1. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 アメリカ人である主人公はトルコ人社会を理解せず、刑務所内でも常に西洋人の同胞しか認めない。脚本がオリバーストンだけあって、単純な二元論的世界感により、お互いの世界が決して交わることは無い。しかしその手法によって、圧倒的な力で一気に映画に引き込まれた。ガールフレンドとのガラス越しの面会の場面は、余りに異常な情景で慄然としました。 9点(2003-10-24 21:47:53) |
2. ゲッタウェイ(1972)
マックイーンに撃たれた悪党が、獣医の家に押し入り夫婦を誘拐した後の、奥さんのあまりの変わり様と薄情さにビックリした。マックイーンも嫉妬深く、なんとなくサッパリしない性格。(相当かっこいいけど)ペキンパーの男女観なのかな~ 8点(2003-02-15 01:43:48) |
3. 戦争のはらわた
ペキンパー映画の登場人物って、真の男以上に男らしいな~。なんだか同じ男なのが恥ずかしくなってきた。 8点(2003-02-08 15:14:18) |
4. 地獄の黙示録
<ネタバレあり>戦争の狂気を感じました。最初はサーフィンのために爆撃する米軍。次は敵が誰なのかを認識せずに、ただ戦闘している兵隊たち。最後は恐怖だけによって王に君臨するカリスマのマーロン・ブランド。川をさかのぼるほど、どんどんイカレてくる。戦争と言うより、殺し合いの深層心理を裏側から眺めた感じがしました。 9点(2002-11-15 01:27:52) |
5. ディア・ハンター
確かに加害者であるアメリカからの一方的な見方しかしていないのは、残念です。しかしタブーであるベトナム戦争を正面から取り挙げたという事実は残ると思います。この映画が戦争批判に対する、引き金になったのではないでしょうか。 10点(2002-11-15 00:47:23) |
6. 天国の日々
<ネタバレあり>恋人を自分の妹と偽り転々とする設定に、不思議と引き込まれました。貧しさのために恋人を利用することで、最終的にはその代償を払うことになる。派手さはないけど、心に残る傑作!! 10点(2002-11-15 00:26:01) |
7. ブリキの太鼓
社会の傍観者でいるために成長を止めた主人公は、叔父を事件に巻き込み、弟を自分の息子だと確信し、最終的には親殺しまで演じる。狂った時代と呼応するような倒錯の世界に圧倒されました。 [ビデオ(字幕)] 10点(2002-11-14 23:52:23) |
8. 暗殺の森
《ネタバレ》 ベルトルッチ最高の作品!!少年時代の忌まわしい体験から、周りから切り離された疎外感を感じる主人公。だからこそ、大衆に支持されるファシストに足を突っ込み、自分の疎外感を振り払おうとするが、やはりファシストにも成り切れず、一人車の中で身じろぎも出来ない。体制崩壊後にファシストの先導者に詰め寄る場面でも、大衆の行列が過ぎ去ると、先導者は意図せず流れの一部になるのに対し、主人公は一人取り残される事になる。自分の拠り所を確保するため、組織の一員であろうとするが、誰とも分かり合えない孤独な映画だと思います。 [ビデオ(字幕)] 10点(2002-11-14 23:18:10) |