1. SOS北極.../赤いテント
孤独というものが、そくそくと伝わってくる厳しい映画でした。ラストのアムンゼンの言葉(実はノビレの心の声なのか?)に、眠って夢を見ようとするノビレの姿は、孤独以外の何物でもありませんでした。ところで、この監督の名前を聞くと『木枯し紋次郎』を思いだします。ほら『ミハイル・カラトーゾフ』『見返り峠の落日』、似てるでしょう。 10点(2002-12-21 19:06:54) |
2. タイタニック(1997)
かつての名作『SOSタイタニック』では、タイタニックを救いに駆けつけるカルパチア号が、あたかもヒーローのように描かれていた。この『タイタニック』では、架空のヒーロー・ヒロインが登場することによって、物語はより普遍的なものになった。しかし、ヒーローは2人はいらない。かくして、カルパチア号は、ただの船になってしまった。 10点(2002-12-21 18:28:03)(良:1票) |
3. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
dpさんが、『リーダーシップ論にもってこいの題材』と書かれておりますが、まさしくその通りです。中間管理職研修で、これと『仁義なき戦い』(第1作)を見せ、グループ討議をさせたい。(『させたい』って、自分も中間管理職ですが。) 8点(2002-12-17 22:45:46)(笑:1票) |
4. フェイス/オフ
顔を張り替えることなど簡単にできず、たとえ張り替えても、それで人間が入れ替われるわけはない。それを最も良く知っていたのは製作者だったろう。それを承知で、なおかつその一番わかりやすい方法で善悪を入れ替えてドラマを展開するのだっ、という哲学で押し通してしまった。そのツラの皮の厚さに感服。結果は極上のアクション映画だった。 10点(2002-12-17 22:34:25)(良:1票) |
5. 鉄塔 武蔵野線
一般性を与えるためでしょうけれど、原作にない家庭の問題をみたいなのを入れてしまったことが、つまらなくなった原因だと思います。昔の日活映画『高校大パニック』が、受験問題という夾雑物を入れたために、つまらなくなってしまったことを思い出しました。『激突!』のように、『それだけ』の映画にしたら、傑作になったと思います。 5点(2002-12-16 22:52:02) |
6. ムトゥ/踊るマハラジャ
美味しいんだけど、やたら油っこい料理を、次から次へと、食え食えと出されて、もう腹一杯、「どう、美味い?」「う、うん」「じゃもっと。」と出され、いやもう二度と食べたくない、というような気分です。確かに、ムトゥのキャラクターと、美人、踊りとカンフー、馬車の追跡の油炒めはナイスですが、茶漬けが食いたくなる映画ベスト1。 7点(2002-12-16 22:41:49) |
7. 48時間
『何でアメリカ人に生まれてこなかったんだ!と後悔する映画ベスト3』のひとつに入ります。なぜか本当に素直に「アメリカ人って、かっこいいな~。」って思えてしまう映画。ちなみにあとの2つとは、『サブウエイ・パニック』と、『コルベット・サマー』です。 10点(2002-12-16 22:34:03)(笑:1票) |
8. 人間の証明
原作ともども『砂の器』との類似性が指摘されることがありますが、ある一点で、決定的に異なっていると思います。それは、犯行再現シーンで、犯人に刺された被害者が、犯人に向かって放つ一言です。涙が出ました。初公開当時、『シティ・ロード』誌で、その年のワースト・ワンに上げられたりもした本作ですが、そんなにひどくありませんよ。 7点(2002-12-16 22:25:34)(良:1票) |
9. ウエスタン
この製作陣と出演者で『マディソン郡の橋』を見てみたいです。勿論、ブロンソンがカメラマン、カルディナーレが人妻、フォンダが寝取られ亭主。モリコーネの哀切きわまるメロディーに乗って、油っこく、果てしなく濃く描かれるレオーネ歌舞伎『マディソン郡の橋』。考えただけでお腹一杯です。 10点(2002-12-14 22:31:22)(笑:1票) |
10. 夜の大捜査線
「先生よゥ!」「元気でな。負けんなよな。」テレビの吹き替え版の方が、なぜか感動的でした。私が見た時は、シドニー・ポワチエが田中信夫、ロッド・スタイガーが内海賢二だったと思います。このラストシーンは、その後『パピヨン』『戦場のメリークリスマス』に脈々とつながってゆく歴史的ラストシーンですね。 8点(2002-12-14 22:20:33)(良:1票) |
11. ナバロンの嵐
ロバート・ショウ、エドワード・フォックス、ハリソン・フォード、フランコ・ネロ、リチャード・キール、バーバラ・バックといった奴らが出て、音楽がロン・グッドウィンのかっこいいマーチ、そして監督はガイ・ハミルトン。出来がどうのと言う前に、ここまで『らしい』ツラを揃えてくれれば、もう言うことありません。それだけで10点は甘い? 10点(2002-12-13 23:53:10)(笑:1票) |
12. スター・ウォーズ
初めてこれを見たのは22歳の時。ラストの戴冠式のシーンで泣きました。『あの戴冠式のシーンで、ジョージ・ルーカスは自分の少年時代に勲章を捧げていたに違いない』などと青臭いことを映画ノートに書きとめたことを覚えてます。しかし今、より一層それを強く感じて仕方ありません。ルーカスの少年時代への戴冠式だったのだと。 8点(2002-12-13 23:42:20)(良:1票) |
13. 犬神家の一族(1976)
ラストの金田一探偵と古館弁護士の、探偵料と領収書と心づけをやりとりするシーンで、なぜか涙が出ました。ここで金田一がスーパーヒーローとしての探偵でなく、職業としての探偵でありすなわち人間にほかならならず、職責にも忠実であり、しかも人間らしい心遣いも忘れていないということを見せてくれるからです。 10点(2002-12-13 23:32:44)(良:1票) |
14. 戦場のメリークリスマス
この有名なラストシーンにはは、『夜の大捜査線』や『パピヨン』と非常に似たものを感じます。苦楽をともにしたはずの二人の男が、わかりあえることは決してできないのだということをお互いわかりあって、別れとなる。いずれも泣けました。 9点(2002-12-13 23:09:00)(良:1票) |
15. レオン(1994)
これは『必殺』です。この映画こそあの初期必殺シリーズ各最終回の正統な後継者なのです。音を消して、必殺シリーズ・サントラCDを流しながら見ると、よくわかります。私なら、この映画は『必殺レオン/マンハッタン仕留人』と題して公開したでしょう。でもヒットはしなかったでしょうね。 8点(2002-12-13 23:03:01)(笑:1票) |