1. モダン・タイムス
機械文明への皮肉は、70年後の現代でも充分に説得力がある。この作品から「独裁者」「殺人狂時代」までの3本こそが、チャップリンを永遠の存在にしています。 8点(2003-07-13 00:31:56) |
2. スタア誕生(1937)
この作品は何度も作られているが、オリジナルの本作がベスト。阪妻がモノクロで走り回っている時代にアメリカ映画はカラーですから。戦争しても適わないわけだ。ハリウッドの30年代も良く分かるし、オスカーの再現も興味深い。業界暴露作品はこれと「サンセット大通り」「イブの総て」の3本で決まりでしょう。 8点(2003-07-13 00:25:09) |
3. 大いなる幻影(1937)
ジャン・ギャバン版「大脱走」。でもこちらの方がはるかに先なんですよね。シュトロハイム演じるドイツ将校が見事。この風格が映画全体を引き締めています。 8点(2003-07-13 00:18:39) |
4. 踊る大紐育(ニューヨーク)
「ニューヨーク、ニューヨーク~」のお馴染みのテーマソングが楽しい作品。ジーン・ケリーは相変わらず体育会系のダンスだし、ボーイミーツガールストーリーの王道も古きよき感じ。 6点(2003-07-09 23:25:32) |
5. 海は見ていた
キューブリック×スピルバーグのAIがダメだったように、黒澤×熊井もダメでした。才能×才能は同年代でないとうまくいかないようです。奥田や永瀬の良さも出ていないし、深川の風情も伝わってこないのが最大の欠点。黒澤脚本にキレがなかったのかも知れません。 5点(2003-07-09 23:20:45) |
6. 惑星ソラリス
重く難解な映画だが、DVD特典でナタリア・ボンダルチュクがとっても楽しそうに当時を振り返っているのを見て安心した(笑)。首都高速もまだまだ空いていた時代、でも飯倉の出口は今と変わっていなかった。中央環状線はトンネルが多いので、あんな使い方もできるんですね。 7点(2003-07-09 23:14:01)(良:1票) |
7. 西部戦線異状なし(1930)
エセ戦争映画が多きなかで、本作と「ビッグパレード」の2本は、出色の作品でしょう。1930年といえば、もうヒトラーのSSは組織化されていました。WWⅠを描いたとはいえ、よくこんな時代にこんな作品が、と思える出来です。みんなネイティブな英語を喋るドイツ人てのもヘンな感じでしたが、考えれば「ラストエンペラー」もそうだったし、小さなことです。「何百万人の人の死はムダだ」というセリフに対し、17年後にチャップリンが殺人狂時代で「100万人殺せば英雄だ」という逆説的な肯定(皮肉)をしているのも、この作品を見ていたからかもしれません。あまりに有名なリュー・エアーズと蝶のラストシーンも魂を揺さぶられる名シーンでしたね。 8点(2003-06-23 23:31:49) |
8. チャップリンの殺人狂時代
チャップリン激動の40年代を総括した名作。オーソン・ウェルズの名前をクレジットに入れているのも粋ですね。日本で515事件に遭遇し、「独裁者」を世に出し、WWⅡを経て、戦後は「アカ」と思われたころに製作しただけあり、「陰」のある独特なものになりました。敵は知らぬ間にナチスやファシズム、神道から、自分の故郷である英米に代わっていたんですね。批判というよりも、善悪50:50の世界観を素直に映画にしたのがチャップリンの世界だったのでしょう。この作品が事実上の「アガリ」で、そのあとの名作「ライムライト」は「街の灯」のころに戻った「映画作家」としての手腕でした。 8点(2003-06-22 23:41:39) |
9. 巴里のアメリカ人
ジーン・ケリーはマッスルなので、迫力ありますね。RKOのアステアとは正反対。それゆえに両雄並び立つことが可能だったのでしょう。 7点(2003-06-22 22:50:45) |
10. 黄金の七人
「娯楽映画」とはまさにこれ。目黒祐樹の「ルパン」なんてただの珍作でしょうが、こんなにオシャレに撮れるじゃないか、という見本でもあります。本当は見本のほうが古いんだけど。イタリアってのがまた良い。工事中の仕掛けも道路の真中でやってるし、あれはあれで見つかりそうなんだけど、面白いからいいや。これが日本だと道交法違反で先に通報されちゃいます。 6点(2003-06-22 22:25:26) |
11. 國民の創生
グリフィスは南部の出身なので、KKKを崇めた、とかいろいろ言われているが、本人はノンポリシーで作ったと後年語っています。この年は、デミル=雪洲の「チート」とこの作品が大当たりして、興収1500万ドルを上げました。これは大ヒットの「チート」のさらに5倍凄い数字で、今でいえば2億5000万ドルと、マトリックスもびっくりの数字だったんですね。 5点(2003-06-22 22:03:46) |
12. 紳士協定
ハリウッドはもともとユダヤ移民が作り上げたアメリカンドリームだから、その啓蒙活動みたいな1本。芸能に秀でていたユダヤ人と、「正論」派の新聞社とは水と油。WSAPのペックを使ってユダヤ人系の主張を映画にして、オスカーをさらったのは、啓蒙活動の「上がり」でした。同年の「殺人狂時代」と見比べるのも一興。 5点(2003-06-22 21:33:20)(良:1票) |
13. チート
早川雪洲はこのパラマウント作品により、ハリウッドのトップスターになった。日本人は同族の欧米での活躍に冷淡(野茂以降は少しマシになった)だが、1910年代の雪洲は、チャップリン、フェアバンクスと並ぶトップスターであったたことを忘れてはならない。ヒシュル鳥居という冷酷な日本人は、観客の度肝を抜き、当時としては破竹の全米興収300万㌦を挙げた。今でいえば5000万ドル級の大ヒットであり、劇場数の差を考えれば、みんな映画館へ行った、くらいの勢いだったのだろう。反日的だとして日本では公開できず、日英同盟を考慮してイギリスでも上映しなかったこの傑作は、しかし今日「永久に保存すべき映画」に指定され、デミルの初期傑作と認められている。映画好きならば絶対に見るべき作品。雪洲は「戦場にかける橋」の演技が最高なのではありません。80年前のこの作品がベストアクトです。 10点(2003-06-22 20:37:36) |
14. サンセット大通り
メルローズ通り沿いにあるパラマウントピクチャーズの小さい方の入口を「スワンソン・ゲート」といいますが、これは映画中のノーマ・デズモンドがデミルに会いにくぐった門なのですね。いま出てくる大きな門は、旧RKOスタジオ側になるため、この門がオリジナルといえます。シュトロハイムとスワンソン、デミルにキートンとすごい顔ぶれで、ワイルダーもかなり気を使ったのではないでしょうか。ホールデンなぞまだお子ちゃま扱いです。エリッヒ・フォン・シュトロハイムの凄さ、これこそこの映画の醍醐味でしょう。それにしてもよくこんな作品が撮れたもんですね。ハリウッドはこの作品を境に、顔ぶれも「戦後」になっていきました。文句なしの大傑作です。 10点(2003-06-22 20:10:01) |
15. 幸福の黄色いハンカチ
山田洋次作品では好きなほうです。でも「知床慕情」のような圧倒的名作を後に作ると、印象が薄れてしまう。夕張の知名度を上げたこと、国際映画祭の舞台になったきっかけだったことなど、高評価に間違いはありません。最後の武田と桃井のキスシーンは不要でした。健さんで終わらなきゃ。やっぱり。 5点(2003-03-23 23:54:52) |
16. ローズマリーの赤ちゃん
ダゴダハウスそのものが怖い。でも、悪魔というよりも新興宗教のノリに近い気もした。妄想かどうかの曖昧さも含めて、ねちっこい気味悪さが残る良作。 6点(2003-03-23 23:47:03) |
17. キャリー(1976)
キャリーは「ローズマリーの赤ちゃん」だったのでは?。NYからLAへ越してきて、母親はその能力に恐れながら子供を虐待する、なんてのも想像すると、さらに続編っぽい怖さになるんですけど。作品そのものはデパルマ印爆発で、大変結構でございます。 8点(2003-03-23 23:41:58) |
18. キッド(1921)
ガラスを割っていくところとか、チャップリンらしさ全開ですが、まだメッセージ性は薄い時代。ハリウッドのキングとして申し分ない出来です。このあと、チャップリンはヒトラーや機械文明、トーキーやアメリカ国家に対しても一矢を放っていきます。戦う映画人としても、右にでる俳優はいません。 8点(2003-03-09 23:28:26) |
19. 皆月
なんか、評価低いですね。みなさん。まあ、逃げた女房を追いかけていくだけの不条理映画なのかもしれないですが、北村一輝が相変わらずキレていてよいです。吉本多香美もNHKびっくりの演技ですし。邦画らしい邦画、といった趣でしょうか。 5点(2003-03-09 23:17:45) |
20. タワーリング・インフェルノ
渋谷のパンテオンだったかな、友達と見に行った。すごいお客の数、すごい迫力、もう忘れられない一本ですね。水浸しの最後も印象深し。 8点(2003-03-02 23:11:35) |