1. 20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗
《ネタバレ》 第1作から最終章まであわせてなんと436分、7時間超という超大作。ここでは、まとめてレビュー。中身を端的に言えば、小学生の道徳の時間に見せられたNHK教育の道徳ドラマ番組を劇場版に、という感じ。まさに「明るいなかま・ザ・ムービー」といったところか。もっと若い世代なら「虹色定期便・ザ・ムービー」でも良いか…。 話の中身も、大人が楽しむと言うより、是非、小学生や中学生に見せたいという感じかも。しょうもない事件が、一人、あるいは大勢の進路を狂わせることもあり得るのだ、ということを描いたのだと見れば、それなりに納得できる出来だと思う。もっとも、現実世界はここまでヤワでなく、しかしながら複雑ではあるが。 役者的には他のレビュワーさんの指摘どおり、本当に「新春かくし芸」のドラマのノリ。よくここまで漫画通りに出来たものと感心。細かいところを見ると、突っ込みどころもあるが、愛すべき点の方が多い作品と言うことで、3作まとめて6点献上。 ちなみに、今はかの道徳ドラマもドキュメンタリーになり、新春かくし芸も打ち切りとか。やっぱり、この映画の中身も、枠組みも、20世紀へ残したものかもしれないと思うと、少し寂しい気もする。 [映画館(邦画)] 6点(2009-12-03 10:05:06) |
2. 北の零年
《ネタバレ》 若者向けにはデビルマン、そしてジジババ向けには北の零年。どちらも観たあとにガックリ_| ̄|○くる。ツッこむ気力すら失せてしまう。低制作費の深夜ドラマの方が、まだ面白くて感動するシナリオがある。いくら邦画が好調とはいえ、このような志の低いものを見せつけられると、今年の邦画のヒットもきっとバブルだろうと思えてくる。東映もテレビ朝日資本が大きく流入することで、より大作指向を強めるのだろうが、少なくとも現状はかなり拙い方向に向かっていることは認識すべきだろう。得点は北の零点といいたいところだが、寒空のした頑張ったスタッフに免じて1点を献上したい。 [地上波(邦画)] 1点(2006-12-26 00:44:15)(良:1票) |
3. スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ
《ネタバレ》 この作品がまさか今の時代に映画化されるとは思っても見なかった。今や完全な死語となったスケバン(テレビ版の時ですら化石だったのだが)をこの世に蘇らせるとは、さすがデビルマン東映だ。しかも、監督が前回BR2でアラをさらけ出した深作健太だけに、第一種警戒警報を発令しつつ、劇場に行ってみた。 全体を通してみると、ツッコミどころは満載だが、意外と見られるデキだ。特に敵役石川梨華の存在感は大したもの。タランティーノならきっと気に入るだろう。 ただ、ストーリーの酷さはテレビシリーズにも劣る。事件の動機も希薄だし、テレビシリーズにはあった水戸黄門的なカタルシスも感じられない。ベテランの脚本なのに何故・・・。更に、ネット犯罪がベースとはいえ、2ちゃん用語の羅列はいただけない。「電車男」の劣化コピーだ。敵役の頭を演じた窪塚弟も薄味過ぎる。前2作が伊武雅刀・京本政樹を使い、濃い味を出していたのに・・・。長門裕之・竹内力はさすがに画面から出てくるオーラが違っていた。一方斉藤由貴の低いトーンの声には時の流れを感じてしまった。 次回作を匂わせる終わり方だが、この興収では正直つらいだろう。 テレビ東京の木曜洋画でどのような番宣がなされるのか楽しみではあるが。 [映画館(邦画)] 4点(2006-10-27 01:30:31) |
4. ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT
《ネタバレ》 とある新聞で日本そっくりのセットを作ってロケをしている映画があるという記事が載っておりそこで紹介されていたこの作品。ひょっとしたら「KILL=BILL vol1」並みのバカムービーになっているかもという、よからぬ期待を抱いて見に行ったところ、これがビンゴ。日本に来た主人公がいきなり詰め襟の制服で大ウケ。ありえねーの波状攻撃でニヤニヤしながら見てしまったし。 ストーリーはスカスカでも、日本人限定で楽しめるシーン多数なので音の良い劇場で見ると結構楽しめる。 注目は「ウワバキ」を全世界に広めた柴田理恵か?(笑) [映画館(字幕)] 5点(2006-10-06 16:54:41) |
5. ゲド戦記
《ネタバレ》 酷評されていたので、デビルマンとガンドレスを前日に観て、耐性を付けて見に出かけた。ワクチンがよく効いたのか、すんなりと観ることは出来た。 が、これで1800円?とも思う。まず、世界観が広そうに見えて狭い。出てくる舞台は主に城-街-隠れ家-クモの城の4カ所。殆どが後半2カ所周辺でのご近所ムービーになっている。デビルマン並みだ・・・。 そして、なぜアレンが父を殺めたのか、説明が皆無。冒頭で侍女が王にアレンの様子がおかしい、と進言するシーンがあったが、あれだけでは不親切。何故影を恐れるのか、伏線として引いておけば、後半のメッセージも活きてくるのに。これでは理由無く凶行に走る少年犯罪ムービーじゃないか! さらに、テルーの生い立ちやゲドのこともほとんど説明なし。そもそも、ゲド戦記って言う割にゲドが単なる語り部になっているのは何故? 台詞の扱い方や音楽のタイミングも微妙。声優についてはゲド役の菅原文太はさすが。ただ、他のキャストが微妙。キャストも再考する時期では。 この作品、どんな層にどのような話を伝えたいのか。原作を読め、なんて言うのは映画として失格。しかもファミリー層が多く来るのが予想されながら、血生臭かったりグロテスクだったりして、子供たちには正直つらい作品でもある。 製作委員会の面子は大企業。電通と博報堂って日本の広告の大半を仕切るに等しいではないか。ただ大規模に広告したところで、言いたいことが伝わってこない作品を観客が喜ぶはずがない。最近のジブリ、特に鈴木PDがヒット仕掛け人として表に出る頻度が高くなるにつれ、作品の質がどんどん落ちている。裏方が表に出すぎることこそ、この映画が言い続けた「均衡の破壊」なのではないのか。そういう見方をすれば、この作品、今のジブリのカオスを隠喩した作品といえるかもしれない。 奇しくも、「ハウルの動く城」の監督を務めるはずだった細田守監督の作品が現在全国13館という規模でありながら高評価を受けている。映画はもちろん監督だけのものではない。集まるスタッフの総合力で左右される。細田監督の作品には、前回の降板騒動にもかかわらず、最高のスタッフが集結している。今回のゲド戦記で宮崎吾朗監督がどのような評価がなされるかはむしろ次回作にかかっているかと。でも、この調子だと次回はもう無いかも。原作者マジ怒りだし。0点もやりたくない。 [映画館(邦画)] 0点(2006-08-03 03:43:13)(良:3票) |
6. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 23年前の大林版を見たときはまだ中学生だった。郡内でたった一つの映画館(今はもう無くなってしまった)の夏休み作品だ。確か、薬師丸ひろ子の作品と併映だった気がするが、記憶に残っているのは時をかける少女の方だった。感動とときめきを覚えながら鑑賞した記憶がある。 そして、大人と言うよりおじさんになりつつある今、アニメ化されると言うことで、期待しつつも冷めた目で見てしまうのかな、と心配しながら劇場に向かった。 心配は杞憂だった。目の前に現れたフィルムは自分を23年前のような純粋な気持ちに「タイムリープ」させてくれたと思う。 前半大笑いしつつ、フィルムの中の世界が動くにつれて切なさがあふれてくる。主人公である真琴の揺れる気持ちや劇中の世界から帰りたくなくなったという千昭の想いが大きく伝わるにつれ、観ている自分まで泣きそうになってきた。大林版は未来から来た「彼」(ケン・ソゴル、本作では千昭)が未来に去るとき、ヒロインたちの記憶を消し去っていくのだが、本作はそのまま。だからこそ、よけいに切なく感じるのかもしれない。 見終わった後に、生きている今の時間を愛おしむ感情を抱かせてくれた、希有な作品だ。40年前に書かれた原作の良さを活かしつつ、今の時代にうまくアレンジしたスタッフの力量はすばらしいの一言に尽きる。 残念なのは、大作の陰に隠れて観賞できる場所が極端に少ないこと。時間がかかっても良いから、日本中で見て欲しい作品だ。映画館からの帰り、最近増刷された原作を手に入れた。田舎の本棚には残っているはずだが、そのころを思い出しながら、読み返してみよう。 追記・・・レイトショーでかかっているところを偶然見かけて衝動見をしてしまいました。そこで意外な発見。背景に使われている品物や企業名って、普通「偽名」を使うケースが多い中、この作品では大部分が実名。きっと1件1件許可とって回ったんだろーなー。そんな中、俺の会社も実名で・・・。美術スタッフのこだわりと仕事ぶりに敬意を表して加点させてください。 [映画館(邦画)] 10点(2006-07-30 22:24:17)(良:3票) |
7. M:i:III
《ネタバレ》 先行上映なのに1000円で良いのだろうかと思いながらもたっぷり堪能させていただきました。 トムクルーズも1作目の時は強いて言うなら「係長」クラスだったのが今作では「教官」と言うことで、ずいぶん落ち着いているなぁという感じ。しかしミッション復帰となるとまだまだイケルぜぇと暴れるトム君がやっぱりカッコ良い。 元々ミッションインポシブルってテレビシリーズではドンパチよりも頭脳戦で敵を無力化させる、という感じなのが、映画ではずいぶん積極的な策が多いようで。もっともただの銃撃戦でなく変装あり心理戦ありで2時間飽きさせずよくまとまってます。上映中に時計を気にさせない表現力は新人監督と思えない力量で今後が楽しみ。 ただ、ストーリーは相変わらずIMFの内部犯罪と言うことで、少しは学べよ、という感じも。個人的には007のようにシリーズ化して欲しいんですが、そのためには悪役のキャラがもっと立たないとつらいかも。もちろんヒロインと敵側にツンデレ女子は必須で。 娯楽大作としては文句はないので、この点数で。 [映画館(字幕)] 8点(2006-07-02 01:32:38)(良:1票) |
8. デビルマン
ほんとうは0点の気分だが、DVDのテレビサイズの画面で何度も見直して評価できる部分に「部分点」を加えてこのレベル。 シーン単位の個々の役者の演技では、評価して良い部分は少なくない。大根以下と酷評されている主役の双子でさえ、台詞のない佇まいなら、絵になっているところはある。 問題は、映画全体として見たときに、それらの素材が不協和音どころか、爆音を立てて崩れていくのが我々観客にもはっきりと分かってしまったことだ。個々の社員はそこそこなのに、組織として動くと暴走してしまう駄目企業への皮肉に見えるような作品。 あっ、それってこの作品の配給元では・・・。 [DVD(字幕)] 1点(2006-01-14 13:12:23)(笑:2票) (良:1票) |
9. Mr.&Mrs. スミス
「なんでやねん」というツッコミは入れたくなりつつも、しっかり笑わせてくれる作品。他のキャストでも成り立つだろうが、旬の美男美女という組み合わせとしては、この二人は正解だと思う。 見たあとになーんにも残らないが、いい音で大画面で楽しむという「映画らしさ」を 味わいたいなら、悪くない作品ではないだろうか。 [映画館(字幕)] 6点(2006-01-14 12:56:54) |