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ビリー・ワイルダーは優れたドラマ作家だとつくづく思う。本作も初見の際は、2転3転する展開に度肝を抜かれたものだ。しかし、2度3度観返していくと、なぜだか少しずつ飽きてくる。例えば、デートリッヒの「ストッキングが破けるのだけは我慢できない」というような台詞が出てくるが、それが台詞だけに終わっている。もし、本作の監督が、彼女主演で『天使』を撮ったルビッチや多くの主演作を残したスタンバーグならば、こんなおいしいシーンをいかに面白く観せるかに心を砕かずにはいられなかっただろう。隙のないストーリは却って見応えのある大胆な演出を阻害する。チャールズ・ロートン演ずる弁護士の台詞じゃないが、「あまりにも出来すぎている」のだ。たぶん。
【なるせたろう】さん 7点(2003-10-25 17:37:24)(良:1票)
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