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冒頭の「We will rock you」が気持ちを盛り上げてくれ、ラストまで一気に楽しめるが、マイナス要素も多々あった。まずはキャスティング。ちょっとデニース・リチャーズに似ているシャニン・ソサモンは貴族の令嬢タイプの顔じゃない。どう見ても違和感がある。次に、ウィリアムが奉公に出る場面の描き方もまずかった。このシーンを見る限り、エクター卿は慕われそうな人物に見える。ところが、オープニングで卿が亡くなったシーンでは、ウィリアムを初めとする従者達は誰も悲しんでいない。それどころか、従者の1人は卿を「起きろ!」と連呼しながら蹴り上げている。ノリで勝負している映画だからこのシーンに問題はないと思うが、それならそれで卿の人物は伏せておくべきだった。身分がバレたウィリアムが「騎士としての誇り」を守るために逃げずに競技場に行くというのも、大きく矛盾している。彼は前に恥をしのんでジョスリンのために試合に負けているのだ。だが、自分の命が危ないというときにはジョスリンの願いを聞き入れず、誇りを守ろうとした。前述したシーンのために、ウィリアムの誇りは気まぐれに見えてしまった。最後に最大の欠点を1つ。ラストのシーンでは、それまでテンポを作ってきたコミカルさが両刃の剣となってしまっていることだ。こういう演出をしていると、ウィリアムは絶対死なないことがわかってしまう。これではあまり興奮できない。演出次第ではもっといい映画になったのに、ただの「単純に楽しめる映画」で終わってしまったのは非常に残念。
【T・O】さん 7点(2002-03-13 10:47:39)(良:1票)
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