1. 2001年宇宙の旅
「劇場で観なくては何の意味もない作品の典型」と呼ばれている所以がよく分かる。まさに観客が5年10年と歳をとって観るごとに、新しい価値が付与されていく作品なんだと思う。決して色褪せることのない究極のSF映画。 10点(2001-08-02 17:33:46) |
2. ポンヌフの恋人
技術的なことはよく分からないけど、観客が有無を言わさずにその圧倒的な天才性を見せつけられる監督っていますよね、キューブリックとか。で、僕にとってはカラックスも然りと。まばたきすらも惜しむほどにその美しい映像をただただ見つめていたい映画。 10点(2001-07-16 03:38:09)(良:1票) |
3. 僕の村は戦場だった
この頃のタルコフスキーはまだ分かりやすかった。でも画面の端々にきらめく光の映像は、後年の難解な作品群へと通じていくものがある。初めて観たタルコフスキー映画。あまりに痛ましい傑作。 10点(2001-07-10 07:09:13) |
4. 秘密と嘘
近年豊作が続くイギリス映画でもこれを超える作品はいまだ出てないのではないだろうか。それぞれの人間がもつ秘密と嘘を人はいかにして許し、受け入れることができるか。どこにでもありそうな、しかし切実でもある「家族の絆」という普遍のテーマを、手堅い脚本と主演のブレンダ・ブレッシンをはじめ芸達者な役者たちとで築きあげた力作。 10点(2001-05-28 03:54:08) |
5. ガタカ
もうあまり多くは語りません。僕以外にもこの映画に心酔している人達もいることですし。劇場には13回足を運びました。とにかく一人でも多くの人に観てもらいたい作品です。それにしてもこの監督、もっと注目浴びても良いと思うのですが・・・。 10点(2001-05-24 21:23:07) |
6. ムトゥ 踊るマハラジャ
これぞ劇場で観てこそ!3回も観に行ったが毎回場内が爆笑につぐ爆笑。劇中唐突に始まる楽しすぎのダンスシーンは下手なMTVを見る以上に感動。最高に陽気な気分になれた。内容は超ウルトラB級なのに未知の笑いがとにかく満載。主人公のなんでもないジェスチャーのたびに響く意味不明の効果音、くすぐったいほどのスローモーションの映像の多用と、美形のビの字も感じられないただただ暑苦しいだけの主演男優のマスク・・・(これが一番ポイント高い!)。彼のアップが画面に大写しになっただけで腸がよじれた。それにしてもインド人女性の異性に対する美的感覚って理解できませんねぇ・・・。 9点(2001-08-05 10:13:40) |
7. タクシードライバー(1976)
都市生活者の孤独と狂気を若きデニーロが伝説のスタイルで演じた、今観ても全く現代性を失っていないコワイくらいにリアリティ溢れる傑作。あの頃の役者馬鹿デニーロは何処へ・・・。 9点(2001-08-03 06:43:10) |
8. スモーク(1995)
ブルックリンの下町の情感が、ハーヴェイ・カイテル演じるタバコ屋の渋い親父から醸し出されている。しみじみと後々まで心に残る名作。トム・ウェイツのエンド曲は絶妙! 9点(2001-07-30 15:28:07) |
9. チューブ・テイルズ
「そうか、地下鉄に目をつけたか!」という感じのユーモラスな視点のオムニバス映画。いずれの作品も完成度が高く、内容もヴァラエティに富んでおり製作者たちの気合が伝わってくる。よってどれも甲乙つけがたいデキだが、中でも僕が最も感心したのが意外にもジュード・ロウの監督作品。本当に短い小品なんだけれども、老人のささやかな行動を通して魂の救済の瞬間を見事に捉えた好編。やはり常に彼の仕事からは目が離せない。 9点(2001-07-16 04:31:32) |
10. ブロードウェイと銃弾
毎度のことだが、アレンのこの洪水のようなアイデアの数々は一体どこからくるのか。ギャングが己の劇作家の才を発見したら・・・なんて発想はこの人ならではだろう。今作でダイアン・ウィーストが脚光を浴びたのも嬉しかった。「ハンナ」以降この女優気になってたんで。アレン出ずともこの映画、笑えます。 9点(2001-05-27 12:19:39) |
11. トラフィック(2000)
ひさびさに「重厚な」という形容を使いたくなるような力作。メキシコの乾いた映像なんかもそうだけど、全編に渡って流れる不思議な音響などがこれでもかと言わんばかりに画面に渋い雰囲気を醸し出していた(そういえばスタッフロールにB・イーノのクレジットがあった)。それにやはり何といっても、あの眠そうな眼をしたベニチオ・デル・トロの好演。そして彼をはじめとして多数の役者からなる群像劇を力技でまとめあげた監督の手腕にも感服。ハリウッドの大作とはいっても、こういう優れた作家性のある作品が持ち上げられるのは本当に良い事だと思う。 9点(2001-05-25 16:21:42) |
12. クッキー・フォーチュン
ほんとアルトマンってリアルタイムで「ナッシュビル」や「マッシュ」とかって観たかったよなあ。豪華キャストのくせに各々の役者が個性全開。クローズやムーアの演技が素晴らしいのは無論、リヴ・タイラーが最高にキュートだった。 9点(2001-05-25 04:26:40) |
13. ウディ・アレンの重罪と軽罪
アレン主演作としては、意外とシリアスな命題を含んだ問題(?)作。基本軸はコミカルなのだけれども、あの結末にはやはりどこかウディ・アレンのペシミスト的な人生観が伺える。 9点(2001-05-25 03:28:16) |
14. マンハッタン殺人ミステリー
アレンがミステリー映画を作った!それだけでも嬉しいのに、ダイアン・キートンとのコンビ復活とくりゃあ!これはもう楽しすぎ。キートンの女探偵ぶりもキュート。ラストのワイルダーの道具仕立ても相変わらずアレンの趣味が出ててヨイ。 9点(2001-05-25 03:18:02) |
15. ギター弾きの恋
ここ近年のアレン映画では最高の出来栄え。彼得意の偽史物語としての語り口が絶妙だった。昔に比べると、最近は彼自身が主演しない作品の方が良くなってきているのでは? 9点(2001-05-24 21:03:59) |
16. ひかりのまち
何かと問題の多い老夫婦とその娘たちを巡る群像ドラマ。皆さんそれぞれに諸々の事情を抱えているんだけれども、物語が進むにつれ、そこはかにほのかなユーモアが漂い始める。シャープな映像センスはさすがに手馴れたもので観ていて心地よい。ナイマンの音楽もどうのこうのいっても感動的。放蕩息子からの留守電が流れるシーンには胸がつまった。 8点(2001-08-03 07:40:42) |
17. ミッドナイト・ラン
確かに今思うとデニーロの傑作群の中では全く彼らしくない作品ですね。初期の頃の凶暴なイメージは微塵もない。でもだからこそアンチデニーロの人たちにはお勧めかも。痛快この上ないロードムーヴィー。 8点(2001-08-03 07:09:30) |
18. マルコヴィッチの穴
少々マニアックな内容なので一般受けはしないのは仕方ないだろうけど、このアイデアには素直に脱帽するしかないのではないだろうか。個人のもつ変身願望とか、その他哲学的な命題とかも盛り込まれているようだけれど、結局、様々な解釈可能な一種のカルト映画と僕はみた。楽しい映画だったけど、一度観ただけではやや分かりづらいかも(特に後半部)。あと、もう少し上映時間を短くした方がよかったと思う。 8点(2001-07-30 06:39:43) |
19. オースティン・パワーズ
ここまで徹底したバカ路線の作品は個人的には大好き。僕は全くリラックスして観ることができました。あの予告編からしてこちらの俗物感情をいたく刺激されました。「柔道チョップ!」・・・下らねぇ!でもスキ。 8点(2001-07-16 03:14:16) |
20. ショコラ(2000)
相変わらずこの監督の作品は、彼の優しい視線が感じられて安心して観れた。前作と異なり、ほのぼのとしたファンタジー調の物語なのであまり激しいドラマは望めなかったけど、それを帳消しにするだけの祝祭感が溢れている。ハルストレムの映画には他の監督にはない人間臭さが描かれていて良い。 8点(2001-07-10 05:26:00) |