1. ゴジラ-1.0
《ネタバレ》 結局、誰かがやんなきゃいけなかったんだ! 日本で生まれたゴジラが、他国のモンスターとやりあう海外映画で 終わらせるわけには、いかなかったんだから・・ 山崎監督、お疲れさまでした。 ゴジラビヨンドを今風に言ってるとこがクール。 監督、あなたの東京オリンピックは、終わりましたか? 本当に力作だと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2024-11-22 23:06:05)★《新規》★ |
2. 夜明けのすべて
《ネタバレ》 三宅監督、いいですねぇ 今泉監督みたいにさりげない会話ですけど、あざとさがないと言うか・・ ホントに男女が会話してる傍で聞いてる感じがする映画なんですね。 上白石さんの地じゃないか、って感じのキレ方も、女子あるあるで、いいですね。 ただ話に一本芯があってもいいのかなって気もします。 二人のやりとりが、もっとラストのほうのプラネタリウムの果実となってれば、 もっと見ごたえあったと思います。 北斗七星の説明がどう仕上がったか、気になってます。 [DVD(邦画)] 7点(2024-10-26 19:19:56) |
3. SHE SAID/シー・セッド その名を暴け
《ネタバレ》 60年代、ベトナム戦争の暗い影響で映画界はニューシネマブームになる。 そして「ロッキー」「スターウォーズ」の登場で、一気に暗い映画はおさらば! 80年代の空前の映画ブームが来る。しかし、それも90年になると苦戦するアメリカ映画界。 そんな中、いくつか面白い作品があった。それがワインスタインのプロデュースした映画だから、映画ファンとしては 本作は、とても辛い。こんな人の指揮した映画に、感動したの?俺! 俺の感動を返せ~!と言いたい。 本作の悪、ワインスタインは、仕事上かかわった女性を、密室でハラスメントしてたという事実。 それを暴くジャーナリストの戦いの話である。 事実に基づいているから、ますます俺の感受性、間違ってる?となってくる。 この人、権力あるから、賞も取ってる映画が多く、多くの人が観る映画をプロデュースしてるから、 思春期にワインスタインの映画で励まされた青年が、グタグタになるんじゃないかと心配。 自分的にも、本作でパルトローが23歳のときにハラスメントにあってて、 その3年後に創られた「恋するシェイクスピア」「リプリー」のパルトローが好きだったのでショックです。 [DVD(字幕)] 7点(2024-10-19 21:37:28) |
4. 首(2023)
《ネタバレ》 チン説本能寺の変! 戦国版アウトレイジで、たけしさんのサービスぶりが楽しめます。 でも観てて、今まで好きだった時代劇のイメージが壊れたり、 まじめに歴史を勉強することってどうなんだろう?とか考えてしまったり、とにかく破壊力があります。 話変わりますが、DVDで字幕で見ると、誰が何をしゃべったか分かって、 勉強になります。 [DVD(邦画)] 7点(2024-10-15 00:53:41) |
5. BAD LANDS バッド・ランズ
《ネタバレ》 原田監督独特の、シャープな画面。 それが気にならないくらい、ストーリーが尖ってました。 安藤サクラの帽子姿は、ストリートオブファイヤーのマッコイと同じくらい ベストキャップウーマン賞を与えたい。 日本クライムサスペンスでは、どうしてもこの事務大国日本のややこしさが付きまとう。 それを見事に見せ場にして、面白いサスペンスでした。 困った「弟」でしたが、ラストの展開には泣けました。 曼荼羅も良かった。 ラストの街からの脱出劇、そして心に刺さる音楽。 あ~日本映画も心に残るラストを描けるようになったなぁとしみじみ。 (暗証番号丸見えじゃない?女性同士の取引だから、安心できるのかな?) [DVD(字幕)] 8点(2024-10-11 00:43:19) |
6. RRR
《ネタバレ》 インド以外の国の人が観たら、ちょっと複雑な気持ちがするかも・・ 二人とも実在の英雄ですが、両者の絡みは、歴史にはないそうです。 あと英国による残虐なシーンは、1919年のアムリトサルの虐殺事件を 観てるインド人に思わせる仕掛けになってるみたいです。 ちょうど1914年に始まった第1次世界大戦にインドは多くの兵士を出していましたから・・ 事件の描写は映画「ガンジー」に描かれてるそうです。(未確認ですが・・汗) まぁ国力の勢いを感じます。 インドは勉強の盛んな国なので、自国の歴史を勉強したら、 やっぱり面白くない植民地の歴史。 そんな自国のモヤモヤ感を吐き出したとこに、ヒットの秘密があるみたいです。 今のインドなら、こんなフィクションも国際的に許されてしまうってとこでしょうね。 [DVD(字幕)] 7点(2024-09-20 00:47:53) |
7. 落下の解剖学
《ネタバレ》 死亡事故が起きる。 状況は、いたってシンプル。 第3者が入ってきた可能性はない。 ならば、妻が殺したか、自殺か・・ それを法廷劇で延々2時間近く見せる。 母親や子どもの心理、表情、そこを丁寧に描いてる。 スヌープ(犬)がいい。 なんとも賢い。 ラストは、この子も家族の立派な一員と示して終わり。 [DVD(字幕)] 7点(2024-09-08 22:02:30) |
8. 瞳をとじて(2023)
《ネタバレ》 これはビクトルエリセの最後の作品ってことではないのか? エリセの代表作は、間違いなく「ミツバチのささやき」。 あの映画の最大のポイントは、あの少女の無垢なまなざしである。 それを本作の劇中劇で、王が無垢な目で私を見てくれるのは、 娘しかいないと言って、娘探しをさせる話が出てくる。 しかし、本作のメインストーリーは、この劇の俳優の記憶喪失を治すとこにある。 なにより「ミツバチ」の少女アナが、出演していることが驚きだ。 年相応のいい顔をしている。 そして、題の通り、皆、大事な場面で瞳を閉じるのだ。アナもだ。 記憶喪失の男は、自分の出演している映画を観終わったとき、どうなるか・・ まぁ出世作の少女の瞳が奇跡的な眼差しだったことが、 この監督の映画人生にかなり大きく影響したのだろう。 佳作の監督。 もう完成した作品は見られないだろう。 少女の瞳はとじられたのだ・・ [DVD(字幕)] 7点(2024-08-12 22:50:31) |
9. MOTHER マザー(2020)
《ネタバレ》 女性(特に母)は聖なるものと思っている方には、衝撃的な映画である。 女性が、社会の過酷さの前に私の何が悪いのよと、居直ったときの表情を 長澤まさみが熱演している。 いや、監督により引き出されたと言った方が適切か・・ お嬢さん女優にはできない仕事だった。 [DVD(邦画)] 7点(2024-08-01 16:38:54) |
10. HOKUSAI
《ネタバレ》 鬼気迫る北斎の演技だった。 柳楽くんも田中泯さんも・・ 物語りは北斎の名作の誕生に迫っている。 4章から成る。 1章は、写楽、歌麿と競い合い、中々評価の定まらない時期。 波の絵で一皮むける。 2章は、嫁をとり、娘が生まれるまで・・ 途中、歌麿の手鎖事件のエピソードをはさみ、 3章の戯作者種彦の壮絶な最期の伏線となる。 3章から老年期に入り、田中泯が、絵師を見事に演じる。 彼の存在感と、役柄の北斎が、お互い両者譲らずで、負けてないのがスゴイ。 圧巻は、突風が吹いたときの庶民の姿をとらえた時の、北斎の表情だ。 その後、病に倒れるが、そこで雨の中の絵の具との戯れから、 あの誰もが知る「波」の表現についに至る。 しかし、同時進行で種彦との交流も描かれており、 3章のラストで、種彦の「討ち」死にが描かれる。 種彦が時の幕府の風俗取り締まりに逆らってまでも、 武家の身分で戯作をつづける覚悟を示したからだ。 北斎はここで、すさまじい絵を残す。それはあまり知られてない絵だった。 描き終わった後の仕事場は、戦場さながらだ。 最終章は、こんな江戸から逃げる。 そして旅先で、ついに若い頃の「波」の大作をしあげるのだ。 北斎の娘も只人ではないオーラをしめすが、そこは深く描かない。 鑑賞後、田中泯さんの表情が頭にこびりついて離れなかった。 それほどの怪演だった。 テーマは一貫している。 蔦屋の取り締まりから始まるこの映画は、一貫して、表現したいことを表現して 何が悪い、それを押さえつけるお上への非難になっている。 [DVD(邦画)] 7点(2024-07-29 21:55:53) |
11. シン・ウルトラマン
《ネタバレ》 大真面目にウルトラマン。 最初のウルトラマンも放映当時は、我々は子どもだったが、 その頃の大人たちも、今の我々が本作を見て感じる違和感を感じていたのだろうと思うと、 何やら発見がある。 話が二転三転していくとこが子供だましじゃない。 つまり我々が円谷プロからもらったプレゼントを、二〇〇〇年代の子どもたちにも プレゼントしている。 ここからどんな子どもが生まれるか・・ 会話が面白い。 吹き出してしまうくらいの笑いのセンスがある。 真面目過ぎる人が見ると、怒り出してしまうかも・・ [DVD(邦画)] 7点(2024-07-27 21:19:23) |
12. DUNE デューン/砂の惑星 PART2
《ネタバレ》 ヴィルヌーブの新作。 彼のSF映画のメカは、機能美のセンスである。 2001年宇宙の旅からはじまってる。 そこが世界観にリアリティをもたらしている。 デヴィッドリンチの頃は、監督のセンスにもたらされるものが大きかった。 (アメコミの影響もあるか?) カーペンターSFやバーバレラとか、そんな楽しいセンスの宇宙船とか スクリーンに溢れてる頃だった。 今は違う。ハイビジョンに耐えられる、本物の未来機械志向だ。 ヴィルヌーブ本作で一番興味があったのは、砂虫に乘って、 軍に侵攻するとこ。 リンチ版では、マンガチックなシーンで、 それが後の風の谷のナウシカの王蟲につながるのではないか? マンガチックは漫画を生む。 果たして、ヴィルヌーブの機能美メカは何を生むのだろうか? 感心したのは、砂虫の描写がヴィルヌーブらしく、彼の美意識内で処理されてる。 リンチでも思ったのだが、いかに伝説通りだろうと、 他の世界から来た、帰るところのある者に従うのは、 ちょっと砂の民が純朴すぎる。 都会に出れば、詐欺にすぐ引っかかるって話だ。 さて、砂の惑星、実はリンチ版はストーリーのほんの一部である。 まだまだ続く、この伝説SF古典をまさか、ヴィルヌーブは 全部、映画化? 次作からストーリは知らない。 その意味でも楽しみだ。 [DVD(字幕)] 7点(2024-07-21 22:57:48) |
13. 冬薔薇(ふゆそうび)
《ネタバレ》 令和版、「傷だらけの天使」といった感じか・・ 醒め切った監督の視線の先には、 断崖絶壁の花が咲いているだけである。 チンピラの先は、ヤクザしかない。 最後の、主人公の姿は、ヤクザになったという感じなのか・・ 阪本順治監督は、ヤクザが悪だとは言い切らない。 一つの生き方として、我々の前に示してくれる。 生徒に手を出した従妹の後始末をヤクザに頼んでたり、 チラチラ見える、あの世界の近さ。 エンターティメントとして、安全地帯にはいない監督の 描く世界は、日本映画として、突出して見える。 [DVD(邦画)] 7点(2024-07-21 22:49:25) |
14. いとみち
《ネタバレ》 田舎のポーッとした女の子がメイドカフェで働く。 ここで「昭和」の映画なら、田舎娘が風俗でどう苦労するかが 丹念に描かれてるとこだが、令和の今は違う。 仲良く仕事に居場所を見つけていく。 最初はスイングガールの三味線版かと思いきや、違った。 この主人公のいとの三味線は、聞かせる本格的なものだった。 ラストのメイドの姿の女の子が、足をひらいて、きばって 三味線を弾く。 監督はこれを描きたかったのかなぁ・・ とにかく津軽弁が聞きづらい。 とくにいとちゃんの津軽弁はハングル語みたいだった。 [DVD(邦画)] 7点(2024-07-21 22:45:31) |
15. 市子
《ネタバレ》 見応えあり! あの血の繋がってない妹に下した行為。 そこから、どんどん周囲を巻き込んで、最後はあのラスト。 犯罪者の映画と思って観ると、また違う感想も抱くが、 自分もあの立場なら、と説得力ある演出に思わず嗚咽しちゃう♪ 人生で唯一、幸せだった長谷川君との生活がシミジミ語られて、 コロナ禍で我々を励ましてくれた「にじ」を花ちゃんが鼻歌の 余韻をひくラストでした・・ [DVD(邦画)] 7点(2024-07-08 00:23:44) |
16. ちひろさん
《ネタバレ》 ドラマ性はない。 ただ、こんな人がいたって映画だ。 ちひろさんがいた。そういう映画だ。 糸の切れた風船みたいに、ふわふわと・・ それで周囲の人が幸せになってるから、観音さまみたいな女性。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-23 17:49:34) |
17. 銀平町シネマブルース
《ネタバレ》 映画館が舞台の映画。 良かったです♪愛すべき佳作。 ちなみに、地元ではないのですが、 北九州の映画館が火災にあいました。 その復興の動画があります。(下のURL) https://www.youtube.com/watch?v=Qk6wzXdp_MA 良ければご覧あれ♪ 小出恵介、「風が強く吹いている」は良かったぞ~! 頑張れよ! [DVD(邦画)] 7点(2024-06-20 11:36:22) |
18. ザ・ホエール
《ネタバレ》 終わってみると、ここに肉欲はなかった・・ しかし、苦悩する主人公の容姿は、肉の塊だ。 ここにアメリカ映画の深さを感じた。 健康的ではない。それは確かだ。 アランを放っておけなかったチャーリーが自己過信が過ぎたのだろう。 それも娘の愛ゆえなのかもしれない・・ 男が描けるカタギの女性の姿、ギリギリのとこまで描いたのではないか・・ 舞台劇という、この映画。 会話だけでは伝わらない、神々しさが感じられた。 唸りました・・ [DVD(字幕)] 8点(2024-06-16 23:51:58) |
19. 怪物(2023)
《ネタバレ》 子どもは純粋無垢じゃない。 こども視点から描くと、彼らの世界は、ドロドロしている。 大人の我々は、それを忘れているだけだ。 子どもの扱いに巧い是枝監督が、その子どもワールドを描く。 観終わると、大人が「怪物」ってことになるのかな・・ 田中裕子の演技が、見事に映画の層を厚くしている。 貫禄です! [DVD(邦画)] 8点(2024-06-09 18:38:36) |
20. キリエのうた
《ネタバレ》 岩井俊二らしい映画。 女の子のヒリヒリ感を描かせたら、まぁ見事。 本作の歌姫は、「Picnic」のチャラを思い出した。 ただ思ったのは、東日本震災は、扱うのは難しい。 日本中の気持ちが沈んだ記憶は、下手な描写では、観る側の心が離れる。 前半は、ジョンカーニーか!?と思うくらい、心踊ったが・・ ラストの演奏会の騒動は、今の日本をよく表してる。 あるべき映画だと思うし、邦画界の力強さを表わしてて、見応えあった。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-04 00:56:28) |