1. 八日目
人が皆違うように、一口にダウン症といっても現れ方は性格や程度など様々だろうから、ジョルジュのような人もいるのかもしれない。でもなんか違う、、作為的という気がして素直に見られなかった。 彼の様々な問題行動は純真のようでいて”ずる賢い”、という感じで違和感があって好感が持てないし、一方のアリーも妻があれほど嫌がっているのにストーカーまがいに押しかけたりするので同情も共感もできない。二人の友情物語にしてもそれぞれの結末にしても、感動狙いといった胡散臭さを感じてしまって後味の悪さだけが残るようだった。 4点(2005-03-19 22:35:21) |
2. 結婚記念日
「こんなに続いてるのは私たちだけね」と結婚16年目の熱々の夫婦。結婚記念日を友人たちとお祝いするためにショッピングモールに買い物に出かける。ほとんどアレンとベッドの二人芝居状態の会話劇。いい雰囲気だったのにお互い浮気を告白したりするから喧嘩して仲直りを繰り返すのだけど、後半はさすがにくどくなってくる。 それでも舞台がモールのいろんな店だったり、店内で繰り広げられるマイムや音楽などのサービスのあれこれが興味深くて楽しく見られる。お祝いは寿司と日本のビールだそうで、、(日本びいき?) 5点(2005-03-07 21:16:06) |
3. マン・オン・ザ・ムーン
私もラストのお葬式のところでぐっときました。でもカウフマンのお笑いはそれほど面白いとも思えない。おおかたの喜劇役者や芸人はお客様は神様というスタンスで楽しませようとするものですが、カウフマンときたら手の込んだ仕掛けで客を引っ掛け、びっくりさせて自分が楽しんでるような感じです。アメリカ人は引っ掛けられてもそれを面白がることができるから人気があったんでしょうが、日本じゃ受けるどころか悪趣味とヒンシュクをかってしまいそう。 かつての踊り子のおばあさんを踊らせてばったり倒れさせ大騒ぎ、なんてのがその代表格で、こういう芸風が受けるなんてのがアメリカの不思議なところ。自分のガンや死までがその芸の一つではないかと思われてしまったり、一縷の希望をかけてフィリピンまで行ってそのパフォーマンスのからくりに気づいて笑うところも皮肉この上ない。 見事に引っかかった客みたいで可笑しかったんでしょうねぇ。 ジム・キャリーは達者なところがいかんなく発揮されてはまり役。ジムともう一人のクリフトンは見事にそっくりでしたね。え?ラストのカウフマンは誰?? 7点(2005-02-17 22:04:39) |
4. 雲の中で散歩
ラブロマンものながら話自体がどうも退屈でムードが盛り上がらない。ぶどう踏みの桶の中でふざけちゃいけないでしょう とか、導火線で油に火がついたように燃え広がるぶどう畑にあらら、、?と突っ込みを入れたくなってしまう。 祖父のA・クインはキャラクターもいいし存在感があって良かった。 5点(2005-02-02 21:51:27) |
5. ファースト・ワイフ・クラブ
夫に裏切られた妻たちのリベンジ、というお話なので男性はともかく、女性(特に主婦)が見ると愉快・痛快というのでとても楽しい。コメディセンス抜群の3人が女性の味方とばかり反撃し、夫たちがタジタジ、、という意趣返しのあれこれが笑えます。 キートンが歌はだめなの~、、と言いながら照れてるのは素・でやってるかのようでしたが 3人で歌い踊るラストはホントに楽しそうで、見てるこちらも思わずニッコリ。 7点(2005-02-02 21:45:27) |
6. スライディング・ドア
なんといっても巧みなストーリー作りとグィネスの魅力がイコール作品の魅力。 地下鉄に乗った場合と乗れなかった場合の二つのストーリーが混乱せず進行し、時にニアミス してるなんてのがなかなか凝っててうまい。グィネスが着こなす普段着からドレスまでいろんな ファッション、ロングやらショートのアレンジヘアやらと豊かな表情を見てるだけでもかなり楽しめる。まさにグィネスの魅力に満ち溢れた作品。 ユーモアもあるし落とし方がどうなるのかと最後まで興味を引き付けられる。 残念なのはやはり恋のお相手がイマイチでムードに欠けること。 惜しい!素敵なハンサムならもっとロマンチックに盛り上がったのにね。 7点(2005-01-30 21:53:51) |
7. 乳泉村の子
苦労した中国残留孤児のお話ですし、幼い犬坊のけなげさや子供を残してきた母心などにはやはり涙を誘われます。 悪くはないんだけど、、でもなんか今ひとつ、、という感じです。孤児が偉いお坊さんになってるという 東京での話と中国での話が交互に描かれるのが散漫な印象になるんでしょうか。大地の子は名作ですが、そのお父さんの朱旭さんが犬坊のお師匠様で人徳を感じさせる高僧ぶりでした。 5点(2004-12-09 18:00:24) |
8. ウェディング・シンガー
いかにもアメリカ~ンといったライトなほのぼの感が無難な感じ。アダム・サンドラーの真面目な青年とぽっちゃりキュートなドリュー・バリモアが可愛くて好感があるけど、まぁ気楽に見るポップコーンムービーといったところ。 5点(2004-12-04 17:41:37) |
9. 逃亡者(1993)
逃げるキンブルが不死身のように逞しくアクションに比重が置かれた娯楽作。追っ手をかわしながら犯人を追うという緊張感ある展開はテンポ良く面白い。危機をかわしながら逃げるH・フォードがなんだかインディ・ジョーンズにかぶって見えてしまった。 7点(2004-12-02 18:36:21) |
10. 不機嫌な赤いバラ
元大統領夫人として尊敬され大事に扱われてるのに孤独で寂しくてなにかと不機嫌なテス。気まぐれや我がままに辟易しながらも任務に忠実に勤める真面目なダグ。かみ合わない不器用な二人を演じるケイジとシャーリーが役にはまっててとても楽しい。 一つ一つのエピソードでの描写が細やかなのでそれぞれの日常や過去のいきさつ、心情といったものがよく分かってくる。 最初は頑固で嫌味に見えたテスも見てるうちに段々憎めない人物になってくるが、こういう役どころでのシャーリーはホントに可愛い。表情豊かで老いてますます魅力的。テスのでっかい脳腫瘍はどうなの?とかの突っ込みも帳消しです。 7点(2004-11-11 23:23:04) |
11. フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白
一言で言えばアメリカ版「浦島太郎」純愛編、といった感じ。そもそも人間を冷凍して50年も忘れてるとか突っ込みどころも多々あるストーリーは、いくらファンタジーでもちょっとイージーすぎる気がします。 今回初めて気づきましたがまだ丸顔のイライジャ・ウッドがとっても可愛い。 出番も多くて助演級の重要な役回りですが、ツリーハウスの模擬飛行などギブソンとの共演シーンも印象的な達者な役者ぶりでした。ということでイライジャに1点プラス。 6点(2004-11-06 18:24:47) |
12. デイズ・オブ・サンダー
カーレースにも疎くて興味はないですが結構面白かった。クラッシュや危険な駆け引きのあるレースシーンは迫力あったし、レース意外でもDrのキッドマンとの恋とかライバルとの友情、レーサーを支える人たちとのドラマ(R・デュバルが渋くていい)もあって退屈しなかった。 ライバルとは病院で車椅子でも競争してしまうというレーサー本能が可笑しい。 皆さんが比較してる「トップガン」は未見だし、同じようなレースものでも「ドリブン」よりはずっと良かったし。 6点(2004-11-06 18:20:59) |
13. クイック&デッド
娘が父の復讐をするというシリアスなマカロニウエスタン風に見えるけど、ギャグマンガみたいに遊んでて笑っちゃうようなところも(頭を打ちぬいたら大穴が開いて向こうの景色が見えちゃうとか)。別段どうってことはない作品だけど、なんといってもジーン・ハックマンの悪役とか豪華メンバーの共演という見所はあるし6点評そのまんまといったところ。 6点(2004-10-09 20:45:26) |
14. リバー・ランズ・スルー・イット
牧師一家の兄から、美しくて釣りの名人だった弟のことや子供時代の昔話を聞かされてるような感じがする。 美しいモンタナの山や川の自然とブラピの笑顔がまぶしいほど美しい。 話は淡々と進むが、「懐かしい思い出」「時を戻して、子供に戻して」など 老境にある人が回想する過ぎてしまった昔の思い出がノスタルジックに響く。 ある程度年をとって人生を振り返るくらいの年にならないとなかなか実感はわかないかもしれないが、年をとるほどに故郷は懐かしく、過ぎた日の想い出も懐かしく美しく思い出されるものなのだ。 7点(2004-10-03 22:54:42) |
15. テヘラン悪ガキ日記
死んだと聞かされてもそれを信じられず、切抜きの写真の女性を母だと思い込んでる少年の気持ちはいじらしいが、一方的に慕われる女性にすれば迷惑なことに違いない。行きがかり上世話したことも「やっぱり母さん」と喜び益々 思い込みは強くなる。でも施設なんかじゃなく優しい母さんのいる家で暮したいという少年の気持ちも痛いほど分かる。 それなのにあれほど母と慕ってた人に2度も裏切られて、とうとう切り抜きの写真を捨てて消えてしまったままのラストは切なくてならない。 冒頭でケースワーカーのこの女性が収容施設の子供達に次々「あなたは何をしたの?」「夢は何?」などと質問し、子供達が応える分部はドキュメンタリーのように見える。ここで描かれるようにいろんな事情で孤児になったりした子供達の様子はそのまま現実にあることなんだろうと思う。 8点(2004-10-03 22:52:49) |
16. 白い風船
いたってシンプルな話だが出てくる大人や子供の態度からなんとなくイランという国が伺えるようで興味深かった。 子供が困っていてもそうそう甘い大人ばかりじゃないというところが現実的。最後の子供達の態度もイスラム社会じゃアラーの神の思し召しとか言って、人の親切や施しも当たり前のことで別段お礼を言うほどのことじゃないっていうことなんでしょうか、、? 住む世界が違えば暮し方も考え方も違うっていうのは当たり前のことだけど、日本に住み異文化体験の乏しい身ではなかなか理解しかねるようなエピソードにちょっとびっくり。右往左往した騒動の末、目的を達成した兄妹はとっとと消え、親切な風船売りの少年が一人残されて座り込んでる図、というのはなんだか寂しい感じが漂う。 6点(2004-10-02 15:36:26) |
17. アミスタッド
人種差別や奴隷などについて描いた作品は多いが、奴隷船での残虐非道をここまで描いたのは初めて見たのでかなりショックだった。アフリカから多くの黒人が大陸に連れてこられたことを知ってはいても、その実際はどうだったかなんてことは深く考えもしなかったし知らなかった、ということを改めて思い知らされた。 これほどの人権蹂躙の史実から自由・平等・人権を真面目に誠実に描こうという思いは強く伝わってくるし、シンケのジャイモン・ハンスゥが発する迫力と存在感はピカいちだった。彼の「我々に自由を」とかホプキンスの演説なども見たときは感動的だと思ったが、なぜか記憶に残らず印象が薄いのが不思議。 6点(2004-09-26 22:23:49) |
18. クリムゾン・タイド
核ミサイル発射を巡って艦長と副艦長の2派が対立し主導権争いをする展開は緊張感があるし、主演のハックマンとディンゼルのうまさもあって引き込まれる。こういう潜水艦モノを見る時、潜水艦って海に浮かぶ棺おけのようだといつも思う。いったん乗り込んだらイヤでも逃げ場がないから怖い。 乗組員は全員運命共同体でありその命運を預かる艦長の責任や能力は非常に重大なものとなる。 日本への原爆使用について正しかったと言う艦長は核兵器に対しての使用にためらいがないが、副艦長は使用した場合の後の重大さを思い出来るだけ回避したい、慎重に判断しなければと考える。 判断が最終的にどこにあろうと人間の下すものである以上こういうトップの認識の差は大きい。これは映画だからいいけど現実的に考えるとかなり恐ろしい気がする。ところで密室である艦内で艦長とヴィゴがタバコを吸うのが気になって仕方なかったけどこれってOKなんでしょうか? 7点(2004-09-25 23:57:55)(良:1票) |
19. リトル・ヴォイス
ジェインとユアンの若い二人のカップルより、強烈なキャラクターの母ブレンダ・ブレッシンとマイケル・ケイン、ジム・ブロードベントなど脇がうますぎて目立ってしまい主役がかすんでしまう。 ろくに口も利けない引きこもりの女の子が父の幻を見たとたん、人が変わったようにはつらつと歌いだすのがいくらなんでも不自然、、、と思ったけど、【ダイ】さんの「LVイタコ説」で納得。このささやかなハッピーエンドも現実的で悪くはないけど、 「チャンスに歌えないLVをユアンが励ます→LVは父の幻の替わりに現実の支えを見つけて自己を開放→舞台に立って熱唱、めでたしめでたし、、」っていうハッピーエンドも密かに期待してた私。でもこの単純でない落とし方がまた味わい深いのかも、、俳優の演技にプラス1点。 7点(2004-09-14 17:13:36) |
20. サン・ピエールの生命
印象に残る味わい深い作品だった。【木戸萬】さんが言われるように「情けが仇」状態なのが切ない。死刑囚に肩入れすることは夫にとっては不利な状況なのにJ・ビノシュは彼をかばい続ける。妻を愛する夫はそんな妻の全てを許し結果的にわが身を犠牲にすることになる。ここまで深い男の情愛を静かなトーン、雪原が印象的で美しい ロケーションで見せる。何本か見た印象で思ったのは、この監督は一貫して男の女性への深い愛(無私の)をテーマに描いてるということ。夫婦を演じた二人がとてもよかった。 7点(2004-09-11 23:33:06) |