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《ネタバレ》 今までにない斬新ブラックユーモアコメディとは言うものの、リアルな映像だけに悪趣味なシーンがどうも鼻について笑えない。ただしストーリーは確かによい。アメリカ戦争史に例のない楽勝な戦争だけに扱ってみる価値のあるテーマで、金塊にしか興味のない兵士という設定はいいアイデアと思う。だが、アメリカ政策を皮肉るとは聞こえはいいが「ジョージブッシュは君を求めている」と、都合の言い言葉で丸め込もうとするその姿は「親の価値観に縛られたくない」と言いながら親の金で旅行に行った兵士が親の威光を振りかざす兵士が言っても迫力もない。兵士の首が吹き飛ぶ映像は戦場での話は捏造されやすいとでも言いたかったのかもしれないが台詞だけでも十分伝わるはず。中途半端にグロテスク、中途半端に民族に対して同情するふりが軽薄なハッピーエンドに結び付く結果となっている。これを見て湾岸戦争フリークを気取られたたまったもんじゃない。劣化ウラン弾で脳が溶けた赤ん坊も食べられなくなったトマトも知らないだろうし、ブルドーザーで砂漠の砂に生き埋めにされた兵士も描けないだろう。結局、想像力の乏しいティーンエイジャーにしか受けないサブカルチャー作品。現地で働いているNGO職員はこれを見て「痛快」とは言わないだろう。作品が悪いのではなくテーマを受け止められる視点をアメリカ人は持っていないと自分で表明しただけ。それは「正義と愛」によって9.11以降戦争をしかけるアメリカの姿に全て証明されている。
【フライ大尉】さん 3点(2003-07-12 17:59:41)(良:1票)
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