Mr.インクレディブル の なるせたろう さんのクチコミ・感想

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Mr.インクレディブル の なるせたろう さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》 ■スーパーヒーロー(以下、超人と呼ぶ)とは、状況を瞬時に把握し、直ちに最善の解決策を導き出し、迷うことなく行動に移すことが出来る者である。そして何よりも人々を助けることに生き甲斐を感じる者たちである。冒頭数分間の主人公達の活躍がそれを私たち観客にはっきりと示してくれている。
■なのに、助けられる方はといえば、超人に完璧を求め、ちょっとしたミスをも許さない。他に誰がそれを出来るというのか?しかも、超人的な能力が備わっているとはいえ、それ以外は彼らも普通の人間と変わらないというのに。国家に庇護され、自らの能力と生き甲斐を封印されたまま目立たぬように日々を送る彼らの姿はとても淋しそうだ。主人公が、自室に飾ったかつての自分の輝かしい姿を記録した写真や新聞記事を見るときの表情にもそれが良く表されていたと思う(というより、“映画の夢”を封印され、好きでもない仕事に日々明け暮れる元映画狂の私自身にその姿を重ね合わせてしまったと正直告白しよう)。
■だが、一旦封印が解かれたとき、超人達は文字通り水を得た魚のように生き生きとし、その表情は光り輝いている。夫人が、飛行機の爆破から身を呈して子供たちを助けることが出来たのも、親が子に対する愛情以上に彼女もまた超人に他ならないからだ。さらに自動ドアに挟まれたあげくに敵に見つかってしまうという絶体絶命のピンチを、いともあっさりとくぐり抜けるその冷静沈着で鮮やかな身のこなしは、『リオ・ブラボー』のジョン・ウェインも形無しだ。
■そして、超人の資質は、親から子へと受け継がれる。歌舞伎や能・狂言などの日本の伝統文化が何百年にもわたって世襲されていくように、超人の子供たちもまた超人へと成長していく。だから、超人とは、なりたくてなれるものではなく、その資質を受け継いだ者だけが超人たりうるのだ。例えば、主人公の友人フロゾンがロボットに追い詰められ襲われそうになるダッシュを何くわぬ顔でスイスイーと助けに来るのも(正にクール!)、別にダッシュが友人の息子だからというだけではではなく、そうすることこそが超人の取るべき唯一の行動だと心得ているからに違いない。

■P.S. しかし、アメリカにもこんなにも魅力的な超人一家とその友人達が現れたんじゃあ、我ら日本が誇るカスカベの超人一家とその友人達も負けてはいられませんなあ。『クレしん』スタッフよ、次の一手はどうする?
なるせたろうさん [映画館(吹替)] 10点(2005-04-15 18:10:28)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
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