1. 新・夫婦善哉
前作から何故か8年も経ってからの続編。続編といっても100%オリジナルですよね?数年前に未発表の正当な続編が発見されたらしいけど、当然この映画とは無関係でしょう。話は東京に女と一緒に逃げてしまった旦那の話がメインで、もうオリジナルの面影もない。延々とダメ男の乳繰り合いが描かれたりする。その愛人と妻との夫の取り合いを描かれても、それはもう夫婦善哉とは言えない。原作の呪縛がなくなったことでなんとなく役者さんものびのびやっているような気もするが、ここまでカラーが違うと何も夫婦善哉の冠を使わんでも良さそうだ。単に前作のキャラクターを使っての人情喜劇を作りたかっただけに見える。最後の未遂事件もなんかイメージが違う。うーん。8年経って、これを作る意味があったのか甚だ疑問だ。出演陣は微妙に脇が豪華になってる。グレードアップしたのはこの点だけね。夫婦善哉の善哉をしっかりビジュアルとして見せてくれたことは嬉しいが、これは前作でやって欲しかった。今作でやられても、やはり時遅しの感は否めない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-05-24 04:28:14) |
2. 反撥
《ネタバレ》 「袋小路」「水の中のナイフ」に今作と、ポランスキーの昔の映画鑑賞三本目。ダントツで今作がつまらない。性に対しての嫌悪感と好奇心の相反する感情から精神の変調を来たすという話のようだが…。姉貴が旅行に出た後、もう頭のおかしい女の話一色に。壁が割れたり、犯されたり、妄想幻覚雨あられ。あげく、訳のわからん殺人ふたつ。もうついていけません。これでいいならなんでもありだ。若き日のカトリーヌ・ドヌーヴは美しかったが、さすがにこれでは。 [CS・衛星(字幕)] 0点(2008-10-20 20:47:39) |
3. 水の中のナイフ
淡々と別段盛り上がりがあるわけでもないストーリー。ストーリーの土台含めて、動機の見えない行動がやたら目に付く。こんなものが根幹にあっては、どんな心理描写をやっても語っても説得力が無いです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-10-20 20:41:35) |
4. 袋小路(1965)
《ネタバレ》 だだっ広い風景に白黒の画像は良く合い、映像は美しい。初っ端のギャングの登場が妙にアホっぽくて面白いが、しかしこのマフィア、そんなにマフィアらしくない。妙に礼儀正しかったりする。ちょっと悪めのおっさんちゅうぐらいの印象。あんまり地位の高くない三下らしいけど、それにしてもこんなもんかね。序盤は面白かったが中盤からなんだか良く判らんもんが随分挟み込まれる。いったい何がしたいのだか。設定も設定ながら、色々強引です。なんとか話はまとまってはいるけれど、ポランスキーってこういう映画撮る人なのねと軽い衝撃。とりあえず、あのガキは蹴飛ばしたい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-10-20 20:30:37) |
5. 江分利満氏の優雅な生活
《ネタバレ》 主人公はサラリーマンだけど、いかにも作家の頭の中のような話。冒頭から「面白くない」といいつつ始まり、理屈っぽいおっさんの語りが延々と続くだけだが面白い。映像表現も斬新で、外連味たっぷりに楽しませてくれる。こういう映画がこんな時代に作られていたんだということが驚き且つ歓びだった。ただ終盤、祝勝会から喋りに面白味がなくなってしまい、大失速。最後のこの感覚、本当に酔った上司に付き合わされている感覚と似ている。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-10 21:57:51) |
6. ファニー・ガール
《ネタバレ》 今ひとつ面白くない。主人公のファニー自身が余り魅力的に見えないことが大きい。プレイボーイチックに随分濃い相手役のオマー・シャリフは結局カード賭博が仕事なのかね。馬に手を出して失敗し、石油に手を出してまた失敗と失敗続き。あげく借金まみれで夫婦仲も悪くなるというお決まりのパターン。実話なんだろうし、お決まりでもいいけど、盛り上がりがいまいち。映画としての面白さは、結婚するまでがピークであとは惰性に近く、ただ長いばかり。やはり尺の長さが仇になっている。凝縮するってことは大切なんですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-06-10 21:26:22) |
7. クレオパトラ(1963)
お金は掛かってるのは判るが、前半も後半も特別引き付けられるものがない。これじゃぁコケても止む無し。クレオパトラが何を求めていたのかも明確に見えてこない。ある程度男を焚き付けてはいるが、そんなに権力欲があったようにも描かれず、なんか中途半端でぼやけ気味。その時々で目指すものが違うような。最後はメロドラマで綺麗に終わるけど、なんだかね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-04-20 18:11:42) |
8. 太平洋ひとりぼっち
《ネタバレ》 今から50年近くも前にヨットで太平洋横断を成し遂げたという事実だけで凄いこと。実にあっけらかんとしてどんな困難にも前向きな態度や台詞で乗り切っていく姿に堀江謙一という人のキャラクターを十分感じる事が出来る。目的地に着いて、外国人に囲まれ英語の質問で捲くし立てられ、辟易するかと思ったらほったらかしではっちゃける。う~ん感じる関西魂。海外でのもてはやされぶりと、日本で家族が申し訳なさそうに会見している姿の対比も面白い。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-04-06 22:04:02) |
9. ナバロンの要塞
かつて観た時は気にならなかったが、今観るとやはりややテンポがもったりとしている。現代に合うテンポでないのは事実。しかしテンポ以外は欠点らしい欠点も感じない。あれもこれもと色々な要素を詰め込んでいるが、二時間半強という長尺もあって殆どのものはちゃんと処理してあるので問題はなし。出演俳優陣もとても好みで、それだけでも嬉しい。古き良き冒険映画としてゆったりと楽しみたい映画。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-06 19:46:36) |
10. 座頭市逆手斬り
《ネタバレ》 シリーズ11作目。ストーリーは標準レベル。特別熱いものは無い。今回は何と言っても藤山寛美との絡みが見所になるんだろう。そこは面白いものの、やや藤山寛美に持ってかれすぎな点がちと残念。中盤の殺陣は中々良かったが、肝心の最後の殺陣がいまひとつ。工夫しようという意識は感じるが退屈な部類。上映時間が78分。この監督の座頭市は尺が短いのね。 [DVD(邦画)] 5点(2008-04-06 19:29:22) |
11. 華麗なる賭け
《ネタバレ》 随分ともったりとした感じ。何だかんだ言っても結局は金持ちの退屈の紛らわせの犯罪。しかもそれほど計画が練れている感じもしないし。退屈任せの癖に、社会との戦いだなどと大見得切るのが大いに気に入らない。こじつけも甚だしい。映像は画面を分割したりして、当時としてはかなり斬新な映像だったんだろう。全体に雰囲気は良く、それを楽しむ映画とも思える。まんま絵に描いたようなマックイーンの笑いが止まらない状態のシーンが妙に印象的。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-03-09 18:11:18) |
12. ウエスト・サイド物語(1961)
冒頭の数分のシーンが素晴らしい。作り込まれていて芸術性が高い。このシーンだけでもこの映画の価値はあった。楽曲も名曲揃い。ただストーリーは後半失速気味。現代リメイクとはいえ、ロミオとジュリエットの呪縛からは離れられないか。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-09 16:44:34) |
13. オリバー!
《ネタバレ》 結構暗い話なので、真面目に映像化するよりもこんな風にミュージカルで華やかに味付けしてしまった方が楽しみやすい。原作未読なためどのくらい原作通りなのかは判らないが、ポランスキー版よりもこちらの方が深刻度自体も低め。群舞は凝っているし、オリバーが金持ちの家に連れて来られた翌朝の群舞の晴れやかさは、その時のオリバーの心そのままを表したようでいいシーンだなぁと。スリの頭目のキャラがコミカルで最後も暗くならずに良い。主役の子は見るからに甘ったれなビジュアルがいまひとつ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-07 20:12:37) |
14. 影なき狙撃者
《ネタバレ》 「カード占いでもしろ」と言われて、ダイヤのクイーンを見ると発動する洗脳。なんだか間抜けなキーだ。大体、一般的にも言われかねない言葉に、見かねない物での発動はまずいでしょ。実際、喫茶店でマスターが別の客と話してる内容で発動してしまってるし。無駄に空手だかカンフーだかな格闘を盛り込んだのも大失敗。明らかに浮いている。また、何故か昔の彼女との再会を企画したパーティーが仮装パーティーって、どういうこと。そこにまたダイヤのクイーンの仮装をして現れる元彼女。無理矢理だ。あんな捨て方して相手の親父がまったく怒っていないというのもねぇ。しかし冒頭の洗脳の説明シーンがとても出来が良いし、他も面白く仕上がってはいる。粗は多いが見て損はない。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-29 19:41:55) |
15. 侍(1965)
《ネタバレ》 監督岡本喜八、脚本橋本忍ということで、やや期待しすぎたことを割り引いても、ちっとも面白くない。何処かの藩に仕官するために計画に参加し井伊直弼を斬りながら、それが侍の世を終わらせる一歩になるという皮肉な構図は良かったし、岡本喜八らしさも時折見られもするが、この程度では不満度の方が高い。面白そうなところでも、やたら入ってくる説明ナレーションがとにもかくにも煩わしい。実験に失敗したってことでしょう。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-02-28 18:13:30) |
16. 甘い生活
《ネタバレ》 映像はさすがに綺麗だが、話がこうもつまらなくてはどうにもならない。結局堕落した生活から抜けられない男の話で、これが実にダラダラと続く。ラストの対比はそこそこ良いものの、それだけのために3時間近くも必要な訳もなし。2時間弱程度にまとめて欲しいものだ。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2008-02-28 16:43:25)(良:1票) |
17. 座頭市二段斬り
《ネタバレ》 シリーズ10作目。屋台の親父の話では師匠は一太刀で殺されたという話だったが、回想シーンでは3度も斬られているという整合性のなさ。この程度の初歩的な整合性くらいはとっておくべきだろう。内容はだんだん初期の頃の色合いが薄れてきていて、どんどんTVドラマ的になっている。悪代官とヤクザの結託は悪徳商人との結託のそれと変わらず、その二人が話しているところに、どこからともなく座頭市が現れるという構図は、もう遠山の金さんやその類の時代劇と変わらない。そしてダラダラと二人を生かして、大立ち回りを演じたあとで斬り伏せるというのは切れ味がなさ過ぎだろう。当然爽快感もなし。エンディングの引っ張り方なども含めてやはり切れ味にかける。妙にこざっぱりした賭場など胡散臭さも薄い。三木のり平の壷振り師はさすがにコメディ感が強くて上手いが、座頭市自身のおとぼけ感は薄めになってしまっているのが残念だ。三木のり平の娘役の子がどっかで見た顔だとずっと思っていたが、配役名を見たら小林幸子だった。なるほどね。 [DVD(邦画)] 4点(2008-02-22 17:50:46) |
18. 座頭市関所破り
《ネタバレ》 シリーズ9作目。前作から間をおいて久しぶりに見たこともあって、前半の座頭市のおとぼけ振りが懐かしく心地良い。今回の座頭市はなんでも斬る。サイコロから階段の手すりまで真っ二つ。これだけ真っ二つにしてくれるとそれだけで面白い。殺陣の格好良さも十分にあるし、敵役の平幹二郎の存在も利いている。生き別れた親父を思わせるしょぼくれた卑怯な親父との関係が物悲しい話もひきつけるものがあるし、硬軟バランスの取れた良作。ダイマルラケットのまんま漫才なベタな会話も面白いです。難点はこの大勢の芸人衆が法外なショバ代を嫌って別のところへ流れていく下りがやや判りづらく、何故か二人の子供の曲芸師だけ町に残るという展開に無理を感じること。座頭市との関係を持たせるために残したとしか思えない。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-22 17:45:41) |
19. テキサス
《ネタバレ》 西部時代を舞台にしたコメディ。序盤は結構楽しく、これは期待も出来るかと思ったがその後急激にテンポダウンしてつまらなくなる。主役二人が色々ありながら進んでいくのかと思うとそうでもなく、直ぐに離れ離れで別行動。恋に落ちる動機も意味不明。町をインディアンから守るんだという大きな目的も曖昧になってしまう。何故こうもぼやけるのか。しまらないコメディ。でもインディアンの酋長が喋ると絵の字幕がでるというのは面白かったよ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-02-21 17:44:18) |
20. ロミオとジュリエット(1968)
《ネタバレ》 ちょこちょこ新解釈も入ってるのだそうな。しかし原作は大筋しか知らないから、どこをどのくらいアレンジされてるんだか判らない。受けるイメージとしては他の映像化されたものよりも肉欲感が高めだろうか。どこがどうと言うより、作品全体から受ける肉欲感とでもいおうか。純愛と肉欲とはイメージとして結びつきづらいので、やや違和感はある。まあしかし、そんなことよりなにより、オリビア・ハッセーが可愛らしい。それだけで十分な気がするくらい。友の死にロミオが逆切れしてたって、俺ははもう知らねえよとばかりに神父がとんずらこいたって、男が皆タイツ穿いてて若干気持ち悪くたって、オリビア・ハッセーが可愛いからいいじゃない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-10 16:58:17) |