1. クロスファイア(2000)
《ネタバレ》 登場人物全員が少しずつ頭が悪い。極端に悪い奴はいないが、みんな平等に仲良く頭が悪い。例えるなら、かつての社会主義国家が国民に不幸と貧乏を平等に分け与えているみたいである。で、女性主人公もその頭の悪い人たちの中に入ってしまうので、イマイチ盛り上がりに欠ける見応えでした。 宮部みゆき原作の最初の映画化が本作のようです。読み物としての作品数やレベルを考えると、満足に映像化された作品がほとんど無いことに驚きます。面白そうな原作を適当に映像化してしまう。宮部さんは邦画の悪しき慣習の被害者かもしれません。 [インターネット(邦画)] 4点(2022-02-19 05:28:53) |
2. ジョニー・イングリッシュ
《ネタバレ》 今となっては、特に感慨はありませんでした。「気休めの報酬」はレビュー済なので、これも書いておこうと思った次第。真面目なレビュアーですよね、私。 主人公の助手が主人公以上に活躍していると思いました。彼を主人公にすれば面白いんじゃないかな。アホらしいくらい幸運に頼るだけの上司に対して、報われない苦労を続ける部下が主役。これ以上ないくらいにストレスが溜まる新しい映画が誕生するかも知れません。 [インターネット(吹替)] 5点(2022-02-19 05:02:39) |
3. バイオハザード ディジェネレーション
《ネタバレ》 「バイオ2」はかなり楽しませてもらったゲームだったので、後日談的な作品としては興味ありました。でも、どーってことなかったです。いや、実際のところ、何がやりたいのか不明瞭でした。「CGアニメが作りたかったのです」と言われたら「はい、そうですね」としか言えないw 後半、ずーっとGウィルス変異体との追いかけっこが続きます。実際の尺はそれほど長くなかったかもしれないけど、それしかやっていない印象が残りました。レオンにしろ、クレアにしろ、自分がコントローラーで動かしているなら追いかけっこも楽しめるけど、本作は他人がプレイしているゲームをそばで見ているよう気分にさせられました。つまんなーい。おかげで、作品全体がどーでもいいように思えてしまいました。 [インターネット(吹替)] 3点(2022-02-19 03:50:00)(良:1票) |
4. アメリカン・サイコ
《ネタバレ》 高学歴高収入だけど仕事内容が不明瞭、容姿スタイルにナルシスティック、周囲とは上辺の会話しかせず金で買う女性にだけは奔放に接する。で、そんな奴は犯罪者予備軍です!って映画なのでしょう。 高級レストランと高級ブランドスーツ、そして80年代ポップスが時代背景を特徴付けている。いわゆる「バブリー」な風潮に対するシニカルな視線を感じます。しかし、時代を映している映画とは言いがたい。主人公が突き抜け過ぎです。名刺を交わす相手の人格には無関心だけど、デザインには執着して殺意まで抱く。戦うポイントが思いっきりズレてますな。 この種の映画は主人公の異常な様に対して部分的にでも共感できると鑑賞に意義が生まれるのですが、私にはそんな要素は無かったです。80年代ポップスは好きなのですけどね。深く考えずにコメディと割り切って見るのが吉かも。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-03-15 00:27:15) |
5. ビロウ
《ネタバレ》 「お分かりいただけただろうか…」というナレーションが聞こえてきそうな映画でした。なんか胡散臭い(笑)。 で、特に捻りもなく起こった事件は亡霊の仕業だったようです。戦争中の潜水艦内。爆雷が降って来て「戦死」がチラついている状況です。私だったら怪異現象より戦死の方が怖いです。亡霊に「後にしてくれ」と言いたいです。 この亡霊さん。生前はこの潜水艦の艦長でした。数名の乗組員に謀殺されたのですが、その恨みでほぼ全乗組員を殺してしまいましたよ。いくら亡霊でも、やっていいことと悪いことがあるよね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-10-03 00:36:21) |
6. ニューオーリンズ・トライアル
《ネタバレ》 評決を勝ち取る証拠もなしに1500万ドルを払うジーン・ハックマンさん。アホですな。さんざん腕力に任せた工作をした後に、相手を言葉だけで100%信じます。家を壊して火を付けて、カノジョに暴力まで働いておきながら、金さえ払えば自分の思い通りに事が運ぶと思っている自信家ですが、私の常識的にはありえない人物像でした。そこが「裁判モノ」にしては安直に思えて、作品評価はさほど高くないです。。 銃社会に批判的な立場の作品でした。そこへの賛否は特にありません。お国が変われば治安状況も変わるので、一概に断じることは出来ないと云う意見です。そんなテーマ性以外のところで色々とベンキョーになりました。陪審員って無作為に任命されるものと思っていましたが、原告被告双方の弁護士が了承して初めて決まるようです。弁護士が自陣に不利と判断する陪審員を拒否できるってことは、その段ですでに「裁判」が始まっているのですね。陪審員の素性を調べて有利な評決へ誘導するような工作って本当にまかり通っているのでしょうか? 「裁判モノ」で証人の買収みたいな描写は何度も見ていますけど、陪審員への工作は見た記憶がなくて新鮮でした。本当ならとんでもないことですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-09-08 01:07:31)(良:3票) |
7. アレクサンドリア
《ネタバレ》 ローマ帝国が国教を神話的多神教からキリスト教へ変えた時代が舞台。宗教的な教義云々ではなく、統治に都合が良いからキリスト教を選んだように見えました。事実がこの映画の通りなら、あの宗教の布教手段って恫喝と暴力だったのですね。私には横暴な一神教宗教による自然科学への迫害を描いた映画としか映りませんでした。彼の宗教信者にはどのように映るのでしょう? 時おり挿入される宇宙から見た地球。漆黒の闇を背景にした私たちの星はハッとするほど美しい。あれが「神」の視線なら、地上で行われている権力闘争は醜く些末であり、「神」の想いからは逸脱した行為なのでしょう。 あの時代、太陽の視直径を正確に測る手段があったのだろうかと云う点が天文ファン的には気になりました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-06-09 02:40:17)(良:1票) |
8. 千年女優
《ネタバレ》 ある女優が演じた映画的視覚記号の永続性を映画愛に絡めているようです。それは分かります。私にも永遠のヒロインはいます。「千年」は女優が演じた舞台の時代の変遷。普通の人生はいいところ100年ですけど、大昔から未来まで、様々な役柄を演じることでそれぞれの時代の空気と人生を疑似体験できる職業の素晴らしさにも触れています。経済社会の流れに乗らずに「役者」を続けている方はそんな魅力から離れられないのだと思います。 で、本作の評価ですがさほど面白くなかったです。女優が演じた時代によって目先の見え方は変わりますけど、やっていることはどの時代でもさほど変わらず。それに単調を覚えて少し眠くなりました。映画のテーマがメッセージとして強く響いて来なかった。映画人が映画愛を語る映画としては、私はイケてない方に分類しました。 「追いかけている自分が好き」は印象に残る台詞でした。ストーカーの話じゃないことは容易に想像がつきます。女優業に限らずですが、生涯を通して追いかけるものがある人生って憧れます。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-05-14 00:35:48) |
9. ハイジ(2005)
《ネタバレ》 自分の中でバイブル化している映像作品がいくつかあります。このタイトルのアニメもそのひとつです。いい歳になった私でも泣けるところが随所にある傑作と評価しています。本作はその実写版ダイジェストという印象でした。以前に高畑氏(宮崎氏だったかも)が雑誌のインタビューで「ハイジの原作は最後は教会の鐘つき少女になるような、キリスト教的宗教観を纏った作品だけど、アニメではそれを排除した」的なことを言っていたと記憶しています。原作未読なのでキリスト教云々の真偽は分かりませんが、その言葉通りなら本作は原作の実写映画化と云うより、高畑・宮崎アニメの実写リメイクだと思いました。少なくとも、この映画の製作者たちはアニメ版を入念に観た上で製作したのは確かでしょうね。宗教観の排除は日本人向けに作る意味では成功だったと思います。アルムおんじの変化が神に導かれたとは思いたくないですよね。本作も宗教を排除していることで、普遍的な見応えを確保していると思いました。 で、短い時間でアニメのエッセンスを繋いだ本作はそれなりに観られました。私的にはダイジェストなので、感動が割引されてしまうのは仕方ないですね。贅沢を言いますと私はアルムの山小屋背後のモミの木やヨーゼフ(セントバーナード犬)が実写化されなかったことが残念でした。それと、ロケ撮影にはもう少し力を入れて欲しかったです。アニメの世界は「サウンド・オブ・ミュージック」のオープニングに見られるような雄大で美しい世界ですけど、本作のアルプスからはそれがほとんど感じられませんでした。それと、まだ電気が通っていない山小屋の中が実はかなり薄暗いことが妙に印象に残りました。 余談です。スイスのマイエンフェルト(鉄道の駅がある麓の街)あたりをグーグルマップで散策するとハイジの世界に浸れます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-17 23:49:00) |
10. さまよう刃(2009)
《ネタバレ》 原作未読です。 少年法のあり方がテーマだとすると突っ込みが浅い。でも、この辺りが限界なのかな…。量刑を生きた年数で区分けする方法論が変だと思うけど、それが適応されるべき少年少女もいるのでしょうね。 少年法に限った話ではないけど、肉親を殺された方の判決後の心情が時々報道されます。大方は「刑が軽い」と云うスタンス。被告は法で裁かれると云うより、法に守られると云う印象が強い。それが法治国家ってものなんだろうけどね。肉親がやりきれない気分になるのは分かります。 本作に関して云うと、私があの父親の立場だったら実弾を込めて手足を撃って怖がらせた後に心臓を撃ち抜いてやりたいと思うでしょう。いや、ホント。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-09-25 15:29:01) |
11. アレキサンダー
《ネタバレ》 長時間を費やして歴史上の人物にプロフィールが与えられたけど、特別なものでは無かった後味です。征服者の栄光にはその後の陰りが付き物だけど、やはりアレキサンダーさんも色々と困っていました。その辺りの描写が特に響いて来ないのが辛いところでした。 この方、歴史教科書的には史上最大のエリアを征服した人です。でも、征服概念の曖昧さ分かりました。通信と交通が未発達な社会で遠方に赴き戦って勝利しても統治には繋がらない印象です。彼自身は「征服」と云うよりただ遠くへ行きたかっただけで、その幼児的な動機には共感しました。 余談。「ヒストリエ」って漫画作品が本作に近い内容を描いています。この時代と人物に輪郭を与える作業が綿密で楽しませてもらっています。ただ、筆が速いとは言い難い(単行本が1年に1冊以下のペース)。 「ベルセルク」同様、私が生きているうちに結末まで読ませて欲しいと思っている作品のひとつです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-07-16 17:11:30) |
12. パッチギ!
《ネタバレ》 最初に言っておきますが、私は中国と韓国が大嫌いです。反日デモをやって悦んでる国に好意を持つようなお人好しじゃありません。 鑑賞後になかなかレビューを書けない映画があって本作もその類いです。作品の本筋から外れたところが気になって、それが意識を占めてしまうから作品のレビューにならないのですね。なので、これもほとんど作品レビューじゃないです。すみません。 気になったシーンは笹野高史が日本人への恨みを言い募るところです。私が本作を見たのは中国・韓国で反日デモが盛り上がった後だったことも大きく影響していますが、笹野の愚痴に現代の彼の国の指導者層を重ねてしまいました。あの国の方々(一部とは言いませんよ!)は、いつまで経っても昔のことをあげつらいます。我が国の過去の所業には非難されて然るべき点が多々あると思いますが、戦争を知らない世代に謝れと言われても難しいですよ。首相でさえ戦後生まれです。 差別とか偏見を生まれながらに持っている人はいません。それは先の世代から「教わるもの」です。反対に言うなら、教わらない限り特定の人とか、あるいは国家に対して偏った見識を持つことは無いはずなのです。戦後の我国には「在日」に対する偏見を教える慣習があったことは事実です。私も教わりました。でも、あの国が最低だと思うのは、個人の記憶による恨み節だけではなく、未だに国策として戦後世代に偏見を植え付けていることです。甚だしく非建設的な姿勢だと思います。政策に対する不満の矛先を逸らす目的もあるみたいです。それが本当ならいちばんの被害者は現地日系法人です。 「戦後」が70年を数えましたけど、アチラは100年経っても同じことをやっていそうな気がしますね。 歴史認識? 一般的日本人はあの国の方々よりプレーンに歴史を見る目を持っていると思いますけどね。 [地上波(邦画)] 5点(2015-08-21 16:35:27)(良:5票) |
13. ザ・コア
《ネタバレ》 鑑賞後、これほどガッカリが残る映画も珍しい。なんでこんなにガッカリするんだろう。出だしの掴みは良かったのに、地下に潜ってからの展開に工夫が無さ過ぎるからだと思う。SFの体裁を取りながら、サイエンスが無くフィクションが強すぎると言い換えても良い。地下の大空洞や巨大な水晶は、ベルヌやウェルズの発想。1960・70年代なら許せても、21世紀の映画じゃないですよ。順番に乗組員を殺すことでしか話を盛り上げられないプロットにも問題あり。某宇宙戦艦みたいだ。もし、一人も殺さずに生還させる脚本が書けていたなら、もう少しは内容があったように思える。回収の為に引き延ばされるエンディングが無駄にストーリーを間延びさせる。自然災害で無かったことをリークする結末も特にカタルシスを覚えない。気楽に観られる内容だとしても、イライラが残っては元も子もない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-03-25 03:14:20) |
14. スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
《ネタバレ》 そうか、「マカロニ」じゃなくて「スキヤキ」なんですね。観るまで分かっていなかったです。それにしても、変な映画を作ったものです。褒め言葉です。 出演者本人が日本語を当てている吹替え版を鑑賞。声の芝居がプラスアルファの演出要素になっていて面白かったです。上手い人も、そうでない人もいるんですけどね。個人的には木村佳乃さんに見どころが多かったです。北島御大もナイスキャスティングでした。 この種の亜流ウエスタンを見ると、ジュリアーノ・ジェンマではなくて「キイハンター」を思い出します。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2014-03-11 01:34:59) |
15. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 とても面白いのですが、手放しで褒めたくない映画なのですよ。彼女の直情的なアクションは、さほど道理からは外れておらず、むしろ正論を発していることの方が多いくらい。だから猟奇的と云うより、単に暴力的なだけなのですが、可愛いから許されるし、逆に魅力的にも見える訳です。でも、彼女の容姿があのレベルじゃ無かったら、この映画は成立していません。つまり、可愛い子には寛容と云う男の弱々しい下心に付け込み、最大限に利用している映画なのですよ。なので、主人公には共感と同時に、情けない気分にもさせられる。男は遺伝子的にそのようで出来上がってしまっているので仕方が無いんだけど、それを認めるのが悔しいので5点です(笑)。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-02-24 01:15:09) |
16. 壬生義士伝
《ネタバレ》 冒頭、斉藤が新入隊士である吉村に出会った直後に「こいつを斬ろうと思った」と独白し、実際に仕掛けます。期待感が高まりました。新撰組のクレイジーな面を見せて貰えると思ったのです。でも、そこが最高潮でした。ずいぶんと前に読んだ原作には感銘を受けた記憶があるのですが、映画版は「いかにも邦画」的な湿っぽい美談がしつこくて食傷でした。南部武士が我慢強いのは分かるけど、その切腹シーンをあそこまで我慢強く間延びさせては、さすがに辟易とします。 新撰組の精神は勤皇佐幕ですが、吉村に政治色は希薄です。ひたすら故郷の家族を想い、脱藩した南部藩への忠義を忘れていない印象でした。ところが、出稼ぎの傭兵と割り切って新撰組に入隊したはずなのに、戊辰戦争では仕えた組織への義を貫いたという描き方です。どうも、価値観があちらこちらに揺れている印象です。本作のテーマは吉村貫一郎の価値観と行動に対する責任の取り方だと思いますが、本作を見る限りはバランスが悪く感じられ、うまく消化しているとは言い難いという意見です。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-11-18 02:21:22) |
17. ISOLA 多重人格少女
《ネタバレ》 木村佳乃がお節介をやく動機の描写が希薄なために、物語が上手く転がって行かない。なんとなく変な事件が起こり、不可解なまま解決し、観ている側は置いて行かれる。そんな感じです。 過去に読んだ原作はもう少し納得しながら読み終わった印象があるのだけど、コチラはとってもお粗末でした。貴志祐介の小説は個人的に大好きで、その理由はサスペンスの展開のさせ方が理詰めで、とんでもない内容でも文章には説得力を持たせているからです。でも、映画化された作品は残念な出来映えが多い。大味な出来事ばかりがなぞられて、著者の良いところが活かされていないからで、本作もその類い。まぁ、貴志祐介の作品に限ったことでは無いんですが…。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-11-07 00:12:49) |
18. 蛇イチゴ
《ネタバレ》 リストラされたことを家族に告げられない親父が、小学校教師の娘を「お前は世間知らずだ」と言う。確かに娘は世間知らず、というか、小学校の先生ってホントに世間知らずが多いと思っています。偏見ですけど。でも、本作の嘘つき生徒事件の対応などを見るに、この監督も同意見のようです。確たる証拠もないのに判決を下し、それらしい教訓まで垂れて自己満足です。いますよね、ああいう先生。 娘に劣らず世間知らずなのが親父です。親父は元エンジニア。親父の場合は、世間知らずと云うよりも、変化に対する対応力の欠如です。確かに、何があっても世の中を渡って行く力があるのは兄貴だけでした。 本作から感じたのは、安定的に見えるサラリーマン家庭も、ひとつ歯車が狂うだけで簡単にバランスを崩し瓦解しかねないこと。社会システムへの同調をゴールとし、そこに安住していた結果です。そして、日本の家庭のほとんどはこのタイプ。なんだか、社会の構造がとても不安定なものに思えて来ます。あの親父が終身雇用志向の最後の世代って気もしますけど、自分の親が無事に定年まで働けたことに改めて安堵した次第。 娘は生真面目なだけに、ババ抜きのババを引き続けるタイプです。オトコ選びでもそうでした。もうババは引きたくないとの思いで兄貴を官憲に売ったら、その兄貴にも真実があったというブラックな顛末。自分のパンツで商売をされたんだから気持ちは分かりますけど、彼女の正誤の判断はやはりどこかチグハグです。なんだか、今後も間違った判断を続けそうで気の毒でした。味わい深い作品です。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-11-06 02:40:39)(良:2票) |
19. クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃
《ネタバレ》 異空間から転送されてくる怪獣。「パシフィック・リム」はこれをパクッたのか、なんて思ってワクワクしたんですが、そこからの展開が漫然としていました。特に中盤、ただ怪獣をやっつけるだけの展開にアクビが出ました。家が汚くなっても怪獣退治を「楽しむ」両親に、これはパチンコに執心して子供を駐車場の自動車に放置する親の話なのかと思ったけど、それは深読みでした。正義とは何か、みたいな命題を冒頭に掲げた割には、そこに着地した感がありません。世間に名を残さない3分間の献身の意義などはもっと突っ込んで良かったと思うんですけど、消化していません。最後は3分ルールも無視してました。ギャグにメッセージを込めるこのシリーズらしいキレが感じられなかったです。 野原家の朝の情景は面白かったです。日常のルーチンを客観的な視線で見たら、かなり楽しめるのだと思います。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-04 02:02:37) |
20. ONE PIECE THE MOVIE エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜
《ネタバレ》 原作のエピソードをアレンジした作品でした。連載時には仲間になっていないロビンとフランキーがいたりするので、その辺りにもっと捻りがあるのかとも思ったのですが、基本的には原作通り。何作か観た「ワンピース」の映画版は残念な作品ばかりだったのであまり期待していなかったけど、これは悪くない方でした。良いとも言い切れないレベルですけど、それは作画や演出の問題でしょう。その過去に見た映画版「ワンピース」数作との比較になるのですが、極論すると「ワンピース」とは仲間と出会う(あるいは、別れる)お話なのだと思いました。常に面白いネタを提供する原作が一段と盛り上がるのは常に仲間の加盟や去就を描く時です。本作を観て、仲間の出入りの無い他の映画版がつまらない理由を改めて理解した次第です。念のために言っておきますが、私は「ワンピース」の大ファンです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-11-04 01:21:12) |