1621. ザ・ワン
はっきり言って観る前からB級だということは明々白々な訳ですから、観る方も「これからB級映画を楽しもう」という余裕を持って鑑賞したい作品ですね。だからストーリーや設定については何も言いますまい。皆さんにはワイヤーやCGが不評のようですけど、私は大いに気に入りました。また、ジェット・リーだからこそワイヤーも決まるのだと思います。スローモーションにしても、スローに飛び散る火花の中で素早い組み手が行われていたり、主人公達の能力の表現と画的な美しさを両立させてて非常にカッコ良かったです。そんな訳で、6点献上。 6点(2002-12-19 19:04:59) |
1622. ブレイド2
映像面では前作より格段にパワー・アップしてる。本作は既にコミックを凌駕し、マンガのレベルに達してます。超絶身体能力を1カットで見せ切ろうとする心意気や良し! ブレイドのアクションとバトルはスパイダーマンの上を行っています。その代わりお話の方は無きに等しいですけど…。それにしても、前回のクライマックスがチャンバラ・アクションで、今回はなんとプロレス・アクション。ブレイドはどこでブレーンバスターを修得したのでしょうか? ここまで来ると次回作が楽しみです、6点献上。 6点(2002-12-19 19:03:59) |
1623. ギャング・オブ・ニューヨーク
激動の歴史の中では主人公の復讐劇など余りにも些細な出来事。そこで得られるものは虚しさのみ。その屍の上に容赦なく歴史は積み上げられていく…。もし、この物語のテーマがそうだとしても、168分の映画としては少し退屈。それは歴史を描くばかりで、人物を描いていないからだと思います。しかし、セットと衣装と人数に金をかけた本当の大作映画を観た満足感は得られます。スケールをそのまま映し出すカメラ・ワークにも風格が感じられました。という訳で、(きっとメモリアルの意味で)ツイン・タワーの残されたラスト・ショットに、5点献上。 5点(2002-12-19 19:02:36)(良:1票) |
1624. 富江 最終章~禁断の果実~
≪毒を食わば皿まで・富江マラソン第四弾/富江=安藤希≫ ゴール → 今作はいじめられっ子の夢想をベースに、富江に取り憑かれた父娘を描く。父親役の國村隼によって映画の上級感が増し、随所にピーター・ジャクソンへのリスペクトが感じられ、センスのない音楽の入れ方を除けば前三作より頑張りが見られます。が、例によって恐怖感は薄い。それは富江の恐怖ではなく、ロリコン魂をくすぐる思春期少女の危うさをテーマにしている所為でしょう(流石「櫻の園」の監督!)。そして何より今回は女優にとどめを刺す。宮崎あおいと安藤希。現在の日本でこれ以上のカップリングは望めません。特にビジュアルだけで言えば、人形的なクール・ビューティ安藤・富江は過去最高。という訳で、富江に溺れて4点献上。(総括:「富江」シリーズはストーリー的繋がりが無く、出来もドングリの背比べ。従って、どれを観るかは女優でチョイスすべし。私は圧倒的に「最終章」派です) 4点(2002-12-14 23:58:11) |
1625. 富江 re-birth
≪毒を食わば皿まで・富江マラソン第三弾/富江=酒井美紀≫ スパート → 富江のキャラクターは一・二作目よりも好き。所謂「女に嫌われる女」の典型(生首状態でも性格は変わらない)。菅野美穂のキレた笑い声と同じ位、酒井美紀の「んふふふっ」って笑い声にもそそられました。今作は実存主義的な命題と、富江に浸食され歪んでいく日常の恐怖をテーマにしている。炊事をする様に死体を切り刻み、ゴミ集積所へ出しに行く親子の日常会話の異常さ。これじゃ、富江よりも中島ゆたかの方が怖いよ。これが今回最大の欠点、4点献上。 4点(2002-12-14 23:56:24) |
1626. 富江 replay
≪毒を食わば皿まで・富江マラソン第二弾/富江=宝生舞≫ 折り返し → 一作目が余りにも酷い出来だった為か、毛先程の期待もしなかった為か、意外に面白かった。ビジュアル面では映画らしさ・ホラーらしさが格段にアップしてる。音響の使い方もマシになってる。病院が舞台ということもあって不気味さもアップ。今作で足を引っ張ってるのは女優陣。下手な上に貧相な山口紗弥加には全然魅力が無く、宝生舞のキレ方は菅野美穂の足元にも及ばない。しかし富江って、人の男を寝取るのが趣味の、唯の性悪女じゃないか? 5点献上。 5点(2002-12-14 23:55:24) |
1627. 富江 tomie
≪毒を食わば皿まで・富江マラソン第一弾/富江=菅野美穂≫ スタート → 原作を知らないので何とも言えませんが、そもそも富江の設定自体が大したことないような…。「再生を繰り返す絶世の美女」というだけで、主な能力は美貌によって男を操る位。特に超能力や霊的能力がある訳ではなさそう。おまけに、美貌故に何度も殺され続けていたんでは、その美貌さえ余り役に立ってはいないような気も…。ワクワクする謎の解明も、背筋の凍る恐怖も、目を覆うショック・シーンも無い、菅野美穂のキレた笑い声が虚しい映画でした、2点献上。 2点(2002-12-14 23:54:36) |
1628. ハッシュ!
ゲイのカップルを狂言回しに、自堕落で情緒不安定、更には身持ちも悪いという三十女の再出発の決意を描くコメディ映画。片岡礼子は鳥肌ものの演技で主人公に命を吹き込みましたが、元々のキャラクター設定が類型的で説得力不足。だから、ゲイの二人や兄嫁を演じた秋野暢子に主人公が負けてしまっています。ここがこの映画唯一の欠点。本作で特筆すべきはそのリアルさだと思う。飲み屋や商店街、仕事場等のシーンが何と自然なことか。(冨士眞奈美を除いた)登場人物の会話や動作にも一切不自然な所が無い。役者達の演技力もあるんでしょうが、橋口亮輔監督の演出力も抜きん出ていると感じました。これは大人になりきれない大人の日本人にお薦めします、7点献上。 7点(2002-12-14 23:53:29) |
1629. (ハル)(1996)
もの凄くアナクロな、きっと史上唯一のパソコン通信映画。(ほし)を始め、ストーカー男や宮沢和史のキャラクター設定、チャットやメールの文字に被さるハウツー・ビデオのバックに流れる様な音楽、(ハル)のデート場所が毎回バー・ラウンジ(今時!)だったり、とにかくことごとく古臭い。現在ではアナクロなパソコン通信が、アナクロ感を薄めているのが皮肉。一番気に食わないのがラスト。これまで文字でしかお互いを知らない二人が初めて声を交わすシーンで、声をカットし、文字で「はじめまして」と出したところには萎えました。(-_-;)、4点献上。 4点(2002-12-14 23:52:14) |
1630. リング0 バースデイ
これって原作通りなんですか? 「貞子」というキャラクターを使って全く別の物語を紡いだという感じです。物語的には「リング」と言うよりも「富江」っぽいぞ(後半「発狂する唇」も入ってる)。貞子を袋叩きにするシーンと覚醒した貞子の登場シーンでは笑ってしまいました。仲間由紀恵は初めて見ましたけど、拙い上に(役柄の所為ではなく)自信なさげで頼りない。それに貞子にしては可愛らし過ぎる。もっとクール・ビューティを充ててくれないと(例えばりょうとか)。ということで、4点献上。 4点(2002-12-14 23:50:59) |
1631. GO(2001・行定勲監督作品)
一見、様々なテーマのある作品のようですけど、実は単純な青春映画ですよ。しかも観てて心地良い、今では珍しくなったオーソドックスで良質の青春映画。友情・恋愛・将来・親子関係・アイデンティティ、どれもこれも在日だとか政治だとかは一切関係の無い普遍的なテーマです。18歳の子の親、つまり現在40代の日本人が自分の子供に「中国・朝鮮人の血は汚い」と教えているという設定には「?」が付きますけど、これも在日云々を訴える為ではなく(もしそうなら余りにも陳腐)、青春時代の閉塞感を出す為の設定だと解釈しました。確かに窪塚君の演技はどうかとも思いましたが違和感はありません。また、周りのキャラクターが凄く魅力的に描かれていたのも良かったです、7点献上。 7点(2002-12-14 23:49:49) |
1632. 贅沢な骨
依存心と恋愛感情と独占欲がそれぞれに相互作用する、真の三角関係のまま物語が進めば良かった。しかし、窒息寸前の心理ドラマが、展開もミエミエの陳腐で小さな話として収束してしまう。大体、親の再婚に駄々をこねる幼稚な主人公の設定には辟易。最も気に食わないのは、つぐみがヌードを披露して頑張ってるのに、ホテトル嬢役にも関わらず麻生久美子が全く裸を見せないこと。一戦終わった後、シーツを身体に巻き付けて風呂場に行くホテトル嬢がどこにいる! 対して永瀬正敏の「説得力のある不思議さ」は抜群でした、3点献上。 3点(2002-12-14 23:48:37) |
1633. ひまわり(2000)
幼き日の甘酸っぱい思い出。どうも自身にはそーゆー思い出が全く無いか、それ以降の思い出が有り過ぎてすっかり忘れてしまっているらしく、共感するには至らない。また、朋美とゆーキャラクターにも魅力や正当性やリアリティが感じられない。自分は男出入りが激しく、実際二股中の男に二股かけられたからってショックを受けるのも良く解らない(まあ、これは男の方のイメージでしかないから、当の本人はどうだったか判らないけど)。これを観て連想したのは「フラットライナーズ」。周知の通り、後ろ向きの話は好みじゃないんで、4点献上。 4点(2002-12-14 23:47:35) |
1634. 運命の女(2002)
エイドリアン・ラインお得意の官能ドラマ(原題はズバリ「不貞」)。前半は妻の物語、中盤は夫の物語、そして終盤に夫婦の物語となって帰結する。夫・妻それぞれを丁寧に描写しているので、物語に非常に説得力があります(ちょっとヤリ過ぎの様な気もしますが…)。若い外国の青年に溺れ、回春していく中年女性をゾクゾクする様な演技で表現するダイアン・レインも良いですが、映画でも実生活でも幾多の女を泣かせてきたリチャード・ギアが、逆に妻に裏切られる中年男を納得させる意外な好演。謹告、浮気の代償は大きいですヨ、6点献上。 6点(2002-12-08 23:07:46) |
1635. ボーン・アイデンティティー
CIAに狙われる記憶喪失の男。何カ国語も操り、武器に精通し、武術の達人。果たして自分は何者なのか? ロバート・ラドラム原作「暗殺者」の映画化。マット・デイモンが凄く精悍な顔つきになって主人公を演じてます。片岡礼子似のフランカ・ポテンテがヒロイン役ですが、基本的に添え物扱い。一番の見せ場はパリ市街で繰り広げられる、おんぼろミニ・クーパーによるカー・チェイス。しかし、これ以外には余り見所もなく、ストーリー自体もさほど面白くは感じませんでした(因みに原作未読です)。何が足りなかったんでしょうか? 5点献上。 5点(2002-12-08 23:06:22) |
1636. ゴジラ×メカゴジラ
ゴジラ最新作、てか、私には釈由美子主演最新作。「修羅雪姫」を越えるハード・ヒロインを期待して臨んだのですが、その期待は見事に裏切られました。釈ちゃんは相変わらず頑張ってますけど、映画自体は丸っきり「ゴジラ×メガギラス/G消滅作戦」と同じじゃないですか! こりゃ詐欺だ! まんまエヴァをパクった機龍(メカゴジラ)の設定で何とか誤魔化そうとしたみたいですけど、ゴジラは天災と変わらないし、出来は「大怪獣総攻撃」はもちろんのこと、「G消滅作戦」にさえ遠く及びません。唯一、背景を説明するシーンで初代ゴジラやガイラ(!)の映像が登場したのは少し嬉しかったです。もっと良かったのは、試写会だったので「ハム太郎」を観ないで済んだということでしょうか、3点献上。 3点(2002-12-08 23:04:56) |
1637. ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
最近では出色のゴジラ映画ですけど、本作の設定自体は「ガメラ2」とほとんど同じじゃないですかね。ヒロインと自衛隊員、環境を守る護国聖獣、自衛隊と怪獣の共同、石を介しての交信。タイトルの出し方も「ガメラ」っぽい。どうもその辺が気になりました。巻頭の「アメリカに上陸した巨大生物を米政府はゴジラと呼んだが、日本の学者は認めていない」ってのは、ハリウッド版「ゴジラ」を日本のファンは認めていないってことですよね。ゴジラの何たるかを示したキノコ雲は凄かったですけど、キノコ雲は1回だけで、以後はいつもの熱線になっちゃったのは残念。容赦なく人が死んでいく所と怪獣を俯瞰で捉えるシーン、そして得意の自衛隊の演出は、さすが金子修介だと思いました、6点献上。 6点(2002-12-08 23:02:47) |
1638. ゴジラ×メガギラス G消滅作戦
かなり評判悪いみたいですけど、それ程でもなかったんじゃないですか。徹底的に初期設定にこだわって、お話と美術と肝心の怪獣の演出に神経が行き届かなかったといった感じですが、ゴジラ来襲の理由付けも出来てたし、ヒロイン映画としてもそれなりに出来てます。しかし、どうしてゴジラ・シリーズの自衛隊兵器は科学特捜隊並の古臭く安っぽいデザインになってしまうんでしょうか。この辺をもっと頑張って貰えれば、「映画」としての評価も一段上がると思いました。ということで、5点献上。 5点(2002-12-08 23:01:30) |
1639. シャーロット・グレイ
第二次大戦末期、消息不明の恋人を探す為に連合軍のスパイとなったイギリスの民間人女性が、ナチ占領下のフランスで戦争の現実に直面するという大河ロマン映画。全体的な筋立てが「大河ロマン」と形容したくなるほど古臭い上に、完全に女性向け。また、前半を端折り過ぎた所為か、私には今一つ主人公の内面が伝わってきません。主人公の名前が何故タイトルになっているのかということも含めて、本来ならラストで感動する筈なんだけどなぁ…。そして致命的なのが、主人公はフランス語が堪能だという理由で軍に登用されたのに、フランスに着いたら全員英語喋ってるじゃんかよー。おいおい…。例えば「冷静と情熱のあいだ」で、イタリア人が全員日本語喋ってたらおかしいじゃん。英語圏では言語に対する違和感は無いんでしょうかね? ということで、クラシカルでエレガントな衣装が最高に似合うケイト・ブランシェットの目の据わり具合に+1点の、5点献上。 5点(2002-12-01 22:48:17) |
1640. フレイルティー/妄執
ある日突然、神の啓示を受ける父親。「この世に無数の悪魔が放たれた。滅ぼすのが我々の役目だ」。二人の幼い息子の内、一人は父親を信じ、一人は父親の狂気を疑う。そして、連続殺人が始まる。基本は「セブン」型のサイコ・スリラー。これだけどんでん返しが流行っていれば、結末もある程度は予想がつく。しかしこの映画は、ラストで予想を超えるパラダイム・シフトが起こる。「セブン」以降、無数に作られた亜流サイコ・スリラーでは最高峰と言っていい。初監督の俳優ビル・パクストンも堂に入った演出ぶり。かなりお薦めの、7点献上。 7点(2002-12-01 22:46:47)(良:1票) |