1. 晩春
《ネタバレ》 明るい笑顔としおらしいい原節子を見慣れていると、この作品の原節子は少し衝撃的に写った。無言と目つきが示す不機嫌さと父への執着心は異常に感じる。原が演じる紀子がどう見ても積極的な気持ちで結婚を決意していないところが気になる。そこは「麦秋」と似ているようで全く違うところで、後味はかなり異なる。「東大出でゲイリー・クーパー似」の見合い相手は、いったい誰が演じるのか非常に興味深かったのだが・・・笠智衆演じる父にはまんまと一杯食わされた。 [DVD(邦画)] 5点(2010-09-28 19:45:16) |
2. 天井桟敷の人々
《ネタバレ》 共感できる登場人物がいないのがつらい。舞台を途中で放り出し、妻子を顧みず過去の恋愛を追っかけてしまうバティストと成り行きで次々と乗り換える割にはバティストが忘れられないガランスには同情の余地もない。たくさんの男性を魅惑するガランスに魅力が感じられず、ひと目見て「美しい」と言わせるにはアルレッティでは説得力に欠ける気がする。登場人物に魅力がないので展開にワクワクするところがなく、3時間超の長丁場は正直つらい。大衆演劇で観衆が爆笑するところでこちらが笑えない「笑いのツボ」のずれも大きい。ドイツ占領下で3年以上かけて製作された執念は凄いと思うが、別の時代に作られていたらこれほどの評価を受けていたのかは疑問に思う。 [DVD(字幕)] 5点(2010-09-28 19:42:59) |
3. レベッカ(1940)
《ネタバレ》 犯人に追っかけられたり、追い詰めたりと常に死と隣り合わせのサスペンスのイメージが強いヒッチコックの作品の中では、かなり雰囲気の異なる作品。夫マキシムの普段の姿と突然顔色が変わり怒り出すギャップの大きさ、家政婦ダンヴァースの前妻レベッカが乗り移ってるかのような不気味さが恐怖感を盛り上げる。終盤は恐怖感より、マキシムにかけられた疑惑の行方とレベッカの死の真相が軸になって行く。レベッカの姿なき影に怯えるヒロイン、ジョーン・フォンテインが美しい。ヒッチコックの一味違った魅力がある作品。 [DVD(字幕)] 6点(2010-09-28 19:39:26) |
4. 上海特急
《ネタバレ》 北京から上海に向かう特急を舞台に「上海リリー」とハーヴェイ大佐の愛の行方を軸とした人間ドラマ。時は1931年内戦の中すんなりと上海に着くはずもなく、途中軍による捜査や銃撃戦があり主人公たちも拘束の危機が訪れる。多少サスペンスの要素も入るが、やはりみどころはマレーネ・ディートリッヒの美しさ。北京の線路が路面電車状態で、大勢の人々や家畜がうごめく中を走る機関車の様子が面白い。全体的には平凡な作品。 [DVD(字幕)] 5点(2010-09-28 19:33:02) |
5. 海底王キートン
《ネタバレ》 前半の船内でのコメディーも良いが、なんといっても漂着してからのドタバタ活劇が面白い。水中での鋸鮫ネタ、水中服に驚き逃げ惑う土人たち、土人たちの逆襲・・・キートンのみならず、土人たちのスタントも楽しめます。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-28 19:29:37) |
6. 座頭市(2003)
北野監督にしては遊び心と娯楽性が良い方に出た作品だと思う。「座頭市」にリアリティーを求めること自体ナンセンスなことなので、殺陣シーンの派手な演出もありかな。時代劇にタップを持ちこんだアイデアは絶賛するほどではないが、ノリと勢いで見せてきてるのでラストを飾るには悪くない。 [DVD(邦画)] 6点(2010-09-27 00:06:47) |
7. HANA-BI
元刑事とは思えない倫理観の薄い主人公に共感できず。時々挿入される絵がやや斬新さを与えているものの、暴力描写は相変わらずといった感じ。こういう作品が海外で評価されると、日本のイメージが歪んだ方向に導くのではないかと心配になる。 [DVD(邦画)] 3点(2010-09-27 00:03:39) |
8. さびしんぼう
旧尾道3部作の他2作に比べるとストーリーより雰囲気に魅せられる作品。性格の異なる2役をこなした富田靖子が魅力的。尾道ロケのみならず「別れの曲」が忘れがたい。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-09-27 00:02:04) |
9. ジャガーノート
《ネタバレ》 パニック映画と言うより爆弾処理と犯人探しによる息詰まる緊迫感が見どころ。豪華客船に仕掛けられた爆弾は7カ所で、1個や2個爆発しても船が沈没するような致命傷にはならないようで、乗客が騒ぎ出すほどのパニックには陥っていない。それによって作品としては地味な感じにはなっているが、爆弾処理の描写の緻密さによって緊迫感はより盛り上がるものとなっている。犯人の人物像がやや希薄なのと、最後の決断をにおわす伏線がなかったのが残念。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-27 00:00:13) |
10. あなただけ今晩は
《ネタバレ》 「アパートの鍵貸します」と同じスタッフ、キャストだが、コメディー度はアップしており、「一人二役」ということも含めて「お熱いのがお好き」並みである。刑務所からは簡単に脱走できるし、部屋の中の捜査などはもはやコント。途中しつこいシーンがあってもう少し短くできそうだが、脚本が練られているので退屈するほどではない。結末はもう少しスマートに出来そうなのが残念。ラストはちょっとしたお遊びもあって、すっきりした後味となっている。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-09-26 23:58:47) |
11. 稲妻(1952)
《ネタバレ》 次女光子の消息が気になったり、隣人の兄妹のシーンがもう少し欲しかったりと少し物足りなさが残った。複雑な事情を持った母、兄弟と取り巻く人々の人物描写が良くできており、次々に起こる問題と感情のぶつかり合いが見る者を惹きつける。主演の高峰秀子の投げやりなブドウの食べ方が好き。出番は少ないが香川京子の可憐さも光る。ここに出演している俳優でリアルタイムで見たことがあるのは浦辺粂子と根上淳と香川京子くらいだと思うが、この時すでに初老の母役をしていた浦辺粂子の芸歴の長さには驚いてしまう。 [DVD(邦画)] 6点(2010-09-26 23:57:08) |
12. リリイ・シュシュのすべて
岩井俊二監督の作品は私にとってツボにはまるか全く受け付けないかの両極端です。この作品は残念ながら何を言いたかったのか全く分らず、不快感しか残らない。作品の価値より、市原隼人と蒼井優というダイヤの原石を発掘したことが重要な作品なのでは。 [DVD(邦画)] 2点(2010-09-26 11:14:02) |
13. ピアノ・レッスン
入植時代のニュージーランドを舞台にした独特な雰囲気を持つ愛憎劇。マイケル・ナイマンの音楽が素晴らしい。始まってからすぐ浜辺から家に行く間に道が悪く立ち往生しているシーン、マリオ族が言う台詞が日本語で「待て待て、あんなとこは生きて通れねえ」に聞こえることでも記憶に残る。驚くべきはその言葉があまりにもそのシーンにあっていたということ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-26 11:12:29)(良:1票) |
14. トワイライトゾーン/超次元の体験
残念ながら、どうしても内容よりもビッグ・モローの事故死が記憶に残る作品。やはり第4話が最もインパクトがあり、飛行機に乗って嵐に遭うと思い出しそう。 [映画館(字幕)] 5点(2010-09-26 11:10:24) |
15. ルパン三世 カリオストロの城
それなり楽しめる作品ではあるが、評価が高いのは宮崎駿のブランドの力も大きいのかなって気がする。舞台がアルプスの架空の小国、湖の要塞となる城の雰囲気などいかにも宮崎監督らしさが出ている。庭師はまるでハイジのおじいさん。飼ってる犬はヨーゼフではなかったけど。次元と五右衛門はやや出番が少なめ。 [地上波(吹替)] 6点(2010-09-26 11:08:34) |
16. 気狂いピエロ
大学生の頃リバイバル上映していたので、ちょっと背伸びして見に行った。大学には「良かった」と言う者もいたが、私にはさっぱり判らなかった印象しか残っていなかった。20数年経って全く内容を覚えていなかったので見直してみたが、印象以上に2時間弱が長くつまらないものだった。どのあたりが評価されているのかさえよく判らない。どうでもいいことだけど日本にもいたよね、「真理アンヌ」って人が。 [DVD(字幕)] 2点(2010-09-26 11:06:03) |
17. 手錠のまゝの脱獄
黒人映画俳優の先駆者ともいえるシドニー・ポワチエの出世作ともいうべき作品。シドニー・ポワチエは知的なイメージがあったが、ここでは野性的な役柄を演じている。事故直後の様子が描かれてなく、二人だけ無傷で逃げ出せてるのは少し違和感あり。途中「なぜ?」と疑問に思うところもあるが、全体的には程良い緊張感を保ちながら手堅くまとめていると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2010-09-26 11:03:18) |
18. ザ・マジックアワー
作風は嫌いではないが、ストーリーは強引過ぎでしょう。佐藤浩市がいい演技してたし、映画の撮影ネタを見れたのは良かったんだけど。 [DVD(邦画)] 5点(2010-09-23 22:14:17) |
19. 變臉~この櫂に手をそえて~
クーワーがおじいさんを助けるためにとった決死の行動にビックリ。二人の芸の凄さと自然な演技に深い感銘を受ける、中国映画では最も好きな一作。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-23 22:12:08) |
20. 転校生(1982)
新人の小林聡美の体当たり演技が印象的。尾道を旅した時、私もあの階段で転がってみた、ひとりで。 [地上波(吹替)] 7点(2010-09-23 22:10:05) |