1. サイコ(1960)
《ネタバレ》 音楽が実に不気味。このせいで相当緊張感が高まる。これは十数年前に一度みて、今回二度目なのだが話の筋書きは完全に忘れてしまっていたが最後の女性を襲おうとする場面だけははっきり覚えていた。あの恐ろしさ異常性は乱歩の「孤島の鬼」にも通じるように思う。…ただこの作品、前半と後半のつながりがおかしいような気がする。被害者女性が大金を盗んで逃亡してしまうこと自体が十分に事件性があることなのでここから話が膨らんでいくのかと思いきや、偶然立ち寄ったモテルでいきなり(ほんといきなり)殺されてしまうのだから。そこまでの「事件」がスパっと断ち切られてしまうという流れの悪さおかしさみたいなものを自分は感じた。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-12-02 13:22:59) |
2. ガメラ対宇宙怪獣バイラス
《ネタバレ》 ガメラ映画で子供のとき唯一みた記憶があるのがこれ。みたと言っても映画館じゃなくてテレビだけど。2度ほどみた様な記憶があるが、腹をぶっさされるガメラ以外何一つ覚えていない。あの場面だけは子供心にも「これは死ぬんじゃないの普通…」という疑問が残ったものだ。で、今見てもやはりあれは致命傷であるとしか思えない。バイラス星人も「何いいいいい…これで死なないとは…地球攻略は不可能だ」と絶対思ったに違いない。ただ、うちの子供が最初から最後まで飽きずに見ていたから(自分も子供のときはそうだった)何か子供には訴えるものがあるんだろう。うちの子供は怪獣ものが好きなわけではなく、ウルトラマンもウルトラセブンも全く受け付けない(見ない)くせに、ガメラはこの映画含めて全部観賞するぐらいの勢いである。子供が主人公であることとか、ガメラがどういうわけか「子供の味方」とか、そういうところかな…。 [インターネット(字幕)] 2点(2016-02-26 15:15:12) |
3. クレージー作戦 くたばれ!無責任
《ネタバレ》 クレイジーキャッツのグループとしての活躍を知っている世代ではないし、映画も初めて見た。最初白黒なので白黒映画なのかと思っていたぐらいである。世に伝えられる植木等の活躍ぶりを期待していたのだが、大笑いする場面があるわけでもなく、まぁそれなりの感じだった。最後少し骨のある所を見せたけれども……。 [インターネット(字幕)] 4点(2014-01-10 01:45:06) |
4. 椿三十郎(1962)
「用心棒」の続編で、やはり剣もたち頭も切れる型破りな三十郎が大活躍する。「用心棒」のように単独で行動するのではなく、ちょっと軽薄な若侍が存在するために、前作よりも軽いというか明るい。完全な娯楽作品だが見どころが満載で、ものすごく贅沢な作りである。個人的にはこの種の黒澤作品は「隠し砦の三悪人」が最高傑作だと思うが、この作品も十二分にすばらしい。 [ビデオ(邦画)] 8点(2008-08-20 07:55:52) |
5. 赤ひげ
《ネタバレ》 「生きる」の完璧すぎるほど完璧な出来ばえに比べればどうしても落ちるが、やはり満点。やや時間が長いし、前半の話にはやや助長なもの(特に佐八の話)もあったけれども、おとよの登場から俄然映画自体が変わってしまう。心を開きつつあるおとよが保本の看病をしている場面、ふと窓を開けると雪が降っていてそれに合わせて音楽が鳴り出すところ、この場面がとても感動的だ。おとよ役の二木てるみだけで十分すごいのだがさらに長坊役の頭師佳孝が加わってこの二人が本当にうまい。死にかけている長坊の魂を呼び戻そうとしておとよが井戸に向かって絶叫する場面、はらわたから絞り出すような「ちょぉぉぉぼぉぉぉぉ~~~」(活字にすると変だなぁ)という身も世もない叫び声が悲痛の極みだ。もちろん保本の徐々に成長していく姿もしっかりと描かれており、おしきせを初めて着る場面、自分の情けなさに涙する場面、いずれも印象に強く残る。ラストの「お許しが出たんですね」はそのセリフ自体がうまい。さらに音楽と相まってまさに大団円という感じで、長いけれども良質の映画をみた幸福感で満たされる。いい作品だ。それともう一つ、本作が「理想的すぎ」と思われる方は、ぜひ「どですかでん」を御覧あれ。 [ビデオ(邦画)] 10点(2008-08-08 04:38:25) |
6. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
《ネタバレ》 最終シリーズからすると10年も前につくられた第一作だけに、コロンボが若い若い。格好も普段よりパリッとしてるし、登場するときの音楽もなんか、違うよねぇ……? だがコロンボはコロンボ。第一作目からねちっこく犯人にくらいつく性格、ほとんど犯人を引っかけるようなキワドイ(あくどい?)トリックと、コロンボ節はすでに全開である。 [DVD(吹替)] 7点(2008-08-07 05:47:29) |