1901. ホルテンさんのはじめての冒険
《ネタバレ》 観る前には定年を迎えた鉄道マンのおじさんが定年を機に気ままな冒険の旅に出る、みたいな展開を予想していたのですが、かなり予想とは違う展開でした。ホルテンさんは1人暮らしのようでしたが、これまでのホルテンさんの人生の説明が少し欲しかったと感じました。凍てつく冬のオスロの街で定年を迎えたホルテンさんが色々な人生、色々な老後と出会う。僕はまだ定年や老後の事を真剣に考えた事は無いですが、いつかはこういう時がやって来るんだなあ、と考えさせられました。さすがは北欧ノルウェー。スキーのジャンプが人々にとってこんなにも身近な存在なんですね。あの犬を連れて、あの人のもとを訪れる分かりやすいラストにはほっとした気持ちになりました。 [映画館(字幕)] 5点(2009-04-06 20:15:45) |
1902. パルプ・フィクション
僕が色々と大変お世話になっている方が大絶賛していた作品。面白いから絶対観た方がいいよ!と薦められての鑑賞でしたが、過剰なバイオレンスは好きになれないし、長いし、途中でくじけそうでした。鑑賞後はどっと疲れたような気がしました。自分には合わなかったです。さて、その方にどう感想を報告すべきか。正直な感想を話すべきか、それとも…。とりあえず今からじっくり皆さんのレビューを読ませていただきます…。 [DVD(字幕)] 3点(2009-04-05 16:50:36) |
1903. 恋のためらい/フランキー&ジョニー
《ネタバレ》 さすがはロマンティック・コメディ職人のゲイリー・マーシャルの映画ですね。本作はコメディ色は抑えられていますが、それでもやはりとても素敵な男と女の物語を見せてくれました。ミシェル・ファイファーとアル・パチーノの2人がいる印象に残る場面がいっぱいです。公開当時、色んな事が上手くいってなかった僕はとてもパチーノ演じるジョニーのマネは出来なかったですが、この映画にすごく励まされたような気がした事を思い出します。 [映画館(字幕)] 8点(2009-04-04 23:43:43) |
1904. ローズマリーの赤ちゃん
《ネタバレ》 ミア・ファローが夫に甘える可愛い新妻から徐々に悪魔に心を支配されて精神的に追い詰められ、その人相までも変わっていく様子に女優としての凄さを、そしてそれを引き出したロマン・ポランスキーの演出力、映画監督としての凄さを感じました。そしてラストのミア・ファローの表情が印象に残りました。赤ちゃんの鳴き声に我に返り、我が子を見つめる彼女の表情に母親の偉大さを感じました。そのラストで1つ気になったのがその場の空気を読まずにパシャパシャ写真を撮る謎の日本人と思しき東洋人。洋画を観ているとたまにこのような、その場の空気から逸脱した行動をとる恐らくは日本人と思われる謎の国籍不明の東洋人が出てきますが、欧米人の目に我々日本人はどのように映ってるんですかね? [DVD(字幕)] 8点(2009-04-04 16:08:17) |
1905. フロスト×ニクソン
《ネタバレ》 フロストとニクソンの対談が始まるまでがちょっと長かったです。始まってからもニクソンがフロストの攻撃をうまく誤魔化してかわしていく様子は面白かったですが、割と淡々と進行していくのでもう少し白熱した2人の対決が観たいなあと感じながらの鑑賞でした。しかし最終日のフロスト、ニクソン双方のスタッフの思惑も巻き込んだ対決と攻防は実に見応えがありました。そして2人の対決に決着が付いた後にもう一度2人が再会するラストは、白熱した対決の果てに見せる2人の男の穏やかな表情に真剣勝負の後の爽やかさのようなものを感じました。 [映画館(字幕)] 7点(2009-04-02 22:25:45) |
1906. 僕はラジオ
《ネタバレ》 アメリカのとある町のハイスクールで実際にあった、とてもいい話。キューバ・グッディングJr.の素晴らしい演技が作品全体をほのぼのとした雰囲気にしてくれていました。彼が演じるラジオとエド・ハリス演じるコーチとの関係も微笑ましく、更にラジオの優しいお母さんもとても印象に残りました。こんな、いい話系の実話モノに弱いんですよね。ラジオのような若者にも居場所がある、そんな社会であってほしいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-02 01:35:55) |
1907. あんなに愛しあったのに
《ネタバレ》 戦争中はレジスタンスとして戦った3人の男と彼らのその後の人生に深く関係する事になる1人の女。この4人それぞれの戦後の人生―その出会い、別れ、そして再会―を淡々と描き、戦後のイアリア社会や価値観と彼らの人生を重ね合わせる語り口が素晴らしかったです。作品全体がどこか物悲しくもコミカル、そして何ともいい味の人間臭さが漂います。スコラ監督は「スプレンドール」という映画館をテーマにした素晴らしい映画を作っていますが、本作でもスコラ監督の映画への深い愛情や熱い思いを感じずにいられません。デ・シーカ、フェリーニ、マストロヤンニらを本作の中にさりげなく登場させ、特に仲間の1人、ニコラが映画の知識を問うクイズ番組に出る。その時にニコラが熱く語るデ・シーカへの思い。デ・シーカ監督を尊敬してやまないというスコラ監督。このクイズ番組でデ・シーカを熱く語るニコラの姿はひょっとしたらスコラ監督ご自身だったのではないでしょうか。もう一度観たいけどなかなか観るチャンスが無い映画です。(タダ同然で買った中古ビデオ。でも一度観て2度目の再生の途中でビデオテープがクラッシュ…涙。でもよくぞ1度目、最後までもってくれたとも思う…)ぞふぃさんも書かれている通り、僕もDVD化して欲しい映画なんですけど無理かなあ。ホント、もう一度観たい! [ビデオ(字幕)] 9点(2009-03-31 19:20:55)(良:1票) |
1908. ニクソン
《ネタバレ》 キューバ、ベトナム、そしてJFK暗殺からウォーターゲートに至るまで、今も真相の多くが闇の中のこの時代を検証するには避けて通れない、しかし1つの映画にまとめる事など不可能と思える2人の大統領がいた。オリバー・ストーンが「JFK」の構想を思いついたのと同時に「ニクソン」の構想も頭にあったのかもしれないですね。アンソニー・ホプキンスの実に見応えのある演技のお陰もありますが、エリート中のエリートでスマートさが漂うジャック・ケネディとは実に対照的な、貧農の出身で喜怒哀楽の激しい、泥臭さが漂うリチャード・ニクソンという男にとても興味が沸きました。崖っぷちに追い込まれたニクソンがケネディの肖像画に語りかける台詞「国民が君を見ると理想の姿を見る。だが私を見ると現実の姿を見る」が印象に残ると共にジャック・ケネディへの複雑な思いを垣間見た気がした。そしてラストシーン、在任中は国民に愛されず常に批判を浴び続けた彼が辞任会見でスタンディング・オベーションの拍手喝采を浴びるとは何という皮肉でしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-28 19:27:23)(良:1票) |
1909. 迷子の大人たち
シンプルで分かりやすいストーリー展開で結末もある程度読めてしまう作品ですが、長いようで短い、短いようで長い人生、時には人生の迷子になる事もある。そんな時にこそ前向きに生きたい、(これが難しいんですけどね…)そんな風に思わせてくれる映画でした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-28 14:52:51) |
1910. フォー・ザ・ボーイズ
《ネタバレ》 ベット・ミドラーが素晴らしかったです。やはり彼女は最高のエンターテイナーの1人なんだなと思います。戦場での夫との再会のシーン、綺麗な衣装も華やかなスポットライトも無い荒野の戦場の簡素なステージで彼女が歌うビートルズのin my lifeとさっきまで馬鹿騒ぎしていた兵士達が静かに聞き入るシーンが感動的です。それだけにこの2つのシーンの後に起こる悲劇が辛い。戦争に人生を翻弄され続けながらも生き抜いた女性の人生を通して描いた素晴らしい反戦映画だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-28 14:42:12) |
1911. 聖者の眠る街
非常に静かで淡々としていますが本当にいい映画です。ダニー・グローヴァーが”息子”に最後に語りかける姿とその時の「俺は精一杯生きていくとお前に約束する。俺の息子よ…。」という台詞を忘れる事はないと思う。そしてこの映画の中で精一杯生きているダニー・グローヴァー演じるジェリーとマット・ディロン演じるマシューの姿も忘れる事はないと思う。素晴らしい演技でした。結末は悲しいけれど、ジェリーが真夜中に明るく懸命に働く、厳しい状況の中にも最後の言葉通りこれからも精一杯生きていこうとする希望を感じさせるラストシーンの姿も忘れないと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2009-03-25 22:25:48) |
1912. ワルキューレ
《ネタバレ》 未遂に終わったヒトラー暗殺計画「ワルキューレ作戦」を正確な日時を明確化してその過程は明らかになっている史実にかなり忠実に再現されていると思われます。側近に囲まれて守られているヒトラーに面会が叶う大物(今回はシュタウフェンベルグ大佐)しか暗殺決行は出来ず更に彼は決行後直ちにベルリンに戻り、その後の作戦の指揮も執らなければならない。シュタウフェンベルグ級の人物がもう1人いれば違う結果もあったかもしれない…。という作戦の過程や弱点が予備知識が無い者にも分かりやすく丁寧に作られていると思います。ただ、ヒトラーは暗殺で死ぬ訳ではなく、自殺したという事なので、この作戦が失敗に終わる事は観る者にも明らかな訳で、その面での面白みは無い。しかしこの作戦に関わったシュタウフェンベルグを中心にレジスタンスの男達の人間ドラマはなかなか楽しめました。それだけに作戦の計画から崩壊する過程を日時を追って描くよりは失敗に終わるこの作戦に関わったシュタウフェンベルグと仲間の男達の熱い人間ドラマをもっと見たかった気がします。 また、計画に気付きながらも告発することなく見逃し、しかし計画が失敗した途端に首謀者達を即刻処刑するも、自らも間もなく処刑されてしまうフロム将軍が印象に残った。首謀者達と深く関わる事になる体制側の人物についてのもう少し突っ込んだ人物描写も見たかったとも思います。 [映画館(字幕)] 7点(2009-03-24 22:16:09)(良:1票) |
1913. テス
このような気が滅入りそうになるストーリーの映画は正直あまり好きになれない。嫌なニュースの多い昨今、せめて映画を観ている時くらいハッピーな気持ちになりたいという考えがあるので、多少強引でも、都合の良すぎる展開でも、ハッピーエンドの映画が好きです。しかしこの映画に関してはナスターシャ・キンスキーの凛とした美しさと彼女の演じるテスの芯の強さがとても印象に残りました。 [DVD(字幕)] 4点(2009-03-23 22:46:20) |
1914. マーシャル・エンジェル
《ネタバレ》 久々につまらない映画を観てしまったなあ。感想としてはそんな感じですか。アクションもお色気も中途半端で地味。この手の映画はもっとド派手に弾けてくれたらそれなりに細かい事は気にせず楽しめる娯楽作になると思うのですが…。 [DVD(字幕)] 2点(2009-03-23 09:09:17) |
1915. アトランティック・シティ
《ネタバレ》 街の至る所が建築ラッシュに沸き、合法的なカジノの街に生まれ変わろうと刻々と街の表情を変えていくアトランティック・シティ。そんな街とは対照的な、羽振りの良かった過去を「あの頃は良かった」と懐かしんで生きていく事しか出来ず、活気のある街から置いてけぼりの落ちぶれた小心者の老ギャングを演じるバート・ランカスターが実にいい味を出しています。特にラスト近く、コイントスをして車のキーを渡し、気持ちよくスーザン・サランドンを送り出すランカスターが哀愁漂うも、とてもいかしていた。監督がルイ・マルだからでしょうね。この手の題材のアメリカ映画とは一味違う雰囲気が良かったです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-03-22 23:43:33) |
1916. 道(1954)
《ネタバレ》 最も印象に残るのはザンパノがジェルソミーナを1人残して去っていくシーンです。毛布を掛けてやり、幾らかのお金を握らせ、彼女が好きだったトランペットを置いて去っていく。その表情にはそれまでに見せてきた粗暴さは無く、彼女の方を振り返りながら立ち去るザンパノが印象的でした。あそこが彼の人生という道の分岐点だったんですね。それだけに海岸で号泣するラストシーンのザンパノの姿が悲しい。その時の自分の行動や判断が正しかったのか、それはその時には分からない。答は後になって道の途中で気付く時がある。そしてその道はいくら後悔しても決して引き返してその地点まで戻る事が出来ない。しかしこれから進む道は自分しだいで変えていけるはず。それが人生という道なんですね…。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-22 02:59:30) |
1917. ミクロの決死圏
《ネタバレ》 子供の頃TVでわくわくしながら観ていましたね。理科の授業や教科書や理科室の人体模型を見るよりはるかに自分の体内にも存在する小宇宙を実感しました。進路を外れて心臓を通る事になったり、手術室のハサミなどのアクシデントもよく計算されていたと思います。体内の様子が神秘的で幻想的で、そして誰とでも気軽に楽しめる娯楽エンターテイメントとしても今観ても十分面白い。体内に残してきた潜水艇はあのままでいいんですか?とかツッコミどころもあるのですが、CGも無い40年以上も前に作られた本作も映画史の中の記念碑的作品の一つだと思います。 [地上波(吹替)] 7点(2009-03-21 16:14:19)(良:2票) |
1918. アメリカン・グラフィティ
《ネタバレ》 高校生の時TVで初めて見た。僕がまだ生まれてない頃のアメリカの青春群像。音楽と映画の雰囲気が見事な一体感で、タイトルまで知っている曲もあれば曲名は知らないけれど耳にした事のある曲ばかり。そんな音楽にクルマに女の子とのドライブやダンスなど、この映画で描かれる一夜が田舎の高校生の僕には別世界のようでもあり、身近な事のようにも感じられた。鑑賞後はモーレツにアメリカに憧れた。そして今でもたまに観たくなる映画の1つ。当時は憧れの世界だったこの映画。年齢を重ねるごとに同じ映画でも見方や感じ方が変わってくることもある。でも、この映画の雰囲気が大好きである事はずっと変わらない。 [地上波(字幕)] 8点(2009-03-20 18:16:18) |
1919. ショコラ(2000)
《ネタバレ》 ラッセ・ハルストレム監督の映画には小さな町や村がよく似合う。良質のおとぎ話か昔話のようでゆったりとした気分で楽しめる映画です。出番は多くないですが、ジョニー・デップはこういう台詞の少ない役がよく似合いますね。最後のアンリ神父の説教「人間の価値は何を禁じるか、排除するかでは決まらない。むしろ何を受け入れるか、誰を歓迎するかで決まるのでは?」がこの映画の全てを現しているようで感動しました。その後、眉間のしわの取れた伯爵がヴィアンヌと目が合った時に見せた穏やかな表情がカロリーヌの笑顔や祭りを楽しむ村の人々の表情と共に印象に残りました。ジョゼフィーヌの店の名前も良かったですね。親子の旅が終わり、彼が村に戻ってくる。みんなが幸せになるこんなラストの映画がとても好きです。 [映画館(字幕)] 8点(2009-03-18 22:37:09)(良:1票) |
1920. 百万長者と結婚する方法(1953)
《ネタバレ》 この頃のアメリカの陽気なコメディはいいですね。マリリンにはやっぱりコメディがよく似合う。本作でも陽気でかわいいマリリンの魅力が全開。そんなマリリンを観ているだけでも楽しい気分になります。 [DVD(字幕)] 7点(2009-03-17 00:08:22) |