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もの凄く緊迫感がある。観終わった後、ぐったりしてしまった程だ。でもこれ、実はたった1日の出来事。その中で、絶え間なくイーサン・ホーク演じる新米刑事に試練が降りかかり、こんなにも1日は長いのか、と思わされた。切れ目なくつくっているという点では、全く退屈させない映画である。ストーリーに面白みがあるわけではないのだが、とにかく濃い。賞レースを賑わせたキャストもとても良かった。中でも、この映画の1番のポイントはホークだと思う。アカデミー主演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントンも、単なる悪役ではなく、“カリスマ”のある悪役という難しい役どころを良く演じていたのだが、それでもワシントンはホークに喰われていた感がある。ホークは勤務初日の初々しさ、緊張感から精悍さまでを正義感溢れる演技で見事に体現していた。出演時間はホークの方が多いのにも拘らず、年功序列でワシントンが主演、ホークが助演ということにされたのだろうが、ホークの方がワシントンよりもアカデミー主演男優賞に相応しかったのではないだろうか。最後に、気になった点を一つ。ワシントンがどのように良い刑事から悪い刑事に変わっていったのか、という所がまるで分からないことだ。それどころか、かっては良い刑事だったという事実すら感じられず、昔の話と噛み合っていない。どこかに善の心が残っている部分―“狼になる前の心”を入れた方が、ワシントンが演じた刑事に奥行きを持たせられたのではないだろうか。
【T・O】さん 7点(2002-12-18 18:33:46)
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