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《ネタバレ》 たぶん、D・W・グリフィスこそが、人間の喜怒哀楽は、一片の微笑みによって現すことができることを私たちに教えてくれた最初の映画人であろう。故に、後世彼は「映画の父」と呼ばれることとなった。 ひとりの少女が、狂暴な父親によって虐待され、ついには死に至る。今でも新聞を連日賑わし、徒に繰り返される遣りきれない出来事が本作でも容赦なく描かれている。 少女を演じるのは、リリアン・ギッシュ。『東への道』『嵐の孤児』『スージーの真心』などグリフィスの代表作のヒロインを演じ続けてきた女優である。これらどの作品においても、ギッシュ嬢の素晴らしくも可憐な表情を捉えた美しいクローズ・アップにお目にかかることができる。 だが、問題は、「微笑み」である。ラストで見せる彼女のか細い2本の指で作り出されるあの微笑み。存在の、運命の哀しみに覆われながらも、死にゆく間際において、なお観る者に向けて、その哀しみから私たちを解き放とうとするかのようなやさしい微笑み。「どうか悲しまないでください。泣くよりも笑ってくださいね。」って、言われているようで、さ。おいらは、どうしたって、涙が止まらねえでやんの!
【なるせたろう】さん 10点(2003-06-20 23:21:31)(良:3票)
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