141. 御誂治郎吉格子
《ネタバレ》 江戸を騒がせた鼠小僧。 大阪に潜伏していたのだが、女との出会いから、 そのスキルを活かすことになるという話。 いいよね。 上方の女の情が、江戸の時代劇とは、ちょっと違う。 おきゃんではなく、しっとりとした情感ある女が出てくる。 大河内伝次郎も、最初は突っぱねるが、 クライマックスでの女の行動に、思いをはせるという話。 御用だ提灯が、江戸の時代劇とはまた違う風情。 いいです!伊藤大輔! [インターネット(邦画)] 7点(2024-07-20 00:41:08) |
142. 十字路
《ネタバレ》 おお!このような名画が、YOUTUBEで観られてしまう時代に感謝♪ 映画演出の教科書「戦艦ポチョムキン」と同じころ、 日本ではすでにこんな映画を創っていた! 自分を見失った弟を持つ薄幸の姉。 手に汗握るクライマックスに日本の時代劇の描き切れてない部分を観た気がする。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-07-19 01:01:58) |
143. 赤西蠣太
《ネタバレ》 暗い内容の時代劇を軽妙に描くと、後に評価が高まるようだ。 伊丹万作監督の本作もそうだし、山中の「丹下百萬」もそう。 伊丹万作の有名な作品ではあるが、歴史背景を知っておくと、更に面白い。 小生、1度目も無骨な主人公の姿が心に残ったし、名作だと思った。 しかし、2度目は伊達騒動のことを調べてから見ると、原田甲斐と伊達藩との関係、 そしてクライマックスの3月27日甲斐と安芸の斬り合いから、 赤西がこのための幕府(?)からのスパイだったことが分かる。 これは、原田甲斐の政治的立場をさらに理解すると、広間での連判状の一幕の意味がもっと分かるかもしれない。 しかし、伊丹万作は、そこまでは要求しないだろう。 創られた当時は、講談や歌舞伎で、伊達騒動はみんな知ってる話だったことも有る。 今の人が観て、ちょっとついていけないのも無理はない。 が、巨匠伊丹万作のその他の時代劇「権三と助十」を観ても、 ちょっとやそっとではお目にかかれない時代劇の名手であることは確かで、 日本のお話家さんは、観ておかないといけないと思います。 今はネットで手に入るし・・ [ビデオ(邦画)] 7点(2024-07-14 05:50:48) |
144. 市子
《ネタバレ》 見応えあり! あの血の繋がってない妹に下した行為。 そこから、どんどん周囲を巻き込んで、最後はあのラスト。 犯罪者の映画と思って観ると、また違う感想も抱くが、 自分もあの立場なら、と説得力ある演出に思わず嗚咽しちゃう♪ 人生で唯一、幸せだった長谷川君との生活がシミジミ語られて、 コロナ禍で我々を励ましてくれた「にじ」を花ちゃんが鼻歌の 余韻をひくラストでした・・ [DVD(邦画)] 7点(2024-07-08 00:23:44) |
145. 一心太助 天下の一大事
《ネタバレ》 時代劇というと、武士道は死ぬことと見つけたりというくらいだから、 悲壮感漂う内容が多いが、一心太助はいいねぇ・・ 江戸っ子の話だから、斬った張ったが、無い。 漫画ど根性ガエルの世界観に通じるものがある。 侍じゃないから、喧嘩に負けて、悔し涙でやけ酒飲むシーンもあり、 サラリーマン哀歌だよぉ、これ。 クライマックスは、祭りだ、喧嘩だ、の大騒ぎ。 さて、色ボケ役人から、純情カップルは守られるか?最大の見せ場。 興味ある人は、観てください(笑) [DVD(邦画)] 7点(2024-06-29 03:00:24) |
146. ちひろさん
《ネタバレ》 ドラマ性はない。 ただ、こんな人がいたって映画だ。 ちひろさんがいた。そういう映画だ。 糸の切れた風船みたいに、ふわふわと・・ それで周囲の人が幸せになってるから、観音さまみたいな女性。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-23 17:49:34) |
147. 銀平町シネマブルース
《ネタバレ》 映画館が舞台の映画。 良かったです♪愛すべき佳作。 ちなみに、地元ではないのですが、 北九州の映画館が火災にあいました。 その復興の動画があります。(下のURL) https://www.youtube.com/watch?v=Qk6wzXdp_MA 良ければご覧あれ♪ 小出恵介、「風が強く吹いている」は良かったぞ~! 頑張れよ! [DVD(邦画)] 7点(2024-06-20 11:36:22) |
148. ザ・ホエール
《ネタバレ》 終わってみると、ここに肉欲はなかった・・ しかし、苦悩する主人公の容姿は、肉の塊だ。 ここにアメリカ映画の深さを感じた。 健康的ではない。それは確かだ。 アランを放っておけなかったチャーリーが自己過信が過ぎたのだろう。 それも娘の愛ゆえなのかもしれない・・ 男が描けるカタギの女性の姿、ギリギリのとこまで描いたのではないか・・ 舞台劇という、この映画。 会話だけでは伝わらない、神々しさが感じられた。 唸りました・・ [DVD(字幕)] 8点(2024-06-16 23:51:58) |
149. ノン子36歳(家事手伝い)
《ネタバレ》 「残念」な映画である。 でもまぁ、夢を持ってやってきた星野源にしても、 東京で借金をこさえて、昔の女を保証人にしようとした鶴見辰吾にしても、 坂井真紀さまを抱けたのだから、良いではないか・・ 「残念」な世界に、女性の裸は海のように、我々を慰めてくれる。 シミジミ・・ まぁでも、真面目な話をすれば、熊切監督らしい地方映画です。 東京からの出戻り女性の、何とも言えない日々を描いている。 地方からの女性流出とか問題にされているが、戻ってきた女性を そう地方が容易く受け入れてくれるのではないという問題意識も描かれている気がします。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-15 20:54:03) |
150. チィファの手紙
《ネタバレ》 岩井俊二の「ラストレター」の中国版である。 面白いが、やはり女の子のヒリヒリ感を出すには、 舞台が日本の方がいいみたいだ。 中国の女の子は、素朴過ぎて、ヒリヒリ感があるのかどうなのか? ヒリヒリ感とは、自傷行為っぽい繊細さを意味する。 [試写会(字幕)] 7点(2024-06-12 22:56:52) |
151. 怪物(2023)
《ネタバレ》 子どもは純粋無垢じゃない。 こども視点から描くと、彼らの世界は、ドロドロしている。 大人の我々は、それを忘れているだけだ。 子どもの扱いに巧い是枝監督が、その子どもワールドを描く。 観終わると、大人が「怪物」ってことになるのかな・・ 田中裕子の演技が、見事に映画の層を厚くしている。 貫禄です! [DVD(邦画)] 8点(2024-06-09 18:38:36) |
152. キリエのうた
《ネタバレ》 岩井俊二らしい映画。 女の子のヒリヒリ感を描かせたら、まぁ見事。 本作の歌姫は、「Picnic」のチャラを思い出した。 ただ思ったのは、東日本震災は、扱うのは難しい。 日本中の気持ちが沈んだ記憶は、下手な描写では、観る側の心が離れる。 前半は、ジョンカーニーか!?と思うくらい、心踊ったが・・ ラストの演奏会の騒動は、今の日本をよく表してる。 あるべき映画だと思うし、邦画界の力強さを表わしてて、見応えあった。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-04 00:56:28) |
153. 棒の哀しみ
《ネタバレ》 奥田瑛二が刺されて、傷口を自分で縫うとこを見て、 エクスタシーを感じるのか、あるいは癒しを与えるためか、 女性が興奮するとこがスゴイ。 やはり、ロマンポルノの鬼才、神代辰巳は、ディープなエロさを描く。 男と女の性だろうか・・ 痛みをこらえる男を見ると、何かを感じる女性。 まさしく「棒」の哀しみである。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-01 20:13:44) |
154. ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
《ネタバレ》 面白いですね~ 接戦をものにした贔屓のチームの試合みたいで、爽快な気持ちになります。 まぁ終わって冷静になれば、いつもの娯楽映画だったって感じですけど・・ クライマックスの派手なアクションシーンで観客を思考停止にして、ラストしてやったりと 主人公が勝つ。そして「スパイ大作戦」のテーマ♪ これが007だと、スタイリッシュな終わり方になるんですけど、 このシリーズは愛の勝ちという感じですね。 (シリーズ3作目はちょっと違ってたかな?) でも騙されたくて、続編も楽しみにしてます♪ [DVD(字幕)] 7点(2024-05-26 21:27:17) |
155. ノスフェラトゥ(1978)
《ネタバレ》 映像美のなか、おなじみのドラキュラの話が展開する。 ヘルツォークらしく、川と船も忘れない。 見事なドラキュラストーリー!名作! [DVD(字幕)] 7点(2024-05-23 00:35:17) |
156. 36時間(1965)
《ネタバレ》 騙し、騙され、の二転三転が面白い! ドイツの医学者が、人間味あるとこがポイント。 こういう展開の映画は、地味ではあるけど、いつの時代にも創られている。 映画が楽しいとは、こういう映画の事なのだなぁと思う。 しかし、時間がタイトルの映画って、12の倍数が多いよね。 「48時間」「72時間」「96時間」・・ [DVD(字幕)] 7点(2024-05-22 01:21:30) |
157. 素晴らしき戦争
《ネタバレ》 不謹慎なタイトル。 戦争のミュージカルという異色ものだ。 この不謹慎さは、製作された時代と関係ありそうだ。 同じ年、日本で公開した「MASH」は、戦争コメディである。 その前年にニューシネマの産声をあげた「俺たちに明日はない」が上映されてる。 ニューシネマに呼応したかのように製作されたか、 やはり「やってらんねぇ」っていう声が文化人から上がりつつある時代の空気だろう。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-20 00:41:08) |
158. 決断の3時10分
《ネタバレ》 グレンフォードの何という存在感! 西部劇にロバートデニーロが出たら、こうなるって感じデス。 最後まで観ると、あれ?ホントにこの人、悪い人なの?って思う。 やっぱり、敵も人間がスゴイって感じを描いてくる。 だから西部劇は面白いって唸るんだよなぁ・・ 西部劇の懐の深さを思い知る一本! リメイクも観てみたい。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-17 00:58:59) |
159. あの愛をふたたび
《ネタバレ》 なんという男!? これがまたベルモントのはまり役! まぁ嘘つきラブストーリーに、フランシスレイの音楽があっているのか、 いや、嘘つきだから、こんな曲が合うのか、 女遊びをしてるとはいえない自分には分かりましぇ~ん(笑) クロードルルーシュは、「男と女」の別バージョンに挑戦した。 それだけでも、一見の価値があるとは言えないか? (しかし「男と女Ⅱ」は観てないので、何とも言えないか・・汗) [DVD(字幕)] 7点(2024-05-13 01:39:38) |
160. ブラッド・イン ブラッド・アウト
《ネタバレ》 若い頃のギャングが、その後どうなるかを描いた映画。 「ワンスアポン~」の現代版ヒスパニック版である。 メキシコギャングと言えば、過激な「シティオブゴッド」を思い出す。 その血をひくヒスパニックたちも凄味がある。 興味深いのは、若い頃はひ弱な感じのハーフが、刑務所で頭角を現し、とうとう 世話になったボスまで殺して、トップに上り詰めるのだ。 そして、若い頃のリーダーが、警察側になり、彼と対峙するようになることだ。 ここが、いわゆる古典のギャングものと違う。 ドラッグ戦争ものである。ドラッグ戦争の映画といえば「トラフィック」「ボーダーライン」等々・・ 刑務所ものとしては「ショーシャンク」「父の祈りを」「デッドロック」等々・・ ハックフォードの作家的でない映像が、よりリアルに劇を引き立たせる。 [DVD(字幕)] 8点(2024-05-12 19:38:15) |