141. コールド マウンテン
アメリカもひどい戦争をやったもんだな、というのが感想の全てかもしれない。インマンの遙かな旅路の困難さは頭では分かるが、単に細切れなシーンの寄せ集めのように感じられて、いま一つ心に響いてこない。そうは言っても、酷い場面を次から次へと見せつけられれば、胃のあたりが重苦しくなってくる。だからこそ、あの結末はやめて欲しかったな。ますます気分が悪くなった........ ところで、コールドマウンテンはチェロキーインディアンがかつて住んでいたところだそうだが、チェロキーは独立国家としてアメリカ合衆国と国交を結んでいたのに、結局は追い立てられ、どこぞの居留地まで、徒歩で何百(千?)kmも歩かされ、途中で大勢死んだそうだ。その土地を舞台にするなんて、どういう神経してるんだか。 5点(2005-02-06 22:25:32) |
142. ミスティック・リバー
ミステリーとしては、何か、どこかで見たような気がしてしまうストーリー。そのせいか早いうちから落ちが見えてしまう。ミステリー以外の要素も乏しいので、なんだかなぁ。ショーン・ペンの演技は上手いとは思うが、そもそも演技で見せる映画でもなさそうな感じ。 5点(2005-02-06 22:12:53) |
143. 素晴らしき哉、人生!(1946)
《ネタバレ》 絶望して自殺まで追いつめられた人間が、あの程度の出来事で生きる力や喜びを取り戻すことはないだろう。たとえ友人に恵まれていても、こんな時には背を向ける者の方が多いのではないか。そしてたいていの人の場合、その人がいたって、いなくったって世の中何も変わりはしないのだ。しかし、そんな現実を反映した映画があったら、そんな映画は見たくない。ウソでも何でもいいから、ハッピーエンドの映画が、私は好きだ。 7点(2004-12-14 00:16:05)(良:1票) |
144. 交渉人(1998)
T監督が非難した映画評論家「O」が絶賛していたなぁと思いつつ見てみたのだが、いやー面白かった。設定や展開に極端すぎるところがあったり、ラストが平凡だったりするが、とにかく最後まで退屈せずに楽しめた。また「O」の推薦する映画を見よう~っと。 7点(2004-12-12 18:57:03) |
145. 桃色(ピンク)の店
手紙を通じての交流が重要な役割を持っているのに、その部分が丁寧に描かれていないため、印象に残るのはいがみ合う場面ばかり。だからラストもいささか無理がある。オーナーとボーイのエピソードも、ハッピーエンドの障害とならぬように辻褄合わせをした感があり、白ける、白ける。リメイク版の方が格段に良かったなぁ。 4点(2004-12-12 18:39:12) |
146. TOMORROW 明日
あの時代の日常を描くことによって、人々が霧のように消されてしまった悲惨を訴えようというその(平凡な)意図は分かる。だが、お世辞にも成功しているとは言えない。とってつけたように「幸せ」な夫婦や家族、未来に不安を抱く恋人達、厳しい食糧事情などを散発的に描いてみせているが、欠伸がでそうだ。朝鮮半島から徴用されてきた者たちは蛸部屋に閉じこめられて重労働させられたのだと思っていたが、取って付けたようなボロを着て物乞いに歩いている。そんなことが本当にあったかどうか知らないが、こうした場面から感じるのは、ウソ臭さだけ。そういえば、全体にハリボテを見せられているような感じがしてならなかった。 3点(2004-11-22 21:17:44) |
147. 美しい夏キリシマ
《ネタバレ》 確かに「キリシマ」の映像は美しかったが、あとは退屈なだけの映画だった。主人公?の少年が、友人を見捨てて逃げたことを悔いて見せていたが、その思いが伝わってこないどころか、むしろ他人の手を借りて死のうとするところに強い甘えを感じて呆れた。亭主が戦死した女が、息子という労働力を持ち、地主に地代を免除してもらっているにもかかわらず、男をくわえ込んでいる有り様には、呆れるばかりだった。亭主が実は生きていると分かった後、子供のことを考えもせずに自分勝手に死のうとしたり、帰ってくるだろう亭主の家に放火して逃げ出したり、その身勝手さには心底、呆れ果てた。キリスト教のゴッド、八百万の神、現人神、いずれも「かみ」という言葉を使うが、意味するところは同じではあるまい。それを故意か過失か不勉強のせいか混同しているところにも、私は真に呆れ果てた。 3点(2004-11-22 21:01:53) |
148. 異人たちとの夏
四十歳を過ぎて人生の峠を越える頃になると、自分が幼かった頃の日々がしきりに心の中に浮かんでくるようになる。そして、誰もいないマンションの一室にいるかのような孤独と、これからどう生きていこうかという焦燥感に駆られるようになる。この映画はそうした中年男の魂の迷いを描いた作品だと思う。父親とキャッチボールをする主人公の姿に、私自身が息子とキャッチボールをする姿、そして私がかつて父親とキャッチボールをしたときの姿が重なり合い、切ないような寂しいような想いがなかなか心を去らなかった。 7点(2004-10-31 22:31:19) |
149. 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
単純明快、荒唐無稽。肩の凝らない喜劇を見るのもたまにはいいもの。しかし、「使えなくなったら補充しなさい。」には笑えなかったよ。実際そういう言葉を聞いたことがあるから。 6点(2004-09-10 21:24:06) |
150. トゥームレイダー2
1が面白かったので、結構期待していたんですけどね。もう「二番煎じ」としか形容のしようがない映画。あんまり深みのある映画でもないのに、恋人とのからみを妙にひねってしまった結果、ただの強欲男にしてしまい、そこがまた興を削ぐ一因だったかも。(ゲームの方も1が最高!) 4点(2004-09-09 23:13:15) |
151. タイムライン
《ネタバレ》 中身は空っぽな映画ですが、ハラハラする展開が結構楽しめました。一応ハッピーエンドってことなんでしょうが、仲間がずいぶん死んでしまって、ちょっと後味が悪い。(フランソワーーー!)いくらストーリーを盛り上げるためとはいえ、あんまり殺して欲しくないなぁ。ハリウッドって結構そういうのが多いけどね。 5点(2004-09-09 23:07:28) |
152. 千年女優
《ネタバレ》 肝心の恋しい人の印象が希薄すぎて、彼女の想いも伝わってこない。過去から未来へと背景は変わっても、似たような場面が繰り返しでてくるだけで、退屈。でも、最初から最後まで出ずっぱりのヒゲのおっさんの想いは伝わってきましたよ。 3点(2004-09-09 23:02:34) |
153. リクルート
《ネタバレ》 ふつう、そこまで面倒なことをするだろうか?もっと簡単にできるのに。って疑問だらけの映画でした。冒頭に登場する実況中継プログラムやら、訓練風景も嘘臭いったらありゃしないし。アルパチーノだって、いつもの「アルパチーノ」で、どうってことないし。白けっぱなしでした。 5点(2004-09-09 22:58:52) |
154. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
人間よりもイルカを友とするジャック。だが、現実のジャックは自殺しちまった。老年期の鬱病だったのかもしれないが、とても寂しい。映画の中のジャックが輝いているだけに、現実の彼が死んじまったことが、とても悲しい。 6点(2004-08-01 13:52:21) |
155. 地球交響曲 ガイアシンフォニー
コリン・ウィルソンの「オカルト」や「ミステリーズ」に読みふけり、「ナウシカ」で言う大地と人間とのつながりに共感を覚える私としては、大いに期待してこの「映画」を見た。見たんだが、出来は平凡だったかな。その後、ジャックマイヨールが自殺し、宜保愛子が死んじまってから、この手の話には、何となく、のれなくなってしまった。 7点(2004-08-01 12:42:27) |
156. 耳をすませば(1995)
宮崎駿が好きそうな「少女」もの。ヴァイオリン工房などヨーロッパ風がお好きなところも健在です。物語は起伏もなく、なんだか静かな(或いは退屈な)時がだらだらと流れていきます。バロンのエピソードも、どうでもよい「おまけ」、「刺身のツマ」です。 宮崎さんはもう終わってしまったんだと思います。これ以上、黒沢のような老後の無惨な姿を晒して欲しくはありません。 3点(2004-07-10 15:18:09) |
157. マジェスティック(2001)
「ガンプ」をあげている方がいるが、言えてると思う。日本でなら「寅さん」かな。アメリカ人にも、日本人にもそれぞれに共通の理想、夢が心の底にあって、それをスクリーンに映し出したのが、こうした作品だと思う。寅さんみたいな人が本当にいるわけもなく、いたとしても世間に受け入れられるわけもないが、映画の中で、その底抜けの人の良さに思わず心暖まる思いを抱く。「マジェスティック」もそんな映画だ。正義や自由という理想、それを抱く人間に対する信頼、それが作品の底に力強く流れている。「ガンプ」は苦労することなくアメリカの現世的な成功を得て行くが、ピーターは何を得るのか。私は「ガンプ」はいまひとつ楽しめなかったのだが、この作品では、終わったとき心が暖かいもので満たされているのを感じた。お勧め。 7点(2004-07-10 14:52:18)(良:1票) |
158. めぐりあう時間たち
この人たちは、同性愛者なのだろうか。みんな深刻そうな顔をして、しかし、その理由が何なのか、説得力をもって伝わっては来ない。たぶん、苦しむことそれ自体が好きな人たちなんだろう。だが、周りの人間にとってはいい迷惑だ。私はこんな女どもに一片の同情も共感も感じることが出来ない。特に、あの母親には.... 3点(2004-07-10 14:28:45) |
159. ジョニーは戦場へ行った
一種の都市伝説なのだろうが、人間ブ○、芋虫オ○ナなんていう話を聞いたことがある。誰の助けも来ない中、芋虫のような肉体的状態にされてしまい、見せ物小屋に売られて...という話なのだが、こういう話って、何か人間に心の底からの恐怖を呼び起こすようだ。この映画はこうした人間心理をうまく利用して作られている。実際、そのインパクトたるや凄まじいもので、私自身、見た後、問答無用の平和主義を闇雲に信奉する気になっていた。でも、そうした映画作りって、売れない芸人が笑いをとろうとパンツを脱ぐ行為に、どこか通じるものがあるのではないか。(思考力を奪うような衝撃を与え、それを笑いや感動にすり替えていく。)私の点が辛いのは、そういうわけ。*****かつて世界中で多くの若者が祖国を守るために命を捧げていったが、その献身を描いた作品も多い。世論や国民感情が為政者を突き動かす側面も忘れてはなるまい。「ジョニー」を見るには、一種の免疫として、そうした複眼の視点が要求されるのかもしれない。 4点(2004-07-05 23:04:44)(良:2票) |
160. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
「女の匂い」...なんともすごい題名で見る前にあれこれ想像してしまった。アル・パチーノ演ずる男の苦悩は、心の内側の描写を避けているせいか(或いは描写する能力がなないせいか)、よく伝わってこなかったが、とにかくラストシーンは圧巻。アメリカでは人間に対する信頼がまだ残っているのだなぁと羨ましくなった。 7点(2004-07-05 21:51:56) |