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ビビアン・リー演じる強烈なスカーレットは、最高に素晴らしい。ここまで強烈な輝きを持ったヒロインは他にいないような気がする。一言で言えば「うわぁ、嫌な女~」なのだが、あふれるエネルギーがそのまま空回りしているとしか思えない人生には、同情を覚えてしまう。何でそんな男に片思いし続けるのか原作を読んでみても分からないが、アシュレへの恋心はいじらしさを通り越して、狂気じみている。原作を読むと、彼女が母親や叔母たちから愛されず、成長期に包み込むような愛情を受けていないことが分かる。自分と正反対すぎる男に恋を妄想し、母性的な友人メラニーとの奇妙な友情関係を続け、本当に真剣に愛情を与えてくれる相手を愛することが出来ない。まさに心理学などでよく言われる「母親に愛されなかった娘」そのものである。そう考えると、スカーレットの行動一つ一つは痛々しい。男たちにちやほやされることで自分の存在意義を確認しているようなところとか。ただ、その痛々しさを上回る高慢さが、キャラとして強烈なのも確かなのだが・・・・・・。だが一方で、彼女はまた逆境や因習と闘うヒロインである。商才があり、自ら率先して働くことができる。行動力がある。アシュレの妹やスカーレットの妹たちが、自分では何にもしないくせに、スカーレットを非難するところなど、スカーレットと一緒になって怒りを覚えてしまう。それにしても、古いしきたりに正面から戦っていつも玉砕しているところがまた、アサハカというか、痛々しいので、私はこのスカーレット像はものすごく愛しい。理想の女性像のメラニーもいいが、やはり、何か傷ついたり理不尽な仕打ちにあったりしたときに思い出すのは、ビビアン・リーの大地に立って「私は飢えない。決して」と誓う姿だ。本当に、全編を通じて、映像が素晴らしい。ただし、原作の人物(たとえばスカーレットの息子)が一部削られているのが、原作ファンとしては複雑な気分。
【ルクレツィアの娘】さん 10点(2003-07-07 21:35:39)
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