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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  トロン:レガシー
オリジナル版は未見です。発光するスーツをまとった男女が青白いフリスビーを振り回してキメる予告編を観て、このバカさ加減は期待できると身を乗り出して鑑賞しました。が、自分が創造し、なんでもできるはずの電脳空間であっさりと重要アイテムを奪われ、すぐに居所を突き止められ、神であるはずの世界であっけなく劣勢に立たされ一気に失速してしまいました。あえて端折ったのかもしれませんが、現実世界の命(肉体)と電脳世界のプログラム化された命との関係や、ゲームオーバーの基準といった設定が不明確なのが致命的です。CGやアクションにはかなりの気迫が感じられるものの、のめり込むことができませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2011-12-18 13:12:24)
2.  世界侵略:ロサンゼルス決戦
エイリアンの地球侵略モノとしては何一つ新しい要素がないにも関わらず、既存の侵略モノの要素をうまく混ぜてまとめたそこそこおもしろい不思議な作品です。巨大な円盤がのある日突如の襲来という点では『インディペンデンスデイ』、視点は主人公に固定という点では『宇宙戦争』、民間人救出ミッションとエイリアンとの遭遇・反撃・解剖と籠城という点では『エイリアン2』で、戦闘シーンは『ブラック・ホークダウン』のように迫力に重きを置いた味付けです。各シーンの映し方は非常に丁寧であり、死体から弾薬を回収したり、ヘルメットの顎紐を全員きちんと締めているところに現れています。肝心のエイリアンは中々登場せず、侵略されて炎上するロスが空撮されるのみでエイリアンの優位性を際立たせるような圧倒的な侵略シーンはこの手の作品には必要不可欠でありながらすっぽりと欠如しています。それ故にこんな奴らに勝てるわけないやろといった絶望的な気持にならず、かといってこうすれば簡単に勝てるやんといった設定の隙を突く気持にもなりません。大侵略シーンがないことに対する物足りなさは確かにあるものの、大風呂敷を広げていないのだから畳まなくてもよいという極めて巧妙なつくりに感心しました。原題の『Battle of Los Angels』は、小隊とエイリアンの局地戦に焦点を絞った本作の正確な要約であり、邦題の『世界侵略』は宣伝文句として外せなかったのでしょうが、本作では描かれていないのです。娯楽アクションとして映画館での鑑賞をお勧めします(劇場での鑑賞後、機内で観ましたがまったく面白くありませんでした)。
[映画館(字幕)] 8点(2011-11-19 16:35:09)
3.  エンジェル ウォーズ
『Sucker Punch』のタイトルまでの運びだけでもザック・スナイダー作品であることがわかる幕開けです。精神病棟からの脱出する過程で遭遇する障害を架空の4つの戦闘シーンで置き換えられ、『ガンスリンガー・ガール』という戦闘美少女の花形マンガを実写化したような映像のオンパレードが本作の見どころ。これを評して妻は、ストーリーのないドンパチもののテレビゲームを見ているようで何のカタルシスも感じない。アクションだけで演技力を必要としない作品は映画ではないと切り捨てて寝室へ引っ込んでしまいました。これもまた事実であり、萌えゲーの主人公と同じくご都合主義全開の展開に超受け身になってしまう自分を感じます。が、ドンパチやってりゃそれでいい作品を欲していた私としては楽しめました。また、Pixiesの「Where is my mind」、Bjorkの「Army of me」などの挿入歌が戦闘シーンの高揚感に花を添えています。
[DVD(字幕)] 8点(2011-11-19 15:12:33)
4.  アウトレイジ(2010)
ヤクザの世界もサラリーマンの世界も組織という点では全く同じですね。上司がおり部下がいて、指示命令系統に従って淡々と職務をこなす。上司の顔色を伺うところまでは同じですが、時には力ずくで抵抗するのが違うところですね。鑑賞していて爽快感を覚えるのもそこらへんで、「なんだこのヤロー!」「バカヤロー!」の応酬には思わず身を乗り出してしまいます。椎名桔平が車を降り、ラーメン屋に入るまでを店内からワンショットで捉えたカメラワークなど、北野映画らしい演出も所々にみられ、エンターテイメントとしても上質な出来栄えです。
[DVD(邦画)] 8点(2011-08-20 00:02:47)
5.  ソルト 《ネタバレ》 
頭をスッカラカンにして楽しめる作品として、アンジーが出ていればハズレはないだろうと思い選んでみましたが、微妙でした。銃をぶっ放金髪から黒髪へ、男装までやってのける姿は決まりに決まっていて、痛快ですがその強さの目的が最後まで明かされないために、いま一歩引いて見てしまいます。アンジー版『ダイ・ハード』を狙うなら、旧ソの生き残りが世界征服を狙うといった設定も含めて、大幅に練り直す必要があるのではないでしょうか。ウルバリンのお兄ちゃんが善人のふりしてやっぱり悪人だったり、『2012』の地震博士がアンジーをタコ殴りしたりと、以外と豪華な俳優陣の競演は楽しめました。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2011-08-19 23:17:05)
6.  トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
オープニングは最高。アポロ計画は月の裏側のトランスフォーマーたちを探索するために行われた! 極秘に行われ当時とて知る人は30名ほど! ケネディの映像も交えたタイトルが流れるまでの5分間で前作までの設定を軽々とひっくり返し、ピンク・フロイドまで動員してハッタリをかます心意気に感服しました。シリーズ3作目にもなると、主人公とそのガールフレンドの学園コメディ、両親のおせっかい、クサい洋楽もお約束としてさほど苛立しさを感じるものではなく、戦闘シーンの端休めとしてうまく機能しています。唯一気がかりだったのが主人公の彼女が交代していたこと。シカゴでの侵略を目の前に元カノはどんな思いを抱いたことでしょう。数々の矛盾を抱えながらも3Dを生かした比類ない迫力の映像と、男心をくすぐるロボット描写満載の本作は、夏休み映画として非常に優秀であると思いました。
[映画館(吹替)] 8点(2011-08-19 13:41:28)
7.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
台風の影響で計画していた九州旅行がキャンセルになり、やり場のないエネルギーをぶつけるには『キック・アス』で最も信頼できる監督の一人になったマシュー・ボーン最新作の『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』よりも、欲と欲がぶつかり合い過剰なエネルギーが横溢する園作品こそ、旅行キャンセルのフラストレーションを受け止めてくれるのではとの主張が通り、妻と名画座に観に行ってきました。『愛のむきだし』と同じく「愛」と「家族」をテーマとしているものの、B級要素を放り込んだごった煮大ほら話であった前作に比べて物語のスケール感は後退しましたが、血糊とエログロは大幅に増量して吹きこぼれ寸前の作品を、でんでんという悪役でフタをしたのが本作です。村田夫妻のかもし出す過剰さ、悪役としての突き抜け方とケレン味は秀逸で、でんでんと黒沢あすかには万雷拍手を贈りたいです。バラバラ殺人を「ボデーを透明にする」と言い換え、輪ゴムにこだわるB級感覚とハッタリに賭ける過剰さこそ園作品の真骨頂であり、私が本作に望むものでした。のび太が眼鏡を外してスーパーサイヤ人化する終盤を過ぎてからのハチャメチャな展開も園作品のお約束で、作品のモチーフとしても、映画への取り組み方にせよ「やりたいことは、やれ」という一貫した姿をスクリーンで大写しにして示す様子に私は安心して鑑賞できました。一方妻はグロ要素に拒否反応を示し、作品選定と鑑賞料金について説明責任を追及されてしまいました。
[映画館(吹替)] 8点(2011-07-19 15:51:00)(笑:2票)
8.  アンストッパブル(2010)
行きつけの名画座でトニー・スコット作品2本立ての1本目として鑑賞しました(2本目は『トップ・ガン』)。無人の暴走列車を止める、ただそれだけの作品です。止める役がデンゼル・ワシントンという時点で人類は安泰ですが、手振れの映像、緊張感を煽る音楽、細切れのカットなど、スコット節が炸裂し手に汗握る作品に仕上がっています。巨大な鉄の塊である機関車が画面にのしかかるように映る様は、3Dでなくとも映画ならではの迫力を体感できます。ハンバーガーを食べながら観るには最適な作品ですが、それ以上の感興が沸かないのも事実でした。ところでデンゼル・ワシントンの相棒役のクリス・パインはリメイク版『スタート・レック』で主役を張っていた彼ですね。『トップガン』で登場する空母がエンタープライズだったり、何とも感慨深いものがありました。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-13 00:18:35)
9.  映画ドラえもん のび太の人魚大海戦
大山のぶ代のドラえもんで育った世代です。初の新ドラえもんシリーズの鑑賞でしたが、声優のみならず、絵柄ものび太の部屋も服装も旧ドラえもんシリーズと全てが異なり、受け付けられませんでした。藤子先生亡き後、オリジナルコミック収録話から映画用に話を発展させた展開には唸らされましたが、映画版ではのび太が「ドラえもーん」と呼んだあとに入るテーマ曲が「あんなこといいな」ではないだけで、もはやドラえもんとは呼べないのです。山田康夫亡き後、栗田寛一が違和感を極力少なくルパンを演じて好意を持って受け入れられたのに対し、ドラえもんキャストの交代に反発はなかったのでしょうか。甲高い声でまくし立てる水色で頼りなさそうなにものかはドラえもんではありません。オリジナルを忠実に再現するという方向性が見られなかったのが残念でなりません。
[地上波(邦画)] 1点(2011-02-27 13:07:15)
10.  キック・アス 《ネタバレ》 
近年のアメコミの映画化作品はほぼ網羅してきましたが、そんな中でもオールタイムベストの作品です。オタク少年が瀕死の重症を負い無敵のヒーローに生まれ変わるのかと思いきや、これは真の主人公を引き立てるための前フリ。強さとカッコ良さの片鱗もない「キックアス」で中だるみ感が最高潮になるタイミングと共に、ヒットガールとビッグダディが登場し一気に物語が加速します。アメコミにおけるヒーローの役割と自問自答は「キックアス」が引き受け、強さとカッコよさはヒットガールが担うことでメリハリがつき、過去のヒーローものへのリスペクトもそこかしこに見られ、映画館の大画面でビッグマックを頬張りながら鑑賞するのに最適な作品です。何よりの魅力はヒットガール。子供が蟻やバッタの足を抜いて遊ぶのと同じように悪人を撃ち、斬り、倒してゆくシーンで受ける爽快感が、他の「成人ヒーロー」とは明らかに異なるのは、超人的な戦闘能力を持つ少女という設定からでしょう。典型的なヒーローは、戦闘能力を持ってしまったがゆえの苦悩を持ち、明確な殺意で敵と対峙するというのがお約束ですが、ヒットガールには戦闘能力はあっても殺意とそれにまつわる苦悩が皆無です。ヒットガールを養成した父親がそれらの苦悩を担い、父の武器(父の戦闘能力も高いですが、苦悩するヒーローとしてバットマンに似せた姿で登場するのが興味深いです)として遺憾なく戦闘能力を発揮する存在になっているのです。ヒットガールにとっての「出動」は、父によって徹底的に仕込まれた身体能力を発揮する運動会のようなものでしょう。続編が製作されるそうですが、父を亡くした後、ヒットガールがいかに苦悩しながら更にアップしたであろう戦闘能力を発揮するのを観るのが楽しみである反面、ただ苦悩する普通のヒーローモノに成り下がってしまうのは避けて欲しいですね。
[映画館(字幕)] 10点(2011-02-27 13:05:33)(良:3票)
11.  ナイト&デイ
このところばたばた続きで、頭がアホ状態でも楽しめる映画をと思い立ちチョイス。妻と映画館で観ました。期待通りのこれぞハリウッド映画という出来栄えで満足できました。キャメロン・ディアス天然ぶりは、『バニラ・スカイ』での怨念を晴らしているようでもあります。カップルが銃を乱射して全ての窮地を切り抜け、観終わった後には「あーおもしろかった」以外何も残らない、バカ映画(ほめ言葉)のお手本のような作品です。他方、妻は余力があったのかかなり真剣に鑑賞したらしく、キャメロン・ディアスのおバカっぷりに立腹したそうです。このテの作品に突っ込みを入れるのはナンセンスだと言ったら、現実にこんな女性がいたらイラっとしないのと返され、そう言われるとそうだと言うと、ちょっと満足そうな顔をしました。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-26 23:47:44)
12.  プレデターズ(2010) 《ネタバレ》 
この作品を観る方というのはおそらく、というか間違いなく本家を鑑賞され、シュワちゃんの人類最強ぶりとプレ様のご尊顔に感銘を受け、『2』で妊婦に手心を加えられるプレ様に親近感を覚え、『AVP』で有志以前は神とあがめられたプレ様に更なる関心を覚えつつも人間(含む製作側)のお粗末さに落胆し、『AVP2』では落胆を通り越しもう続編は見まいと決意しつつ劇場を後にした方々でしょう。本作を観られる際は、本家に敵うものではなく設定を楽しむ作品であることに留意しつつも、製作・ロバート・ロドリゲスという言葉に一抹の希望を抱えながら劇場に足を運ばれたことと思います。私の場合、その希望は一瞬で潰えました。なぜか戦場のピアニストが地球代表の殺し屋で、裸足のヤクザとプレ様がチャンバラ合戦。そして異様に肥えて臭そうなモーフィアス・・・。ジャングルの地形を生かした罠や泥パック、見えない敵への一斉掃射など本家へのオマージュがところかしこにちりばめられており、間違い探しのように見つけて楽しむことはできるといえばできるのですが、新たな発見もなく(あ、ありました。プレ様は犬を飼っています)、驚くべきアクションもありません。更に驚嘆したのが、映画冒頭では館内に7人ほどの観客がいたのですが、エンドロールが始まる頃には私1人でした。これぞプレデター(ズにあらず)!
[映画館(字幕)] 4点(2010-11-22 00:21:53)(笑:4票)
13.  告白(2010)
いやぁ、これは面白い。道徳と倫理そっちのけでエンターテイメントに徹した近年稀にみる邦画です。暴力的に話を要約すると、中学生の教え子に一人娘を殺された松たか子が彼らに復讐する話です。人の痛みを理解できず、自己陶酔を自ら演出することに長けたいかにも現代っ子な中学生にたちに執拗な罠を仕掛ける松たか子の演技が冴えに冴え渡っており、彼女ゆえに本作が成り立っているとういえます。エイズ、少年法、殺すことの善悪など、いかにも映画のメッセージに成りえる要素を含んでいながら、それを軽がると無視する中学生の軽薄さと現実感の欠如と、愛娘を殺された松たか子の激烈な怨念の深さにハラハラドキドキしながら喝采する映画ですよこれは。原作が小説であることからかモノローグが多用されており、言葉ではなく映像で語るという点で物足りなさがあるものの、イメージ映像、スローモーション映像を刈り込めば、『パルプ・フィクション』クラスの世界各国に輸出できる極めて良質なエンタテイメント作品であると思います。バックに流れる音楽も素晴らしい。
[映画館(邦画)] 9点(2010-11-21 23:50:29)
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