141. 蘭の女
『ナインハーフ』の脚本家が監督をしている官能的な作品。 どこか『エマニエル夫人』と似たソフトポルノで、女の内に秘められた欲望に目覚める系。 ホテル買収をめぐった駆け引きの中、エミリー(キャリー・オーティス)らはウィラー(ミッキー・ローク)に翻弄される。 ミステリアスなウィラーにエミリーが惹かれていくが、この二人の恋愛には共感できない。 ウィラーの女を弄ぶようなプレイボーイぶりが、気障で鼻につく。 ストーリーは後に残らず、ダイナマイトボディのキャリー・オーティスだけが見どころ。 キャリー・オーティスはこの映画の共演が縁で、ミッキー・ロークと結婚したそうな。 その数年後に離婚しているのもありがちなお話。 [ビデオ(吹替)] 4点(2013-01-20 01:40:26) |
142. 北斎漫画
《ネタバレ》 曲亭馬琴と北斎のやりとりが江戸の当時を想像できて楽しい。 緒形拳、西田敏行、田中裕子の三人が達者で、軽妙な会話に笑えるシーンが幾つもある。 田中裕子と樋口可南子が思い切り良く脱いでいるが、まったく違った女を演じていておもしろい。 田中裕子は北斎の娘役で、無邪気でユーモラスないい味を出している。 密かに好きだった馬琴の手伝いを勘違いして帯を解きだしたのは微笑ましかった。 樋口可南子は魔性の女の妖艶さが出ていた。 映画の売りになっていた大ダコとの絡みはインパクトがある。 大ダコの作りがチープだったのが気になったが。 北斎といえば切手になってる絵くらいのイメージしかなかったが、人となりに触れたような気になる。 バイタリティあふれる北斎の生き様には圧倒される。 作品に対するメラメラとした執念がすごい。 頻繁な改号や転居、エピソードも奇行が目立つ人物だが、芸術家本来の姿を教えてくれるようだ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2013-01-19 23:04:34) |
143. 1999年の夏休み
宝塚系で少女が少年を演じ、その少年たちの間の同性愛が描かれるのだが、こういう世界は生理的に受け付けない。 作品の出来不出来というより、好みの問題。 [ビデオ(邦画)] 2点(2013-01-18 23:20:44) |
144. ナインハーフ
当時、エロシーンが話題で見てみたが、それ以上でもそれ以下でもなく。 キム・ベイジンガーはいいんだけど、ミッキー・ロークがあまり好きじゃない。 [ビデオ(吹替)] 4点(2013-01-18 23:14:36) |
145. エレベーターを降りて左
《ネタバレ》 行動が裏目裏目に出て誤解が誤解を生むドタバタコメディ。 自動ロックの締め出しと、拳銃とおもちゃのライターの取り違えが、何度も繰り返される。 隣室の夫婦の感情がころころ変わって、別れる愛してるの繰り返しで面倒臭くなってくる。 片思いのマダムや部屋の清掃婦を巻き込んでの痴情のもつれもあってややこしい。 もう少し話がスッキリ整理されていたらよかったのだが。 印象に残ったのは、なんといってもエマニュエル・ベアール。 初めて見たけど、とてもキュートでコケティッシュ。 ストーリーの物足りなさをカバーするほどの存在感。 その後、ベアールの出演作を幾つか見たものの、ここでの小悪魔的なキャラが一番合っていたかも。 あっけらかんと男を虜にする女。 [ビデオ(字幕)] 5点(2013-01-16 22:10:54) |
146. 危険な情事
これはホラーだ。 男も自業自得の面はあるけど、ゾッとする。 [ビデオ(邦画)] 6点(2013-01-14 23:57:56) |
147. 桜の樹の下で
七瀬なつみの濡れ場だけが見どころ。 [ビデオ(邦画)] 3点(2013-01-13 23:34:26) |
148. さらば箱舟
寺山修司の世界はシュールでなかなか共感できない。 この作品はあまりに難解でお手上げ状態。 なので、いくつか解説サイトをあさってみたが…。 理解しようとしてもう一回見直す気にもなれず。 [ビデオ(邦画)] 3点(2013-01-12 22:57:48) |
149. いこかもどろか
男女七人が好きだったから、期待したけど…。 [ビデオ(邦画)] 3点(2013-01-12 22:54:27) |
150. カリギュラ
イカれた男が絶大な権力を握ると本当にこんな感じになるんだろう。 カリギュラが『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルとは、なんというハマり役。 ハードコアポルノのようなきわどい内容なのに、一流の俳優を使って仕上げるというのは、日本では考えられない。 エログロなのでストーリーには特筆するようなものはないけど、これだけスケールが大きいと無修正版なら一見の価値あり。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2013-01-11 00:19:49) |
151. バカヤロー! 私、怒ってます
バカヤローと怒鳴らざるをえないところまで追いこんだ人たちに対する怒りを描いた四話のオムニバス。 ①ダイエットを強要するセレブ男への怒りが爆発。最近見かけない相楽晴子がヒロイン役。 ②都心から離れた家にいつも終電で帰らなければいけない女が、それが原因で男にフラれる。話としては一番物足りないが、全盛期の安田成美を見れる。 ③客になぐられて鼻血を出すタクシー運転手の情けない顔が大地康夫にピッタリでちょっとかわいい。 ④英語コンプレックスに苦しむサラリーマン。同様のコンプレックスを持つ日本人は多いだろうし、クスっとできるお話。四話の中では一番。 四話とも怒りに共感を覚えるような内容で、それを爆発させることにカタルシスを感じる。小話としてまとまっていて、映画館で改まって見るような内容ではないが、気軽にテレビで観るぶんにはちょうどいいかも。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-10 00:34:49) |
152. 裸の銃を持つ男
昔、このシリーズを映画館で見たが、くだらなくて全然笑えなかった。 内容はもうすっかり忘れたが、激しく後悔したことは覚えている。 今見直したらどう感じるかと思って、試してみることに。 やっぱり、この手のドタバタナンセンスコメディはあまり好みではないことを確認。 でも、以前とは違って良さも見えてきた。 全編隙間なく繰り出されるギャグの嵐。 よく練られた小ネタの速射砲にハマる人もいるだろうと納得。 また映画館で観ようとは思わないが、気軽にDVDで観るならと印象が変わった。 [映画館(字幕)] 5点(2013-01-07 00:19:13) |
153. プレデター
《ネタバレ》 理由もわからずに正体不明の見えない敵に襲われる恐怖。 プレデターが人間を襲う理由が、侵略ではなく単なる狩りというのが面白い。 狩りの対象にされて追われる緊迫感で、最後まで引っ張られる。 ただ、無敵のプレデターが丸太落としのトラップでやっつけられるのは拍子抜け。 それまでは光学迷彩で安全なところから攻撃してたのに、最後は武器なしでのタイマン勝負を挑むとか、プレデターのキャラがちょっとわかりにくい。 [地上波(吹替)] 5点(2013-01-06 00:59:56) |
154. 愛と青春の旅だち
《ネタバレ》 士官養成学校を舞台に鬼軍曹との絆、ゆきずりのはずだった女との本気の恋愛。 気恥ずかしくなるほどベタな話だが、ストーリーに乗せられて結構楽しめた。 いかにもハリウッドらしい映画。 ベーシックコースだけれど、ちゃんとエンターテイメントの要素は詰まっている。 [ビデオ(吹替)] 7点(2013-01-06 00:54:13) |
155. ザ・レイプ(1982)
《ネタバレ》 田中裕子はすごい美女ってほどでもないけどフェロモンがすごい。 レイプ裁判を中心にストーリーが展開するが、事情聴取や裁判などを通してのセカンドレイプがリアルに描かれる。 過去の不倫体験や中絶など隠しておきたいことまで相手弁護士に暴露されてしまう。 原作が落合恵子だけに、女性から見た繊細な心の動きを巧みにとらえている。 恋人も傷を受け、次第に壊れていく二人の関係に、被害者のダメージに対して加害者の罰の軽さが浮き彫りになる。 息を吐くようにウソの言い逃れを続ける加害者と、執拗に被害者を攻撃する弁護士が憎々しい。 これまで何度も取り上げられてきたテーマであり、今観ても目新しい視点は何もないが、丁寧に物語を紡いではいる。 公開当時は社会派ドラマとしてインパクトもあっただろうが、予想の範疇に収まっていて少し古くなった嫌いはある。 [ビデオ(邦画)] 5点(2013-01-05 00:33:46) |
156. コクーン
エイリアンといえば、恐るべき人間の天敵として描かれているものが多い。 が、この映画では「ザ・良い人」で、おとぎ話のようなファンタジー。 異星人との温かい交流という点では『E.T』と同じだが、『E.T』ほどほのぼのと訴えってくるものはない。 老人たちが主人公だが、老いなどこれっぽっちも頭にない若い頃のデート中に観たせいか、全然ピンと来ずに映画のチョイスを間違えたというほろ苦い思い出が。 [映画館(邦画)] 4点(2012-12-30 00:21:52) |
157. E.T.
子供から楽しめるSFファンタジー。自転車で飛ぶシーンなど、スピルバーグは盛り上げ上手。ただ、今見直すと印象は落ちてしまう。 [ビデオ(吹替)] 5点(2012-12-30 00:20:05) |
158. 文学賞殺人事件 大いなる助走
《ネタバレ》 筒井康隆「大いなる助走」の映画化。 新人作家を目を通して、文筆業の舞台裏をのぞき見る思いで、なかなか興味深い。 登場するのは、癖のある俗物ばかり。 理屈だけは達者な文学少女を、性欲の捌け口にしている小説家志望の男(石橋蓮司)。 新人(佐藤浩市)の落選を願う同人誌のメンバーたち。 自分の欲望と都合で、いいかげんに入賞者を決める審査員たち。 直木賞に三度落選した筒井自身も、SFを書いているせいで賞を取れない作家役で出演。 恨みつらみの本音を役にかこつけてぶちまける。 よほど根に持っていたのだろう、文学賞の権威をとことんコケにする内容。 作品全体に、痛烈な皮肉の込もったユーモアが効いている。 ラスト、兄が受賞したとの知らせを受ける妹の妄想と、次々に映しだされる同人誌。 一握りの成功を夢見るあまたの作家志望の姿が、映画の余韻と共に浮かんでくるようだ。 原作者の経験に裏打ちされているだけに、その姿はリアル。 [ビデオ(邦画)] 6点(2012-12-25 00:09:15)(良:2票) |
159. 戦場のメリークリスマス
《ネタバレ》 公開当時、観終わったとき感じたのは、退屈と戸惑いしかなかった。 ラストも「何じゃそれ?」としか思えなかったが、最近観直してみると印象は違った。 ハラの笑顔に、集団的狂気の悲哀が浮かび上がって切なくなる。 こうした重苦しいテイストの映画は本来あまり好みではなく、同性愛的描写も共感できない。 わからない馬鹿は相手にしないと言わんばかりの大島監督の演出も鼻に付く。 でも、何か考えさせられる作品ではある。 役者が本業でない出演者の大根芝居が気になったが、それも終盤ではさほど気にならなくなった。 ただ、ローレンスの日本語が聞き取りにくいのはマイナス。 [インターネット(字幕)] 5点(2012-12-24 00:41:11) |
160. 異人たちとの夏
《ネタバレ》 一風変わった怪談風ファンタジー。 12才のとき事故で亡くなった両親に、浅草で再会した孤独なシナリオライター(風間杜夫)。 懐かしい両親の家に通いつめるうちに、精気が吸い取られるように衰弱していく。 胸に傷のある女・桂(名取裕子)は男を心配するが、男は通うことをやめられない。 片岡鶴太郎と秋吉久美子の両親が下町夫婦のいい味を出していて、ノスタルジーを刺激する。 桂との結末では、冒頭に男の部屋を初めて訪ねたシーンを振り返らせ、女の孤独感が浮かび上がってくる。 両親とのファンタジーと、桂との怪談は、それぞれまとまっているが、まったく異質なもの。 なので、二つの物語を無理に一つにしたような違和感はある。 あくまで両親との話がメインで、女との話を入れるならテイストを統一したほうがいい。 化け物変化する仰々しくてチープなホラーシーンを変えて、両親とのテイストに合わせてファンタジー色を強くしたなら、違和感はなかったかも。 原作は読んでないけど、山田太一の作風から、あのホラーシーンは考えられない。 そこは大林監督の演出の問題だろうが、傑作になりそこねた気がする。 [ビデオ(邦画)] 6点(2012-12-18 21:48:25) |