1. グリッドロック
何か大事件に巻き込まれるのではと固唾を飲んでストーリー展開を見守っていた私の期待はあっさりと裏切られ、気づけばおさまりのよいラストまで来ていた。テーマは「お役所の形式主義への異義申し立て」?小気味よいテンポでかろうじて5点。 5点(2003-07-10 08:56:30) |
2. ヤングガン
《ネタバレ》 使い古されている題材だけに、今一つ食い足りなさを感じた。西部劇のメインディッシュである銃撃戦にも80年代ならではの工夫が欲しかった。個々のキャラクター描写は抑えられていると思うが、それをさらに深めるという段階にまで踏み込めていない。しかも、人気俳優だけちゃっかり生き残るし…。それでも、ビリー・ザ・キッド物の一つとしてそこそこ楽しめはした。 5点(2003-07-10 08:00:48) |
3. 月の輝く夜に
イタリア人気質の激しさと繊細さとおおらかさが溶け込んだ素晴らしい作品。情緒の描写を追求するあまり退屈することも少なくないヨーロッパ映画ほど緩慢とせず、かといって昨今のアメリカ映画のような単調なまでのサービス過剰もなく、“適度に”楽しめました。数々のささやかなすったもんだがラストへ向けて幸せに収斂していく過程がほほえましく、なんとも可愛らしい映画でした。 8点(2003-07-10 07:40:56) |
4. キャスト・アウェイ
この映画の最大のテーマはズバリ、主人公とバレーボール“ウィルソン君”との友情物語だろう。一番のテーマであるはずのヘレン・ハントとの悲恋物語がほとんどオマケになってしまった。厳しい現実にむき出しに晒された生身の人間のとんちんかんな行動って、はたから見るととても滑稽なんだけど、でもひどく物悲しかったりする。どこぞの映画の宣伝文句じゃないけど、「人間はおかしくて悲しい」がとてもうまく表現されていた。ストーリーの構成についての意見は賛否あるようだが、私は、無人島のシーンをもっと長くとって、前ふりや後日談を今より短くしてしまった方がいいんじゃないかと思う。ラストあたりで、主人公の運転する車の助手席に“生まれる前のウィルソン君”がのっけてあったが、きっとあのボールにあの顔を描くつもりだろう…「オマエの顔は覚えているぞ」って。 5点(2003-03-14 07:26:58) |
5. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
異色の青春映画としてとてもよく出来ている。ただ、主人公の天才鬼才ぶりは少し嫌みっぽい。もうちょっと控えめな天才だったらなぁ(天才はつむじ曲がりが常なのか?)。どんなに優れた読解力と分析力、並外れて鋭い洞察力をもってしても、忌まわしき過去から自らを解放するにはよき理解者の助けが必要だということだろう。第二の人生に向かってハイウェイをひたすら走り続ける主人公の車を追ったエンドロールでの描写が余韻を残す。 6点(2003-01-05 07:02:05) |
6. RONIN
ケースの中身、それはいわゆる“マクガフィン”ですね。浪人の説明を受けるデ・ニーロがいまいち釈然としない表情を浮かべるのは、RONINの中で唯一、彼だけがRONINではなかったからでしょう。カーチェイスシーンに銃撃戦、豪華俳優陣と、いろいろ満喫できるバイキングメニュー的娯楽作品。 5点(2003-01-05 05:42:28) |
7. ディープ・ブルー(1999)
やー、面白かった。レニー・ハーリン、相変らずいい仕事している。いい人そうなコックが最初の犠牲者になると思いきや、しぶとく最後まで生き残り、コックがんばれって思いながら観てたので、けっこう嬉しかった(←最後になって喰われてしまうのかーっ!?ってシーンもあったけど)。女博士が自ら造り出したサメに喰い殺されるあたりはフランケンシュタイン的でよい。パニック映画のラスト、危難が去った後のサバイバーたちの疲労困ぱいながらの談笑は、観客にも解放感を味わわせてくれる(主人公が海水に足を浸したままの姿勢で「本当にサメは3匹か?」のセリフなので、こちらも「まだいるゾ、危なーい!」って焦ったりして、ホントに最後まで気が抜けない映画だった)。ということで、過去のジョーズ映画から学ぶこと、1:生き残るのは2人だけ、2:サメは爆破して木っ端微塵にしてしまおう。 6点(2003-01-05 05:11:40) |
8. さらば冬のかもめ
一風変わってますが、70年代に流行ったロードムービーの一つですね。厳しい現実とその中で空しくもがくしかない人間の悲しい生き様を真摯に描いています。アメリカン・ニューシネマの系譜で語られる本作なので、終始、悲愴感を漂わせるような雰囲気に包まれていますが、この潮流の中では、他の作品によく見られるような非業の死を遂げるラストっ!といった衝撃的シーンはないので、印象としては地味です。それでも、何気なく心に残る作品ではあります。 6点(2003-01-04 05:07:07) |
9. バーティカル・リミット
《ネタバレ》 手に汗握るスリルが満載の映画。登場人物たちのトラウマとなるような惨劇を冒頭で描くあたりは『クリフハンガー』をなぞっているようだが、今回の真の敵は雪山そのものである点で、『クリフ~』以上に抗いようのない自然の猛威をこれでもかと描いてみせている。ただ、この作品において『クリフ~』以上に気になる映画が『恐怖の報酬』だ。危険なルートを経て目的地までニトロを運んでゆく点、複数のグループに分かれて危険を分散する点、そして、主人公が組みとなっているグループだけが最後に目的地に辿り着く点など、実は『恐怖~』の雪山バージョンを作りたかったのではと勘ぐりたくなるほど、この二つの映画に共通項は多い。しかし、『恐怖~』が、その道中で遭遇する様々な困難とその度に繰り広げられるグループ内の葛藤が人間模様をまざまざと浮きぼりにさせたのとは対照的に、本作で描かれるのはあくまでアクションのためのアクションであり、人物描写に関してはずっと表面的なまま横滑り状態なのだ(スコット・グレンが氷漬けの妻の亡骸と対面するシーンなんて実に感動的なのだが、それ以上の描写がまったくないあたりもそう)。だから、スリルはあるが感動が生まれて来ないのは至極当然のことだろう。 5点(2003-01-03 07:48:41) |
10. スリーピー・ホロウ
ティム・バートンの醸し出す映像美が随所に溢れた美しい作品。こんなに人工美に溢れたキレイな映画を撮れるなんて、ティム・バートン、やはりただ者ではない。怖いおとぎ話を夢心地で体験する至福の2時間。それにしても、地からして妖艶な雰囲気のクリストファー・ウォーケンにあのメイクで妖怪を演じられた日には、おどろおどろしい姿が目に焼き付いて離れませんな。 7点(2003-01-03 07:07:24) |
11. スリー・キングス
時折垣間見せる映像テクニックは、全体のアクセントとなるよりも、スムーズになるはずのテンポを遮っているように思えた。イラク側の窮状を踏まえてアメリカのみの視点に片寄ることを避けた点は評価したい。満足度としては今一つ。 5点(2003-01-03 06:40:52) |
12. スクワーム
忘れられないトラウマ映画の1本。やはり月曜ロードショーだったか。20年ほど前に観たっきりなのでストーリーをほとんど忘れてしまっているのだが(←そんなんで批評書いていいのか?)、もう1回観ようという気にもなれない。たしか、ビールジョッキに芋虫(?)が入っているシーンあったような…あれのせいで、グラスの横から飲み物に異物が入っていないか確認するクセがついてしまった(今でも!)。それにしても、あれはゴカイだったのか?巨大ミミズだったような…記憶が曖昧だ(思い出したくもないが)。『黒い絨毯』の虫バージョンって感じだろうか。あまりの気持ち悪さに3点をお見舞いだっ! 3点(2003-01-03 06:17:18) |
13. ザ・ビーチ(2000)
さいはての地まで旅して見つけられなかった安住の地をネット上に再発見したというラストか?小さな共同社会が発展するも最後は無惨に崩壊していく様を、人間の持つおおらかさや残酷さを加味しつつ、じっくりと描いていて、なかなか見応えがあった。南の島の無人島を舞台に、実はそこには…っ!?みたいな70年代の映画を思い出させてくれる懐かしい雰囲気の作品だった。 5点(2003-01-03 05:59:36) |
14. スクリーム2
映画マニアの青年は、前作に比べて精神的に成長した感じで好感度アップ…が、途中で殺されてしまった(←前作から引き続き登場のキャラクターで唯一の犠牲者?)。最後まで観客に犯人像をしぼらせないストーリー展開は、前作同様なかなか飽きがこなくてよい。が、犯人が分かってからの展開がどうでもよくなってしまうのも前作同様。それでも、さらなる続編も観たくなった。これほど退屈しのぎにうってつけの映画はないのだから。 5点(2003-01-03 05:34:41)(良:1票) |
15. スクリーマーズ
なんだかシマリのない恐怖感だった。個人的には最後のクマでずっこけた。クマは怖くないだろう…いや、怖いのか?でも、その恐怖感がいまいち伝わって来なかった。人っ子一人いない静まり返った要塞(?)内部で繰り広げられる、犯人探しならぬスクリーマー探しは、それなりに面白かった。 4点(2003-01-03 05:22:57) |
16. キャリー(1976)
血まみれ劇での大爆笑は、血を浴びたキャリーではなく、バケツ落下で頭にガコンッ!が誘発したものでは?冷血な同級生といいサイコな母親といい、キャリーって、ほんと悲惨な環境での生活を強いられているねぇ。だからこそ、卒業パーティーでひとときの幸福感に包まれるキャリーの姿は、観ていてこちらも楽しくなってしまう(が、急転直下、例の惨劇へ)。それにしても、あのパートナー役の男子高校生は骨のあるいい男だ(巻き添え喰らってしまうが)。いい人悪い人区別なくキャリーの怒髪天攻撃の標的になるところが後味悪く、そこがかえってホラーらしくてよい。 6点(2003-01-03 05:04:29)(良:1票) |
17. 評決のとき
“考えさせられる映画”に対する疑問を再認識した映画。道徳教材としては素晴らしくよく出来ていると思うが…。進歩的な白人が苦境にあえぐ黒人を助け、人種の壁を越えて仲良くなる、みたいなストーリーは、少し表面的でしらじらしい気がしてならない。同系列の映画で比較すれば、質的に『ミシシッピー・バーニング』には到底及ばないだろう。サンドラ・ブロックのサービスショットだけ高得点。 5点(2002-12-31 07:51:09) |
18. コンゴ
前評判のよくない映画を観るときは、なんだ、意外と悪くないじゃないかと、私自身の評価で正のベクトルに働くことがよくあるのだが、本作に関しては前評判がますます負のベクトルへと押し戻してしまった。スリルはあったが興奮がなかった。ゴリラがかわいかったので3点。 3点(2002-12-31 07:24:21) |
19. プレデター
地球上で無敵のシュワルツェネッガーが地球外生命体にコテンパンにやられるのが見物。また、特殊部隊の大花火大会も圧巻で、いったん撃ち始めたら、薄暗かったジャングルが明るい大広間に大変身。二足歩行の巨大なカッパのデザインが『エイリアン』シリーズよりも質的に落ちるのは製作費の限界からしようがないことだろう。やはり、マクティアナン監督は、夜のシーンを撮らせるとうまいと思った。 6点(2002-12-31 07:09:20) |
20. コマンドー
敵兵、簡単に死に過ぎ。あまりにも安易な大量虐殺は、ほとんどギャグの領域であった。仁王立ちのシュワルツェネッガーに将棋倒しになって撃ち殺される様は、射的場の的以外の何物でもなく、説得力のないアクションシーンになってしまっている。まぁ、シュワルツェネッガーの肉体美を満喫する意味でこれほどの映画はないので、バカになって楽しめば退屈することもないだろう。 5点(2002-12-31 06:47:47) |