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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2101
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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1.  シェーン
時折見返したくなる大好きな西部劇がいくつかありますが、やっぱり「シェーン」が一番好きなんだよなあ・・・。 僕の映画鑑賞史の中で忘れることができない「男」が何人かいますが、間違いなくシェーンもその中の1人。 やはり本作の魅力はシェーンのキャラクターと、演じるアラン・ラッドにつきると思います。 他にも寡黙なシェーンとは対照的に喜怒哀楽の分かりやすい男気キャラ、スターレットの存在もいいし、 ただ妻子のいる男という設定のためだけでなく、彼の妻と息子も欠くことのできない本作の重要なピース。 彼らの生活を脅かす悪役ライカーですが、彼の言い分もしっかり拾い上げているところも印象的。  本作で最も有名なのは言うまでもなくラストの「シェーン!カムバーック!」ですが、 一番好きなのはその直前。見る度に涙腺が緩むシェーンとジョーイ少年の“男と男の会話”は何度見てもたまりません。 強くてかっこいいシェーンにただ憧れていた少年に対し、最後はシェーンが1人の男として少年に接している。 「親を大切にしろ」というシェーンの言葉に「約束するよ」という男と男の約束。少年の表情が急に大人びて見える。 一方のシェーンは「変わろうと努力したけど無理だった。1度でも人を殺してしまうと、もう後戻りできないんだ。」 ずっとシェーンに憧れ銃の扱いを習いたがっていた少年ですが、安易に銃で物事を解決しようとする大人にはならないだろう。 ただカッコいいヒーローではなく、そんな過去を背負って生きるシェーンにつきまとう哀愁とその眼差しもまたたまらないのです。
[DVD(字幕)] 10点(2019-05-05 09:53:23)(良:2票)
2.  フレンチ・カンカン 《ネタバレ》 
50年以上前の映画とは思えないほどに街も衣装も舞台も今見ても全く色褪せていない美しい色にあふれています。ムーラン・ルージュが完成した時代の華やかさが見事に再現され、楽しさに躍動感に満ちあふれています。ラストの感動的なフレンチ・カンカンのダンスシーンの素晴らしさには表現する言葉が見当たらない。この間、観ている僕は何も考えていなかったかもしれない。ただ画面に釘付けになり感動していた。その素晴らしいフレンチ・カンカンにダンサーと観客が一体になる。観ている僕達はそんな映画の中で歓喜する観客達と感動を共有し1つになる。映画とそれを観る者とがここまで完全に1つとなれる映画にそう出会えるものではない。そんなフレンチ・カンカンのシーンと交互にはさまれるジャン・ギャバンの舞台裏での万感の思いのこもった表情も感動的です。無意識に体が動き出しフレンチ・カンカンのように椅子に座りながら片足を上げはじめ、ついには座っていられなくなり観客席に出てくるのです。その満足げな表情、この一連のジャン・ギャバンの演技も感動的でした。いつまでも終わってほしくなかった。ずっとギャバンや歓喜する観客たちと一緒にフレンチ・カンカンを観ていたかった。一度は映画館で観てみたい映画です。ジャン・ルノワールが祖国フランスに戻って映画を撮る喜びにあふれた大傑作です。
[DVD(字幕)] 10点(2009-09-10 21:48:55)(良:1票)
3.  お熱いのがお好き 《ネタバレ》 
時代が変わり、笑いのツボが変わり、若い頃に観て大笑いした人が中年になり、年をとって何度見直してもやっぱり楽しいコメディの大傑作だと思います。観る度にこの作品が大好きでたまらない人と10人くらいで集まってお酒でも飲みながらこの映画の楽しさを語り合いたくなりますね。「ジャックとトニーの掛け合いがやっぱ最高でしょ!」「僕はダフネが求婚されて浮かれて踊ってるシーンが一番笑ったなあ!」「ワタシは夜汽車のパーティーが楽しかったなあ!」「俺はマリリンが可愛くて最高だった!」「あの二組のデートの夜も楽しかったんじゃない?」「そうそう!」「分かる、分かる!」なんてね。一晩中でも盛り上がれそうじゃないですか!これはそんな映画だと思います。ダフネさん、ジャック・レモン・ファンの僕にとってはいくら女装して裏声で話してもその笑い方で一発でレモンさんだと見破りますよ!そして永遠のセックスシンボルなんて称されるマリリンですが、僕にとっては本作でもみせてくれるようにやっぱり可愛くてチャーミングなマリリンなのです。あの見事なまでにあっけなく素晴らしいラストまで最高のテンポの良さで楽しませてくれるワイルダーの見事な脚本と語り口。10点満点です。
[DVD(字幕)] 10点(2009-06-04 00:09:41)(良:1票)
4.  ローマの休日 《ネタバレ》 
多分僕が今までに繰り返し観た回数の最も多い映画がローマの休日です。全てのシーンのオードリーがまぶしすぎるほどの魅力にあふれ、この名作の何を、どこから、どうレビューすればいいか分からないくらいです。でも、一つだけあげればラストの記者会見ですね。記者会見でのアン王女とジョーの心のこもった2人だけの“会話”が最も好きです。グレゴリー・ペック、エディ・アルバートの2人も素晴らしかった。笑顔で会見場でアン王女を撮影し、アン王女に思い出の写真を渡すアルバートが実に気持ちがよく、ペックの会見の間は笑みを絶やさず、そして会見場を立ち去るラストシーンの姿もたまらなくいい。ストーリーはジョーが記事にしない事も結末も大体分かってしまうのですが、僕にとってはそれでいいんです。極上のラブロマンスであると共に人間の真心を変にひねることなくストレートに見せてくれた事が嬉しいです。この名作の誕生に関わった方々に、アン王女役にオードリーを選んでくれた事に心から感謝したい。そして観ているだけで幸せな気持ちにさせてくれるアン王女・オードリーに心から感謝したいと思います。
[地上波(字幕)] 10点(2009-02-28 19:24:25)(良:1票)
5.  日本人の勲章
移動手段が馬ではなく車であることを除けば、ほとんど西部劇のような世界観がある作品。 中西部の寂れた小さな町に1人の招かれざる客が降り立つ。 1人のヨソ者と、排他的な町の住人達。序盤からヒリヒリするようなサスペンス。 その町の面々にロバート・ライアン、リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナインら。 徹底的にアクの強い面々を揃えた町の住人と、ヨソ者スペンサー・トレイシー。 これだけ役者が揃えば当然ではありますが、彼らが散らす静かなる対立の火花は見応え十分。  終盤に明かされる、このヨソ者がこの町に降り立った理由、そしてラストシーン。 原題とは全く異なりますが、このタイトルしかないと思える邦題も素晴らしい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-02-27 23:10:15)(良:1票)
6.  眼下の敵
アメリカの駆逐艦vsドイツのUボートの息詰まる攻防を描いた、潜水艦モノの秀作です。 ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス。タイプは全く異なりますが、両軍の艦長を演じる2人のカッコよさ! 戦争をする敵に対する憎しみを前面に押し出すのではなく、 次第に敵の指揮官をリスペクトしあうに至る2人のプライドをかけた次の一手の読み合いにじっくり時間が使われる。 2人共に戦争で大切な家族をなくしていることが前半に語られます。 Uボート指揮官の「この戦争に勝っても名誉は無い。無益な戦いだ。」という序盤の台詞も印象的ですが、 双方の指揮官の戦争に対する微妙な心理が垣間見えてくる。 そういった思いが互いのプライドをかけた戦いが終わった終盤の行動や、ラストの2人の短い会話にもつながっていく。 潜水艦モノとしての醍醐味も十分にして、2人の指揮官の男対男のドラマとしても見応え十分で、 演じる2人の名優の素晴らしさと共に脚本の素晴らしさが十分に感じられる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-08-15 18:07:54)(良:1票)
7.  抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
刑務所や収容所モノによく見られる、囚人同士の喧嘩も無ければ、 刑務所・収容所映画の見せ場の1つである、看守との息詰まるような心理戦も接近戦も見せない。 台詞も音楽の使用も最小限にとどめられ、ナチスの行為への直接的描写も控えられ、徹底的に地味に撮られた作品。 邦題の通り、主人公の男の手記を読んでいるかのようですが、淡々とした描写の中に常に緊張感が張り付いています。 銃殺刑の直接的描写は無いですが、銃の音が遠くから聞こえてくる度にドキッとさせられる。 銃の音、足音、様々な生活音、脱獄の準備や決行の際に出てしまう音・・・。音の使い方が凄い。 まるで主人公の男と行動を共にしているかのごとく、かすかな物音に耳をそばだてながら見ている自分に気付かされる。 ここまでエンターテイメント性を排し地味な作品であっても見る者の目も耳も釘付けにし、 かくも強烈に印象に残る映画になるものかと驚かされます。
[DVD(字幕)] 9点(2017-03-23 22:12:01)
8.  決断の3時10分
護送する者と護送される者、2人の静かなる心理戦。 ガンファイトは終盤までは無いのですが、途切れることの無い緊張感。 護送する者はしがない牛飼い。護送される者は強盗団の大物。中盤以降はどちらも本当にカッコいい。 しかし、護送する者は最初からカッコよかった訳じゃない。 護送する者が護送される者に対し、2ドル、じゃあもう2ドルちょうだいと小銭をせびる、序盤のやりとりが効いている。 護送される者が護送する者に対し、終盤には7000ドル、ダメか?じゃあ1万ドル。しかし動じない。 苦労させている家族のためにカネを取るか?しかし男には正義のために戦わねばならない時がある。 護送する者はどんな決断を見せるのか?2人が見せるしびれるような心理戦が素晴らしい。 そして列車がやって来て決断の3時10分。邦題にある「決断」とは、護送する者の決断だと思っていたら、 動き出した列車に飛び乗る、護送される者の最後の決断。最高にいかしている。 リメイク版は公開時に見に行きたかったのですが、見に行けず今だに未見のままです。 グレン・フォードの役にラッセル・クロウ、ヴァン・ヘフリンの役にクリスチャン・ベール。 これもいいにきまってるんだよなあ・・・。近いうちに見ることにしよう。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-08-29 21:38:06)(良:1票)
9.  情婦 《ネタバレ》 
チャールズ・ロートンの素晴らしい名演技を堪能しました。前半は予想外にロートン演じる卿と看護婦のおばさんとのやりとりをたっぷりと見せる。これが非常に味わいのある可笑しさがあるとともにこの前半に描かれる卿の人間性と退院したての体調という要素が後半以降も重要な役割を果たしており、非常によく練られた脚本の素晴らしさが感じられます。  舞台が法廷に移った後半もロートン演じる卿の老獪にして人間味あふれる弁護士ぶりが素晴らしい。結末に大どんでん返しの仕掛けが施されている事で有名な作品。何かある、と身構えて観ていましたが、それでも騙された!と思ったのもつかの間、もう一度騙された!の二重のどんでん返しが仕掛けられていたラストには参りました。 このどんでん返しに続く卿の「殺したのではない。処刑したのだ。」という台詞と旅行に出る予定を延期する決断をする締めくくり方も見事でした。
[DVD(字幕)] 9点(2010-03-24 00:50:06)
10.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 
何度観ても上手く感想が言葉にならない、様々な思いが胸をつく映画です。世界中で戦死した兵士や巻き添えになった市民の十字架や墓が世界中でどれほど作られた事か。空襲で両親を亡くした少女ポーレットとミシェルが死んだ犬たちのために十字架を集めて墓地を作るという子供たちの「禁じられた遊び」を通して悲しくも痛烈なメッセージが込められた反戦映画の傑作です。上手く演じようとか素晴らしく見せようといった打算が一切感じられないブリジット・フォッセーの姿と、そこに重なるナルシソ・イエペスのギターがより一層悲しさを感じさせますが、ポーレットがミシェルと出会って以降は終始ルネ・クレマンという人の優しさが感じられる作品でもあります。
[DVD(字幕)] 9点(2010-02-28 17:08:38)(良:1票)
11.  旅情(1955) 《ネタバレ》 
何故か今まで見る機会が無かった作品ですが、これはいい映画でした。 僕は特にキャサリンが一人旅をする前半に強く惹かれました。水の都ヴェネチアの街並みや空と水の青の美しさを捉える映像の美しさ。そんな街を観光する彼女をカメラが捉える。運河からキャサリンが街並を見上げる。カメラのファインダーをのぞく。橋の上やホテルの窓から運河や街並みを見下ろす。その度にカメラは彼女の目線でヴェネチアの街を映し出す。 ヴェネチアの街の遠景、彼女の視線のすぐ先にあるヴェネチアの街、そんな素晴らしいカメラワークに、異国の地で自由な時間を満喫する表情、一人旅の淋しさを感じさせる物憂げな表情。キャサリンもまた自由に思うがまま演じているかのごとく表情を変え卓越した素晴らしい演技を披露してくれます。 台詞なんていらない、彼女の表情を観ているだけで十分と思えるほどでした。  中盤以降2人がサンマルコ広場で初めて出会うシーン、店での再会、そしてまたサンマルコ広場で。この出会いと再会の見せ方が見事で高揚する気持ちや心の揺れを演じる後半の彼女の演技もやはり素晴らしい。そんな彼女の魅力を存分に引き出し、実によく計算された演出をみせる巨匠リーンも見事です。 僕にとっての大切な映画がまた一つ増えました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-01-08 18:33:55)(良:1票)
12.  雨に唄えば 《ネタバレ》 
今までに何度も何度も楽しませてもらった映画です。レインコートと傘で3人が歌うオープニングから楽しさいっぱいです。序盤の歌とバイオリンとタップダンスの2人に、楽しい首なし人形との共演「笑わせろ!」に「グ~ッモーニン!」に土砂降りの雨に、他にも作品を楽しく鮮やかに彩る素晴らしい至芸を心から堪能できます。サイレントからトーキーへの映画という文化の一大過渡期における、映画に声という新たな要素が加わったことがもたらす残酷な一面や吹き替えの誕生、撮影現場や舞台裏の試行錯誤を最高の至芸に乗せて華麗に、そして楽しく見せる映画の話術が見事です。(ただ後半に若干長く感じられる所もありますが)そしてきつい役を見事に演じきったジーン・ヘイゲンに拍手です。憂鬱な雨の朝なんかは家を出る前に本作の一番の見せ場を思い出してグ~~ッモーニング♪とセットで口ずさんでみたりすればちょっとイイ気分になれるかもしれませんね。
[DVD(字幕)] 9点(2009-12-27 20:10:08)
13.  誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 
戦場のシーンは冒頭で主人公の青年通信兵アリョーシャが戦車を2台破壊するシーンのみ。しかしこの映画は人間が本来持つ優しさを描くことによって戦争の悲惨さを描いて見せた素晴らしい反戦映画だと思います。戦争映画を観ていると役名も台詞もない兵士たちが弾に吹き飛ばされるシーンが必ずと言っていいほどありますが、命はそんな一発の弾で簡単に吹き飛ばされるような軽い物じゃなく、全ての戦場で戦う兵士には必ず彼を故郷で待つ人がいて、彼の死を悲しむ人たちがいる。アリョーシャという一人の心優しい兵士と、彼が故郷で待つ母親に会い、親孝行をするための休暇の旅で出会う人々や故郷で待つ人たちとの触れ合いを通してこの映画はそれを教えてくれます。心優しき反戦映画の傑作です。昔一度だけTVで放送しているのを見ましたが、こういう映画を家族が揃ってテレビを見る時間帯にもっと放送してほしい思います。
[地上波(字幕)] 9点(2009-10-03 16:50:20)(良:2票)
14.  裏窓(1954) 《ネタバレ》 
椅子に座ったまま一歩も動かないで魅せるジェームズ・スチュワート。その恋人役のグレース・ケリーの美しさとその圧倒的存在感。グレース・ケリーが向かいの殺人犯らしき男の部屋を物色している時は本当にハラハラドキドキです。あの場面は観ている僕たちにもJスチュワートと同じ気持ちで見せてくれます。終始どこかコミカルで楽しく、ロマンティックで、勿論ハラハラもさせてくれる。ヒッチコック映画の面白さがいっぱい詰まっています。一つ映画の中でこれだけ楽しませてもらえればもう十分!
[DVD(字幕)] 9点(2009-01-18 02:57:00)(良:1票)
15.  深く静かに潜航せよ
名匠ロバート・ワイズ。「ウエストサイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」といった まずはミュージカルの大作が思い浮かぶのですが、この人は本当に色んな映画を撮っています。 本作は太平洋戦争における日本海軍と米海軍の息詰まる攻防を描いた潜水艦もの。 狭い艦内の中で俳優の動きが極端に制限されるので戦争映画の中では地味に映るのですが、 本作も含め潜水艦ものは秀作が多いと思います。敵を目視できない潜行中のレーダー探知や些細な音など、 互いの意思を読み合い、次の一手の出方を探り合う。張りつめたような緊張感が漂うサスペンスは潜水艦ものならではです。 特に両軍の潜水艦が機関停止状態で対峙する時間帯。見ている方まで息を殺してしまうような緊張感があります。 潜水艦ものはアクションが制限される分俳優の力量も重要になりますが、 艦長ゲーブルと副艦長ランカスター、2人の名優が演じる男と男のドラマも見応え充分の作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-08 19:18:38)
16.  ウンベルトD 《ネタバレ》 
ヴィットリオ・デ・シーカのネオレアリズモ映画。 戦争も、不景気による国の政策の転換も、いつも弱者にしわ寄せがいく。 年金の減額と、それによる困窮。決して昔話とは思えません。 「自転車泥棒」では主人公の男にはまだ小さな息子がいた。 本作の老人ウンベルトも一人ぼっちのようでもあるけど、ついて来てくれる可愛い愛犬がいる。 どちらの作品も1人ではない、寄り添ってくれる者と一緒のラストを迎えます。 いつも心配してくれる心優しいマリアの存在も良かった。 どうしようもない現実の厳しさはありますが、デ・シーカという人の優しさが感じられます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-03-16 22:37:07)
17.  マダムと泥棒 《ネタバレ》 
何かあると警察にいちいち通報するお婆ちゃん。警察にとってはちょっと厄介者ですが、 そのおとぼけ具合と正義感。本作の様々な要素の伏線となる、お婆ちゃんのキャラを決定付けるこの冒頭が最後まで効いています。 音楽家に扮する泥棒一味に何とも味のある顔ぶれが揃っていて、彼らのドタバタぶりだけでも十分面白いのですが、 その上を行く魅力と存在感を見せるお婆ちゃんを演じた女優さんがあまりにも素晴らしいです。 ワルには違いないですが音楽家に扮し、お婆ちゃんの前では紳士的に振舞う泥棒達。それがもたらす笑い。 作品の至る所にちりばめられた英国調の笑いがたまらない。 終盤はかなりアクの強い展開となりますが、汽車と煙の使い方が絶妙。 お婆ちゃんが疲れて寝てる間に、泥棒一味は結果的には自分達で自分達を罰してしまい、 目覚めればお婆ちゃんは一夜にして大金持ちになっていました。めでたし、めでたし、でいいのかな?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-25 21:50:19)
18.  現金に手を出すな
この頃から特に60年代以降、遺作の「脱獄の報酬」に至るまで、いくつものフレンチ・ノワールで印象に残るギャングの大物や老ギャングを演じたジャン・ギャバンですが、このジャンルでの代表作はやはり本作になるでしょうか。  ほとんど表情を変えない中に見せる喜怒哀楽。女への少々キザな台詞も、何気ない1つ1つの所作も、その全てが渋くカッコいい。威圧感・凄味と品を見事に両立させてみせます。そしてまだ新人のリノ・ヴァンチュラも見事にギャバンの相手役を演じています。  そんな裏社会に生きる男たちのドラマに時折、そして実に効果的に挿入される“グリスビーのブルース”。そのどこか哀愁を帯びたハーモニカの音色がたまらない。  相棒も金塊も取り戻す痛快なラストもいいのかもしれませんが、こんな結末もまた、フレンチ・ノワールにはよく似合うと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-15 20:17:58)
19.  バンド・ワゴン(1953)
これぞザッツ・エンターテイメント!ミュージカルの楽しさ・豪華絢爛さを存分に味わえるアステアの後期の傑作だと思います。  アステアのソロの見せ場が少ないのですが、それでも序盤のゲームセンターでの靴磨きの黒人やゲームセンターの客を巻き込みながら、ゲーム機とも絡みながらのコミカルなアステアのダンスはとても楽しい。またアステア、オスカー・レヴァント、ジャック・ブキャナン、ナネット・ファブレーの4人で魅せる“ザッツ・エンターテイメント”も楽しさいっぱいです。  勿論シド・チャリシーとのこれぞアステア!ヒロインと時にはうっとりするような、そしてパワフルなペアの舞も堪能させてくれます。全盛期のような派手さは無いけれどアステア全盛期のトレードマークであるトップハット&燕尾服姿でのタップを見せてくれるのも嬉しい。  優雅で、コミカルで、歌も素敵で、色んなアステアがたっぷりと堪能できる本作。ミュージカルスターとして頂点を極めたアステアのキャリアも終盤に差し掛かった頃。アステアの集大成のように思える作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-02-02 23:52:03)
20.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 
野生の白い馬と純粋な少年の温かな友情物語を見ているようでもあり、白い馬と狡賢い大人を描いた冷たいドキュメンタリーを見ているような感覚でもありました。  自分を捕えようとする狡賢い大人には一切心を開かない白い馬が、ただ友達になりたいだけである純粋な少年には心を開いた。人間同士でも、人間と動物にも、やはり通い合う心があるということなのでしょう。  このような関係性は同じラモリス監督作品「赤い風船」と共通するものを感じます。それだけに、大人から追われる終盤の展開は、その躍動感に圧倒されながらも悲しき結末を予感しながら見ていましたが・・・。  「白い馬は友を、人間と馬が仲良く暮らせる土地へと連れて行った」という最後のナレーションが悲しいですね。人間と自然、野生が仲良く共生できる世界を願わずにいられませんでした。
[DVD(字幕)] 8点(2011-10-22 19:15:44)(良:1票)
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