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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.   《ネタバレ》 
このとき高峰秀子17歳。ずいぶん子供っぽい。昔の、しかも田舎だとこんなもんか。特集上映で『綴方教室』のすぐ後に見たので「子役」のイメージを引っぱってたってのもあるかもしれん。ところが、預かった馬が子馬を生んでその子馬が売られるまでだから物語の期間は2年くらいだろうか、その物語の終盤で女工を勤め上げた高峰が子馬と再会する場面ではどこか大人びたところをはっきりと見せる。なるほど序盤の子供っぽいのは役作りだったのかと合点がいった。若き黒澤明がこのとき高峰に惚れたのもついでに合点がいった。それにしても淡々と語るセリフまわしの変化の無さとは裏腹にその雰囲気の差異には驚いた。これが女優か。それとも演出の賜物なのか。馬を巡って家族がもめたり嘆いたり喜んだり悲しんだり。そこには物語以上に当時の厳しい生活が活写されている。その見事なまでのリアリズムは山本嘉次郎の色。合間に挟まれる弟くんのエピソードが微笑ましい。
[映画館(邦画)] 7点(2011-10-19 14:02:43)
2.  追跡(1947) 《ネタバレ》 
内容は「嵐が丘」のような愛憎渦巻く昼ドラ的大河ロマンということになろうか。まあただしあくまで大筋がそうであってそのドロドロに焦点を当てて見せようとはしていない。またラオール・ウォルシュの他の西部劇同様に純然たる西部劇でもない。主人公の出自の謎と運命の女の登場と殺しの策略が描かれているのだからこれはもう堂々とフィルム・ノワールだろう。馬とともに歩く主人公のはるか奥の山手に人影が見えるという西部劇の舞台である大地の地形を効果的に取り入れているが、その上方の人物は対峙してガンアクションを披露することはない。西部劇としての違和感はあるもののけしてこの展開は嫌いじゃない。でも主人公の無表情も相まって総じてじめじめしすぎているのが難。最後だけ西部劇らしくてホッとした。強引だけど。
[映画館(字幕)] 6点(2011-10-06 15:08:47)
3.  壮烈第七騎兵隊
序盤はコメディです。しかもなかなかの良質。ヒロイン登場シーンもロマンスコメディとして最良の出会いの見せ方。セリフの掛け合いも楽しい。しかし中盤以降は徐々にコメディ色が薄くなる。なのにセリフの量は減らない。そのセリフがいつもユーモアに富んでいるのがアメリカ映画らしくていい反面、そのユーモアだけで持たせている感も否めない。そして何よりも尺が長い映画でこのセリフの量は疲れる。戦争シーンは凄い。南北戦争も凄いけど圧巻はやはりクライマックスの先住民連合との戦い。広大な土地を大きく映し、そのあらゆる方向から馬群が駆ける様を見せ付ける。同監督『ビッグ・トレイル』(1930年)同様に本物の画に拘っている。しかし『ビッグ・トレイル』同様に本物志向の迫力の画と劇映画らしい語り口との融合がうまくいってないような気もする。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-10-05 15:08:24)
4.  死の谷 《ネタバレ》 
「西部劇」らしい守られるべき女がいる。その女がいとも簡単に主人公の男を裏切る。この場面で違和感を感じるのはその裏切りが本来描かれるわけのない「西部劇」スタイルの映画で描かれるからだ。たしかにこの映画は犯罪映画『ハイ・シエラ』のセルフリメイクである。しかしこれの2年前の『追跡』を見ても西部劇の仮面を被った犯罪映画なのだ。そう、ウォルシュは西部劇の監督ではなく犯罪映画の監督なのだ。しかもこのラストシーン。ニューシネマじゃん!いやはや、純然たる西部劇として見たら違和感ばかりが目立つが、この時代にこのスタイルは相当に新しいと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-04 14:34:57)
5.  地獄への逆襲
前年のヘンリー・キング『地獄への道』の続編。主役は前作で暗殺されたジェシー・ジェイムズから兄のフランク・ジェイムズに代わり、ジェシーを殺したフォード兄弟への復讐劇というのが大筋。それよりもなによりもビックリなのが今作の監督がフリッツ・ラングってこと。ラングの西部劇ですぜ。もうそれだけでドキドキなんだけども、正直ラングの色はわからんかった。メディアを使った情報操作や後半の法廷劇に見られる陪審員操作あたりはたしかにラングが描き続けた群集心理が描かれているんだけど、そこに恐怖がない。むしろユーモアにあふれている。不安感がない。むしろ安心感にあふれている。与えられた脚本に手を加えなかったのか。退屈しない語り口においては『地獄への道』よりも断然良かったのだが、ラングという名前がハードルを上げたせいかちょいと拍子抜け感が残る。
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-07 15:13:35)
6.  恐怖省
マイクロフィルムをマクガフィンにしたスパイサスペンスにして典型的な巻き込まれ型。代名詞としてはヒッチコックなんだけど、ヒッチコックが先なのかラングが先なのか、どうなんだろう。登場人物が多すぎることと病院から出所するシーンから始まる何やら謎めいた過去を持つという設定の主人公のせいで純粋にサスペンスを堪能しにくい作りになっている。そういう意味ではヒッチコックに軍配が上がりそうなんだけど、物語を楽しむことに限定すればラングもけして負けてない。さらにサスペンスの弊害となっているだろう複雑な構成はもはやラングらしさとも言える「不安感」を出すことに貢献している。そしてモノクロを活かした光と影の演出は流石、絶品です。まあでも、もうちょっとすっきりとしてくれたほうが・・いいかも。
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-06 14:24:09)
7.  飾窓の女 《ネタバレ》 
オチに関しては当時はともかくとして今の視点から言うとちょいと残念な気もするんだけど、そのオチに強引さは全くない。むしろ飾窓の美女が現実に現れるという夢のような出来事からしてみれば実に自然な展開、適格なオチと言える。そんなことよりジョーン・ベネットだ。言い方は悪いがまさにお飾り的な美しさ。いるだけでいい美人。他の作品で見たジョーン・ベネットでここまで綺麗なのってあったか?我々小市民は映画という疑似体験装置で超美人とイチャイチャしてその代償として恐ろしい体験をしたりするわけだが、この真面目な大学教授、エドワード・G・ロビンソンはその疑似体験を擬似であることを知らずに体験してしまうのだ。おー怖い。その心情が丸分かりの滑稽極まる表情を見せるロビンソンは私でもある。あー恥ずかしい。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-11 15:53:06)
8.  浜辺の女(1947)
うんうん、ヒッチコックの映画みたいだった。そのうえジョーン・ベネットはファムファタルの匂いプンプン。ジャン・ルノワールの映画とは思えない。かわいい恋人をほったらかしにして人妻にのめりこんでゆくロバート・ライアンの異様な行動よりもその人妻の亭主チャールズ・ビックフォードの異様さのほうが勝ってるもんだから先が読めない。三人のうちの誰かが悪意を持った人間ならばそれこそフィルム・ノワールへと昇華するのだが、どうも一概にフィルム・ノワールと断言できないところがミソといえる。でもファムファタルはどうだろう。女に翻弄される男には何やら戦争の傷が影響されているらしき描写があるもんだから「女」そのものに宿るファムファタル性の強さがうやむやにされてる。もちろん狙いなんだろうけど、ここはもっと単純でいいような気も。ひとつの画、ひとつのシーンで怪しさをかもし、サスペンスを盛り上げる。このあたりはさすが。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-01 17:03:00)
9.  恐怖のまわり道 《ネタバレ》 
ニューヨークのクラブのピアノ弾きと看板歌手は恋人同士。この歌手が夢を追いかけてハリウッドへ行っちゃう。見る前にもらったチラシにファムファタルものだとあったのでてっきりこの歌手がファムファタルなのだと思ってたんだけど全然そんなふうにはならない。お金がない男はヒッチハイクで恋人のいるハリウッドを目指すのだがなかなか女は出てこない。と言ってる間に最初の事件(事故)が女無しで起こる。まったく予測不能状態でようやく第二の女が登場。こいつが運命の女であった。強烈。運命の女というには強烈すぎる(もうちょっと見た目なんとかならんかったのか)。しかし歌手の恋人の話なんかどっか飛んでっちゃうくらいにこの男の運命は大きくひん曲がっちゃうわけで、まさしくファムファタルものなのだ。いつまでたっても目的地に着かないロードムービーでもある。不運の主人公を演じたトム・ニールが数年後、実生活で奥さんを殺しちゃったとかでカルト化しちゃった映画でもあるらしい。が、それ以前に夜の雨がモノクロの画面に映えるフィルムノワールの傑作である。
[映画館(字幕)] 7点(2010-12-06 16:33:31)
10.  逃走迷路
間違われ、巻き込まれ、逃亡し、追跡し、そしてアイディアと工夫に満ち、いかにもヒッチコック映画なんだけど、同年の『疑惑の影』なんかと比べてもいまひとつ印象が薄い(てか、『疑惑の影』と比べちゃダメか)のはあまりに見所を詰め込みすぎたエンタメ志向だからだろうか。先に『北北西に進路を取れ』や『めまい』を見ている者からしてみればそのエンタメの最たるシーンであるクライマックスもちょっと弱い。このクライマックスにも言えるんだけど、ヒロインがヒロインとして出てこないのが決定的に痛い。捕まったって、殺されるようなことにはならなそうで全然ドキドキしないし。前半の逃亡劇が面白く、盲目の老人の宅に雨宿りし、ここでようやくヒロイン登場となり、ここから又楽しくなりそうになるのに。編集で魅せる船の爆破シーンはうまいなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-21 14:02:51)
11.  マン・ハント(1941) 《ネタバレ》 
ライフルの照準器に映し出されるヒットラーという衝撃的な画から始まり、のっけから緊張感が漲ります。まずはドイツでの瀕死の逃亡劇、ここは怖さよりも逃亡劇としての面白さが勝つ。迫り来る軍用犬の吼え声や森の中を逃げる男と追うナチスの距離感が絶妙。なんとかロンドン行きの船に潜り込み善意の少年が登場するのだが、結果から言うと無事ロンドンに辿り着くんだけど、いやーな空気が充満してて居心地の悪い怖さがこの辺から漂い始める。こっちとしてはロンドンに着けばこっちのもん、と思って見てるもんだから何か起こるとしたら船だと思ってるもんで。そのへんのじらし方がいやらしい。で、ロンドン。ジョーン・ベネット登場。おや?と思う。どこかロマンスコメディの様相に。その後は逃亡劇、スパイ・サスペンスってこともあってヒッチコックっぽくもある。ドイツの森同様にロンドンの地下鉄での逃亡劇なんか「うまさ」が目だって、やはり怖さより面白さが勝ってくる。ベレー帽の矢の形の飾りを印象的に出してくるあたりもやっぱりうまいんだけど、まさかこれが怖さへと繋がってゆくとは!作品のカラーが一気に変わる。こういうのってもしかして散漫って言うのかもしれないが、それほどに恐怖は突如襲ってきた。ナチスの恐怖を描くのにこれ以上ない展開。この後味の悪さだけで全体が暗い映画のような印象を持ってしまいがちだが、実はこれに続く『死刑執行人もまた死す』よりもずっと単純なストーリーでずっと単純な面白さを持った作品であることは間違いないと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-01 18:40:07)
12.  夜の人々(1948) 《ネタバレ》 
3人の脱獄囚がとある場所を目指す冒頭の短いシーンで3人の立ち位置と人となりが映し出されている。主人公の青年が脱獄囚でありながらさほど悪い人間ではなさそうであることがすでにここで明示されている。もちろん言葉での説明なんて無い。女との出会いのシーンはそれが運命の出会いであることが一目でわかる。お互いほとんど言葉を交わさないシーンでも、それは出来るのだ。そして不必要な言葉で埋め尽くされることでぎこちなさが強調される告白シーンの初々しさよ。共に逃げる悲壮よりも共にいることの幸福がはるかに勝る新婚生活の瑞々しさよ。そして儚さよ。とくにヒロインの、初登場シーンの暗さから一転して見せる輝かしい笑顔は、それだけで幸福感を満たせ、またその後の暗雲をも予感させる。バッドエンドという結果の分かりきったラストシーンは、それでも二人のハッピーエンドを願わずにはおれない。
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-30 15:24:43)
13.  肉体の悪魔(1947) 《ネタバレ》 
大きな物語は見たとおりなのだが、物語の核心部分、つまり二人の気持ちの移ろいといったものがほとんど描かれていない。スター俳優を使ったハリウッド映画のようにこの瞬間に惚れましたって顔のアップでその心理を表現するでもなく、かといって心の葛藤を背景や小物で暗喩的に表現するでもなく、ひたすら物語によって物語を充足する。それでも足りないもんだからところどころで唐突感を覚えたり置いていかれたりする。不評の主演二人は個人的にははまっていたように思う。病んでゆく女と二人、思い出の酒場にて心理的見せ場が盛り上がってゆくが、感傷的なそのシーンよりも、欲望のままに過ごした退廃的な二人の生活シーンにもっと凝ってほしかった。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-24 15:13:06)
14.  白熱(1949)
極悪非道。徹底してます。母親が牛耳ってるという構図は30年代に実際にいたバーカー一家(ロジャー・コーマン『血まみれギャングママ』の元ネタ)ってのがあるんだけどこの母親への依存度の異常さの徹底が極悪非道さをリアルにしている。この異常な依存があるから潜入捜査官への強固な信頼がまたリアルとなる。サミュエル・フラー『東京暗黒街・竹の家』のその関係が変質的であったように、構築されるはずのない関係が構築されるにはそれなりの理由が必要でその影には異常さが不可欠なのだ。仲間であっても殺すことになんの躊躇も感じない非道ぶりを見せつけているので潜入捜査官とのやりとりは常にドキドキもんなのだがそこはネチネチいかず意外に淡白。そのぶん怒涛の反社会行為がテンポ良く襲い掛かる。最後の石油コンビナートはたしか鈴木清順『悪魔の街』でも使われてたけど、この映画が後の多くの映画に多大なる影響を与えたであろうことは見ればすぐわかる。インパクトが凄まじいのだ。強烈なキャラクターとしての最善の最期がとどめを刺す。
[映画館(字幕)] 9点(2010-07-16 15:18:13)
15.  群衆(1941)
いきなりとある新聞社のプレートが外されるシーンから始まり、社員が次々とジェスチャーでもってクビを宣告され、宣告された一人の女性が上役にかけあい懇願し落胆し憤慨するその傍らで、その間中新たなネームをドアに書き入れる職人が邪魔に邪魔され続ける様の流れるような見せ方が実にスムーズで且つ面白い。キャプラの楽しい映画が始まる。しかし思いっきりコメディな冒頭部から徐々に社会派色が色濃くなってゆく。それでも男が群衆に祭り上げられてゆく展開そのものはコメディそのものだし、随所にユーモアを散りばめた演出もあって傑作の臭いまで漂ってきたのだけど、終盤はえらくブラックな展開が待ち受けており、社会派は残ったままコメディは消え去り重く暗いヒューマンドラマで締めくくる。重い暗いと言ってもそれがダメなんじゃなくてむしろ群衆にバッシングされるシーンの雨の中の孤立無援ぶりの凄まじさは強烈な画として印象深くすごくいいと思う。ただ、最後の最後。感動的なのはいいのだが、その重さ暗さをひきずってるのがどうも。なんとか笑ってお終いにしてほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-11 17:21:23)
16.  ヒズ・ガール・フライデー
同じくホークス監督の傑作『赤ちゃん教育』ではヒロインのマシンガントークに翻弄されることで笑いをとっていたケイリー・グラントが今回は見事な掛け合いで笑いをとる。セリフが終わらぬまにセリフが重なることの繰り返しに観てるこちらは呆気にとられるしかなくその計算しつくされた怒涛の会話の応酬に感心しきり。元夫婦という設定が活きていて、説明なくても「ああ、あの人の策略ね」「ああ、またやられた」とロザリンド・ラッセルがうんざりぎみにしてやられた表情をするだけで(これがまた楽しい)、スピーディな展開に水を差さないのがいい。言葉のラッシュのガチャガチャ感をさらに煽るグラントの身振り手振りもサイコーにおかしい。ハイテンションに乗じて強引に終わらせるのも「楽しかった~!」という余韻を残してくれていい。こういう楽しい映画を新作で観たいなあ。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-09 13:08:12)
17.  罪の天使たち
修道院内というほぼ限定された場所を舞台としているせいか、その後のブレッソン映画には見られない「劇」的なものを感じた。もちろん「罪」をテーマとしているところやその「罪」が元来人間に備わったものであるかのような描き方はいかにもブレッソンなのだが、「劇」的であることでブレッソン独特の生々しい厳しさが緩和されているような気がする。さらにブレッソン印の無感情な人たちとは相反する主人公も「劇」的であることに貢献している。長編デビュー作ゆえというところだろうか。でもそれはけして悪いことではなく、後年確立されたブレッソンの作風とは異にするというだけのことだ。むしろブレッソンのノワール(この作品自体はノワールじゃないけど)を見られる喜びがある。室内に差し込む計算づくの光があたりまえのように映されている。「罪」よりもその「救済」のほうが色濃く描かれた作品。
[映画館(字幕)] 7点(2009-05-18 16:36:30)
18.  恐るべき子供たち
コクトーがナレーションをしているという概念からか、まるで詩の朗読を聴いているような心地よさと同時に目に飛び込んでくるもの全てが舞台劇っぽく映る。が、海のシーンや万引きシーンで突如「映画」が現れる。急に人物が背景に溶け込み開放感を得て、画面に動きが加わることで演劇的なものが映画的なものへと変化したように感じた。ここが唯一の健康的な場面だったかも。その後の泥沼はまた映画から舞台劇のような演出へ。さらに古典劇のような様相を増してゆきラストシーンにおいてそのピークを迎える。演劇と詩と物語を映像に乗せる。これが総合芸術。
[DVD(字幕)] 7点(2009-02-27 15:22:32)
19.  カサブランカ
どんなにキザなセリフを言っても様になるのがボギーのボギーたる所以。と言いたいところだが、これは臭すぎる。それでも徹底して臭いならいいのだが、このボギー、ちょっと女々しいところも見せちゃう。一貫してハードボイルドだったらこのキザなセリフもかっこよくもなるんだろうけど、バーグマン相手に妬いてすねて怒ってイチャモンつけて・・とまるでガキ。だからキザなセリフが妙に浮くのだ。でも、だからこそ名作として語られるのかもしれません。どの作品のボギーよりもどこか手の届きそうな感じがして、そのうえでとことんキザに決めて美人を泣かせて・・ってのがいいんだ。たぶん。 「君の瞳に乾杯」・・か。・・絶対言えんな。「昨日は何してたのよ?」に対して「そんな昔のことは忘れたさ」なんて言おうものなら「ボケたか?」と返されるのがオチだ。「じゃあ今夜は?」に対して「そんな先のことは分からない」なんて答えようものなら「頭弱い?」と返されるのがオチだ。あぁ、ボギー!あんたの時代は良かった~
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-18 14:10:53)(笑:1票)
20.  キャット・ピープル(1942) 《ネタバレ》 
狼男の女版みたいなもんだが、ホラーというよりサイコサスペンス寄り。女が実は豹に変身するキャット・ピープルなのだということを取っ払っても、一人の女のトラウマを抱えた恋愛悲劇として成立するところに面白さがある。言い伝えられるモンスターというのは案外こういったトラウマや恐怖心から生み出されることが多く、この作品はそれを逆手に取ったようなカタチとなっている。直接的な恐怖シーンが一切無いのはこの時代なら当然の制限に従ったに過ぎないのだろうけど、だからこそ昔の映画の表現にはさまざまな試行錯誤と創意工夫がみてとれるのが面白い。(鑑賞環境は覚えてないけど、たぶんビデオかな)
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-10-29 12:56:21)
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