1. フル・モンティ
イギリス映画ってほんと、不況という暗~い社会背景、八方ふさがりのやるせなさ、将来への不安、そしてそんな状況にある中での家族&仲間達との絆、そういう要素を映画にミックスするのが上手ですねぇ。この種のイギリス映画って、「めっちゃ泣けた!」「励まされた!」という人と、「退屈だった」「盛り上がりに欠ける」という人、まっぷたつに評価が分かれるものだと思います。私は思いっきり前者です。この映画も、根底にはずっと哀愁が漂っていて、やってることとか発想自体はアホっぽいんだけど、要所要所で、支えてくれるそれぞれの妻や息子の暖かいセリフにじーんとさせられて…。涙&笑いなしには見られない映画です。ロバート・カーライルは、まゆも肩も下がり気味、華奢で細っこくて背も低いのにどうしてこんなにカッコいいんだろう(笑)そして何があっても「僕はお父さんを信じてる」と言って最後までみんなにくっついて応援し続ける息子がとてもとても可愛いです。ショーを見に来た元妻、観客達の笑顔も最高。不安やコンプレックス、プライドをすべて服と一緒に脱ぎ捨てて、憑き物が落ちたかのように晴れ晴れとしたメンバー達の笑顔も最高でした。あと、サッカー好きなので、「オフサイドトラップ…」とつぶやきながら踊る彼らも可愛かったです☆ 10点(2005-02-26 18:06:41)(良:1票) |
2. ムーラン(1998)
絵がイマイチ好みでないためなんとなく敬遠していたのですが、飛行機の中で見る機会があったので暇つぶしに見てみたらめちゃめちゃ面白かったです。初めて見たときは正直かわいくねーと思ったムーランがだんだん魅力的に見えてくるから不思議。皆さんおっしゃっているように雪山のシーンは圧巻。ボスキャラの迫力(顔怖すぎ!)がストーリーを引き立てているし、全体的に抑えた色調もステキ。ほのかに漂うラブ具合も新鮮で絶妙で好きだし、非力なヒロインが不屈の精神でたくましくなっていく展開はかなりツボです。 8点(2004-08-25 12:27:43)(良:1票) |
3. 秘密の花園(1993)
「秘密の花園」は子供のころ大好きで何度も繰り返し読んだ物語(ちょっとノリは違いますがアニメも欠かさず見てました)。そんな私にとってこの映画のキャスティングは文句のつけようがないし、冬の荒涼とした風景、荒れ果てた庭が春になって美しく彩られていく様はまさにイメージ通り!動物たちも生き生きしていて可愛いです。どうしてこんなに懐いているの?よくこんなショットを撮れたものだ。前半が薄暗く陰気な分、生のエネルギーに満ち溢れたラストは最高です。好きな物語ほど映像化されてしまうとガッカリすることが多いのですが、この映画に関しては「イメージ通りの映画を作ってくれてありがとう!」とスタッフにお礼を言いたい気分になりました。監督も脚本家もこの物語が愛読書だった、というのもうなずけます。「カレンダー・ガールズ」に続いてヨークシャーの大自然にすっかり魅了されてしまった私。というわけでもうすぐ行ってきます!丘の上で走り回って、それから太極拳するぞ。 9点(2004-07-31 01:58:46) |
4. ユージュアル・サスペクツ
『カイザー・ソゼ』。映画を見ている間はその名を聞いただけでなんだか私まで身の毛がよだつような感覚に襲われました。こんだけ強烈なキャラクターを創り出せるのはすごいと思う。でも、ラストがなあ…。こういう系統の映画、私は単純人間なのでいつも「そうきたかー!」「ヤラレター!」と気分良くだまされるのですが、この映画に限っては最初のメンツを見たときからなんとなく予想がついてしまった。しかもこの裏切り方は鮮やかとは言えないような。あのときのアレはこういうことだったのね…!っていう納得できる伏線とかあんまりなかったような気がします(気付かなかっただけ?)。『ゲーム』に次ぐ「イヤなだまし方をする映画」。 5点(2004-07-10 14:22:10) |
5. トレインスポッティング
思ったより汚くなくてよかった。…というのがいちばんの感想。全体的に曲もカッコいいしスタイリッシュによくまとまった映画だと思います。でもなんかそれだけなんだよな…。思ったより何も残らない映画でした。あ、あとロバート・カーライルがリトル・ストライカーの哀愁漂う元エースストライカーを演じていたときとは別人みたいでビックリした。キレっぷりがすごい迫力ですね。 5点(2004-07-10 14:08:53)(良:1票) |
6. 恋愛小説家
《ネタバレ》 主演のふたりはもちろん、サイモン、サイモンの恋人、ヘレンの母&息子に至るまで、登場人物全員に好感が持てる映画。そして何と言ってもあのわんちゃん、あの子は何者…!?わんちゃんは、ニコルソンの性格が変わり始めるキッカケのような存在なのでとても大事だと思うのですよ。そりゃ~あんな目で見つめられたらニコルソンだってメロメロですよ!ただこの映画、ちょっと長すぎるような気がします。途中ダレました。ニコルソン、不器用にも程がある。好きなのに憎まれ口をたたいてしまう、そもそも恋をしているという自分の気持ちにも気付かない、そういうのが純で可愛いなあって思える年齢とは程遠いわけで、あんまりしつこく長引かれるともどかしさを通り越してちょっとキモく感じてしまいます。しかし、我慢も限界、ちょうど早送りボタンを押したくなるポイントですばらしい愛のセリフが!You make me wanna be…とラストの I might be the only person on the face of the earth that…の長ゼリフ。これを聞くと「待った甲斐があった…」と思えます。とくにヘレンの息子スペンサーの名が出たところでは思わず涙が。ヘレンとしてはきっと一番認めて受け入れてもらいたい部分だったはず。いろいろとツッコミどころもあるけれど、セリフで選ぶなら最高のラブコメです。 8点(2004-07-06 00:44:32)(良:1票) |
7. 交渉人(1998)
《ネタバレ》 サミュエル・L・ジャクソンの演技が真に迫ってた!たしかに手荒い手段ではあったけど、誰を信じたら良いかもわからず、誰にも信じてもらえず、なんて状況に立たされたら…私も半狂乱になって人質とると思います。イイ人を演じるケビン・スペイシーもまたステキ!スゴ腕の交渉人なのに妻と娘に対しては交渉術もまったく歯が立たず、な登場シーンが好きです。はじめは事の真偽よりもとにかく人質を助けることしか頭になかったケビンと、無実を証明したくて必死なサミュエル。激しい交渉バトルを経てそんな二人の間にほのかな友情(?)が芽生え、最後はケビンの機転によって無罪が証明される。サミュエルの Nice bluff, Chris.(いいハッタリだった)というセリフに暖かい気持ちになりました。「逃亡者」といいコレといい私ほんとこのパターン好きやな~。 9点(2004-06-26 02:07:56) |
8. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 アンディとレッドの友情や、その他囚人仲間とのほのぼのとしたやり取りはとても良いと思ったし、アンディが大金だけでなくソーシャルセキュリティナンバーまで手にして新しい人生をスタートさせた瞬間には素直に感服。悪の親玉ノートン所長が最後にはちゃんと暴かれ追い詰められて幕を閉じたのも良かった(因果応報的結末は大好き)。ただ、鑑賞後のすがすがしさはそれほど得られませんでした。期待しすぎたかな。あんなにあっさり殺されてしまったあの若者があまりに可哀想で…。奥さんも子供もいて、せっかく試験にも通ったのに、結局アンディに出会ったせいで死んでしまったわけで、なんとも報われない気持ちです。手がかりをつかんだにも関わらず免罪も晴らせないまま終わっちゃったし。希望がつかめそうになっては絶たれる、それの繰り返しで、最後につかんだ「希望」も結局はいろいろごまかして見ないフリをした上での「希望」です。壮大で美しい人間ドラマだけど、ちょっとやるせなさの残る映画でした。ラストの景色は素晴らしいんだけどな。 7点(2004-06-26 01:39:45)(良:2票) |
9. ユー・ガット・メール
ラブコメはあまり好きではない私ですがこれは大好き!とにかくメグ・ライアンが可愛いくて憧れます。オンとオフの会話の対比も面白いし、全体的にテンポが良くて心地いいのです。NYの町並みや本屋さんの内装も可愛くてステキ。無駄なくシンプルにまとまった、オシャレな絵本のような映画です。トムの店も、もっと味気ない量販店なのかと思いきや、なかなか素敵でしたね。トムは商売敵(しかも大型店)ということで、前半はメグにも観客にもビジネスライクで冷酷な印象を持たせるけど、実はとてもハートフルな奴だった。パソコンの前で喜んだり慌てたり悩んだりする二人が可愛い! 8点(2004-06-19 01:16:09) |
10. 逃亡者(1993)
《ネタバレ》 個人的にハリソン・フォードがだいすきなので悲壮感が増し、見ていられないほどハラハラしてしまいました。逃亡するだけでも大変なんです、なのについつい警備員や子供を助けずにはいられなかったり、自らの冤罪を晴らしながらの逃亡ですよ?こんな、逃げながら犯人を突き止められるくらいなら、あっさり死刑判決が出る前にだれか解明できなかったのかよ、とも一瞬思ってしまいましたが。無実を主張するキンブルに I don't care なんて冷たく言い放っていたジェラードが、次第に真偽を疑い始め、追跡と同時に真犯人の調査もするようになり、ラストシーンではちょっとした優しさを見せてくれる、そんなほのかな友情(?)にも感動。こういう頭脳戦のようなサスペンスは大好きです。 9点(2004-06-17 15:19:57)(良:1票) |
11. 真実の行方
《ネタバレ》 エドワード・ノートンがすごい!すごすぎる。この人すごいなあ~と思った「ファイトクラブ」のとき以上に本領発揮してる!完全に騙されました!でも、ギアがノートンに食われたかというと、そうは思いませんでした。この映画で一番心に残っているシーンはどこかといえば、ギアが酒場で記者に自分の思いをオフレコで語るところと、ギアのラストのなんとも言えない表情だから。ヒーロー気取りの軽薄な弁護士かと思いきや、人間の本質は善だと信じてる、犯罪を犯すすべての人間が悪人だとは思わない、だから弁護士になることを選んだんだ、と語ったところでちょっとホロリ。だからこそラストがせつないのです。 8点(2004-06-17 14:55:12) |
12. いつか晴れた日に
《ネタバレ》 長いんだけど、長さを感じさせない名作。イギリスの風景はやっぱり美しいし、のどかで淡々とした雰囲気が私は大好き!アラン・リックマンも渋くて素敵だったし、ケイト・ウィンスレットは『タイタニック』の時より演技力(&歌唱力)がいかんなく発揮されている感じがしました。そしてエマ・トンプソン!出演作はこれと『ラブ・アクチュアリー』しか見たことがないのですが、感情を抑えて無理して明るくふるまう演技+たまらなくなって泣き出す演技が秀逸ですね。なんというか、見ているだけでせつなくて苦しい気持ちを共有してしまいます。なのでラストのヒューのセリフには一緒にうれし泣き。ほんとうにヨカッタ…! ただ、ヒュー&エマのカップルはビジュアル的にお似合いじゃない気がする。というかヒューが登場するたびになんだか可笑しくて吹き出してしまいました。整った顔立ちのキャラが多いシリアスなストーリーの中ひとり浮いているのは、きっと襟の詰まったクラシックな衣装があまりに似合わないせい(首が短いのか顔が長いのか)。でも笑えたしいっか!アラン&ケイトも歳の差がありすぎて親子みたいだな。でも大佐の一途な想いが通じて嬉しかったしいっか! 8点(2004-06-13 02:32:17)(良:1票) |
13. ギャラクシー・クエスト
トカゲヘッドで仏頂ヅラのアラン・リックマンが最高!私、これだけでもおなかいっぱいです!いっぱい笑えてちょっとホロリとくる、ヘコんでる時に恋しくなる映画。…それにしてもシガニー・ウィーバー、50歳にしてこのナイスバディは奇跡のようですね!中盤まで素で「この人シガニー・ウィーバーにちょっと似てんなあ」とか思ってました。これも特撮? 9点(2004-06-12 22:59:24)(笑:1票) |
14. ブラス!
《ネタバレ》 厳しい現実と美しいメロディーのコントラストが泣かせます。映画としてはちょっと重いけど、『炭鉱閉鎖』という改革の犠牲になった人々の悲哀をありのままに描いたらこうなるのでしょう。コンクールでの演奏は本当に素晴らしく、優勝を手にすることができて気分爽快!…と思いきや、最後のスピーチがまた現実的で泣かされる。皆失業中で先行き不安で、きっとこの演奏が最後になるんだろうなぁ、と思うと物凄く哀しいラストなのですが、そこにまた『威風堂々』と皆の笑顔がかぶさって、爽やかなんだけど哀しさ倍増です。 8点(2004-06-11 00:58:35) |
15. フォー・ウェディング
《ネタバレ》 今まで観たヒュー・グラントの映画はどれもけっこう面白かったので期待して観たらガッカリです。一番の原因はヒロインの魅力のなさ。それがまったく解らないからたった数回会っただけで彼女のことをあんなに想う主人公の気持ちもまったく解らない。主役二人に感情移入できない時点でもう観るのが苦痛。スコットランドの金持ちじい様との婚約は結局金目当てか何かにしか見えないし、婚約者を紹介した直後ににウィリアムとまた寝てるし、アナタが31人目だか32人目だかって言う会話もどうなの。たいがいの男はここで引くんじゃないの?結婚式当日に盛大にフラれるアヒル顔も不憫です。どんなにウィットやユーモアに富んだ小ネタが盛り込まれていようと、風景が美しかろうと、お葬式が感動的であろうと、大筋がこれじゃどうしようもない。 3点(2004-06-06 00:56:29) |