1. 友だちのうちはどこ?
《ネタバレ》 ブラボー!演出がかなり淡白で、表情から台詞の言い回しまで極端な波はないのですが、それでも主人公の少年の焦りや不安、戸惑いや動揺がなんの隔たりもなくストレートに伝わってきます。この作品に描かれている親のウザさは万国共通、教師の理不尽さも万国共通、そして子どもの健気さも万国共通。全てが世界中の人々にわかるように描かれていました。全てにおいて単純だけど、丹念に練られた脚本と演出が少年の想いを100パーセント、1パーセントも汲み取り溢すことなく感じさせてくれました。なんといっても、あの鞄を開けてノートを取り出した時の少年の無表情が最高に良い。自分のせいで友だちが退学になってしまう…そんな迸る不安が彼の表情に落ちてきたかのような顔面蒼白ぶり。そして、あのラストカット!こんなに清々しい爽快感はそうそう味わえるものではありません。ブラボぉー! [ビデオ(字幕)] 10点(2008-08-21 19:43:39) |
2. 恋文(1985)
《ネタバレ》 夫と浮気相手の江津子が目の前でキスをしているのを見ている郷子の表情や江津子の腰を狂ったように両手の拳で叩いているときのあの姿。全てに見えたのは“嫉妬”でした。どうしようもなく駄目な夫を、どうしようもなく愛し、求めてしまう郷子の想いを痛いほど感じました。江津子の、死に向かっているのに愛を求め、愛されて、愛してしまうその関係は本当に切なく、それを見ていた郷子も江津子の思いを汲み取り理解し、そしてその関係を羨ましく思ったのだと感じました。その郷子の心の変化が、健気で優しくて、悲しすぎて、僕は郷子を抱きしめてあげたくなってしまいました。郷子も愛に飢えていたからこそ、夫を求め、振り向いてもらえずに別の男に抱かれたのだと思います。その姿があまりにも可愛そうで、この物語がどこへ落ち着くのか、とても期待してラストシーンを見つめました。扉挟んだ向こう側にいる夫。たった一枚の扉が、越えられない。越えたいけど、越えられない。後悔や申し訳なさや愛おしさや引け目が、夫の躊躇する姿からビンビン伝わり、その決断の悲しさにゾクゾクしました。全ての登場人物たちを包む、神代監督の優しさに感動しました。 [ビデオ(邦画)] 9点(2008-08-21 19:21:52) |
3. セーラー服と機関銃
《ネタバレ》 「ションベンライダー」同様、登場人物たちの感情がさっぱりわかりません。行動には必ず動機が必要ですが、この作品に出てくる子どもたちの行動の動機がまるで納得できませんでした。一体なぜそんな発言が出てくるのか、なぜそんな行動ができるのか、どれもこれもさっぱりわかりません。この作品の公開当時は、理解できたのでしょうか。あの時代の子どもたちは皆、あんな感じだったのでしょうか… [地上波(邦画)] 5点(2008-08-07 22:15:32) |
4. ノスタルジア
文学的な台詞が延々と続き、誰がどういう思いをしているかのかを知るにはあまりにも遠まわしで、ぼくにはその若干無愛想な表現の方法が辛かった。観客に理解してもらうのは二の次で、まずは自分がしたいことや思想を並べているところを見ると、芸術という印象を強く受けた。この映画は確かに綺麗だと思う。でも、感情移入は一切出来なかったし、感情を理解できても興味のわかない感情が多く、まるで楽しくなかった。改めて、ぼくには映画を観る力がまだまだ足りないのだと感じました。 [ビデオ(字幕)] 5点(2008-07-08 02:29:35) |
5. ションベン・ライダー
《ネタバレ》 80年代の子供達はこうだったんでしょうか?みんながみんなそうじゃないというのはわかりますが、それにしてもこの作品に出てくるあの三人の少年少女、人間に見えませんでした。彼らの抱く感情、動機に説得力が感じられないので、何をやっていてもついていけませんでした。自主映画のような、やりたいことをやってるというのはわかりますが、それはあまりにも不親切というか、突き放されている気がして、どうも好きになれません。「お引越し」のような、ヨリをしっかり入れて下さると感情が気持ちよく伝わってきますが、ここまでヒキで表情を押さえない長回しはつらいです。脚本、演出、カメラ、どれをとってみても自主映画の精神が強すぎて、ぼくは最後まで観るのも非常に辛かったです。 [DVD(邦画)] 5点(2008-06-27 00:26:48)(良:1票) |
6. 蒲田行進曲
映画のための映画というか・・・なんか作られた感じがすごくオーバーに感じて、それが性に合わなかったのか、あまり面白いと感じることが出来ませんでした。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-25 02:52:41)(良:1票) |
7. お葬式
これはこれは、お葬式。実はお葬式というのは滅多に集まらない親戚同士が集まり、ドンちゃん騒ぎができるから意外と悪くない。みたいなメッセージを感じたような気がします。悲しい出来事を明るく描く。しかし、あの汚いオケツを見せられたらやる気も失せます。致し方ない評価です。 [映画館(字幕)] 6点(2006-06-19 00:03:20)(笑:1票) |
8. トップガン
僕の大好きなメグ・ライアンが恐ろしいほど脇役で、そこに涙した。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-10-23 20:31:05)(笑:1票) |
9. さびしんぼう
父親が映画の中で唯一語る言葉の中に「好きな人の寂しさも喜びも全て好きになれ」というセリフがあった。あれは父親だからこそ言えるセリフであり、父でこそ説得力のあるセリフだと思う。思春期の一人の青年の周りで巻き起こるファンタジー。「息子はいつだって母親に恋してるものよ」最後の母親の言葉がこの映画の全てを象徴している。でも僕は母親に恋をしているのだろうか?想像するとちょっと吐き気がする。この映画を十代のうちに観ることができてぼくは幸せ者だ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-10-23 12:48:56) |
10. ストレンジャー・ザン・パラダイス
心地好い静けさ。心地好い雰囲気。心地好いモノクローム。全てが曖昧なまでに細切れで、でも長回しで、それが伝える時間の儚さや人間の不器用さがなんとも可笑しくて心地よい。今までそこにいた彼らはどこかへ行き、でもそれまでそこにあったものは変わらずそこにあり続け、そして取り残された者たちは何を想い、何を感じるのだろう。この映画の伝えようとするメッセージは底知れず、考えれば考えただけ溢れてきそうで、思わず蓋をしてしまう。しかし僕はそれでも構わないと思う。だって閉じてしまっておけばそれは永遠に消え失せることはない。この映画はまさにそんな映画だ。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-16 22:16:46) |
11. バットマン(1989)
観なければ良かった(泣)・・・自分の中で想像で描いていた『バットマン』は、自由自在に空を飛び、闇の中から突然現れ、敵をバッタバッタ倒す、そんな闇のカッコいいヒーローを想像していた。でも実際の『バットマン』は、マントは着けているだけで空は飛べず、身に纏っている衣装は鋼鉄で鎧、そして敵を倒すのは素手ではなく武器。なんだこいつ?お金があるからって“物”に頼りまくっている、ボンボンの自己満足ヒーローじゃん・・・想像とあまりにも落差があり過ぎて、落ちこんでいます・・・はぁ~、ホント観なければ良かった・・・彼を“ヒーロー”だと僕は思わない。 5点(2005-01-23 12:18:35) |
12. プロジェクトA
全てが痛々しく見えた。とくに時計台からの落下は、思わず顔を背けたくなるほど。やっぱりジャッキーは凄い人だった。 8点(2005-01-07 19:58:44) |
13. 3人の逃亡者
ここでの平均点が異常に高かったので、レンタルしてみました。コメディと表示がしてあったので、腹を抱えて笑えるのだと思いきや、笑える事は笑えるが「フフフ」程度。逆に子役の少女の演技があまりにも感動的で、ついつい泣いてしまいました。自分自身の心の変化が予想外の展開に着いて行けずボロが出ました。コメディ要素があるからこそのこのストーリーは、とても楽しく、笑える。けど、それだけじゃ無く感動だって出来る。なんてボリューム感のある作品なんだ!素晴らしい。非常に面白い作品だと思います。ただし過剰な期待は禁物です。 8点(2005-01-05 17:35:37) |
14. パリ、テキサス
穏やで温もりのある美しい音楽。誰もが認める、抜群のカメラワークからのいくつもの美しい風景と映像。そして不器用ながらも、しっかりと息子であるハンターを心から想い、心から愛し、そしてハンターの良き父になろうと努力するその姿。再会当初はぎこちないものの、言葉を交わし、共に時間を過ごすに連れて、少しずつ“父と子”の姿に染まって行く、その切なさ。これほどまで、繊細で不器用なストーリーは見た事がない。しかしこれこそ愛すべき姿。僕はこの映画とトラヴィスが大好きだ。 9点(2004-10-30 08:58:37) |
15. 旅立ちの時
子供はいつか家族と言う篭の中から飛び立ち、大空へ旅立たなければならない。その時は誰にだってやってくる。ダニーだってその中の一人だ。縛られた生活を続けていては、いつまでたっても才能と言う大きく美しい羽は仕舞われたまま。親が子供をしっかり理解し、子供が親に心から感謝したその時が、旅立ちの時なのかもしれない。 9点(2004-09-08 23:11:55) |
16. ブレードランナー
どんよりと暗く想い雰囲気の映画。近未来=眩しい街並み、というのが僕の近未来のイメージ。しかしどこか眩しさとは程遠い感じだった。人々の様子、街の風景、機械の発達など、どれもパッとせず今一つでした。正直、観ていて楽しくはない。僕には合わない映画でした。 6点(2004-08-26 10:48:11) |
17. エイリアン2/完全版
前作、素晴らしかった『エイリアン』と比べ、引けを取る部分は何一つない。全てがスケールアップしており、一作目とはまた別の違う映画のような気さえした。まず映像、とにかくどのシーンも緊張感を絶やさない。いつエイリアンが現れるか解らず、一瞬足りとも気が抜けなかった。終始、ヒヤヒヤしっぱなしだった。そして音、これまた緊張感を誘う音がいくつもあった。ストーリー上で流れる音楽もさる事ながら、エイリアンを探知するレーダーの音は耳にいつまでも残った。そして、やはりエイリアンの数が半端じゃない。前作では一匹倒すのに死ぬ程苦労したけれど、今作では一匹一匹倒すのは苦労しなかった分、倒しても倒しても切りがなく、その量としぶとさにかなり興奮した。まさに『ALIEN』と『ALIENS』の違いをコレでもか!と見せつけられました。 9点(2004-08-19 18:56:28) |
18. 二百三高地
父のお気に入りのこの作品、口うるさく「観ろ!観ろ!」言われての拝見。正直あまり期待はしていなかったものの、観賞後の今、父に深く感謝しております。こんな歴史を今の今まで知らずに生きてきた事を恥じております。この作品、実に素晴らしい。どこが素晴らしいかは僕が書かなくても他の方が書いておりますので省略。そして父はこの作品をあまりに気に入り過ぎて僕の名前を「マレスケ」にしようとしたのです。それを母がなんとか止めて現在ふつうの名前で生きております。以上・・・母に感謝。 7点(2004-08-04 15:12:21)(笑:2票) |
19. なまいきシャルロット
シャルロット・ゲンズブールの作品、始めて拝見致しました。話の中でのシャルロットは、口調の厳しさとは裏腹に幼い女の子らしい弱さが顔や行動から出ていた。外見の大人っぽさ、美しさだけでなく演技もとても良かった。ストーリー6点、彼女に2点でいかかでしょう? 8点(2004-08-03 22:17:22) |
20. ドライビング Miss デイジー
頑固で意地っ張りだけど本当はとても寂しがり屋で優しいデイジー。そして、その頑固さにぶつかり合うことなく優しく対処するホーク。その姿を観ているととても和んだ。100分間和みっぱなし。こんなに苦痛のない優しい映画は滅多にない。素晴らしい作品でした。 9点(2004-07-20 18:36:06) |