後遺症は、戦争帰還兵の深刻な社会問題でもあったようだ。アメリカ人には、かなり含蓄のある作品なんだろうと思うが、個人的には、ヒロインのスザンナがラドロー家の食卓に初めて姿を見せた時の髪型が、オーストリア皇后エリザベート=シシィの髪型に酷似していたせいで、何故か、トリスタンの生き様がシシィ皇后に重なってしまって困った。スザンナの方が、こういう生き方が出来ていれば、八方上手く収まったんだろうが、子供を望んだ時点で、スザンナという役は安定を求める女性になってしまっている。そして、安定した生活の中で自由をも望むには、女性にはまだ、厳しい時代だった。ブラッド・ピットについては、何を言う必要もない。当時のピットが、役者として、全精力を注ぎ込んだ役である。特筆は、サミュエルのトーマス・ヘンリーが、絶品の演技をしている。
9点(2002-11-25 23:59:48)(良:2票)
148.  ザ・メキシカン
「街頭インタビューに答えて、私優しい人が好きよと、優しくなれない女達が答える」という、中島みゆきの歌詞のフレーズを、ついつい思い出した。逆らえば組織に殺されるかもしれないジェリーに、約束が違うと怒るサマンサは、まるで、仕事が出来なきゃリストラされるかもしれない亭主と、仕事を言い訳に子供の面倒も見てくれないと怒る女房の構図が見えるようだ。要するに、現代の先進国夫婦あるいは恋人達が抱える一般的な擦れ違いを、コミカルに描いた作品である。ただ、ブラッド・ピットのファンとしては、別の意味で興味深い作品でもある。本作の興行の失敗、前評判の意外なほどの悪さ、同年に製作された「トラフィック」、そして、ジュリア・ロバーツの参加が「トラフィック」への出演を断られた腹いせ的なものだと思えば、全く興味深いが、真相は無論、出ないだろう。が、どう考えても、ハリウッド映画界の御偉方というのは、外個人俳優がハリウッド映画で活躍するのは○でも、ハリウッド・スターがギャラ度外視で外国映画に出るのは×らしいと、実感した作品でもある。それでも、あるいは、それだからこそか、ブラッド・ピットの演技は、気負いもなく、生き生きとジェリー役を楽しんでいて、おそらくは、素のままのブラピが楽しめる一作である。もっとも、気取ったジュリアよりは、こういうジュリアの方がいいなと思ってしまう辺り、女としては、自己弁護も出来ない、かも。そんなの我が侭だよと頭では分かっていても、パーフェクトに強くて優しい男を望んでしまうサマンサの気持ちも、分かってしまうんだな。
8点(2002-11-23 01:38:13)
149.  トラフィック(2000)
アクション映画ではない。基本はアメリカの社会問題のひとつである麻薬問題で、それに絡む人々の、それぞれの立場での悪戦苦闘であり、まったく違った事件が同時進行して物語を形成していくわけだが、どうしても相互に作用しているとは思えない。それぞれの物語としては面白いのだが、いかにも詰め込み過ぎで、2時間半で全てを消化するのは辛過ぎる。アメリカとメキシコの舞台転換の為だろうが、ブルー・トーンとセピア・トーンの多用も頻繁だと癇に障る。マイケル・ダグラスは、さすがベテランの味を堪能させてくれた。家庭の事は妻の責任と逃げていた男が次第に父の顔のなり、娘の行方を追うシーンでは鬼気迫っている。逆に、思わず「マラドーナさんですか?」と思ってしまったデル・トロは、殺し屋を捕まえろと言われて、「慣れない土地で追撃戦か」思えば、次のシーンには連行してるし、密告者と化して、「さあ、身の危険が」と思えば次にはもう逮捕してるし、「何だったんだ、いったい」という肩透かしの感が免れない。そもそも、メキシコのシーンがどうしても必要だったとも思えない。「家族を敵として戦うには残酷過ぎる」というダグラスの科白が集約なのだとすれば、無理に2時間半使うより、2時間枠で、麻薬と戦う家族の葛藤を描いた方が、まだ作品に厚みが出たような気がする。
6点(2002-11-17 23:11:42)
150.  ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
リッチー監督には申し訳ないが、ブラッド・ピットのファンの功罪として、「スナッチ」を観た後に観た。デビュー作で、叩き込まれ、巻き込まれるような勢いは、リッチー監督のセンスというもの。ただ、デビュー作だけに、前半はドタバタと何だか混沌としていている。その雑然としたところが魅力でもあるんだろうが、どうにも整理がついていない。逆に言うと、そういうところを殺ぎ落として、煮詰めて、ある意味、ハリウッド的な映画を意識して(挑む意味で、だが)出来たのが「スナッチ」なのだろう(オープニングの段階から明確な敵役が分かる辺り)。ただ、「スナッチ」が好きという方は、「ブラピが出てないから観ない」というのでは、勿体無い一作である。ガイ・リッチーの真価は、やっぱり3作目にかかっているだろう。
7点(2002-11-14 23:52:50)
151.  ブラッド・ピットのヒミツのお願い
先ず、本作の主演はブラッド・ピットではない。主演は二人の女優である。ついでに、別に名作でも大作でもない。現在の生活に倦怠した二人の女が刺激を求めて火遊びを夢見る狂騒劇で、その二人の女の夫であり恋人である男二人が振り回されるという、ワイド・ショー的なストーリーである。それを踏まえて見れば、糞味噌に言われる程の駄作ではない。確かにプロットに新し味はないし、先読みの出来る作品ではあるが、先読み出来る可笑しさが本作の持ち味でもある。登場する役者も、それぞれに好い味を出しているし、本作の出だしのコザックの、初恋の男との妄想に耽る表情から所帯染みた母親への顔へと一変する演技は見事である。ただ、ブラッド・ファンとしては、ピット=エリオットの個展のシーンには、製作サイドの作為が感じられてならない。もっとも、当時のピット(今も、かもしれないが)は「綺麗な自分」に対して屈折した感情を持っていたのは事実だが、デニス・ホッパーを連呼するのはやり過ぎだろう。ピットに関して言えば、この後に来る出世作である「リバー・ランズ・スルー・イット」のポール役より、「12モンキーズ」のジェフリー役の素地の方が覗けるのが興味深い。終始一貫、女のワイド・ショー的な狂騒劇で通しただけに、スクリーン向けというより、TV向けだと思うが、ビデオ映画を観て、久方振りにゲラゲラ笑った。というより、本作のような作品を観て笑えるような年齢のなった、というべきか。無論、男の側の意見は、また違うものだろうし、プロットは薄いものだが、少なくとも演じている役者のバランスは良く、言われる程の失敗作だとは、思わない。
8点(2002-11-14 01:47:06)
152.  ルートヴィヒ(1972)
ヴィスコンティ映画に嵌まっていた頃、上演されていた岩波ホールにまで観に行った唯一の作品であり、今後もそんなことはないだろう。本作に限らず、ヴィスコンティ映画は、ある意味面白いが、楽しめる映画ではない。だが、ルキノ・ヴィスコンティ本人がイタリア貴族の末裔であるのを反映してか、旧体制が滅んでいく残照を描いて右に出るものはいない。本作は、その集大成とも言える作品であり、史実であるだけに壮大である。ルードヴィヒの狂気と頽廃を追いながらも、全編をセピアで縁取り、決して品格を損なうことがない。ヴィスコンティにはお気に入りの役者というものがいるが、ミス・キャストというものがない。ルードヴィヒのヘルームート・バーガーは無論嵌まり役だったが、当時、絶世の美女と謳われたエリザベート=シシィを演じたロミー・シュナイダーの気品ある美貌は、シシィ役を見事に表現して見せた。ただ、気軽に観られる映画ではない。観る前に、「よし、観るぞ」という覚悟はいるだろう。完全版では、4時間だ。美術監督の苦労が偲ばれる、小物に至るまでの調度やセット、気合いの入ったコスチューム・プレイは、圧巻である。
8点(2002-11-11 01:04:01)
153.  スリーパーズ
ブラッド・ピットにとっては傍迷惑なほど、偉大な失敗作。重いテーマを紹介する少年時代は眉を顰めるほど丹念に描かれているとして、いざ復讐という青年時代の描き方が御粗末。青年時代は復讐をテーマにしているにも関わらず、なんだかマイケル一人だけが延々と根に持っていたようにも思えるほど、他の3人があっさりし過ぎている。法廷への発端となる復讐そのものが、銃弾数発打ち込んで気が済むような恨みなら、その前に何か考えろよと言いたいほど単純バカだし、進行役のシェイクスにしてさえ、マイケルの計画に巻き込まれた結果の便乗的な感が免れない。少年時代に割いた収録時間の関係もあるのだろうが、これで、マイケルの腹立たしさ、苛立ち、緊張した疲労、隠し切れない怒り、救いすら求められない切なさを見せた、ピットの抑制の効いた演技の全てが、宙に浮いてしまった。例えば、入廷してくるファーガソンを視線で追うピット=マイケルの目の動きに宿るほどの怒りすら、他の3人に執念が感じられないのだ。おかげで、テーマであるはずの復讐すら、嘘っぽく感じられてしまう。人生には、「あんな奴死んじまえ」と思うことは、ままある。でも、「奴を殺してやる」と思い、それを実行する為の術と手段まで考える事がないのが幸福な人生というものだろうが、本作中、それだけの執念を感じさせてくれたのは、残念ながら、ピット・マイケルだけである。映像的には、鏡を上手く利用しているな、ということ。
8点(2002-11-10 01:57:34)
154.  ファイナル・カウントダウン
基本は、「パール・ハーバーを忘れるな」という映画だが、「パール・ハーバー」よりは、日本人には取っ付きがいい。当時は、少年漫画で「エリア88」が人気を博していた頃で、その便乗のように、トム・キャット見たさに、5回は映画館に通った。この当時は、VTRでさえ、やっと普及し始めた頃だったからで、TV放映された時に、せめて音だけでも取ろうと録音したカセットが残っている。夢中で見た記憶がある。が、その割りには、配役の名前は、チャプマンしか覚えていない。あ、そうそう。犬の名前は覚えている。「チャーリー」という。大型犬で、確か、コリーだったと思う。ヒロインが車の中から、最後に、「チャーリー」と呼ぶんだった。この当時から、アメリカ映画で「犬」は必需品らしいし、クレジットに載ってもいいくらい、ポイントのある役だったように覚えている。ストーリー性はともかく、戦闘機の空母への発着シーン、ゼロ戦とトムキャットのドッグ・ファイト、空中給油のシーン、空母の中での兵士の生活などは、リアルで面白い。だから、マニア向け、かな。当時、着眼点としては、面白い発想だった。
7点(2002-11-08 00:45:13)
155.  インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
本作を象徴しているのは、ダンスト=クローディアの「私達の絆は憎しみね」の科白である。先ず、原作者アン・ライスに「彼程この役に似合わない役者は天国にも地獄にもいない」と攻撃されてしまったクルーズ=レスタトの過熱気味に入り捲くった気合い(役者の自負があれば当然だろうが)、女優としてのステップ・アップへの野心満々のダンストの漲る気迫(当時12歳だ、これで)、そして、撮影開始当初からクルーズに張り合われた挙句に、徹頭徹尾慢性鬱病の役にうんざりしていたピット=ルイ(何しろルイが面白げに笑うシーンは、たった1シーンで、それもほんの少し笑うだけというのでは、うんざりもするだろうが)という有り様だが、彼らの精神状態は、図らずもキャラクターの持ち味を存分に活かし、皮肉な相乗効果となっている。観る側が、ルイよりもクローディアやレスタトに共鳴するのは、仕方がない。「自分に合わない世の中なんざ、ブチ壊してやりたい!!」とは、人の素直な欲求というものだが、大方は切れることなく、うんざりする世の中に対して、時に愚痴り、時に癇癪を起こしながらも、精々飄々と生きるのが常で、ルイには同族嫌悪を抱くしかない。とはいえ、なんだかんだと愚痴りながら飄々と生きてきたルイは世渡り上手というもので、レスタトやらアーマンドやらの古豪吸血鬼がルイを欲しがる理由も分かるというものだ。それにしても、「いい加減に止めてくれよ」と言いたいだろう賛辞「君は美しい」を連発され、相手役をブン殴りたい気分だっただろうブラッド(とはいえ、美しい形容をされて笑っちゃわない男優は、そうは転がっていない)は、シアター全焼シーンでは、それなりにストレスを発散させていたようだ。いずれにせよ、このルイ役で溜めたストレスが「セブン」や「12モンキーズ」のピットの熱演・怪演を生んだのだとすれば、満更無駄な役ではなかったのだろう。
7点(2002-11-06 00:37:48)
156.  スナッチ
ルーカスやスピルバーグでさえ小説で育った世代だと思うのに、ガイ・リッチーは明らかに映像で育った世代だと実感する。説明臭い科白はとことん避けて、映像で説明できるシーンは全て映像で処理し、しかも、テンポの良さのおかげで、ストーリーはスピーディに進む。正しく、インターネット世代の感覚だ。選曲も構成から外れることなく、やっていることは「30年に1度の問題作」と言われた「ファイト・クラブ」など目じゃないほど無残で陰惨なはずなのに、それを全く感じさせない。あのアップ・テンポの感覚は快感でさえある。にも関わらず、社会的背景は、しっかりと根付いている。人種の坩堝と言われるアメリカ映画でさえ、先ず見掛けることは出来ない、英国人から見た人種の品評界は、欧州文化の方がシュールなのかアバウトなのか、迷うところだ。英国史の歪みまで覗かせる出稼ぎのインド人女性の群れには、思わず苦笑いが出てしまう程。ラストの落とし方まで痛快だった。ブラッド・ファンなので、ピットについても一言。「一人息子なんだよ。いい子なんだ」全くその通りだ。燃えるキャラバンを見詰める目は、ピット・ファンには溜息ものである。
9点(2002-11-05 22:46:13)
157.  セブン
本作の主演は、サマセット=フリーマンであり、対峙するのはジョン・ドゥ=スペンシーであって、ミルズ=ピットは狂言回しである。狂言回しが適当でないなら、水先案内人である。本作のように、主演も対峙者も表面に出て積極的に動かないキャラクターである場合、物語を進行させる役がどうしても必要なのである。それが、ピット演じる自信家で過熱気味の若手刑事ミルズである。だが、この役所は、物語を引っ張っていく牽引力は必要だが、主演になっては駄目なのだ。ミルズが過熱気味に暴走すればする程、主演のあるいは対峙者の深みなり底知れなさなりが強調されれば、ミルズの狂言回しの描き方は成功したと言え、フィンチャーは、実に巧みに描いている。ただ、物語の収束は、いささか物足りない。スペンシー=ジョン・ドゥが「妬み」の罪を引き受けて半ば自殺的に殺されるのでは、いかにも自己満足の所産に過ぎない。当て馬にされたミルズこそ、いい迷惑である。物語の展開からすれば、ラストは、署に戻ってきたサマセットに、ジョン・ドゥの弁護士が依頼人から預かったメッセージを渡し、そこに「妬み」の文字と、そもそもの発端だった失楽園のフレーズを見て愕然とするサマセットの方がインパクトがある。「いかにも沈着冷静を取り繕ってきた老練の刑事さん、貴方だって例外ではない」と。ミルズの若さ、向こうっ気の強さ、愛する妻、愛する努力、そして授かった子供への自覚の無かった妬み。本作中のサマセットの苛立ちとは、そういうことではなかったか。自分だって、そういう年齢があったにも関わらず「若いって、いいわねぇ」とは、年寄りの常套句であり、何より、七つの大罪の中で、「妬み」こそ、おそらくは誰もが持ち、避けられない負の感情であるはずだから。いずれにしろ、本作は、ブラッド・ピット主演と思って観ると、何か消化の悪いものでも食べたような気になることは間違いない。
9点(2002-11-04 00:57:45)(良:1票)
158.  失楽園
本作が公開された当時は、絶対愛とか、究極の愛とか騒がれていたが、何が絶対で、何が究極なのか分からなかったし、今でも、分からない。また、分かりたくも、ない。私的には、究極の愛というのは、「いざこざもあった、離婚の危機もあった、うんざりしてたことあった。でも、やっぱり、おまえとこうしているんだね」「あなたを憎いと思ったこともあったし、子供を捨てて家を出ようと思ったこともあった。でも、あっという間だったわねぇ」と、日溜りの中で御茶を啜る老夫婦こそが、究極の愛の姿だろうなと思うだけに、不倫を美徳のように騒がれては腹立たしいだけだったし、今でも、そう思う。はっきり言って、2度と観たくない。2点は、出演者への御苦労様点。
2点(2002-10-18 00:27:06)(良:1票)
159.  復活の日
日本沈没よりも、ある意味、よりリアリティのある怖い素材の映画である。バイオハザードは今でこそ一般的だが、この当時に、この作品を書いていた小松左京が、凄い。映画としては、邦画を見直したスケールの大きい作品であると同時に、原作を超える映画は、やっぱり、そうは転がってはいないということ。映画の脚本から書き下ろしたのならともかく、小説を原作したら、やっぱり小説の方が細かい心理描写が出来るからねぇ。何より、何故無理矢理、色絡み、女絡みを入れなければならないんだ。原作に忠実に描いても、十分、通用する内容だったぞ。「南に行くんです」「でも僕は、南に行くんです」と、ボロボロになって、ただただ南を目指す草刈のひたむきさが、とても良かった。
7点(2002-10-18 00:00:32)(良:2票)
160.  ハリー・ポッターと賢者の石
原作は読んでいないから、比較は出来ないが、映画としては、正直に言って、1度観れば十分。っつうか、ネバー・エンディング・ストーリーを観ていた頃だったら、キャアキャア言っていたかもしれない。でも、さすがにもう、英国ギムナジウムネタに魔法が加味された御伽噺はなぁ。映像綺麗だけど、可愛いけど・・・、そんだけ。サリーちゃんみたいに魔法が使えたらいいなぁとワクワクした年代は、とっくに過ぎてしまったんだなぁと、年寄り臭くなった自分に苦笑いしただけだった。
6点(2002-10-17 23:19:42)
000.00%
100.00%
231.84%
363.68%
4127.36%
51710.43%
63219.63%
72615.95%
83923.93%
9137.98%
10159.20%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS