1. フラガール
《ネタバレ》 去年、スパリゾートハワイアンズに行った時、「こんなんハワイじゃないやい」とか言ってゴメンナサイ、とそんな気分になりました。炭鉱町を救おうとハワイアンセンターを作ったんだねえ、すげえ~ってまず思いました。素人集団が苦労して頑張って成功して行くストーリーは数多くあって、それの流れに乗ったストーリーであることは確かだけれど、この映画には重みを感じたなあ。彼女たちが成長していく過程を丁寧に描いてるんですね。この映画を見るとスウィングガールズとかペラペラに見えちゃうなあ、申し訳ないけど。炭鉱町にハワイを作っちゃおうと考えて、なおかつそれを実現させちゃって、それを今でも継続させてるなんて、よく考えると奇跡のようです。その奇跡を、炭鉱町の匂いが漂ってきそうなほどの演出で映画にしてくれたスタッフに拍手です。 [映画館(邦画)] 10点(2006-11-02 00:17:47) |
2. デーヴ
《ネタバレ》 現代版のとても素敵な御伽噺ですね。この映画たぶん脚本がすごくうまいんでしょうね。思わずクスリとさせれるところが随所にあるし、デーヴと大統領夫人の心の通い合いが手に取るように心に染み入るし。デーヴが政治的な難問を解決するところ、現実はああはいかないでしょうが、この世の中もっとシンプルに物事を考えられたらもっといい事あるんでは、とほんわかさせられた。それにしても、あんな風に世直しできたら気持いいだろうなあ…10点 [DVD(字幕)] 10点(2006-09-03 23:21:28) |
3. サマータイムマシン・ブルース
お調子者4人組の掛け合い最高。最初の15分くらい見るの辛いなあ、と思ったんですが、なんの、そこから引き込まれてしまいました。ものすごくチープな感じの映画かな、と見る前には思ったんですが、ここまでラストにかけてストーリーと演出に破綻がない映画は邦画では珍しいですよ。下妻物語と並んで私にとってはベストに近いです。日本にも素晴らしい脚本書く人いるんですね、それを完璧に映像にできる人いるんですね、邦画がんばれ! [DVD(邦画)] 10点(2006-07-29 22:26:33) |
4. 遥かなる山の呼び声
《ネタバレ》 自分も「幸福の黄色い…」よりこっちがツボです。それぞれのシーンの密度、印象度が道東の雄大な景色と相まって素晴らしく深い。皆さんご指摘のようにラストもいいし、ハナ肇さん最高ですよね。ひとつだけ難を言えば健さんが背負っているものが、あまりに暗すぎということぐらいかな。山田監督、こういう直球映画をまた撮ってくれないかなあ、今の時代では山田監督でも難しいのかなあ。 [DVD(邦画)] 10点(2006-05-28 00:10:57) |
5. いま、会いにゆきます
《ネタバレ》 よかった、今までで一番心を揺すぶられた映画かもしれない。しかし、見終わって2日経って冷静になると、やはり何より原作・脚本がいいんだな、と思う。その原作に対して映画がベストのものになっていたか、という観点からするとちょっと不満あり。 ●雨の場面の天気が明らかに晴れなのは、演出か?それとも手抜きか?●冬のグラウンドでの2人の再会シーンが、青々とした芝生、真上から照りつける強い日差しで、明らかに夏なのは、演出か?それとも手抜きか?●オレンジレンジの主題歌がベストか? あら捜しかもしれないが、原作・脚本がとてつもなく良いので、映画にも文句の付けようが無いベストを目指して欲しかった。でも、去年見た「下妻物語」といい、この映画といい、日本映画最近好調ですね。 [DVD(吹替)] 10点(2005-07-06 00:04:39) |
6. 天空の城ラピュタ
ラピュタこそベスト・オブ・マイ・ベスト。それぞれのキャラクターが際立っている。舞台となっている場所が、それぞれ独立した場所なのに、散逸した感じがしないし、むしろまとまった世界観を感じさせる。「もののけ姫」や「千と千尋」のような持って回った感じがなく、ストレートに物語りに没入できる。ラピュタのようなストレートな映画はもう作ってくれないのでしょうか? 10点(2003-11-09 16:30:10) |
7. アポロ13
何といっても宇宙飛行士がかっこいい。死に直面した極限状態で、あれだけの自制心を維持できる精神力に感服する。それを映画が見事に表現している。この映画を見た後、ワシントンの博物館で月着陸船を実際に見て、結構ペラペラな金属壁に囲まれた無味乾燥な船内で良く生き残ったものだと、映画を思い出しながら感心した。 10点(2003-11-08 22:50:31) |
8. 遠い空の向こうに
最高にいいじゃないですか、この映画。この掲示板を見るまで存在すら知りませんでした。 ロケットが青い空に吸い込まれていくシーンに、主人公の意志が真っ直ぐに突き抜けていく潔さが象徴されているようで、とても印象的でした。 10点(2003-11-03 23:42:46) |
9. 地下鉄(メトロ)に乗って
ここのレビュー見て、見るのを相当躊躇っていましたが、見てよかった。…と私が思うのは、たぶん原作をだいぶ前に読んでいて、ストーリーはほとんど忘れていて、感動したことだけ覚えていたから。何の予備知識もなく、いきなり映画を見たら、強引なストーリー展開、場面転換、時空転換にちょっと引くでしょうね。是非原作を読んで、ストーリーはあらかた忘れた上で、原作の素晴らしさの余韻を肯定しながら見ることを強くお奨めします。 [DVD(邦画)] 9点(2007-04-08 13:06:25) |
10. 男はつらいよ
《ネタバレ》 寅さんシリーズは、後期のものから見始めて、初期作品はほとんど見たことがなかったので、第一作見てみました。いや~、面白いなあ~、と同時にへえ~、こうだったんだ~、ということ満載でした。寅さんが賭場みたいなところで仁義を切る場面では、寅さんほんとのヤクザだったんだあ、ってビックリ。映画の中間くらいのところで、ヒロシさんに恋の講義をするバーで横に座っていた女性が渡辺えり子のように思えるのですが、クレジット見ても確認できないし、見間違いでしょうか? [DVD(邦画)] 9点(2006-12-16 16:02:35) |
11. 故郷(1972)
《ネタバレ》 確か高校生の頃に初めて見たときは、退屈な映画だなあ、と思った記憶があるのですが、40代になって改めて見直してみると、しみじみする映画だなあ、と印象が全く異なることに驚きました。同じ系統の「家族」と比べるとドラマチックな事件も何もなくて悪く言えば平坦なストーリーですが、無駄なシーンがありません。特に途中ではさまれるセピア色の回想シーンが秀逸で、石舟がまだ隆盛だった頃の家族の楽しそうな様子が切ないです。 [DVD(邦画)] 9点(2006-08-27 11:04:11)(良:1票) |
12. 同胞
山田洋次監督、素晴らしいです。皮肉も斜に構えたところもなくて、安心して映画の中に入り込めます。演劇の幕が上がるところで本当によかったねえ、と青年団長の肩をたたいてあげたくなりました。いろいろな問題提起はあるんだろうけど、演劇をみながら喜んでいる老人の姿を見ているだけで心が暖かくなります。この時期の山田監督の作品は私にとってツボです。 [DVD(邦画)] 9点(2006-05-27 23:56:09)(良:1票) |
13. 下妻物語
《ネタバレ》 この映画をみて自分自身に驚いた。なぜって、ヤンキーとロリータって自分が嫌いなものベスト2にあげてもいいくらいなのに、見終わったら彼女らにこんなに感情移入しちゃってるのだから。 この映画をみる気になった理由はただひとつ、下妻が舞台だから。自分は小学生まで夏休みとなると水海道(下妻の隣)にある祖母の家に行きそこで夏を過ごしていた。その度に思っていたことは、オレの田舎は京都とか信州とかいわゆる観光地的なとこでなく、回りに田んぼしかない何の変哲もない田舎なんだ、毎日田んぼ見てるしかないし絵日記も書きようがないぞ、と。何とその下妻が映画の舞台になっている!?これは見るしかない。 ところが、見始めたらヤンキーとロリータのキャラが立っていること、演出見事です。ストーリーもちゃんと伏線張られているし、原作のストーリーより映画のストーリーの方が気に入れたし。牛久大仏を映画の小道具にしていることなんて泣ける。常総線の駅ってあんなに味わい深いところだったんだね…全く気づいてなかった、常総線、こんなに注目されたのって取手駅に突っ込んで以来だね。惜しむらくは茨城弁がほとんど出てこなかったこと、結構かわいくて好きなんだけどね、茨城弁。それと主役の2人の演技いいよね、拍手、フカキョン、こんなに演技うまいって知らなかったよ。 9点(2005-01-08 01:18:43) |
14. 息子(1991)
ここまで登場人物の情感に共感できる映画を知らない。三国連太郎が長男の家で感じるぎこちなさ、次男の汚いアパートで感じる妙な居心地の良さ、こんな微妙な感覚を表現できる監督、俳優陣に脱帽。和久井映見の可憐さ、おくゆかしさにもぐっと来た。山田監督、こういう映画をもっと撮ってくださ~い。 9点(2003-11-18 22:36:15)(良:1票) |
15. 海がきこえる<TVM>
同窓会とそれが終わって街をふらつくシーンが秀逸でした。私も同窓会後、故郷の深夜を昔の仲間とふらついていると、独特の郷愁と開放感が沸いてくるのですが、その気分を実にアニメで表現しています。以前NHKのドラマ「35歳・夢の途中」を見たときと似た感情を呼び起こされました。 9点(2003-11-08 00:47:05) |
16. 私をスキーに連れてって
ちょうど社会人になった年に見たので、すっかりはまってしまった映画でした。ユーミンの曲に乗って、赤いカローラ2のリトラクタブルヘッドライトを上げながらガレージを出発して行くシーンだけでやられてしまいました。当時のバブル絶頂に向かう社会の高揚感をとても良く反映していた映画だと思います。その後のホイチョイの映画が文字通りバブルのように薄っぺらくなってしまって残念。 9点(2003-11-04 23:32:31) |
17. 家族(1970)
20年以上前に見て痛く感動した記憶が有ります。日本人の情感をここまで淡々と表現できる山田洋次監督は凄いです。2003年現在となってしまっては山田監督と言えども描くことができない世界なのだろうか。 9点(2003-11-03 23:30:44) |
18. 県庁の星
《ネタバレ》 前半、登場人物があまりにステレオタイプで、正直見るのがつらかったですが、後半主人公が悔い改めてからは、面白く見れました。そういう意味では、前半の尺をもう少し短くして欲しかったなあ。 官・民のギャップについてはもっと面白く描けたんじゃないかとか、リアリティが乏しいとか、の突っ込みどころは多くあるけど、ストーリーの破綻は無いし、伏線もちゃんと張れてるし、健闘していると思います。 ラストの二人の主人公のセリフの間の取り方とか、秀逸だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2006-12-03 00:18:25)(良:2票) |
19. ダウンタウンヒーローズ
この映画の薬師丸ひろ子、いいです。ストームのノリにはちょっとついて行けないのですが、薬師丸ひろ子と主人公の淡い恋にはグッと来ます。渥美清も光ってます。山田ファミリーの脇の固め方は本当に職人芸のようで、それを見ているだけでもニヤッとしてしまいます。学生のそれぞれが、「そういえば、あんなふうなヤツいたなあ」と思わされます。 [DVD(邦画)] 8点(2006-10-09 11:36:53) |
20. ザ・ロック
《ネタバレ》 ニコラス・ケイジの出演作の中ではピカイチです。ショーン・コネリーも渋過ぎ、カッコ良過ぎ。この二人の演技が抜群です。それにしても、あんなに危ない化学兵器が何であんなちゃっちい釣り糸みたいなのにクリスマスの飾りみたいにぶら下げてあるんだろう? [DVD(字幕)] 8点(2006-09-03 23:33:29)(笑:1票) |