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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3957
性別 男性
年齢 53歳

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1861.  機動戦士ガンダム
子供の頃、周囲の盛り上がりを余所に、殆ど見ることのなかったレギュラー放送のガンダムですが、後に、夏休みだか冬休みだかに映画3部作をよく放送したりしてたのを何度も見て、そういう意味ではこの映画版の方に馴染みがあるのですが。しかし、今回久しぶりに見て、やっぱりキツイなあ、と思っちゃいます。基本的にテレビの再編集、それもお話の途中まで、なもんで何とも中途半端。テレビ版を圧縮して詰め込む事に精一杯で、ひとつの独立した作品としての盛り上がりには欠けていると言わざるを得ません。そういや映画版の『宇宙戦艦ヤマト』などは、無理矢理な再編集でほぼ支離滅裂だったけど、ストーリーの最後までカバーしてる上に、ツボはきちんと押さえていたので、ちゃんと盛り上がったのでした。アニメーション技術もテレビアニメにしては高かったし。その点も、ガンダムには分が無いですね。アニメとしてのクオリティは高いとは到底言えず(そこに懐かしさもあるとは言え)、そもそも、登場人物の人相が作中で安定していない、ってのはまさにテレビアニメの悪しき特徴。ガンダムの魅力は多かれ少なかれ、その「設定」にあるのであって、“スター・ウォーズ + 宇宙の戦士”とか言われつつも、それだけに収まらないものは確かにあるのですけれども、この第1作(と言ってよいのかどうか)ではまだ、「設定」の説明に終始するばかりで、その魅力が物語として動き始めているとは言えない段階です。 ↑とは言え、色々な制約の中でこれだけの動きを描き込んでいるのはやっぱりスゴイし、物語の発端を描く作品ならではの、登場人物たちの初々しい姿、素直に恐れ、素直に驚く姿、ってのも魅力的。特に、慣れぬガンキャノンの中で絶望的な闘いに身を置くカイの姿とその描写は、強い印象を残します。すみません6点⇒7点に差し替え。
[DVD(邦画)] 7点(2014-02-11 23:52:44)
1862.  エンド・オブ・ホワイトハウス
北朝鮮のテロリストがホワイトハウスを占拠し、大統領が人質に。テロリストの要求を飲めば、東アジアが、そしてアメリカが、大変なコトになっちまう訳ですが、映画を観てると、「要するにこの大統領さえ死ねば、すべて解決やんか」と思えてきてしまうのが皮肉(まあ結局は、必ずしもそうでもないのですが)。さてその占拠されたホワイトハウスには、ひとりのシークレットサービスが潜り込んでおり、孤軍奮闘、テロリストと戦う、と来れば、いかにもダイ・ハード。一人戦うジョン・マクレーンの役と、過去のトラウマを抱えたアル巡査部長の役を兼ね、さらには誰もがダイ・ハードを思い起こすようなシチュエーションも盛り込んだり。と、かなりダイ・ハードを意識しながらも、決定的に違うのは、やはり主人公の性格付け。途中で弱音を吐いてみせたり、いかにも人間的でゴザイマスという面を誇示して見せたマクレーンに対し、こちらの主人公マイク・バニングは、あくまで現場では戦闘マシーンとしての存在に徹しています。あくまで映画の中で、アクションを体現し物語を進めるためのひとつの駒としての存在、であるのが潔い。そういう意味では、この映画の誰もが、もしかしたら大統領すらも、駒に過ぎない訳で。ホワイトハウス襲撃のダイナミックなシーンも合わせて、派手な面と硬派な面を併せ持った作品になっています。思えば、マクレーンは人間的過ぎて、その魅力のせいでシリーズ化されてしまい、それがダイハードの不幸でもあったのですが、その点、本作みたいにシブい作品ではシリーズ化の心配もなく……と思いきや、シリーズ化の噂あり。トホホホ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-02-09 10:21:10)(良:1票)
1863.  サルタナがやって来る ~虐殺の一匹狼~ 《ネタバレ》 
←ネタバレ有、と言いましても、ストーリー上は大してバラすようなネタもないのですが(いや、一応は“意外な真相”なども色々とあるのですが、そう大したものではありません)、ラストに出てくる究極兵器(?)があまりに究極過ぎるので、これに言及する以上はネタバレ表示がエチケットかと。で作品はといいますと、ズームイン、ズームアウト、横振り縦振り、時には傾いたり、ひたすらカメラが躍動しまくって、さすがはマカロニ。物語はといいますと、行方知れずとなった金貨とニセ札の争奪戦。アヤシゲな連中がゴチャゴチャと出てきて何だかゴチャゴチャしており、さほど盛り上がる訳でもなく、ついに真相に辿り着いても、まあ、そんなもんかねえ、という感じ。本作の最大の魅力は、主人公サルタナの繰り出す謎の秘密道具の数々にあります。結構セコい秘密道具ですけど。007風、ということも言われますが、忍者風と言ってもよいでしょう。そして、さあここからがネタバレだ。最後に登場する、秘密道具の親玉とも言うべき究極兵器。一見、小型のパイプオルガンなのだけど、鍵盤の上に並んだ、ストップ(オルガンの音色を変えるレバーです)をいじくると、何とパイプが敵に向って倒れ、そこから銃弾が雨アラレと発射されて敵の大群を薙ぎ倒す!! 別に狙いをつけて発射している訳でもないのに斃されまくる敵、弾の来ない方に避けりゃいいやんか、というツッコミを入れる気も失せる、この世のものとも思えぬアホな光景なのですね。もはや喝采を送る以外に、どうすればよいのでしょうか。パイプを見たら武器と思え、これってかつての過激派左翼の発想ですな。そんでもって、あと、秘密道具としては、ライター人形も忘れちゃいけない。人形とサルタナの間に芽生えた友情(?)。ガジェット好みの人のための映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-08 15:11:03)
1864.  やればやれるぜ全員集合!!
「やればやれるぜ」って、一体どういう意味よ。って言っても、タイトル以上に訳がわからんのが映画の中身。コメディ映画らしい突飛なシチュエーションや、売りにするネタが、まーったく無くって、ビックリするくらい取り留めが無いのです。これぞ真のナンセンスドタバタコメディ、これでオモシロかったら言う事無いんですが、残念ながら、実に面白くない(笑)。しかし、これだけナンセンス路線を徹底すれば大したもの(これで面白ければ・・・)、音楽も豊富にとりいれた賑やかな映画です。ラストでバンド演奏するドリフの面々、ビートルズを彷彿とさせるではないですか。って、ちょっと無理がありますかね。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-02-05 22:39:37)
1865.  渡り鳥北へ帰る
小林旭が流れ者・滝伸次を演じる渡り鳥シリーズは、一応、本作が最終作ということになるのでしょうか。最終作なので、シリーズ原点たる函館に戻ってきたのかと思いきや、時系列で言うと実は本作が第1作の前に来るのかしらん? 滝伸次がなぜギターを手にするようになったのか、の謎が明かされます。って、どうでもいいけど。この滝伸次という主人公、何を考えているかわからない(というより何も考えてなさそうな)ニヒルな感じが良かったのですが、本作では珍しく心情を吐露し、怒りを露わにするのが、異色。ただしそんなのは一部のシーンだけで、基本的には何も考えていなさそうなので、御心配なく。目の前で射殺された友人の遺骨を持って函館にやってきた滝伸次が、友人の実家の造船所を乗っ取ろうとする悪党どもと戦うオハナシなのですが。途中、彼の乗った車がハネそうになった子供(自ら倒れたようにしか見えないが、一応、交通事故でケガをしたという設定らしい)の母親が、実は亡き友人の妻であったり(ってことは、その子供は友人の息子なのか? という極めて単純な点が曖昧なのはどうしてなのか)、造船所乗っ取りの一味と戦ううちに亡き友人の仇である“ハジキの政”への復讐もできちゃったり、何かとチャッカリした脚本になっております。交通事故の子供や、その母親が入院する病院、作中で重要な舞台なのですが、院内のセットが異常に投げやりな気がするのですが、何とかならなかったのでしょうか。また、今回も残念ながら、宍戸錠は出ていません。代わりを務めるは、前作に引き続き、弟・郷鍈治。イイ味出してます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-04 22:02:07)
1866.  新・男はつらいよ
膨大なシリーズ作を誇る、この「男はつらいよ」シリーズ、マンネリが売りとは言え、色々と変化球も仕込んでくるのだけど、一番手っ取り早い変化は、監督を代えること、ですね。脚本に山田洋次が関わり続けても、監督が代われば確実に雰囲気は変わります。で、この第4作、残念ながら、それが良い方向には向かってません。何だか安っぽい画作りで、シリーズ最低水準じゃないでしょうか。しかし、笑いの要素はもっとも豊富。いかにも長屋モノのコメディ、といった感じで、近所の人々がワンサカ出てきて(御前様まで出番が多い)、賑やかな作品です。何かと珍しいシーンもありまして、回想シーンなんて珍しいやんか(タコ社長の語りの場面)、とか、寅さんが大金持ちになってタクシー乗ってるなんて珍しいやんか、とか。とらやのおばちゃんが腹を抱えて爆笑してるシーンってのも珍しい(このヒト、よくわからんことで泣いてる場面が多い)し、おばちゃんの洋装に至っては、正視してよいものやら(笑)。あとどうでもいいけど、とらやの2階って、左手に階段があったんですね、とらやの構造がよくわからなくなってきた。それはともかく、ラストの寅さんがとらやを発つ場面も、ややクドい感じのセリフで締めて、何かとわかりやすい、“笑いあり涙あり”な作品にはなっております。美人の春子先生には、近いうちに再登場していただきたかったです(まさか十数年後に別人になってしまうとは)。ちなみに中盤で流れる弦楽四重奏曲は、ベートーヴェンのラズモフスキー第3番第2楽章。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-02-02 09:14:08)
1867.  怪盗グルーの月泥棒
性格のあまりよろしくない怪盗グルーが、子供たちとの交流の中で心を開いていく、という鉄板路線ではありますが(かつ、その過程の描かれ方は類型的で、コレといった特徴もありませんが)。一方で、怪盗グルーには、そういう定番の顔以外にも別の面があって、まず、ミニオンという連中(『親指スター・ウォーズ』のような顔してます)のリーダーとしての側面があって、銀行サマに頭を下げて出資をお願いするあたりはまさに中小企業の社長さん、だんだんグルーがタコ社長に見えてくる……ってな訳はありませんが、しかし、銀行サマの中の描写では、銀行の柱を銅像が支え、中には押しつぶされてる銅像もいたりする。このあたり、子供向け作品にしては、世知辛いというか辛辣というか。あと怪盗グルーのもうひとつの顔としては、宇宙旅行を夢見た少年時代の顔もあったりして。そういういくつかの顔が交錯しながら、月泥棒という壮大なミッションに挑む、という物語。さらには泥棒稼業のライバルとして、敵役のベクター(宮台真司のような顔してます)ってのが登場して、素晴らしいまでの粘着質を発揮し、とにかく楽しませてくれる作品です。もっとも、月を盗む、なんていうのは、壮大過ぎてかえってチープな感じのするネタですが、CGもそれを受けて、全体的にまるでミニチュア特撮を思わせるような、チープさを感じさせる描写をあえて取り込んでいて、なかなか芸が細かいです。
[地上波(吹替)] 7点(2014-02-02 08:26:16)
1868.  群盗荒野を裂く
列車襲撃に始まる派手なオープニングといい、随所で見せる大胆なカメラといい、マカロニらしい楽しさが溢れてはいるのですが、物語は意外なほどに人間ドラマだったりして、ラストなんぞはもう、マカロニにあるまじき切なくも「エエ話」になっております。政府軍の銃を奪い革命軍へと供給する盗賊団のリーダー、チュンチョ。襲撃した列車に乗っていたアメリカ人青年ビルを何となく仲間に入れる(このヒト、やたら顔色が悪いなあ、と思ったら、『カサンドラ・クロス』のテロリスト氏でしたか)。最初、チュンチョは、「オレが掟だ」的な豪傑かと思っていたら、中盤だんだん人間臭さが見えてきます。素朴でなかなかいいオヤジ。次第に親密になるビルとの関係、しかしあくまでチュンチョが主でビルが従、であった筈なのだが……実はチュンチョの方こそ小さな世界に生きていて何も知らない井の中の蛙、外側には彼の知らない力学が働く大きな世界があり、ビルも実はそこの住人であった、ということ。外側の世界の存在を知り、さらにはその外側の世界から手を差し伸べられたチュンチョは、最後にいかなる行動をとるか。いやこれ、人間ドラマっちゅうより、プロレタリア映画ですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-27 23:18:48)(良:1票)
1869.  欲望のバージニア
禁酒法時代を舞台にした映画に出てくるお酒というものは、どうしてあんなに美味しそうに見えるんだろうか。昼間っから自販機の前でどっかの爺さんがワンカップ大関をぐい飲みしてるのと同じくらい、美味しそうに見えるんですね。それはともかく、禁酒法時代を背景に、酒の密造でのし上がっていく3兄弟の姿を、三男の目を通して描いた作品ですが、彼らの前に立ちふさがるのが、ガイ・ピアース演じるところの、どっからどうみても見事なまでに超粘着質のレイクス取締官。三男を演じるシャイア・ラブーフ以外の殆どがコワイ顔の役者たちで、彼らがニラミをきかせまくる映画、そんな中で、三男が主人公であると同時に狂言回しの役も担ってます。でまあ、このオハナシ、「実話に基づく」となっておりまして、タフガイ中のタフガイである次男の、瀕死状態で30kmも歩いたという不死身エピソードなども一応否定はされる訳ですが、そうは言ってもこの作品は、単なる実話の再現でもなんでもなく、やっぱり「神話」を描いた作品なんですよね。それも、そう遠い昔ではない禁酒法時代に実在した人物の「神話」、以来人々に語られ続けた「神話」。逆に言えば、今現在あるすべてもやがては過去となり場合によっては神話にもなっていく。ラストの余韻がいいですね。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-01-25 10:14:02)
1870.  悪名(1961) 《ネタバレ》 
シリーズ第1作、朝吉が“悪名”をとどろかす前のオハナシ。まだまだ駆け出しのチンピラで、ブラブラしては女性に手を出す、まさに若気の至り。女性に手が早いという点を除くと、喧嘩がやたら強いとか酒が飲めないとか、何だか「じゃりン子チエ」のテツみたいですが、そういう目で見ると、“シルクハットの親分”って、ちょっと地獄組のボスを連想させますな。いや似てる訳じゃないんですけれど、この妖怪的なキャラが、「じゃりン子チエ」の世界と繋がっていて、その白眉が、2000人の部下を引き連れているという女親分イト。演じるは浪花千栄子さんですから、『宮本武蔵』のオババ並みにコワイ。という訳で、狭い世界に生きてきた朝吉青年の成長譚であり冒険譚、モートルの貞という舎弟ができ、誘拐された遊女の救出のため妖怪キャラが闊歩する因島へと乗り込む。そして、(後の作品ならクライマックスで相手を殴るのは朝吉の役目なのだけれど)因島の女親分にタコ殴りにされるという痛い洗礼を受ける。というのは要するにアレですな、“ナントカ族の成人式”でバンジージャンプしたりするのと同じ、一種の通過儀礼ですな。そういうホロ苦い、お話。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-01-21 23:58:44)
1871.  男はつらいよ 私の寅さん
「カントクぅ、渥美さんばかりロケ連れてってもらってズルいですよ~」ととらやの面々が直訴した訳でもないのでしょうが、前半はとらやの皆さん、楽しい九州ロケ。おばちゃんは健忘症、かつて湯の山温泉に行ったことも忘れて「箱根より西に行くのは初めて」ですと(まあこれは東京人らしい定番のセリフ、ということで)。でまあ、結局は、寅さんが留守番でせっかくの旅行も落ち着かない、という展開になるのですが、どっちみちロケ自体は楽しかったに違いない(笑)。という訳で、前半がいつもと違う路線なら、後半もまた変化球で(前半と後半にどういう関連があるのか、マドンナとの出会いが大ゲンカから始まる、という趣向。しかし、あああっという間にマドンナと仲良くなってフツーの路線に戻ってしまうのはコレ、どうしたもんだか。人生においてゲージュツとは欠くべからざるもの、そして寅さんの恋愛もまたそういうものの一環なんだとか。それは結構だけど、ゲージュツの怖さや残酷さも忘れてはならないのであって、このマドンナは、ちと「優し過ぎる」んじゃないだろうか。ゲージュツの優しい一面ばかりを描き過ぎなんじゃ、ないだろうか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-20 22:39:38)(笑:1票)
1872.  エンダーのゲーム
ううむ……。かつて異星人と戦い大きな犠牲を払った人類は、来るべき次の戦いに備え、少年少女たちを戦士として養成している、らしい。という訳で、選抜された少年エンダーが受ける訓練が映画の主な内容。訓練ったって、単なるゲーム。これだけで2時間引っ張られてもなあ。エンダーが訓練を通じて成長する姿、なんてものも見えないし、彼がどう優れているのやら、どんな資質があるのやらも不明。そもそも、作中で描かれるゲームにおいて、彼の立てる作戦すらもマトモに描写できておらず、何が何やら、要するに観ててまるで興奮が感じられないのです。にも関わらず、不自然なまでに主人公に入れ込むハリソン・フォード、彼の存在は単なる「ストーリーの説明要員」としか思えない。セリフで説明し過ぎ。最後まで気分が乗りませんでした。すみません、一番乗りであまり悪い事書きたくなかったんですが・・・
[映画館(吹替)] 4点(2014-01-18 15:35:40)
1873.  エクスペンダブルズ2
かつてのアクションスターたちを「登場させる」ということに特化した映画。「アクションスターを登場させてアクションを披露する」というよりも、最早これは、「アクションスターを登場させるために物語に事件が発生する」「アクションシーンに燻し出されてあのスターこのスターが無理矢理登場する」という、ほとんどバルサン方式。だから、「なんでそんなタイミング良く“伝説のヒーロー”が現れるんだよ」なんていうツッコミは、意味を持たなくなります。冒頭からやみくもに繰り返される事件・危機は、ヒーローが現れる合図。チャック・ノリスの登場に至っては、「あの人は今」的に大いに盛り上がっちゃう(とは言っても、「このタイミングでこの顔で登場するんだから、きっとチャック・ノリス本人なんだろう。“そっくりさん”にしてはあんまし似てないし、そこがかえってリアルなんな」という自問自答が、瞬間的に心の中で行われる訳ですが)。そして、顔見せ程度のゲスト出演、と思われた彼らヒーローたちが、ちゃんと揃い踏みしてくれるクライマックス、これはもうサービス精神の極致と言っていいでしょう。そんなアクションスター図鑑みたいな本作の中で、スタローンはナビゲイター的な立ち位置で貫禄を示す一方、新参者たるジェイソン・ステイサムの出で立ちが、妙にカワユイんですけどね、でも「この中でホントに動けるのはオレだけだぜ」とばかりに八面六臂の大活躍を見せてくれるのはさすが。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-01-15 01:37:54)(良:1票)
1874.  宇宙戦艦ヤマト 完結篇 《ネタバレ》 
完結編、と銘打っているだけあって、製作陣は、ヤマトを葬ることに異常な執念を燃やしています(正直、アクエリアスから地球を守る方法として、何故このヤマトを犠牲にする方法が有効なのか、どーもピンとこないので、なんだか強引だなあ、と)。確かに、作品全体のアニメーションの見事さはシリーズ中、屈指のもの、製作陣の熱意が伝わりますし、それだけにヤマトの最期の光景も忘れ難きものがあります……と言ってもなあ、『ヤマトよ永遠に』も含め、映画版では何度も“ヤマトの最期”が登場してますから、ちょっと有難味も少ないか。さらに本作はラストを引っ張り過ぎて、これでは感動も退屈にすり替わっちゃうというもの。しかし、ですね。完結編、なんですから、この際、何でもアリなんです(『さらば』で終わった筈が、これは無かった事にしてシリーズが続き、ここで完結。でも最近またまた復活。オマエは大仁田か)。何でもアリだから、今回の艦長はこのヒトをおいて他には考えられぬ、沖田さん(の悪名高き復活劇。オマエはホームズか)。えー生きてたの、第1作が台無しやんか、と言いたい気持ちはあれど、やっぱしこのヒト、カッコいいんだなぁ。第1作で死んだと思ったのは佐渡先生の誤診だったそうですが、気にするな佐渡先生、アンタも一回、死んでるんだし(それは無かったことにするんでしたっけ)。今回の敵ディンギル帝国もなかなかの強敵で、あのチャラチャラしてた『永遠に』よりも本格的な戦いが繰り広げられます。そんでもって、えーと、そういやデスラーってまだ生きてたんだっけか(笑)。それにしても改心したものよ。いや気にせずデスラーさんも登場してご活躍下さい、完結編ですから。ただし、デスラー艦隊の乱入が唐突な上、やたら強過ぎて(どうして、かつてヤマト1隻に敗れたのやら)、この辺りから映画が強引に幕引きへと向ってしまう印象もあるのですけどね……。そういう訳で本作、ヤマトの最期をとことん盛大に描いてやろう、という執念が結実した(ただしそれがやや露骨かも)、まさに力作と言ってよいのではないでしょうか。
[DVD(邦画)] 7点(2014-01-11 02:13:14)
1875.  仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z
仮面ライダーとスーパー戦隊の揃い踏みでも充分キツかったけど、さらに宇宙刑事と来た日には、もう好きにしてチョーダイ、と。さらにはキョーダインらしき2人やら(フォーゼの映画版でも見かけたが)、チョイ役登場も甚だしいイナズマンやら(外見はイナズマンより“せんとくん”に似てる気が)、果てはエンドクレジットの後には、あの泣き顔ロボットまで。いや何が来ても、もう驚きませんけれども。ただ、タイトルの極端な大風呂敷とは裏腹に、主な登場人物はかなーり限定され、小さくまとまってます。で、ラストでヤケクソのようにヒーローたちがウジャウジャ出てくるのですが、ここでも、全員登場させるのは見苦しいためか、はたまたスタントマンを集めきれなかったのか、ヒーローたちはお行儀よく、数回に分けて登場します。再度の組ともなると、もう夜になっちゃってます(ったって、ロケを一日でやった訳じゃないと思いますが)。夜なのに、ゴーバスターズの何たらいうマシンに召集をかけると、挿入される出動シーンの映像は使いまわしなもんで、ここだけ一瞬、昼間。このあたり、なかなか潔いですね。だからどうということもありませんが。さあ、洪水のように現れるヒーローたちの中に、あなたが昔お気に入りだったあのヒーローを、見つけることができるかどうか。ウォーリーを探せの要領で、どうぞ。
[DVD(邦画)] 3点(2014-01-05 16:17:02)
1876.  女王陛下のダイナマイト
リノ・ヴァンチュラ演じる元ギャングのコワモテ男、ひょんなことから、とある小心者の男と腐れ縁になり、彼を狙うイギリス金髪ギャング軍団と戦うオハナシ。ははは、意味不明ですね。隣国をここまでおちょくって許されるなんて、東アジアの某諸国間ではなかなかマネできません……。前半はそれなりにノワール調、とはいっても線が一本抜けちゃってる感じですが、後半に至るともう何本の線が抜けたのやら、ハチャメチャな脱調ぶり。敵味方、ひたすらダイナマイトの応酬、マンガのようなウソ臭いミサイルも登場し、(テレビ番組のコントみたいな)爆発また爆発。映画のストーリーまでもがどこかに吹き飛んじゃいます。それにしてもあの橋のシーンはビックリ。『TAXi』ってなツマラナイ映画があって、基本的には『フェラーリの鷹』のパクリだと思ってたのだけど、こういう映画にも元ネタがあったんだなあ、と。しかしバカバカしさへの徹底ぶりはこちらが数枚上。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-04 09:37:28)
1877.  腰抜け二挺拳銃
私がテレビでこの作品を観ていると、子供たちがやってきて、字幕が読めなくったって「ほんまアホやな~」とゲラゲラ笑いながら観ております。ちゃんと映像で笑わせてるんです。しかも笑いだけじゃない、ボブ・ホープ演じる主人公はアホな言動の末にアホな危機に何度も陥り、スリルある展開になってります。クライマックスの戦いなんて、ココだけ観たら“本格ウェスタン”かと思いますよね。何ともアホらしく何とも楽しい映画。ボブ・ホープが先住民の呪術医を投石で仕留めるワンカット、こういうバカバカしくも素敵な演出は、もう今の映画では見られませんね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-01-03 21:06:23)
1878.  ジャックと天空の巨人
例えば昔、『グレムリン』ってな作品があって、何やら要領を得ない3つの約束をさせられる(約束ってのは当然ながら、後で破られるために存在する)のだけど。それに比べると本作の「豆を水に濡らすな」というのはヒネリが無いし、ましてや、床下に落とした一粒が雨に濡れちゃうなんて、これでは単なる不可抗力、あんまり平凡過ぎるのでは。という訳で、どうも大味な印象の本作。でも天空の巨人の国に辿り着いての探険、仕掛けられた謎のワナ、なんていう展開は、過去の怪獣映画、恐竜映画を彷彿とさせ、ワクワクさせます。それだけに、いきなり巨人が出てくるのは、これまた大味で残念。他にオモシロイ生物は、ここには居ないんでしょうか。と、手っ取り早く突っ走っていくのは、後半の地上でのバトルを描きたかったからですね。こんなバトルは付け足しでもいいから、途中をもっと膨らませてくれてもよかったんじゃないか、と。しかし、これはこれで楽しい展開。まさか、巨人と戦う描写として、綱引き合戦というシチュエーションを準備するとは、これは意表を突かれました。こんなに巨人をウジャウジャ出して、風呂敷広げ過ぎなんじゃないの、と思ってたら、最後にちゃんと(冒頭から繋がる)気の利いたオチも準備している。戦いにウェイトを置き過ぎて、ジャックも王女も魅力に乏しく、ユアン・マクレガーの役どころも何だか生煮えな印象ですが、童話を題材にアメコミ風味のアレンジ、素朴な楽しさがあります。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-01-03 18:03:03)
1879.  ピノキオ(1940)
揺れる物体や回転する物体の3次元的な動きが実に見事。そりゃま現代ならCGでもってお手の物、の描写なんでしょうけれども、手描きならではのファジーさが味わい深くって、「CGって無機的だなあ」と改めて感じさせられもします。そりゃま、当時としては、今でいうところのCG並みの完璧さを目指したのかも知れませんが。さて、ディスニー長編第2作の、この『ピノキオ』。ウチの幼稚園の息子が、最初は喜んで観てるけれど途中から「コワイ」と言うのは、悪役が、怪物とかじゃなくて「普通のオジサン」というリアルさでしょうか。しかしこの作品では、コオロギのジミニーというお守り役がピノキオを見守っていて、ホッとさせれらます(『ダンボ』におけるティモシーの存在にも繋がる役柄の設定ですね。ただし本作のジミニー、見た目がコオロギだか何だかよくわからないのが難点?)。あと、女神様。ってセリフでは言ってるけれど、見た目は妖精さん。登場シーンで光が飛んでくる描写が、今観るといかにも『未知との遭遇』で、あの作品にはやはり相当影響を与えているんだなあ。と思いつつも、いざ登場した妖精さんはいささかリアル過ぎ、なんかキャバレーのママみたいな俗っぽさがあって、ちと夢が無いかも。しかしピノキオに与える教訓「嘘はだんだん大きくなる」ってのは、何とも身につまされます。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-01-03 17:11:56)
1880.  大海原を行く渡り鳥
宍戸錠が、出演してないんです。出てたら出てたで、勘違いキザ男ぶりが何とも変なんですけれども、いないと寂しい、というか、彼の演技が作品にユーモラスな雰囲気を醸し出していたんですが(ただし、どこまで狙った効果なのかは不明)。今回滝信次が現れたのは、異国情緒あふれる(?)長崎、今回の彼の好敵手も、宍戸錠の代わりに、アヤシゲな中国人が登場。こういう間違った中国人像、どこか懐かしいですな。セリフ回しも北京語ならぬ、ゼンジー北京語。これであと、両袖突き合わして手を入れてたら完璧です。でまあ、とりあえず冒頭、地元民が暴漢に襲われているのを、たまたま通りかかった滝信次が助けに入り、彼がいきなり銃を持ち出しても誰も驚かず「助けてくれてありがとう」という、例によって例のごとくの展開な訳ですが、宍戸錠がいないことと関係あるのかないのか、滝と悪党どもとの抗争ばかり描かれて、やや単調。一応、銃撃戦なんぞでもって、盛り上げたりはするんですが。浅丘ルリ子も「え?いたの?」という感じのまま、映画が終わってしまいます。宍戸錠、やっぱり必要な人材ですね。出てらら出てたで変なんですけど。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-03 16:06:08)
030.08%
1190.48%
2431.09%
3751.90%
41624.09%
53699.33%
665116.45%
7125131.61%
890322.82%
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