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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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1941.  裏切りのサーカス
ストーリーがわかりづらいのはとりあえずいいとしても(いや、困るんだけど、まあ「物語がワカル」ことが映画を楽しむ必須条件でもないので)、本作、物語がなかなか「動かない」ってのが、もうちょっと何とかならんもんでしょうか。推進力の乏しさ。一方でそれを補うのは、ひとつには入念に描写された各シーンの印象深さであり、またひとつには、抑制されつつもそれぞれの存在を主張する俳優たちの表情であり。大のオトナたちが繰り広げる命がけのスパイごっこ、それを静かにかつ残酷に描きだした作品です。その点では大いに見ごたえあります。しかし、ゲイリー・オールドマン、抑制した演技とは言え、それが何だか“抑えたフリを演技した演技”とでも言いますか、いかにも「実はワタクシ曲者なんです」とアピールしている感じがして、うーむこれでいいんだろうか、とやや違和感が。そうそう、あと、冒頭タイトルが出るタイミングの悪さも違和感ありました(この「いまさらタイトル出すなよ」という間の悪さも、推進力を損なってる一因じゃなかろうか)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-24 00:02:31)
1942.  エリジウム
空を見上げるとそこにはエリジウム(昔の子供向け科学絵本に載ってそうな、これぞ「宇宙ステーション」という形をしています)。そこに見えるのに、たどり着けない場所、その憧れを感じさせる描写が、いいですね。一方で、エリジウムの側からは、地表の人間の姿が手に取るように監視されてしまう。こうして見ると当然にして、エリジウムが米国で地球が第三世界各国、ってな感じになる訳で、おお、アパルトヘイト批判に続いて今度は(殆どお約束のように)米国批判ですか、と。それはそれで別に悪いとは言いませんけれども、この映画、ピンと来ない部分があって、それはつまりあの、エリジウムへの密航者のエピソードが描かれる中盤の場面なのですが。このシーンによって、「地球の人間がエリジウムに行きたい理由=病気が治せる」というのがわかるのですけれども、このシーンを我々に見せてしまったせいで、後半、エリジウムへ主人公がやってくる場面のインパクトが薄れてしまった気がします。前半で密航者の「エリジウム行き」を見せるのであれば、それは後半の主人公の「エリジウム行き」と韻を踏む形でその先に待ち受けるかも知れぬ悲劇を連想させるものであれば、納得なのですが、どうもこの密航のエピソードが、単なる設定の説明になっちゃってるように思えて。むしろいっそこんなエピソードは削除し、エリジウム内の描写自体を前半は最低限にとどめ、後半の主人公のエリジウム行きにおいて、その未知の世界であるエリジウムに主人公と我々がともに踏み込んでいく、という流れの方が、ワクワクしたんじゃないのかなあ、と。それとも、あくまでエリジウム=米国だから、すなわち映画の観客もまたエリジウム側の立場、という前提だから、エリジウム内の描写を控えめにする必要なし、ということなんでしょうか…。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-06-17 23:31:38)
1943.  ナイアガラ 《ネタバレ》 
ジョゼフ・コットンがナイアガラの滝になぞらえて人生の教訓を語る。と来れば、追われる彼がボートを盗んだ時点で、おいおいおいおい、と思っちゃう。何がおいおいかというと、この後待ち受けている展開はもう明らかで。本当にそんなシーン、撮れるのだろうか、と。と思ったら、はいスミマセン、ネタバレですが、この後待ち受けていた滝からの転落シーン、ちょっとカワユイ合成映像でした。ここ、『ミッション』(86年英)の冒頭シーンでスタントマンを本当に滝から落としたように(と言っても安全のための仕掛けが施されていたそうですが)、豪快な転落シーンに仕上げてくれてたら、もう10点でも20点でも差し上げちゃうんですけれど(笑)。ダメ男が美人の奥さんをもうらうと苦労するよ、というサスペンス映画。マリリン・モンローがもうちょっとカリスマ性というか神秘性というか、とにかく絶対的な悪女ぶりをみせてくれると、映画にもっと凄みが出たかもしれないけれど、いかんせん、イモっぽく見えちゃうのです。しかし、迫力ある滝の光景と矮小な人間の愛憎劇との対比、はたまた、滝の迫力の醸し出す非日常感の中で展開される、「サスペンス映画の殺人シーンの撮影って、つい凝っちゃうよね」という凝った(笑)殺人シーン。見どころイロイロ、楽しめます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-02 22:11:18)
1944.  激突!殺人拳
『トゥルー・ロマンス』における本作の登場、というのは、千葉チャンがプレスリー並みに神格化された瞬間であった訳ですが。それはともかく、千葉チャン主演のカラテ映画。なかなかエグい。眼つぶし攻撃は当たり前、キメ手は相手の肉体の一部をエグリ取る。なるほどこれは“殺人拳”。千葉チャン演じる剣琢磨、カネのためならどんな悪事も厭わないが、それ以上に、強いものにはガムシャラに向っていく、反骨の男。そんなワケで、物語はホンコンの五竜会とのまさに血で血を洗う抗争となっていくのですが、例によって例のごとく、敵役にはアヤシゲな怪人の数々が登場してバラエティに富んだ死闘が展開されます。しかしこの剣琢磨、日頃の不埒な行いが祟って何かと恨みも買っているもんで、演じられる死闘もだんだんワケがわからなくなってきて、最後はもう丸投げみたいに唐突に終わってしまう。このカタストロフ感が、最高です(笑)。しっかし、千葉チャンの披露する格闘アクション、さすがと言えばさすが、なのですが、本格感を出そうとするあまり、隙の無さを演出するあまり、脇を締めすぎた体勢でやや動きが小さくなっちゃってる感じもします。ここは今後の課題でしょう(今後って?)。でもその分、しっかりと「顔芸」でカバーしております。千葉チャンの気合いが溢れ過ぎるひたすらアヤシゲな表情に、ご注目。
[DVD(邦画)] 7点(2014-05-19 21:35:11)
1945.  プリンセスと魔法のキス
ウチの子供が「どうしても気になるシーンがあるので見てくれ」というので何かと思ったら。“4つ折りの紙を開くシーンで、開いたら何故か折り目が6つ折りになってる”だってさ。おいおいそんな細かい事以外に感想はないのか、と思ったら、作品自体は結構面白かったとのこと。邦題はいかにもベタなプリンセスもの、といった感じですが、実際にはもっとイキのいい内容なんですね。かつ、ほとんど“プリンセス”ですら無い。最後のオチなんか、とんち映画と言ってもいいかも知れません。フルCGではないアニメ作品ならではの、紙芝居的にデフォルメされたミュージカルシーンも楽しいし。しかしアメリカのホタルってのは、あんなに不気味なんですかね??
[地上波(字幕)] 7点(2014-05-11 10:14:39)(笑:1票)
1946.  午後の曳航 《ネタバレ》 
「午後の曳航」といいますとあの、刑法41条にて処罰対象外とされる13歳の少年たちが、よってたかって大人を殺しちゃう、三島由紀夫の小説ですね。三島作品なので、ある程度、解析的な図式によって構成されてます。未亡人である母と船乗りの男との凡庸な恋愛ドラマを描く心理小説の面がある一方で、主人公の少年が属するグループの「首領」少年の存在は、極めてドライで観念的。前者の面は大人の側で閉ざされていて、主人公の少年はそれを外部から眺め、大人の世界に憧れなり畏怖なりを感じている。それは子供らしいと言えるとともに、やはり観念的なものであり、それが「日常」によって実は汚染されていたことを知った時の憎悪が、衝撃の結末に結びついて行く。この観念(論理)と憎悪(感情)の結びつきが、物語小説としての肉付けの上手さ、他の三島作品と比べた完成度の高い低いはともかく、例えば「金閣寺」で主人公が放火に踏み切る過程よりも、この作品の方が、何となく「腑に落ちる」感じがするのです。で、この映画。なかなかよく出来てます。原作が良いんでしょう(笑)、では身も蓋も無いですが。原題は「午後の曳航」の英訳版と同じですから、「小説を映画化しました」であることは間違いなく、実際、細かいところで意外に原作に忠実です。一方で、大人側のドラマの比率を原作よりも下げて、少年の視点を中心にしているのは、これは映画化にあたり妥当なアプローチでしょう(母と船乗りのラブシーンで流れるバッハの有名なへ短調協奏曲が、ベタなメロドラマを演出)。「首領」の美少年ぶり、彼のカリスマ性がよく出ていて、そこがコワさでもあります。あるいは情景の美しさ。心理や感情を書き込む小説に対し、「美」を描き込むことで、古典悲劇みたいな論理性を映画らしく演出しており、ラストシーンのロングショットなんか、いかにも「ばっちりキメてやったぜ」という感じです。ただし「美」でキメ過ぎれば、鼻についたりもする訳で、そこに限界もあるのかも知れませんが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-11 08:53:01)
1947.  11人のカウボーイ 《ネタバレ》 
ジョン・ウェイン師匠が、11人の少年たちを引きつれて牛追いの旅に出る、という比較的明るいオハナシで、ジョン・ウィリアムズのテーマ曲も朗らかに鳴り響きますが、そうは言ってもこの旅、命がけ。牛の群れに巻き込まれれば死が待ち受けているし、はたまた道中には悪いオトナたちが彼らをつけ狙っている。音楽も複雑な色調に。そんな旅の中で、ジョン・ウェインは少年たちに対しては常に毅然とした態度を貫いているのですが、一行の中のもう一人の大人である頑固一徹のコックさんとの会話の中に、大人なりの心の揺らぎが表れたりも。少年たちの描写は、一部を除いてはっきりした性格付けはなされず、集団(Cowboys)として描かれる場面が多いですが、ジョン・ウェインとコックさん、この大人ふたりの描かれ方がなかなかに絶妙なのです。それにしても、少年たちが大人になること、というのは、西部劇の中ではやっぱり「悪人を殺すこと」でなければいけないんでしょうかね(悪人のリーダー、ブルース・ダーンへの仕打ちはさらにエゲツない)。ジョン・ウェインは、銃を持った悪人に背を向け、毅然と歩きながら射殺される。師匠の死を目の当たりにし、その毅然とした姿を心に刻んで、少年たちは大人の男へと成長する。かくして親父たるジョン・ウェインの魂は、少年たちへと受け注がれていくのですが、残念ながら、西部劇映画の魂は、もはや70年代に入って順調に引き継がれていくという訳にもいかず。結局のところ、「死んでみせることで復讐を喚起する」という素朴な図式に、良さもあれば限界もあるのかな、と。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-06 16:23:12)
1948.  ブラッディ・ガン
オーストラリアが舞台の西部劇、という点が異色と言えば異色ですが、内容的にはわりと正統派。トム・セレック演じる主人公のガンマンが、オーストラリアの雇い主(アラン・リックマン)の元にやってくるが、雇い主とひと悶着あり、砂漠に追放されちゃう。そこをアボリジニたちに救われて。と、ちょっとサンダードームみたいなオハナシでもあるのですが、いやなに、マッドマックスだって広い広い意味では西部劇の一種。本作はもっと明るくおおらかな作品ではあるのですが、アボリジニたちに対する迫害が描かれ、主人公がアラン・リックマンへ立ち向かっていくことに。主人公の持つ銃が、やみくもに長いライフル銃で、どんな遠くの敵でも倒しちゃう。それを飄々としたトム・セレックが何食わぬ表情でやってのけるのが、痛快なところ。射撃だけ超人的で、あとはとっても人間的なんですね。で、冒頭で知り合ったこれまた風変わりな女性との珍道中も見所なのですが、ここも、衝突と和解を繰り返すような単純な人間関係じゃなくって、突拍子もない女性の言動に手を焼きつつも飄々と受け流していくうちに、徐々に二人の関係が深まっていく様子がうまく描かれていて、そこから繋がるラストのオチも気が利いてます。途中の火災の場面で、一部、まだ火災発生前のシーンなのに部屋が燃えちゃってたりするのは、御愛嬌。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-05 22:44:24)
1949.  吼えろ鉄拳
真田サンがここでも体張ってます、命賭けてます。ビル登ったり、爆薬の中を走り回ったり、二階建てバスの上でアクションしたり。中でも圧巻は、あ、何と東尋坊に頭から飛び込んじゃってます。良い子も悪い子もマネしないように。レイダースよろしく、おサルさんを連れてるな、と思ってたら、やっぱりレイダースのように馬から車に飛び乗ってみせる、ココも勿論、真田サン自らスタントをこなす(ン?レイダースって同じ81年の作品、当時まだ日本では公開されてませんね? レイダースのパクリではなくって、偶然にも似てしまっただけなのか?)。さて、真田サンの熱演に応えるように、キャストも豪華(と言ってよいのか?)。冒頭のクレジットで、アブドーラ・ザ・ブッチャーと成田三樹夫の名前が並んでるの見るだけで、壮観ですな。悪役の道を極めた二人がここに集結。いや、ブッチャーはここでは悪役ではなく、真田サンとじゃれあっているだけですが。オネーチャンたちに“スパルタカス~”なんぞと呼ばれて(←役名のようです)大張り切り、たどたどし過ぎる日本語で見得を切り(多分、「結構毛だらけ猫灰だらけ」と言ったんだと思うのですが)、巨体でプールに飛び込んで上がる水しぶきは、もうそれだけでスペクタクルシーン。さてそれでは悪役側の布陣はと言いますと、安岡力也が睨みをきかせたかと思えば、サイレントサムライ福本清三氏も謎の刺客として殺陣を披露。さらにはグレート小鹿会長も登場、あ、小鹿さん先日ベルトを獲ったそうで、おめでとうございます(すみません、何のベルトか知りませんけども、えへへ。しかし未だ現役。さすがです)。まあそれなりにキワモノ系の映画なもんで、明け方に一人でこっそり観てたら、こういう時に限ってウチの子供は早起きしてくる(笑)。しかし、激しいアクションとコミカルなシーンの連続、早朝から親子で大いに楽しみました(自転車のくだりがもう可笑しくって……)。こういう映画こそ、愛情を持って「バカ映画」と呼べる作品ですね。
[DVD(邦画)] 7点(2014-05-03 21:09:23)
1950.  ウルヴァリン:SAMURAI
確かにこりゃ「間違ったニッポン」ですな、何しろ新幹線にパンタグラフが無いもん。そんなの本作では間違いのうちに入らんだろうって? そうなんだけど、ここでは「高速鉄道の上で格闘を繰り広げる」という力学がすべてに優先し、そのためには物理法則にも新幹線の構造にもとことん近似がかけられちゃう。でその結果、素晴らしくワクワクするシーンに仕上がってます。リアリティを持ち込んだかと思えばぶち壊し、あえて期待を裏切りつつ、でも面白けりゃOKやんか、と。中でも入浴シーンは大いに受けました、これぞ間違った「間違ったニッポン」像、とでもいいますか。ウルヴァリン氏が海辺の村にやってくりゃ、こりゃ何だか「007は二度死ぬ」みたいだと思っていると、“窓の下にたまたまプール”って、これは確か「ダイヤモンドは永遠に」じゃなかったけか。何か期待を裏切ったかと思えば、こういうあたりは、誰もしてない期待に妙に忠実、と言ってよいのやら悪いのやら。友情物語のような発端なのに、妙なところオハナシが向っていくところも、期待をはぐらかしていて。全体的にはいささか話が暗い感じがして、いっそもう少し明るくハジケけちゃってもいいんじゃないの、と思わないでもないけれど、その辺りも、一連の「期待への裏切り」、なのかどうなのか。ところで、いくつかのシーンで「どこかで見たような。まさか鞆の浦?」と思って後で調べてみたら、ホントに鞆の浦でロケしてたんですね。福山駅でもロケしてたのこと、それは気付きませんでした。いっそ駅前の福山城も登場させれば、というところだけど、そういう安直な期待には応えませんよ、というのが、この映画。 それにしても日本人は、パチンコに夢中になったら最後、何があっても動じない。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-04-27 17:57:13)
1951.  ホワイトハウス・ダウン
これはもう、ダイハードとの共通点を数えるよりも、異なる点を数えた方が手っ取り早いですかね(例えば「腕時計」か「懐中時計」かの違い、だとか…?)。というのはさすがに大げさにしても、これだけ共通点があるのは意識的なものなのでしょう。ただ、ダイハードにおいては、装甲車をロケットランチャーで迎え撃つシーンや、ビルの谷間をヘリが飛んでくるシーンなどは、いかにも「街中が戦場と化す」という象徴的なシーンで、一気にボルテージが上がるというか、スイッチが入るというか、そういう印象深さがあるのですが、本作では、ソックリなシーンをとりあげていながら、はるかに印象が薄く、まるで他のアクションシーンに紛れ込ませるようにサラリと挿入している感じ。こういうメリハリの無さが、エメリッヒ監督の好みでもあるのでしょうか。『インデペンデンス・デイ』などでは、7月2、3、4日と、日を区切ることである種のメリハリをつけていましたが、むしろアチラの方が例外的だったか、とも思えます。と言う訳で、ここぞという盛り上がりがわかり易く提示されてはおらず、ゴチャゴチャとしたアクションが雑多に盛り込まれた感じの作品ではありますが、それでも楽しめるのはやはり、各登場人物がその混沌の中で自分の役柄を一生懸命全うしているからでしょう。主人公の娘は、ホワイトハウスマニアの立場を全うし、案内係もまた負けじと、ホワイトハウスマニアたる本領を貫く。この二人に比べると主人公と大統領はやや影が薄いのですが(笑)、主人公は、大統領を守ることこそ娘を守ること、と一途に張り切り、一方の大統領もまたあくまで大統領であることに忠実であり、安易に感情を露わにはしない。ジェームズ・ウッズは体型こそ丸くなったけど、その分、貫禄をもって、冷徹な狂気を演じている。結局のところ、一途でないヤツが一番悪い、という、そんなオハナシ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-04-20 08:50:41)(良:1票)
1952.  野獣都市(1970)
三國連太郎演じる社長と、黒沢年雄演じる学生が意気投合。要するに釣りバカ日誌な訳ですが、釣りが取り持つ縁ではなく、こちらは銃つながり。過激派学生が幅を利かせる大学に嫌気が差し、主人公の青年は、射撃が縁で知りあった社長の片腕となって働く決心をするが、こちらのスーさんは、あくどい事も辞さずに成り上がった、かなりの曲者。って、アチラの釣り好きスーさんも実は陰で悪どいコトしまくってるのかもしれないけれど。それはともかく、それを機に、青年は、社長と敵対する者たちとの抗争に身をおくこととなり、場合によっては殺人にすらも手を染める。というハードボイルドな作品ではあるのですが、監督が福田純。ゴジラ映画の監督さんですねえ。さすがに本作ではあんなオチャラケはやってませんけれども、ノワールでアンチモラルな物語の割りには、過激さはまったくといっていいほど感じさせない、比較的控えめな印象の作品になってます。むしろ、スーさんも含めた“わるいやつら”が闊歩する社会の中で、スーさんに賭け、時には悪事にも手を染めながら、スーさんと一緒に成り上がることを夢見た青年の一途さを描いた、青春映画とも言えるでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-04-16 21:14:37)
1953.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
ワールド・ウォーZという作品を観ていると、設定上は一応、世界がパニックでさあ大変一体どうしたらよいのか、という内容なもんで、主人公も一応、自信無さそうな迷いの表情を浮かべて見せるのだけど、それがうわべだけで、行動や態度にはあまり反映されないところにちょっと違和感を感じちゃう。世界各地で危機にあいつつ、それを切り抜けていく主人公のストレートな活躍を観ていると、こういう役柄は、半端に迷ってるふりをする主人公よりも、何一つ迷うことのないジェームズ・ボンドみたいなヒトの方が相応しい。で、実際、同じマーク・フォースターという監督が手掛けた007シリーズが、コレなんですな。物語の都合もあれば、クレイグ=ボンドのもつ雰囲気もあるかも知れないけれど、このボンドは、迷わない、表情も変えない、ただ、殺しのライセンスを濫用し続ける彼の行動の中に、怒りが表れている。もちろん007ですから、海上やら空中やらで曲芸みたいなアクションもやって見せなければならず、シリアスなボンド像がそれと相容れるのか、という問題もありましょう。また特に、007シリーズにおける殺しの場面というのは、多少オチャラケを含んだ、一種のショーとしてあったりした訳ですが、本作ではそういう要素が乏しいばかりか、ボンドが最後に敵に与える仕打ちに至っては、それは画面外での「野垂れ死に」ってんだから、画面内での華々しい死に様という悪役の特権を拒絶しており、これまた随分、辛辣なのです(ワールド・ウォーZのゾンビより扱いが悪いかもしれんなあ)。そういうシビアさもあり、はたまた106分という尺の短さもあり(シリーズ最短かな?)、本作、ひきしまった印象があります。ただ、アクションシーンをもうちっと丁寧に見せてくれたら、さらに数段ひきしまったかとも思いますが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-04-15 00:31:50)
1954.  真剣勝負
クサリ鎌の宍戸梅軒との戦いを描いた宮本武蔵映画、主演も監督も東映5部作と同じですが、こちらは東宝、だもんで、冒頭に登場する過去の戦いのダイジェストは、5部作から引用したかのように同じ雰囲気を湛えてはおりますが、当然ながら撮り直したもの。吉岡伝七郎との戦いの場面など、背景の三十三間堂は完全に書割りだったりして、ちと残念なんですね。しかし本編は、5部作とは完全に異なる独自の世界。チャンバラ映画というより、怪談というか妖怪譚というか。不気味なんです。前半、武蔵が梅軒の家を訪れる。その夜の不穏な空気。梅軒は部下の八人衆とともに武蔵を闇討ちしようとする。それを察知した武蔵。後半は、夜が明け、彼らと武蔵とのいつ果てるとも知れぬ戦いが描かれます。これがもう、まるで、賽の河原で鬼を斬る、といった感じの、現実離れした虚無的な世界。三國連太郎演じる梅軒の、完全にイッちゃってる鬼気迫る表情と、ニヒルに彼を追いつめる武蔵、本当の「鬼」は一体、どちらなのか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-03-31 23:17:51)
1955.  もつれタンゴ
ダンスホールを舞台に、2人のバンドマンがクローク係のオネエチャンを狙って喧嘩するオハナシ、というのなら普通だけど、ここにもう一人の男が加わって三つ巴の喧嘩になるのがミソ。って、2人が3人になったからと言って、どやねん、ってなとこですが、その明らかにオジャマ虫である3人目の男が、チャップリンであるとうところがミソ。チョビ髭もドタ靴も無い、普通の扮装の小男であるチャップリンが、出演者の誰にも負けるまじと、ひっきり無しにコミカルな挙動不審ぶり(笑)を演じる芸の細かさに、また一方ではこれでもかと激しく動き回る。こういう作品を通じて、自分のキャラクターを作り上げていったのかな、と。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2014-03-18 22:33:43)
1956.  忍者武芸帖 百地三太夫
とにもかくにも、「若いって、エエのう」と、半ば呆れつつも半ば感心する、うれし恥ずかしな作品。何がって? 真田サンが若いんです。もう魅力全開。伊賀忍者の親玉ともいうべき百地三太夫の名をタイトルに持つ本作、映画開始からまもなく、肝心の百地三太夫は死亡(笑)。そこにふらりと現れるのが、真田サン演じる鷹丸なのですが、これがもう、ムキムキにしてサワヤカ、そして男前。まあ要するにコレ、アイドル映画です。しかしJAC風味のアイドル映画、ですから、アイドルにもそれなりの事はやってもらわないといけない。体脂肪率ゼロ%かというような肉体美を披露しつつ、見事な武術アクションを展開。彼が登場したとたん、忍者映画ではなくカンフー映画と化してしまい、これぞ和製ジャッキー・チェンです。時には(なぜか)ダンスも披露するし、また時には危険なスタントにも挑戦。真田サン、お城の天守閣からホントに飛び降りちゃってます。すべてにおいて、ここまでやるか、という、まさにJACならではのアイドル映画。志穂美悦ちゃんも負けじと、うれし恥ずかしなアイドルぶりとアクションを見せつけてくれます。脇を固めるのが、丹波哲郎とか千葉真一とか、要するに妖怪系の面々(笑)で、ノリノリかつワケのわからん言動が映画を大いに盛り上げます。と言う訳で、どうにもこうにも浮世離れの甚だしい作品ではありますが、何かイイモン観たな、という気にさせてくれる映画です。あと、真田サンって、スゴイな、と。ほんと、若いってイイです(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-03-17 23:12:25)
1957.  のぼうの城
多勢に無勢、2万人対5百人の戦い。ってのが何だか、この作品における「豪快過ぎるスペクタクルシーン」対「野村萬斎のひとり踊り芸」と重なるような気がして。実際、この作品では(とくに前半)、主人公であるはずの野村萬斎の扱いがあまりよろしく無くって、あまり光も当たらない。むしろ彼を取り巻く人々の表情の方が、描かれてます。それに、この主人公、奇行が目立つとは言え、「天才」ならではの裏のある奇行なんぞではなく、むしろ裏が無く計算もあまり無く、場の空気や常識にそぐわぬ闇雲な率直さが結果的に奇行奇策に繋がっていく、という具合。映像は派手な合戦シーン、派手な水責めシーンと、どんどん視野を広げスケールを大きくしていき、主人公の魅力と野村萬斎の芸が、それに対抗する。ってのが、何だか愉快ではありませんか。
[地上波(邦画)] 7点(2014-03-16 20:44:14)(良:1票)
1958.  悪魔の陽の下に
87年のカンヌ映画祭パルム・ドール。いかにもテツガク的な作品でございます、といった感じで、なかなかにとっつきにくいのですが、ひと癖ある奇妙な作品でもあります。ジェラール・ドパルデュー演じる主人公の神父、深刻な自己懐疑に捉われており、今日も今日とて自らを鞭打つ苦行に励む。一方、男たちをたらし込むハスッパな少女、自分を捨てようとした男を射殺してしまう。そのふたりが出会った時、彼らに何が起こったか、彼らに救いはあるのか…とはいかないのが本作。救いなどなく、神父はさらなる自己懐疑に陥るしかない。彼は、ときには彼を誘惑する悪魔を退け(誘惑と言っても、自称「悪魔」はただのオッサンの姿なので、私でもこれは願い下げだけど)、またときには死者を蘇らせる奇跡すら起こす。でも自身が自己懐疑にとらわれている限り、彼に救いは無い訳で。死に至る病とは絶望のことである、とかつてキルケゴールが言ったけど、自己懐疑・自己否定・自信の無さといった「絶望」こそ、人間の心に巣食う“悪魔”であり、しかもそれは人間が本質的に抱えている“救われなさ”でもある。いやですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-03-13 22:46:46)
1959.  夜の道
途中までは、これは傑作なのではないかと思って観てたんですけど、だんだん平凡な作品になっていくような気がして。よくできた物語です。ジェームズ・スチュアート演じる主人公、過去に列車強盗をみすみす逃がしてしまったため、今では流しのアコーディオン弾き(?)に身をやつしているが、今でも凄腕なのは、通りすがりにイジメられてる少年を助け出す場面をみてもわかる。ちなみにこの少年は、顔を見ればわかるように、『シェーン』に出てたあのブサイクな少年です。で、そんな主人公に、再び、列車強盗から現金を守る仕事が舞い込む。峡谷をゆく列車、はたして現れた列車強盗。ココ、なかなか見ごたえのあるシーンです。物語も上手く編まれていて、ちょっとした脇役が何度も登場して見せたりするのが楽しいところ。主人公には、現金を守る使命があると同時に、確執を抱えた弟とも対峙せねばならぬ。つまりは様々な過去との対峙。「親父が唄ってくれた歌」なんてのもあったりして、自分のルーツを遡っていく訳ですな。と聞けばエエ話なんですが、実際にはどうもお話が深まらず、最後はアリガチな銃撃戦とアリガチな顛末でお茶を濁された感があって、どうも尻すぼみなのです。悪くはないのですが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-03-08 11:56:49)
1960.  コント55号と水前寺清子のワン・ツー・パンチ 三百六十五歩のマーチ
大金を持って鹿児島から上京してきた、やや鈍重なところのある二郎さんと、江戸っ子で気風がいい、というよりノリがやたら軽い板前の欽チャン。ひょんなことから二人は意気投合し、新しい料理屋を構えようとするも、店舗購入には資金が足りず、そればかりかうっかり手を出した競輪でスッてしまって、前途多難。さらには欽チャンたちが住むアパートの立ち退き問題も巻き起こる。ってな内容は、さすがにこのタイトルからは想像できませんねえ。しかし「汗かきベソかき」ってのは、いつもコントで欽チャンに無理難題をふっかけられ訳の分らぬ奮闘を繰り広げてきた二郎さんにピッタリの歌詞。本作でも、演出なのやらホントの汗なのやら、大奮闘。「ボケに対するツッコミ」というより「ツッコミに対するボケ」みたいなところがあります(今でいうとサンドウィッチマンの芸風が少し近い?)。当然ながら欽チャンはさらに若く、実に溌剌。さらに脇を固める面々も賑やかで(キックの沢村に、浪曲社長の圓歌師匠、西村黄門様に仮面ライダー1号。マエタケもいれば、財津一郎も忘れないでチョ~ダイ。あ、そういえばチーターもいたけっか)、物語は手堅くって派手さはありませんが、実に楽しい映画です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-16 10:14:52)
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