1. 生きる
《ネタバレ》 主人公はがんの余命宣告は受けておらず、「妄想」によって突き進んだというのをどう解釈すればよいのか?ストレートに宣告されると諦観してしまいそうだが、「死」という妄想的恐怖により暴走気味に?突き進んだと考えるべきか。でもなぜ「公園作り」なのか?という謎も残る。役所批判という社会風刺のテイストも強いが、ひとりの人間が最後になしうる「大仕事」が小さな公園作りというのも少々凹むところもある。とはいえ、「人間いつ死ぬかわからない」というある種の「恐怖」の中で生き続けることにより、毎日をより善く生きることが可能なのかもしれないとも言える。まさに「生きる」とは何か、を考えさせられる余韻の残る作品ではある。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2025-01-02 21:36:49) |
2. 君の名は 第三部
《ネタバレ》 和解の過程がちょっと唐突ではあったが、この作品の陰の主役は浜口親子なんだろうな。もしリメイクするならこっちをメインにして描いた方が作品としては面白くなりそう。それだけ本シリーズでは主演男女に存在感と魅力が欠けていた。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-25 12:27:56) |
3. 君の名は 第二部
「戦後の混乱期における過去」という点では松本清張的なところもあり様々な人間模様が繰り広げられるが、基本はメロドラマなので物語に深みがない。野性的な北原三枝が印象的ではあるが、主人公の出番も少なく話はあまり進まない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-24 12:17:02) |
4. 君の名は(1953)
感動モノだと思っていたら、まさかこういう展開だったとは。夫のヒネクレ具合は面白いので「お笑い映画」としてみればいいのかもしれないが。ただしそれも現代的な感覚であり、同時代的には違った見方(感動モノ?)がされたんだろう。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-23 11:57:24) |
5. 張込み(1958)
「人は見かけに寄らぬもの」ってのは現代では当たり前すぎて何の驚きもないんだが、当時はそうでもなかったのか。メディア発達前の他者への妄想が感じられるものの、現代的視点から見れば作品には深みが感じられず、昔の街並みや風俗・文化ぐらいしか見るべき点がない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-05-16 22:45:11) |
6. リオ・ブラボー
武力的には劣勢なんだが、保安官という権威の威光が効いているせいか、それなりの余裕があって追い込まれている感じでもないので、緊張感が欠如してしまって全体的にノンビリしている印象。ヒロインの雰囲気はよかったが。パターナリズム的なジョンウェインの良さがわからないのと、そもそも西部劇が苦手なので評価の高い本作でそれらが覆るかと期待したんだがダメだった。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2021-05-02 15:51:55) |
7. 禁断の惑星
《ネタバレ》 実験的な作品だとは思うが、潜在意識の力による復讐劇という小難しい設定内容なので、映像向きの作品ではないように思う。潜在意識の登場が唐突で説明不足だったので、もうちょと博士の人物像や過去(記憶)等々を掘り下げたほうがよかったのではないだろうか。妙にエロイ娘や乗組員達が作品をバカっぽくしているものの、ロボットがカワイくて、内容はシリアスという、全体的にアンバランスな印象のだが、不思議な魅力を感じる作品ではある。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-03-11 11:47:52)(良:1票) |
8. 勝手にしやがれ
会話と雰囲気を楽しむ映画なのだろうが、実験国家としてある意味似たもの同士である米仏の近親憎悪的関係を理解していないと、2人のやりとりがよくわからないのかもしれない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2021-02-12 12:47:03) |
9. 砂漠の鬼将軍
この時点では史実はハッキリしていないだろうし脚色もあるんだろうが、戦後の世界秩序の構築過程の中でヒトラーを悪にするための政治的意図が感じられる作品ではある。まあ歴史は勝者によって作られるので仕方ないが。ただし、全体的には抑制が効いており扇情的でもない点は評価できる。他国の軍人を手放しで賞賛し英雄扱いするわけにもいかないという事情が上手く働いたとも言えるのだろうが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-26 09:03:09) |
10. 地上最大のショウ
サーカスの実態に迫っているというテイストはあるものの、全体的には古き良き?アメリカ映画という印象で、さすがに2020に見ると古臭さは否めない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-12 23:28:43) |
11. 昼下りの情事
《ネタバレ》 パパ活が本気になって、父親もOKしちゃうのかよ! [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-11-12 11:26:49) |
12. OK牧場の決斗
ガッツ石松のおかげ?で有名な本作だが、カーク・ダグラスはカッコイイものの、内容的には退屈。娼婦役の言動がどうしようもないのが印象的。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2020-10-25 12:58:54) |
13. エデンの東(1955)
初見は中学時代だが、よく理解できず退屈に感じた記憶が。で、数十年ぶりに再見。聖書がベースの物語で、親子・兄弟・男女の葛藤が盛り込まれいて人間ドラマとしてよくできている。善良で純粋な父と兄、その反対の母と弟、両者の間を揺れ動く兄の恋人。善良で純粋な人間の負の側面が悪意のない主人公のジェームズ・ディーンにより無意識ながらも暴かれていく過程が見所であり、生きることの難しさを感じさせる。が、理想主義者にとっては少々後味の悪い救いのない作品ではある。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-12 12:12:36) |
14. 拳銃王
年取って落ち着いて暮らしたくなったお尋ね者の主人公だが、そんなの虫がよすぎるし無理に決まっている。若い頃の人生の決断と行為が後々まで影響するという因果応報的な展開はよいのだが、やや盛り上がりに欠けるし、Gペック主演の映画にしては救いがない。もうちょっと本人の苦悩や後悔と出す共に、息子に反面教師的な教訓を与えてもよかったようにも思うが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-09-22 13:07:18) |
15. 太陽の季節
原作は話題となり衝撃作だったらしいが、映像化には色々と制約があって不向きな作品に思われる。そもそも芥川賞作品って映像化に不向きだし。当時の若者のエネルギーや反道徳を描いた風俗モノなのだろうが、長門裕之に存在感も魅力もないので結果的には地味な作品になってしまったような。若者気質に関しては、性と暴力という点では昔も今もあまり変わらないようには思えるが、やはりネットの有無がコミュニケーション面での大きな違いではあるんだろうな。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2020-09-10 14:14:46) |
16. 嵐を呼ぶ男(1957)
石原裕次郎の最高傑作は『陽のあたる坂道』か『あいつと私』だと思っているが、代表作はコレなんだろうな。確かこの前年に「もはや戦後ではない」との白書が出されたハズだが、敗戦から10数年でここまで復興している事に驚かされると共に、日本が第2の青春時代を迎えて高度成長期へと進んでいくその象徴としての石原裕次郎の躍動に時代の熱気とエネルギーを感じる作品ではある。ただし、こういう時代は二度とやってこない。この種の作品を見て育った高齢政治家達はその事がわからずに、昔を懐かしむだけではなく、取り戻そうとするので厄介ではある。その代表者が裕次郎の兄貴なわけだが。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-09-03 14:27:31) |
17. 眼下の敵
実話がベースのようだが、双方艦長の読みが当たりまくりでちょっと話がデキスギだし、WWⅡでジュネーブ条約がしっかり守られていたとも思えず、話がキレイ過ぎるような印象も受ける。ただし、戦争の空しさ・愚かさは伝わってくるという不思議な作品。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-15 18:33:38) |
18. 情婦
登場人物の各々のキャラも立っていて、終盤まではそれなりに楽しめたが最後がダメ。こういう最後の最後で背負い投げされるのは好みではない。本作に限らないが、どんでん返しってそれまでの物語を台無しにしていてるような気がして逆にシラケル。衝撃で驚きたいなら、お化け屋敷にでも行く方が効率がいいような。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-08-05 12:09:42) |
19. 雨に唄えば
歌や踊りは頑張っているとは思うが、ストーリーが雑過ぎる。ミュージカルにストーリーを求めるのが間違いなのかもしれないが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-07-26 02:26:47) |
20. ライムライト
老いの哀しみ、時間経過の残酷さのようなものは伝わってくるものがあるが、もうちょっと年取って若い子に恋でもすればより切実に理解できるのだろうか。主人公のリアルな人生を作品に投影して鑑賞すれば違った感動があるのは確かであろうが、主人公がどういう人間であろうと、どういう人生であろうとそんな事には興味はなく、また作品とも無関係であり、単なる役者としてのみ鑑賞する人もいるわけで、その是非はここでは論じないが、映画鑑賞スタイルのあり方を考えさせられる作品でもある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-29 11:08:04) |