1. 日本沈没(1973)
《ネタバレ》 「なにもせんほうがええ」 フィクサーの老人は自費で学者三人を雇って、日本民族の存続のために今後取り得る方策を策定させた。 冒頭の言葉は、3つ策定されたプランの最後に附された番外である。 老人から、じつは三人の学者が意見の一致を見たのがこの案だったと聞かされる首相。そして涙する。 ここ。 おそらく現代の日本人にはちんぷんかんぷんなのではなかろうか? じつはここは、敗戦と大きく関係がある。 そして、これは誰も語らないし、俺もまたいまだに整理できていない。 つまりさ。本当は戦時中に言われていた通り、一億総玉砕しておいたほうが、スジが通ったんじゃないか。(日本民族は存続していい民族ではないのではないか) これは言ってみれば、共感なのだ。 この感覚は表立って言われなかったが、高度経済成長という見せかけの繁栄を享受しながら、じつは本当はこんなことやっていてはいけない、という感覚をぬぐいきれずにいたのだ。それとは裏腹に、当時は企業戦士とかモーレツサラリーマンとかになることが求められた時代でもあった。(補足:俺は高度経済成長期に子供時代を過ごした) 話しを戻す。この言及があったればこそ、この物語は普遍性を獲得したと思う。 ところが、ここに気付かない現代人からしてみると、地震とか、国家滅亡の危機に際してリーダーはどうあるべきかといった表層的な部分にしか反応できないのであった。 日本沈没とは、戦争そして敗戦の比喩であった。 だが。 今や誰もそんなことは憶えちゃいねえ。 幸福な人たち。 [DVD(邦画)] 7点(2023-08-14 07:46:33)(良:2票) |
2. 書を捨てよ町へ出よう
まともにレビューすると削除されることが分かっているので、婉曲的に表現する。 JTNewsの悪いところのひとつは、舞台で芝居を観たことがない人たちが、映画のレビューをしていることだ。 [映画館(邦画)] 10点(2023-03-28 05:00:44) |
3. 王になろうとした男
《ネタバレ》 地味すぎる映画なんで、いろいろ見落としがちなんだが、観たあと時間が経ってくると、じわっとくる。それはもう、年をおえばおうほど。 この映画は、男の願望そのものだと思う。 現代では、「失敗したくない」などと言った意見が大勢を占めているようだが、それでは一度も生きずに死んでいくことになるだろう。 つまり、失敗に終わる結末にすら、俺はあこがれを感じる。 ニューシネマもウッドストックもフラワームーブメントも学生運動も終焉した後で作られた、ニューシネマだと分類される。 そういう意味ではニューシネマ回顧映画だったかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2022-10-11 02:00:43) |
4. ラストコンサート
なんだかラスト・コンサートを観始めてしまった。 どうしてだろう? 裁判がストレスだから? そういう意味では、この映画は特殊かもしれない。なぜって……。 逃げ場のなさや、行き詰まり感にこれほど似合う映画はないような気がするからだ。 シベールのものすごい切れ味とは対極にある。 かなしくはない。 いらだちとは違う。既に救いをもとめない感覚。 リチャードに共感しているからかも。 評論的なことを言うのは控えたい。 ただ、思っていたのとは全然違って、 映画作品としての完成度はかなり高かった。 というのも、画と音楽で語るからだ。 じゃあ、どう思っていたのか。 通俗的だと思っていた。 そして、通俗性を打ち消すだけでなく、別次元に昇華したのが、パメラの若さ炸裂っぷりだと思っていた。 だが、それだけではなかったのだ。これもまた、プロが作った映画だった。 それに加えてパメラ。 いやはや、この映画もまた永遠だったのだ。 あと、もうひとつだけ付け加えるなら、この映画は「邂逅モノ」だ。 JTNewsのレビューについて リアルタイムで観た人が多くレビューを書いている。 JTNewsのレビュワーは重箱の隅を楊枝でほじくってまでけなしたいらしく、読むとたいてい不愉快な気分になるのだが、今回は納得のいく意見が多かった。 DVDの吹き替えについて DVD用の吹替えを用意したのだが、あまりにひどかったので、TV放送時の吹替えを再録する権利を取り直したんじゃないか? DVDには両方入っているので、(怒りに我を忘れて)発作的に叩き壊していた、などというおカネの無駄遣いはしなくて済みます。 [映画館(字幕)] 10点(2022-06-23 03:11:51) |
5. テス
ナスターシャ・キンスキーは、お父さんの方がインパクトあるぞーおう。お父さんは寺山作品にも良く出てくるぞーおう。ナスターシャ・キンスキー本人は、やっぱりナントカベッドのCFでしょう。映画館で見た覚えがあるが、じつは良く覚えていない。いい印象もない。今見ても、たぶん見直したりはしないのでは、なかろうか? 5点(2003-01-20 04:07:27) |
6. ルパン三世(1978)
あまり書くべき事はありません。あえて言えば、本来カリオストロで書くべきだったのですが、「宮崎作品であることに注目しておられる方が多いようですが、氏はテレビ版第1シリーズから参加しておられるので、その割に・・・という感想です」。三波春男(てこの字だっけ)は実はインパクトがあり、この映画を作ること自体がお祭りだったんだなあという感じです。不愉快なのは、これが、過去の栄光であるということでしょう。お祭りといえば、最近、園子温のうつせみというのを見たのですが、BGMのみにして欲しいと思ったのですが、シナロケとか思っちゃいました。オマエガホシイとかね。ということは、ダイコン2だったかのキャベツ大王とかって、覚えている人っていますかね? うーむ、何もかも過去の栄光ですなあ。ちなみに8点は私の中で、「映画として」最高の点です。 8点(2003-01-20 03:42:07) |
7. ルパン三世 カリオストロの城
これについては、多少は論じられるぞっつっ。結論を先に言うと、クローンの方が面白い。なぜならば、(ある記事のパクリなのだが)この映画でルパンは不自由であるから。ローマの休日とは、違うんだよ。すなわち、クラリスとの関係において、ルパンは最初から不自由すぎた。そのせいで、ルパンらしさが、かなりスポイルされてしまっている。では、ルパンらしさとは何かというと、(ここではあまり言及すべきでないが)クローンにおいて、ルパンがマモーに地震を起こしてみせられた後の科白くらいを挙げて置こうと思う。あとは、クローンの方がエッチっぽいとか、カリオストロでは、ルパンとクラリス以外は実は添え物でしかなく、例えば、不二子や次元も、仮に別の人であっても、全然かまわない(これはシリーズ物としてかなりマズイ)などが挙げられよう。ところで、当時ロリコンとかヲタクの代名詞のように言われていた本作だが、彼らの特徴はクローンには目もくれず、(ほとんど宗教的なくらい!)クラリスだった。おー、こわ。それへの反発のせいで、やや辛く見てしまうのだが、実際にはそれほど悪くはない。 6点(2003-01-20 02:53:28) |
8. 激突!<TVM>
おもしろくない。いつも思うのだが、みなさん評価の高い作品を誉めているのでは? これがいわゆるメディアに支配されていると言う現象である。スローテンポに疲れるし、そもそも相手方の背景が分からないのって、無差別攻撃の対象にされているのと同じで、そこにドラマが生まれようもないのでは。あるいは、いつもカツアゲされる子供といっしょで、「どうして俺が?」なんて思ってもしょうがないジャン。 1点(2002-11-08 06:39:42)(良:1票) |
9. キャリー(1976)
え、そう? 別に恐いかどうかはどうでもよくて、化け物は哀しくなけりゃいかんだろう。フランケンシュタインの怪物とならんで、キャリーは哀しい化け物の二大巨頭だっつっ!! おれは大好きだね! むしろ、恐いと言えば、お母さんでは・・・。あ、そうそう、ラストシーンはあんまり好きではない。 9点(2002-11-08 06:07:34) |
10. 続・激突!/カージャック
激突!より、こっちの方がずっと好き。 8点(2002-04-28 02:48:57) |