1. シン・シティ
まず、ウォーレン・ビーティの『ディック・トレイシー』を思い出した。 『ディック・トレイシー』も今のCG技術があれば もっと評価も違っていいただろう。 アメコミは読んだことがないので どれだけ原作の雰囲気を忠実に再現できているか ということはわからない。 画面構成や構図、アクションがコミック的であることはすぐにわかった。 まんがの場合でいえば。 漫画の中では絵の説得力もストーリーに組み込まれているので そのままやると変な話になってしまう。 映画『ドカベン』のように。 やはり、実写になるとわれわれの脳は違う認識のしかたをしてしまうもののようだ。 純愛に生きる孤独な男の悲しくもかっこいい生き様。 しかし、コミックではリアリティを持っていただろう人物たちも イカレた人にしか見えない。 特にドワイトはよくわからないヤツだった。 じゃぁ、面白くなかったかといえば やっぱり面白かった。 主人公のストイックな生き方には 燃えるものがある。 こういう男の子向きの話が素直に楽しいといえる世の中であって欲しいと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2006-12-10 07:17:11) |
2. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
自分の予感が当たっていたような あたっていなかったような。 ビミョーな感じでした。 スノーボードやバイクなどの ストーリーとはまったく無関係な場面は 一体何のために付け足したのでしょうか?。 尺を稼ぐためとしか思えませんでした。 しかもわかったようなわからないような理由付けも いかがわしさが醸し出されていればよいのですが 中途半端にまじめなのでバカバカしく見えるだけです。 しかもゴームズが実写になると間抜けになってしまうのは 素人の自分にもわかることで、もう少し工夫できなかったのでしょうか。 トイレットペーパーをとるのに便利なことしか印象に残っていません。 ということで非常に気に入りました。 これは本物のバカです。 映画がバカなのではなく作ったやつが。 なかなかのもんです。バカ映画好きとしてはクォーズよりいい点数はつけられませんが ひけをとらないものがあります。 [DVD(字幕)] 5点(2006-11-09 09:01:13) |
3. 愛についてのキンゼイ・レポート
まず、役者がよかった。 演技がよければつまらない映画もそれなりのものになる典型的な例のように思える。 キンゼイ博士の報告は日本でも昔から知られているらしい。 自分のおばあちゃんも知っていたのには驚いた。 キンゼイ博士はタマバチの研究において同じ種でも別の種ほどの差があるという事実から 生命とは違うことだと言い切る。 似てるって違うってことね。(Byタカラ本みりん。) 人間もみんな違って当たり前だのクラッカー。 しかし、人間とはアイデンティティを求めてしまうものなのだ。 だから膨大な数の聞き取り調査による統計的調査には意味がある。 人間を生物として捉えた場合、やはりマスとしての特徴を抽出することが理解につながる。 理解は征服につながる。(Byゼーレ) そして彼はそれをやった。 しかし、研究スタッフがエロエロな集団になってしまったのはいただけない。 生物学者は研究対象を食べるもんだと畑先生はいっていた。 人間の性行動の研究はいってみれば自分の研究で客観性を保つのは困難である。 事実、科学は愛を語れないなどと弱気なことを言う博士は情けない。 科学に愛を語る言葉を持たせて見せるくらいのことは言ってほしかった。 [DVD(字幕)] 5点(2006-10-22 15:40:26)(良:1票) |
4. キング・コング(2005)
中途半端な普通の映画になってしまっている。 いろいろなエピソードをつなぎながら、 コングの登場まで引っ張る引っ張る。 そこで少しオオッ?と思った。 いにしえの怪物映画の伝統を踏襲しようという意図が見えたからだ。 が、しかぁし、島の中はジュラシックパーク状態。 変な虫とか巨大な恐竜がわんさか出てきてゲンナリ。 大人の事情があったのかもしれないが…。 それなりに面白く鑑賞できたのだが やはり、モデルアニメーションのコングのほうが臨場感がある。 CGがだめだといいたいのではない。 古い町並みの再現や クラッシックカーでの激しいチェイス、クラッシュなどは CGでなければ表現できないだろう。 特に車は 映画の時代設定が古い場合その調達が難しくなってきているのではないか。 そういう意味ではこれからの映画にはCGはなくてはならない。 ただ、CGの場合すべてはシュミレーションであり 重力もそうである。 モデルの場合は一目で作り物とわかっても 重力は本物である。その違いは今のところ大きい。 世界貿易センタービルに登ったコングはすこぶる評判がよくないようだが コングと人間の情の交わりを描いたのはこっちが先で オリジナルではない。 ギラーミン版にも敬意を払うべきだ。 島でのシークエンスの最後はナウシカやんとおもた。 それから、ナオミワッツが老けててがっかり。 この人の映画の密林は暗くて湿っぽくて静かで アマゾンとはまったく雰囲気が違う。 そこがあまり好きではなかったが コングに限りはそれが奏功していた。 この調子で、キングコング2のリメイクもお願いしたい。 [DVD(字幕)] 6点(2006-09-28 08:20:48) |
5. キャプテン・ウルフ
冒頭のクソガキどもの傍若無人ぶりが鼻につく。 弱い立場であろう家政婦さんも人間扱いしていない。 こんなものを子供に見せたら、 給料さえ払ってやれば人間扱いしなくてもいいと勘違いしそうだ。 アクションも最低。 今まさに運転席から銃で狙いをつけているのに フロントガラスの視界を遮ってなんの役に立つというのだろうか?。 いちいち危機を乗り切る方法が とにかくなんかやっとけ的でおざなりである。 どうしようもない映画。 [DVD(字幕)] 3点(2006-09-21 03:31:53) |
6. ブロウ
彼が一番求めて得られなかったもの それは母の愛。 この映画ではそのように見える。 名誉毀損の問題とかで突っ込んだ表現は難しかったのだろう。 映画では某国の銀行に騙し取られたことになっているが あれほどのビジネスセンスの持ち主が 金の隠し方に対してあれほど無頓着であったとは考えにくい。 実際のところはどうなのだろうか?。 麻薬を産地直送して利益を上げるところなんか 胸のすくような展開で まるでプロジェクトXを観ているようだった。 この人物を知らなかったので面白く鑑賞できた。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-07 15:03:53) |
7. デビルマン
マガジンの連載最終回に学校が揺れたのだ。比喩はなく。 昔はねマンガを教室で回し読みしていたのだ。 あしたのジョーとデビルマンの最終回は 学校がどよめいた。 それほどみな熱くなったマンガなんだ。 その熱気を知っている世代はこの映画に腹が立って仕方がないだろうと思う。 実写でやるのは無理だと思う。 アニメにすればよかったのにと思う。 それでも最近のアニメを見ていると怪しいもんだが…。 しかし、東映映画の集大成的な要素もあってそんなに酷い映画ではない。 ヤクザ映画になったり 時代劇になったり 東映映画の要素がテンコもり。 キャシャーンよりはずっとまし。 少なくとも映画のプロが作った映画だ。 思うに、悪魔対デビルマンの前半と 人間対デビルマンの後半に分けて6時間ぐらいの映画にして 国家予算並みの予算で最高のスタッフを集めて 10年くらいかけて作れば そこそこのものになると思う。 [DVD(邦画)] 4点(2006-06-19 17:14:44)(良:3票) |
8. 愛しのローズマリー
何ですかこれは。 カルトなゆがんだ思想をここに見るような気がする。 いかにも怪しい自己啓発セミナーのおっさんに 心が姿として見えるようになるおまじないをかけられて すんごく太った女の子が美女に見える。 ……、太ってたらきれいじゃないのか???????。 狂ってるよこの監督。 それに、こころのきれいな人はみんな病的な容姿の持ち主ばかり。 心の問題は自分の問題で容姿の問題ではない。 それで結局不細工な男女がくっついてハッピーエンド????????。 なんかヘン。 不細工は不細工同士でなかよくやってろという風にしか取れない。 これ以降ファレリー兄弟の映画は見ない。 [DVD(字幕)] 3点(2006-06-17 16:39:46) |
9. アドルフの画集
戦争から帰ってきたアドルフ。 仕事もなく家もなく金もない。 町を歩いていると、 パン屋が焼きたてのパンを陳列棚に並べている。 アドルフは画家を目指している。 しかし、絵の流通価値を決めるのは画商である。 そこら辺を見落とすとこの映画はわけわからんと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2006-06-15 20:37:38) |
10. Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004)
《ネタバレ》 オリジナルに敬意を払っている感じがして好感がもてた。 ただ、ダンスはもともと彼らの文化であるから オリジナルがかもし出す場違いな気恥ずかしさといったものは表現できない。 また、ロペスがギアに厳しいことを言う場面。 せりふが違っていて、ツマラン。もっと男を打ちのめすようなことを言わないと。 その点は草刈民代の名演が光る。 そうでないとその後の展開が生きてこない。 ギア的にNGだったのだろうが。 王様と私の映像を使えたのはハリウッドならでは その点だけはこっちの勝ち。ずるいけどネ。 それと、あの馬鹿娘なんであんなにいつも怒っているのか。 はっきりいってバランスを欠き映画をぶち壊している。 探偵が本の上に食べかすをこぼしてそれを掃う場面は フォロー・ミーを意識したものだろう。 個人的にはそこが一番ウケたけど 普通はわからないだろうなぁ。 ポスターが使えなかったのだろうけれど。 さいごのスーザン・サランドンとのエロエロなキッチンのダンスシーンは うらやましかった。でも、シミくらい消そうよ映画なんだから。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-15 20:26:55) |
11. コール
火曜サスペンス劇場でも通用しなさそうな脚本。これならば火曜サスペンス劇場の再放送を観たほうがよほど実りある時間をすごせる。どうしようもないセンスの悪さ。計画は完璧だとかいいながらグダグダな計画。せっかくのケビン・ベーコンがただの馬鹿に成り下がっている。役者に失礼な映画だと思った。 [DVD(字幕)] 2点(2006-05-03 17:22:58) |
12. ロボッツ
世界観の構築に失敗していると思います。宅配されたパーツを組み立てて子供ができたといわれても不気味に感じるだけです。やはり人間のように普通に出産するか、授かったうれしさがこちらに伝わってくる設定を工夫するべきでしょう。パーツを取り替えればオッケな世界ではロボットに感情移入しにくい。どうしても取り替えられない部分がどこかにあってそれは死守しなければならないという設定がないとロボットを生きているように感じることはできない。こういった人間のカリカチュアとしての部分が十分でないためにキャラクターに感情移入できずストーリーにも魅力を感じられない。 [DVD(字幕)] 4点(2006-03-31 18:06:33) |
13. スクール・オブ・ロック
《ネタバレ》 バンドを追い出されたのも周りから疎まれているのも自分の自己中のためだと気づかない男が子供と触れ合うことで仲間を思いやることを覚えて人間的に成長してゆくという大枠のお話はいいと思います。ただ、これは役者のわがままか、本が稚拙なのか、ロックのボーカルのできる子役に恵まれなかったのかはわかりませんが最後のバトルで、お前が歌えと子供に一番目立つボーカルを譲るというのがラストとしてスッキリするはずですが、いくら譲られたとはいえそのまま歌ってしまっては肝心の大枠が十分に表現されないので、今ひとつこの世界に乗り切れません。さらに、楽器のできないやつには冷淡なところも笑えません。しゃれになっていません。ここを工夫すればもっと素直に笑えたのですが…。それとロックは反抗だといいながら、劇中の反抗は和解折込済みでしらけます。とはいえコメディとしては笑うところもあり音楽も楽しく普通以上のデキではありました。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-31 17:45:39)(良:1票) |
14. ナポレオン・ダイナマイト
《ネタバレ》 これは自分の学生時代を見ているようで笑いっぱなしでした。人望もないのに生徒会長に立候補してしまったり、それがなんと声帯模写が受けたというだけで当選してしまったり、好きな女子の似顔絵を描いていやな顔をされたり、ひょっとして自分の学生時代を見てたのかと電波なことを考えてしまうほどで、ほろ苦い気持ちになった。農業のコンテストで優勝したり?それともあれは参加者全員がもらえるメダルなのか。とにかく好成績であったことは確からしい。それって結構すごいことじゃないか。でもそんなメダルは誰も気にもとめない。ひょっとして農業を馬鹿にするなというメッセージか?。しかも荒馬を2ヶ月で調教してしまうとはすごいじゃないか。こいつらただの馬鹿じゃない。私なんかよりよほどできるやつらという点では決定的に違うので現実に引き戻された。 淡々とした日常をリアルに描いているように見せながら、退屈させないための誇張も不自然にならずすんなりと受け入れられる。よく練り上げられた映画だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-31 10:46:21)(笑:1票) (良:1票) |
15. ギャザリング
退屈。間延びした演出がダメ。アイデアはいいと思う。無関心は罪であるということなのだろうか。傍観者たちが見つめる場面がなんかマヌケで笑ってしまった。ボーっとたっているだけで雰囲気がない。さてもさても、クリスティーナ・リッチの胸ぽちはよかった。あれは生なのかフェイクなのか。リッチは胸の間に大きなほくろがあるのだ。そんなことは関係ないな。発見された教会の雰囲気はよかったが雰囲気があるのはそこだけ。オーメンみたいな感じにできればかなり怖い映画になったと思うがその力量がなかった。オラ、ぱらいそさ行くだ。なんかこれを思い出した。 [DVD(字幕)] 4点(2006-03-27 00:44:19) |
16. フォーガットン
《ネタバレ》 ゲイリー・シニーズが夫であの夫役がカウンセラーの方がサスペンスが増すように思う。壁の絵を見て飲んだくれのおっさんが娘のことを思い出すまではなかなかよかったのに、ジュリアン・ムーアの突飛な推理にずっこけました。どうしてそういう風に思ってしまったのか。いくらなんでも飛躍しすぎです。ここまでで与えられた情報から推測するなら、政府か大企業が絡んだ陰謀と考えるのが普通でしょう。前半よかっただけになんか納得できないことが多すぎる。はじめからグダグダだったらそういう風に見るのだけれど。ちゃんとやれば名作になったかもしれない雰囲気はあるだけに惜しい。忘れてしまいたいことが今の私には多すぎる。飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで~。テーマソング決定。 [DVD(字幕)] 4点(2006-03-22 15:54:55) |
17. ソウ
私の好きな密室劇かと思いきや回想シーンばかり見せられて興味をそがれる。あの部屋から出ないで最後まで引っ張れれば傑作になっていただろう。残念。コマ落しがコミカルで神経を逆なでしない。もっと神経を逆なでするような感じでないと多用されているだけにちょっとつらい。 『サスペリア2』にインスパイヤされたあの人形はなかなか怖い顔でよかった。一番がっかりしたのは閉じ込められた二人のやり取りに緊迫感があまりないこと。この緊迫感の表現が十分でないと最後にキレた時の開放感が十分得られない。アイデアはいいのに自ら台無しにしている感じがする。 [DVD(字幕)] 4点(2006-03-20 18:10:01)(良:1票) |
18. ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方
ゴシップはワイドショーで十分だ。映画でわざわざ見せられてもつまらない。 ジェフリー・ラッシュはセラーズとは似ても似付かぬ顔立ち。 しかし、話し出すと瞬間セラーズ本人を見ているのかと錯覚してしまう。 すごい俳優さんです。 劇中、自分が無いから役になりきれる?見たいなことをいうが、ご本人は本当にそういって悩んでいたのだろうか。じゃあ、そのように考えている主体は何者なんだ?。 自分から逃れられないのに自分を追い詰めようとすると指の間から零れ落ちてしまう。 そういうものではないのだろうか。 それ以外は普通にいい映画だったと思う。セラーズ出演映画の場面の再現なども忠実でそこら辺は好感が持てる。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-14 13:08:57) |
19. マングラー2
《ネタバレ》 マングラーが面白かったのとランス・ヘンリクセンが出ているのとで借りてみたのですがぜんぜん違うものになっていて驚きました。 コンピューターに学生を管理させるというのはいいのですが、そのコンピューターが普通のパソコンにしか見えません。いくらライトアップしても黒く塗ってもだめです。それに洗濯機のローラーまでコンピューターで制御するのはいくらなんでもやりすぎでしょう。映画より字幕が面白かったです。マングられたってどういう意味なのでしょう。グリーンでしてねは意味が解るまで小一時間悩みました。無理やりすぎると思いました。 [DVD(字幕)] 3点(2006-03-12 03:04:52) |
20. マザー・テレサ(2003)
《ネタバレ》 マザーテレサ「この水は一本いくら?」ボーイ「3ドルです」それを聞いた後、意を決したようにマザーテレサ「本日からこの協会は存在しません」この場面でこの人は偉い人だなと思いました。 オリビア・ハッセーは一世一代の演技をされていたと思います。ガンジーに匹敵する人物を題材にしながらこの監督はタコです。こんな映画にオリビアの演技が蕩尽されてしまったことが残念でなりません。 インドの美しい風景が撮りたかったのは解りますが、なぜこの映画でそれをする必要があるのでしょうか。そういう視点にアジアに対する抜きがたい蔑視を感じずにはいられません。そうでないならば、何がしかの配慮でこうなったのか?どちらにせよ観光映画ではないはずです。なぜかマザーテレサの行動のモチベーションがいまひとつ伝わってこない。キリストの受難になぞらえた構成も、人間を馬鹿にしているのかと怒りすら覚える。人の不幸は別に彼女に贖罪の機会を与えるためにあるのではない。点数はすべてオリビア・ハッセーに差し上げたものです。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-11 06:46:23)(良:1票) |